ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった 生徒会長生存ルート 作:キラトマト
「ふゎー」
まだ意識がはっきりしないが、これだけは覚えている。
「そうだ、静香さんが!」
僕は即座に家を出る。
「あら、どうしたの。そんなに急いで」
「静香さん!」
「ど、どうしたの!? 大きな声出して」
どうする? 静香さんの机にハサミが仕掛けられていることを言うか? いや、いっても僕が疑われるだけか。そうだ!
「あの、今日は静香さんの教室までついて行ってもいいですか?」
「誰もいなかったら良いけど、どうしたの?」
「いや、何か嫌な予感がして.」
「それって佐優理さんのこと?」
「はい。昨日、騒ぎがあった時、静香さんのクラスメイト沢山来てたでしょう? それでその間に何か仕掛けられてたらって思ったので」
「多分大丈夫だとは思うけど」
「一応ですよ。杞憂になればいいんですけど」
「まったく、あなたの私に対する心配は相当なものね笑」
「心配なんですよ。もし静香さんに何かあったら立ち直れない気がして……」
「まぁ、こんな所で立ち話もなんだし、早く学校に行きましょう」
「そうですね」
そして僕は学校に着くと静香さんと一緒に教室に行く。この光景が佐優理さんに見られていなければいいのだが。
「静香さんの机ってどこですか?」
「ああ、ここよ」
そう言って静香さんは前の机を指さす。
確か机に教科書を入れていたら、ハサミが飛び出したって言っていたよな。
僕は机の中を覗く。すると銀色に光る何かがあった。
「ありました、静香さん!」
「え、どうしたの?」
僕は机の中に手を入れ刃物を取り出す。
「ちょっなにやって──ー」
静香さんがそう言いかけたところで僕が取り出したものを見て言葉を失う。
「えっこのハサミって……」
「恐らく静香さんの予想通りでしょう。でもこれからどうします? 僕は先生に報告するのがいいと思いますけど」
「報告って、あなたはいいの? 言ったら佐優理さんが離れるかもしれないのよ?」
「いや、誰のハサミとかは言わなくてもいいですよ。ただ机の中にハサミが飛び出すように入っていた。そういえばいいんですよ」
「そういう事ね。」
「あら、気づかれましたか。」
後ろからかけられた声を聞き、僕はすぐに静香さんを庇う。
「ちょっ何をっ優也くん!」
「何をやっているんですか。また悪魔を庇うつもりですか?」
「もう僕たちを、放っておいてくれ!」
「ユウヤさんを放っておけるわけないでしょう?」
僕がこんなに語気を強めて言っているというのに彼女は何一つ動揺しないで言ってくる。
すると窓から見える景色にたくさんの生徒がやってくる光景が見えた。
「とにかく、そろそろみんな来るんだから、教室に戻りましょう。ユウヤさん」
そう言われ、女性の力とは思えない強い力で引っ張られていく。
「会長! これからは教室も気を付けて下さいね!」
そう会長に言うと僕の腕を掴んでいる力はよりいっそう増していく。
「もう、ユウヤさん。なんで机に入っているハサミをとったんですか、折角悪魔を殺すチャンスだったのに……あっそれと今日は、部室に来てくださいね? 来なかったら、分かってますよね?」
恐らく行かなかったら今度こそ静香さんを殺すつもりだろう。
だったら行くしかないじゃないか!
