ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった 生徒会長生存ルート   作:キラトマト

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約束

「ん、 何だ?」

 

 寝ようと思った矢先、突然電話がかかってきた。電話に表示された名前は、尊海神無。

 

「なんだよ、こんな時間に」

 

 そう思いながら、電話をとる。

 

「はい、ユウヤですけど。なんですか、こんな時間に」

 

「……」

 

「部長ですよね? 今どこで何してるんですか?」

 

「……言えない」

 

「言えないってなんですか。みんな心配してますよ。警察も探してますし」

 

「そんなわけないよ」

 

「何を言ってるんですか。現にあちこちで警察官見かけますよ?」

 

「そこじゃない。……私は心配なんてされてない」

 

「え────」

 

「陽佳も佐優理も、私の両親と同じだった。そうとわかっていれば、最初から仲良くしなかったのに……」

 

「あの汚らしい泥棒猫が……私のユウヤに近づくために愛想良くしていたなんて……」

 

 神無さんは何を言っているんだ? 佐優理さんは僕と陽佳を追い詰めようとしたんだぞ? 何が愛想良くだよ。

 

「部長、今どこにいるんですか? それだけでもいいので教えてください」

 

「ユウヤも気をつけて。……あの二人は信用出来ない」

 

「部長? ……部長っ! まだ話は終わっていな──ー」

 

僕が話している途中で、その電話は切られてしまった。

 

 

(クソっ今度は神無さんがおかしくなっちゃったのかよ!)

 

 まぁあの二人を信用出来ないってのは同意だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、会長」

 

「あら、また早いのね」

 

「会長に会いたくて」

 

「えっ///」

 

「冗談ですよ」

 

「なっ何よ! 別に本気になんかしてないわよ!」

 

「あははっ、誤魔化し方下手ですね」

 

「誤魔化してなんかないわよ」

 

「あっそうだ、昨日はありがとうね」

 

「えっ何がですか?」

 

「あなたが陽佳さんを止めていなかったら、多分あの子、飛び降りようとしてたと思うから」

 

 さすが会長、予測に外れがない。

 

「それと、陽佳は来るんですかね?」

 

「そんなの分からないわよ、昨日のことで傷ついてないといいのだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勉強でもしとくか」

 

「おーユウヤ、おはよう、勉強か?」

 

「まぁね」

 

「あのさ、聞きたいんだけど。昨日陽佳を怒らせたって本当か?」

 

「い、いや、ちげーし。あれは、陽佳が生徒会室でなんかあったらしいから、僕が落ち着かせただけだって」

 

「なーんだ、つまんねーの」

 

「つまんねってお前っ」

 

「冗談だってのw」

 

ダチと話しているとチャイムが鳴る。

 

「あっ授業だ。遅れんなよー」

 

「大丈夫だって、ユウヤ」

 

 

そして、授業が終わって十五分休憩になったので僕は教室の外へ出て上級生たちの会話に聞き耳を立てる。

「聞いたか? あの話」

 

「何だよそれ」

 

「はぁ? お前、知らねーのかよ。最近、巨大なぬいぐるみを着た霊が、深夜の校舎の中を徘徊する話」

 

「この学校で自殺した女子生徒の呪いってやつかよ。あれってどうせ、都市伝説みたいなもんで、ただのデマだろ?」

 

「それが、単純にデマって言いきれないから厄介なんだよ」

 

「どういうことだよ」

 

「それが、そのぬいぐるみが、いざえもんらしいんだよ」

 

「あっそれって、あの商店街でパフォーマンスしてたっていう……」

 

「でもそれと自殺した女子生徒になんの関係があるんだよ?」

 

「いや、それは分からないが、そんなに詳細な情報があるんだ。本当かもしれないだろ?」

 

 全部話してくれたな。ありがたい。正直先輩に話しかけるのは、少々気が引けるからな。

 

「あっ会長。もう話し合いはしましたか?」

 

「それなら、もう終わったわ」

 

「そうなんですか なにもトラブルがなくて良かったです」

 

「何よ、トラブルって」

 

「いえ、なんでもありません」

 

 良かった、だが、昨日一緒に帰った時に後ろにいた佐優理さんはなんだったのだろう。ただの気の所為だったのか? 

