ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった 生徒会長生存ルート 作:キラトマト
「ふぅ、ちょっと早く来すぎたか」
そう。まだ約束の十分前なのだ。まぁ静香さんの事だから早く来てくれると思ったのだが……
──十分後──
約束の時間になったのだが、まだ来ない。静香さんの事だから遅刻することはないと思うのだが……
──三十分後──
絶対何かあった。そう思った僕はメールを送った。
『あの、もう約束の時間、だいぶ過ぎてるんですが、まだですか?』
しかし、いつまで経っても、返事どころか、既読すらつかない。
「あれ、これまた何かあったんじゃ────」
ドンッ!
「何だ!?」
外からでも聞こえる大きさの音が響いたて、ただ事じゃない。そう思った僕は、家の中に入ることにした。
ガチャ
鍵が空いていた。マメな静香さんのことだ。鍵をかけ忘れるなんてことはしないだろう。
「静香さーん! 静香さーん!」
ダンッ!
僕が名前を呼んだ瞬間、何かが慌てるように、素早く裏口から出ていく人影が見えた。
その逃げ出した奴を追いかけるよりも、今は静香さんの無事を確認しなければ。僕は逃げ出した人がいた方向へ向かう。
そこには両足を重点的に刺された静香さんがいた。だが傷の多さの割には、血の量は多くない。恐らく、命に別状はないだろう。僕はまず、先に警察に電話をした。
プルルルル
「こちら明神、応答せよ」
「刑事さん! 早く来てください!」
「少年! とにかく落ち着け、まず場所はどこだ?」
「えーと、住所は分からないんですが、九条家です。九条静香さんが、血塗れで倒れてるんです!」
「何だって!? すぐ向かう。くれぐれも、静香さんから離れないように」
「分かりました!」
ファンファンファンファン
「おーい、少年。どこだー」
「こっちです! 早く来てください!」
僕は返事をし、場所を伝える。
「お、おい! 大丈夫か!」
刑事さんが脈を確認する。
「命に問題は無いようだが……」
「そうですか! 良かったです!」
静香さんは、すぐさま、病院へと運ばれていった。
「では、何があったのか説明してもらおうかな?」
「はい。僕達は今日デートをする約束をしてたんです」
「僕達。というのは君と静香さんのことかな?」
「はい、そうです。それで待ち合わせ場所がこの家の前だったんで、僕は十分前に着きました」
「ほぅ……」
「で、約束の三十分後になっても来ないから、メールを送ったんです。それで、しばらく経っても返事どころか既読も来なかったんです」
「すると、外からでも聞こえる大きな音がしたんで、これは何かあったと思い、扉に手をかけたら、鍵がかかっていなかったんです」
「それで、中に入ったと?」
「はい、そうです。静香さんが鍵をかけ忘れるなんてことは考えられなかったので。で、僕が静香さんの名前を呼ぶと、誰かが裏口から出ていったんです」
「で、その逃げ出した誰かがいた場所に向かうと、静香さんがいたってわけです」
「恐らく、その逃げ出した誰かが犯人だろう。逃げ出した奴の特徴とか、あったりしたか?」
「うーんと、確か……」
僕は思い出そうとする。
「えっと、なんか走りなれていないという感じはしました」
「そうか、そして被害者の刺傷の浅さからするに、恐らく犯人はあまり運動をしていない」
「そして、刺傷の多さから推測するに、被害者に恨みがあった可能性が高い。何か心当たりは?」
そう言われて、ふとあの三人の顔が思い浮かぶ。そして、運動が不慣れなのは、おそらく一人だけだ。
「あの、多分違うと思うんですけど、尊海神無さんだと思います」
「その根拠は?」
「まず、静香さんを殺そうとする程憎んでいる人というのが、あの三人しか思いつきませんでした」
「三人とは、郷土研のことかな?」
「そうです。そして、陽佳は運動神経がいいから除外するとして、佐優理さんも親の方針でバレエやダンスを習っていました。そして、残ったのが、神無さんです。彼女は、自分でも言うほど運動が出来ませんでした。それが理由です」
「ほう、筋は通っているな。だが、君は友達を疑うのかい?」
「いや、そんなつもりは……」
「まぁいい。それと、一応第一発見者ということで、今から君の自宅も捜査させてもらう」
「別にいいですけど……」
「では、君は家の前で待っていてくれ」
「はい。分かりました」
──ー十分後──ー
「もういいぞ。少年」
ガチャ
「これは、どういうことかな?」
そう言って刑事さんは何か機会のようなものを差し出す。
「あの、これなんですか?」
「やはり知らなかったのか…… これは盗聴器だ」
そうだ! 忘れてた。これで、明日の予定がバレたってことか!?
「えっだっだれが!?」
「それはこっちが聞きたいくらいだよ」
「でも、どこに?」
「家中至る所にだ」
「じゃあ、今までのこと、全部聞かれてたってのか?」
「そういうことになるな。聞かれたらまずいことでも?」
「いえ、そういうんじゃなくて、今日の予定が聞かれてたって可能性もありますよね?」
「そうだ。だが、君は尊海神無さんが怪しいと言っていたよな?」
「だからですよ! 前に写真見せてくれたじゃないですか。神無さんの家の中。だから、こんなことをやっててもおかしくないかなって」
「そうか、ではこの盗聴器を鑑識にまわして、誰の指紋がついているか確認する必要があるな」
「ありがとうございます!」
「ちょっと待ってくれ。あれはなんだ?」
「あれ、ですか?」
僕は家の遠くに見える人影を携帯で撮ってズームする。
「こ、これは……!」
「失礼」
刑事さんはそう言って、僕の見ていた携帯を手に取る。
「あ、ちょっと」
「失礼だと言った」
「まさか、これって、尊海神無さんではないか?」
「はい、多分、そうです」
「しかも、ナイフをもって」
「これは怖いな。十分気をつけるんだ。少年」
「他人事ですか?」
「いや、違う 君を心配しての言葉だったんだが……」
「僕なら大丈夫です。むしろ、刑事さんの方が危ないんじゃないですか?」
「バカにしてもらっては困る。警察というもの、自分の身くらいは自分で守れる」
「そうですか。じゃあまた、鑑識結果が分かったら、教えてください」
「必ず教える。約束しよう」
「あっそれと、静香さんが入院してる病院教えて貰えませんか?」
「いいが、くれぐれも彼女を刺激しないようにな」
「分かってますよ」
「では、外も暗くなってきた頃だし、そろそろ帰るとしよう」
「はい、ではまた今度」
「明日はお見舞いだし、早く寝るか」
見舞いに行くことになった優也。果たして、優也は神無を止めることが出来るのか!? 次回ヤンデレ地獄 交錯する想い
新しいヤンデレ地獄、これの続きとして書くか(これとの繋がりはない)、新規に書き始めるか。
-
新規
-
続き