「わ、分かりました」
昼休みになっても、佐優理さんが現れることは無かった。
そうして一度も僕の前に姿を現さないまま放課後になった。
行かなきゃな……いや、その前に陽佳に注意喚起しとかないとな。
──────ーと陽佳との会話が終わり、僕は震える足を抑えながら部室に向かう。
「すぅ……」
深呼吸をし、呼吸を整え、部室のドアを開ける。
「いらっしゃい、ユウヤさん」
「……こんにちは、佐優理さん」
「私、ユウヤさんにお話があるんです。だから、こうして来てくださって嬉しいです」
何が嬉しいだよ。脅して来させたくせに。
「言わなくても分かるんですから、やっぱり気持ちが繋がっているんですね」
「僕からも話があります」
「あら、なんでしょう」
「佐優理さんの方からでいいですよ」
そう言ったのは別に優しくしたいといった感情では決してない
佐優理さんの話を聞いて、何か元に戻すためのヒントが見つかるのではないかと期待したからだ。
「では、お言葉に甘えさせてもらいますね」
「私からのお話は、ユウヤさん自身のことです。ユウヤさんは、そろそろ自分の価値を知らなければいけません」
「僕の価値……?」
「ここに遠い昔のことが書かれた書物があります。これを見れば、きっとユウヤさんも覚醒するはずです」
そうして、佐優理さんは一冊の本を見せる。いや、絵本と言った方が正しいか。
そして佐優理さんは、児童向けの本の内容を誇張したような戯言を言っていた。
「えっと……?」
本の内容は分かる。だがなぜ僕がその王子とやらになるんだろう。
「そして、あなたを守る騎士の生まれ変わりが、私です」
「騎士は王子に助けられて、生涯の忠誠を誓ったのですが、思い出しませんか?」
「な、なんですか? それ」
こりゃあ電波ってレベルじゃねえ。もう手遅れなんじゃないか?
「ユウヤさんのお話はどんなことですか?」
「ぼ、僕は佐優理さんに元に戻って欲しいだけで……」
「私は、昔からこうですよ?」
昔から、か.
「じゃあ生徒会長を殺そうとしたのも、佐優理さん自身の意思なんですね?」
「はい♪」
満面の笑みで頷く
「あの人は、ユウヤさんを誘惑していた悪魔です。だから排除しようとしたんですが、何故かあなたが邪魔をして」
そこに罪の意識はない。いや、佐優理さんの中では正義なんだろうな。
「でも、また1人、敵になってしまった人がいるんです。仲間だったはずなのに」
「仲間だったはずって.」
佐優理さんが仲間と思う人は限られる。恐らく郷土研のメンバーだろう。
「生徒会長を排除したあとは陽佳さんでしょうか……それとも、神無さん? ユウヤさんのために排除しておかないと」
「僕のためだって? ダメだ! そんなこと」
「悪魔に慈悲をかけてはいけません。全部無駄なんですから」
「でも、ユウヤさんは気にしなくてもいいですよ。悪魔との戦いは私がしますから」
「だから、早く目覚めてくださいね……?」
これ以上どうすればいいんだ……? こいつに
それに陽佳や部長さんも助けたい。
だけど、僕が助けようとすればそれは逆効果になるだろう。
目の前に佐優理さん。
僕の反応を待っている。
こういうタイプは話を聞かない。逃げよう
タッタッタッ
僕は逃げ出した。本当にこれで良かったのかは僕にも分からない。だがこれは現実だ。ゲームと違ってやり直しはきかない。
そして逃げた勢いのまま僕は家に帰った。
そして次の日、僕はまた早めに家を出た。
「あっ静香さん」
「またなの?」
「あんな事件があったんです。ボディーガードは僕に任せてください」
「頼もしいわね」
そして今日で3日目だ。あの日以来、佐優理さんは学校に来ていない。そしてひとつ進歩があった。そう、静香さんとメアドを交換したのだ! 最っ高だ! そして何故かいつもの刑事さんが来なかったら日があったので、代わりの刑事さんの電話番号も携帯に登録しておいた。
生徒会長と別れ、家に帰る。
「ふわ────」
身動きが取れない。どういうことだ?
そして目を開けると知らない場所が目の前に広がっていた。
突如として知らない場所に連れていかれた優也。
優也の未来は凶か吉どっちなのか!?
次回!ヤンデレ地獄 優也の行方 お楽しみに!
読んでくれてありがとうございます
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新しいヤンデレ地獄、これの続きとして書くか(これとの繋がりはない)、新規に書き始めるか。
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