 

「今日も一緒に帰りません?」

 

「シッ・・・」

 

「ん、なんですか?」

 

「みんなの前でそんなこと言ったら、付き合ってるのか、って思われるじゃないの!」

 

「あ、そっか…… すみません」

 

「まぁ一緒に帰るのはいいけど……」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下駄箱を出て辺りを見渡してみるが会長が見当たらない。

 

「あれ、いない」

 

「優也くんっ」

 

 急に目が塞がれた

 

「だーれだ?」

 

「んー、会長ですか?」

 

「正解! よくわかったわね」

 

「いやー会長がこんなことするとは思ってなかったんですけど、声が会長だったんで、意外とお茶目なんですね」

 

「貴方にだけ──あっ///」

 

「何、言っちゃったって顔してるんですか。行きますよ 会長」

 

「そ、そうね、それと! 今日やったことは二人だけの秘密ね」

 

「あ、別にいいですけど……」

 

 

 

「どうせなら、和菓子屋行かない?」

 

「いいですよ、前来た時も美味しかったですし」

 

「んっ やっぱり美味しいですね!」

 

「そうね」

 

 僕たちは食べ終わったので、金を払う。

 

「前は会長がくれたんで、今日は僕がはらいますね」

 

「あ、ありがとうね」

 

 そして帰り道、僕は会長に感謝の言葉をかける。

 

「今日は、一緒に帰ってくれてありがとうございます」

 

「何よ、急に」

 

「僕は、会長と一緒にいられることが嬉しいんですよ」

 

「一緒にいられるって……そんな私がいなくなるみたいな言い方」

 

「いや、そんなつもりじゃないんですけど。まぁ会長がいるだけで幸せってことです。じゃ、さようなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっあれって……」

 

 昨日自殺した生徒の話を聞いたばかりだ。なんとタイムリーなのだろう。そう、中庭には、例の自殺した女子生徒の写真と花が置いてあったのだ。

 

「だれ? あんなところに花と……写真を置いたのは?」

 

 ざわめきは、校舎の中に瞬く間に広まった。

 

「今朝、あんなとこに花なんて置いてなかったよな? 一体誰が置いたんだよ……」

 

「あれってもしかして……」

 

「噂にあった、この学校で自殺した人なの?」

 

 誰なんだよ、悪趣味すぎだろ……

 

「こらぁ! みんな教室に戻りなさい! 授業が始まるわよ!」

 

 静香さんが生徒達を叱りつける。

 

「こんなことをしたのは誰!? 名乗りでなければ、生徒会が調査するわよ!」

 

 珍しく生徒たちに向かって厳しい表情を向けていた。

 

 しかし、誰も名乗り出るものはいなかった。

 

 静香さんの一喝で生徒は一斉に教室に戻っていった。

 

 生徒会のメンバーたちが、すぐさま中庭に下りて、花と遺影を片付けた。

 

 そして授業開始のチャイムが鳴った。

 

 午後になると、紫藤芽依子の存在は、ほぼ全校生徒に知れ渡った。

 

「でね、その紫藤さんが成仏できなくて、霊になってこの校舎を徘徊してるらしいのよ」

 

「違う違う。彼女が復讐する時に着た着ぐるみに霊が乗り移って深夜の校舎を徘徊してるんだって」

 

 バカバカしい。そう思い僕は教室を出る

 

「そんなタチの悪い冗談はやめなさい!」

 

 生徒会室の近くを通りかかった時、珍しく静香さんの荒らげた声が聞こえた。

 

「でも本当なんです……信じてください」

 

 佐優理さんか…… また嘘を吹き込んでいるんだろう。せっかくだから聞いてみることにするか……

 

「昨日も言ったけど、あなたの告発した件全て証拠が見つからないの、デタラメの可能性が高いわ」

 

 昨日、そんなこと言ったのか……本当、いい人だな。

 

「そんな……もっとよく調べてください それに、これは私が自分の目で確かめた話なんです」

 

