ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった 生徒会長生存ルート 作:キラトマト
おいおいおい。手足が縛られてるじゃねーか。それに気づいた僕は何とかちぎれないかと力を入れてみるが拘束は解けない。「ガタガタ……」
隣の部屋から物音がする。恐らく佐優理さんだろう。ということは何かあった時のために監視しているって事だ。って事は物音を立てたらまずいな……
そんなことを考えていると、障子が勢いよく開く。
「優也くん!」
「えっ静香さん!?」
どういうことだ、何故静香さんがこの場所を知っている?
「何しに来たんですか、危ないですよ!」
「危険も何も、あなたを助けに来たのよ」
「なんで僕の場所知ってるんですか?」
僕は小声で問う。
「そりゃいきなり学校に来なくなったのよ。佐優理さんの関与を疑うでしょ。だから佐優理さんの家に来たのよ」
「じゃあその紐、切るわね」
そう言って静香さんは小型のナイフを取り出すと僕の手の紐を切ろうとする。
すると、静香さんの背後から、いざえもんが迫ってくる。
「危ない!」
「えっ」
慌てて静香さんは後ろを振り返るがもう遅い
ゴンッ!
何か石のような質量のある物を静香さんの頭部に当てたようだ。そして、頭に当たった衝撃で手に持ったナイフを落としてしまったようだ。そしてナイフは折れてしまった。それを僕は見逃さなかった。
そしていざえもんは静香さんをどこかへ運んでいく。その間に折れたナイフを手に取り、ズボンの中に入れる。そして帰ってきたいざえもんは、着ぐるみを脱ぐ。いざえもんの正体は佐優理さんだった。
帰ってきた佐優理さんは言う。
「あら、いけないと言ったではないですか。悪魔と話すのは」
「おい、会長は無事なのか!?」
「彼女はユウヤさんの覚醒のために必要なので、生かしてあげています」
「僕が覚醒したら、会長は助けてくれるのか!?」
「悪魔を生かしておく必要はありません。ユウヤさんが覚醒したなら、廃棄処分になりますね」
「なんてことっ.」
僕は静香さんをものとしか見ていない言動に絶句する。
「それに、悪魔に取り憑かれたあなたには浄化していただけなければなりません」
浄化? 僕に何をしようって言うんだ!
「ユウヤさん、今は分からないかもしれません。ですが、覚醒してしまえば、きっと分かります」
「意味が分からない! そもそも覚醒ってなんなんですか!」
「ふぅ……私の知らない間に、こんなに悪魔の影響を受けていたんですね」
「陽佳さんや神無さんもそう……私と同じ騎士でこそありませんが、ユウヤさんの味方だと思っていました」
「それなのに、まさか、悪魔の一員となってユウヤさんを私から引き離そうとしていたなんて……」
「あなたは勘違いしてるんだよ。それに僕は、皆と距離を取ろうとしたけど、それは別に陽佳たちのせいじゃない!」
「ああ、最初はあの生徒会長でしたね。そちらでうまくいかなかったから、陽佳さんたちを使うことにしたんでしょう?」
「いかにも悪魔が好みそうな手段です」
くっそー何を言っても通じない。佐優理さんの中では、確固たる悪魔の姿があるのだろう。
何もかも頭の中で完結してしまって、僕が何を言っても意味が無いようだ。
どうしたら、事態が好転するのだろう。それに、紐が切れたとしても、静香さんを見つけて、助け出さないといけないし。
そう考えていると、お腹がなる。
「あ、すみません。ご飯を持ってくるのを忘れていました」
「少し待っててくださいね」
まだだ。まだ逃げ出す時じゃない。少なくともこの生活のルーティーンが分からないと。
「お待たせしました♪」
佐優理さんは持っていたおにぎりを、僕の口元へ運んでくる。
「うっ……」
これにも、何か薬物が入っている可能性がある。
「……食べないんですか?」
不思議そうに首を傾げる
「あ、いえ……いただきます」
これで眠気が襲ってきたらこれからは食べないようにしよう。
「はい、どうぞ」
「むぐ、むぐ……ん……」
「ふふっ。おいしいですか?」
「え、ええまあ……」
正直美味しいが、今の状況でそんなこと言えない。
「慌てなくても大丈夫ですよ。次はお茶をどうぞ」
今度はコップを口元へ運んでくるが、これはさすがに無理があった。
「む、ぐぐ……げほっ!」
「次はストローを用意しますね。なにぶん不慣れなものですみません」
そういう問題じゃねえんだよ。
脱出するまでこんな食事が続くと思うと、それだけで気が滅入ってしまう。
「さて、食事は終わりましたしどうしましょうか。時間はありますが、逆に迷ってしまいますね」
「だったらもう僕は寝ますね」
そう言って僕は目を閉じる。だが意識を無くさないように佐優理さんが部屋から出ていくまで、目を閉じておく。
────五時間後────
「もう寝たみたいですし、私も寝ましょうか」
遅いんだよ! まあいい、障子が閉まる音もしたし本当に出ていったんだろう。目を開ける。
本当にいないことを確認した僕は、ズボンからナイフの破片を取り出す。
「こんなんで切れるのか?」
僕は疑問に思ったが、物は試しだ。やってみるしかない
ザクザクザク スパッ
なんだ、思っていたより簡単に外れたぞ。
そして足の紐を切った僕は、正面の障子ではなく、別の障子から出た。