「深夜の校舎にいざえもんが徘徊していたですって? そんなバカげた話、私が信じると思ったの?」

 

「間違いありません。私、この目で見たんです……きっとあの着ぐるみが香也子さんを殺したんです」

 

「そんなわけないでしょ? 目を覚ましなさい! 着ぐるみが勝手に動くと思う?」

 

「それに、あなたたちの作ったいざえもんは警察に証拠品として押収されたでしょう?」

 

「でも……本当にいたんです。血のついた刃物を持って、校舎を歩いているのを…… きっと中に人が入っていたんです」

 

「それじゃ一体誰が入っていたというのよ?」

 

「それは……」

 

 佐優理さんは、返事をためらった。

 

「中に入っていたのは、きっと……神無さんだと思います」

 

「いい加減になさい! またいい加減なことを言って、仲間を貶めるつもり?」

 

「違います。本当なんです。着ぐるみの中に入っていたのは、神無さんなんです」

 

「だったら、証拠を持ってきなさい。他人を人殺し扱いするなら、それなりの根拠がないといけないわ」

 

「しょ、証拠は……」

 

 佐優理さんは答えられなかった

 

「ねえ、佐優理さん。あなた事件が起きてから、何か変になってるわよ? あんなに仲が良かったのに貶めるようなことばかり言って……」

 

「私も最初はあなたを信じてしまったけど……優也くんや陽佳さんの話を聞くうちに、間違っているのは、あなたの方かと思ってきたの」

 

「そんな……私は間違っていません。ちゃんと調べてください」

 

「もちろん調査はするわよ?」

 

「ですが、調査の結果、無実だったら、あなたはどう詫びるつもりかしら?」

 

「そ、それは……」

 

「答えられないのかしら? いいわ。真実が判明するまで時間をあげるから、それまでに考えておきなさい?」

 

「分かりました……それで、神無さんの着ぐるみの件も調査してくれるんでしょうか?」

 

「いい加減にしなさい! あなたまだ言ってるの? 神無さんが人殺しだって……本気で思ってるの?」

 

「確証はありませんが、確かに見たんです」

 

「……」

 

「もういいです。生徒会にはもう頼りません。私が自分で真相を突き止めます!」

 

「あっ待ちなさい! 佐優理さん!」

 

 勢いよくドアが開かれた。

 

「うわっ」

 

 生徒会室から飛び出してきた佐優理さんとぶつかってしまった。

 

「いたた……ごめんなさい。あっ!?」

 

 佐優理さんはぶつかったのが僕だと気付いた瞬間、露骨に顔色を変えた。

 

「あ、佐優理さん……」

 

 佐優理さんは、僕の言葉を聞こうともせず、走って逃げた。

 

「優也くん……いつからそこにいたの?」

 

「すみません。声が聞こえたので、つい……」

 

「立ち聞きなんていけない人……と、言いたいところだけど、聞かれたならしょうがないわね」

 

 静香さんはため息をついた。

 

 疲れてるんだろうことが顔色から伺える。

 

「深夜の校舎を徘徊するいざえもんね……ここまで来るとまるで喜劇ね」

 

「でもなんでそんな嘘つくんでしょうか?」

 

「それは私が聞きたいぐらいよ。佐優理さんにもなにか事情があるんじゃないかしら」

 

「また、その辺は本人に聞いてみます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

「あっそうだ、会長 今日の夜、学校に行くんでしょ? 僕も連れてって下さいよ」

 

「な、なんでそれを!?」

 

「ま、そこはいいとしてついて行ってもいいんですか?」

 

「別に、どうせ何も無いだろうから、いいけど……」

 

「ありがとうございます!」

 

「じゃ、また今夜お会いしましょう」

 

「そうね、バイバイ」

 

 




なんとか一緒に夜に学校へ行く許可をもらったユウヤ。
だが、そこに待ち受けていたのは・・・!
次回ヤンデレ地獄 深夜の学校

新しいヤンデレ地獄、これの続きとして書くか(これとの繋がりはない)、新規に書き始めるか。

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