「静香さんを探すか。」
「誰を探すって言いました?」
背後から聞こえたその声に驚いて即座に振り向く。
「静香さん!? 生きてたんですか!」
僕は歓喜の声を上げる。だが、静香さんの手を見ると、そんな気持ちは消え失せる
「どうしたんですか!? その手は!」
「その話は後にしてちょうだい! とにかく逃げるわよ!」
「あ、そうですね」
僕は出口が分からないので、静香さんに着いて行く。
すると、正面の入口についた。だが鍵がかかっているので抜け出せそうにない。
「どうします?」
「上から抜け出せそうと思ったんだけど」
「あっそれいいかも 僕はここに残るんで、静香さんは外に出て、助けを呼んでください」
「でも、それじゃ優也くんが!」
「大丈夫ですよ。佐優理さんは、僕には多分手を出さないんで」
「それに、静香さんが残ったら何されるか分からないでしょう?」
「そ、それは、そうね」
「でも、本当に大丈夫なのね? 何かあったら容赦しないわよ?」
「はい、大丈夫です」
そう話していると、後ろから佐優理さんが走ってくる。
「さあ、早く、静香さん!」
そう言って静香さんを扉の上へと登らせる。
「何をやってるんですか!? ユウヤさん! 悪魔を逃がすなんて」
「逃がすも何も、僕は助けただけです」
タッタッタッ
「本当に大丈夫なのかしら 優也くん」
「とにかく、助けを呼ばないと!」
ガラガラー
「あの! すみません! 行方不明の如月優也さんですが!」
「ああ、その子がどうかしたのかね?」
少々若めの刑事さんがやってくる。
「いました!」
「どこにいたんだね?」
「それが、宮主家の中で手を縛られて……それに、私も!」
そう言って手を見せる
「こ、これは……」
刑事さんは無線で連絡を取る。
「大変だ。宮主家に行方不明の如月優也が囚われているという情報が入った。至急、応援を求む」
「応援が来るまで、待つんですか?」
「当たり前だ。一人で入って襲われたら大変だからな」
「そうですか……分かりました」
「おい、どういうつもりだ! ここから出せ!」
僕は地下の個室に閉じ込められていた。
これじゃあ警察が来ても見つからないんじゃないのか?
まぁいい。佐優理さんが近くにいないというだけで、
こんなに安心感があるなんてな。
「ちょっ何するんですか! 離してください!」
遠くで佐優理さんの声が聞こえる。
警察が来たのか!? そう思い、僕は大声で助けを求める。
「助けてくださーい!」
「ん? なにか声がしたぞ?」
「人質かもしれん。行くぞ!」
「了解」
タッタッタッ
「おいおいどうなってんだよ、この家。」
「手分けして探すぞ!」
「おーい! ここでーす!」
僕は大声で叫び続ける。
「おーい、大丈夫か!?」
この人は……誰だ? まぁいい
「早くここから出してください!」
「まぁ待て、少年」
そう言って刑事さんは無線で連絡する。
「こちらハヤト巡査。人質を発見した。扉には鍵がかかっており、一人では開きそうにない、応援を求む!」
「明神のやつ、やるなー!」
「確か、あいつこっちから行ったよな……」
「あっいた!」
「この扉か?」
「そうだ」
「簡単に開きそうだが?」
「試してみたらどうだ?」
「グゥウウウッ」
「本当だ。これじゃあお前が開けられないのも納得だな」
「よし、ハヤト、開けるぞ! せーの!」
バタンッ
「ありがとうございます!」
「いやいや、これが仕事だから」
かっこいいなぁ警察って
「よし、脱出するぞ、少年!」
「は、はい!」
タッタッタッ
「静香さん!」
「優也くん! も──死んだんじゃないかって思ったんだからー うわぁ──ん」
「まぁま、そんな泣かなくても」
「泣くわよ! 好きな人が死んじゃうかもしれないのに!」
え、す、好きな人──ー!? ど、どういうことだ? 脳が追いつかない。
「え、し、静香さん? 僕のこと好きなんですか?」
「当たり前じゃない! 二度も言わせないでよ!」
「あ、あの 僕も好きなんですけど……」
そういうと静香さんは顔を真っ赤にしてこう答えた
「そ、そうなのね べ、別にう、嬉しくなんか、ないんだからぁー」
「ん、んん」
「あ、すみません。刑事さん」
「話は彼女から聞かせてもらった。大変だったな。少年」
「それより! 佐優理さんはどうなるんですか!?」
「それは裁判をしてみないと分からないが 重罪になることはないだろうな」
「そうですか」
良かった.別に佐優理さんも悪い人って訳じゃないからな。
「それと! 今日は家に帰ってもいいですか?」
「いや、まだ事情聴取が.」
「せめて今日ぐらいはゆっくりさせてあげた方がいいんじゃない? 巡査」
「それもそうだな」
「よし、少年。帰ってもいいぞ!」
「あ、ありがとうございます!」
「ふわー。本当、今日は大変な一日だったな」
そう言って僕は布団に入る。
佐優理ルートでのifEND終わりました。
次は尊海神無ルートでの生徒会長生存を予定しております。
読んでくれてありがとうございます。
感想や意見、誤字脱字などがあればどんどん書いてください!
新しいヤンデレ地獄、これの続きとして書くか(これとの繋がりはない)、新規に書き始めるか。
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