幼女、麦わら海賊団と共に行く   作:犬吾郎

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幼女、リトルガーデンに辿り着く

朝になり、良い天候に恵まれた一味はリトルガーデンへ向けて進路を進めていた。

 

「あっ、また風が止まった」

 

しかし、流石は偉大なる航路(グランドライン)。そう簡単には進ませてくれる筈が無く、時折風が吹かなくなったりして船が思うように進まない。

 

「リトルガーデンへ向けてまっしぐらって行きたいのに…また一時休止だわ」

 

ビビはメリー号の帆を見上げて顔を曇らせる。故郷が心配でならない様だ。

 

「こうしてる間にも…時間が…」

「焦らないで。一刻も早くアラバスタに行かなきゃならないのは、分かってるけど…」

 

ナミとビビが重苦しい空気を出している中、

 

「よーし、釣りするぞ釣り〜!」

「クワッ!」

「おい誰か餌知らねえか?」

「餌?あぁそれ俺食ったぞ。うまかった」

「いや食うなよ⁉︎」

「どうすんだよ餌食っちまって!魚取れねえぞ!」

「…コイツ」

「おう、いけるな」

「クエッ⁈」

「「捕まえろー!」」

「うるせぇぞてめーら!ぶん殴るぞ!」

 

一味の船長を筆頭としたバカ共は本日もやかましく元気であった。

 

「アンタ達の場合……少しは、焦らんかぁぁ!!」

 

ナミが手摺りを叩いて叫ぶ。

 

「何だよお前そんなに」

「怒ってるナミさんも素敵だぁ」

 

はぁ…とナミは溜息をついた。焦りは禁物という言葉があるが焦りが無さすぎるのも考えものだ。

 

ギィィィ…

 

「ヴァルおはよう、よく眠れた?」

「おはようヴァル」

「コクッ」

 

ナミとビビから挨拶を貰ったヴァルは動作で返す。ヴァルはウイスキーピークで眠らず船番をしたこととミス・オールサンデーの登場でかなりの時間一睡もしていなかった。流石の野生児のヴァルでさえも不眠から来る睡魔に勝てず、今の今まで女子部屋でタオルケットに包まり眠っていた。

 

「おーい!島見えたぞ〜!しーま、しーま♪」

 

全員が船首の方にいるルフィを見る。ルフィのその先、まだ着くまで時間がかかるであろう木々で生い茂った無人島があった。ナミは記録指針(ログポース)と島を見比べながら確信した。

 

「間違いない、磁気が引き合ってる。あの女が言う通りなら…あの島がリトルガーデンよ」

 

 

 

 

 

 

 

リトルガーデンを見つけたから暫く経ち、メリー号を島の陸地近くまで接近させた。

 

「ここがリトルガーデンかぁ」

「どのへんがリトルなんだ?」

「そんな可愛らしい場所には見えないけど」

 

遠くから見た時は分からなかったが、木の一本一本がメリー号の十隻分は超える高さだった。島の名前はリトルでも、実際は訪れたこちらの方がリトルの様な気がしてならない。

 

「でも気をつけないと。ミス・オールサンデーの言ったことが気になるわ」

『でも何よりの不運は、貴方達の記録指針(ログポース)が示す進路。次の島の名は…リトルガーデン』

『貴方達は私達が手を下さなくても、アラバスタに辿り着けず、全滅するわ』

 

みんなの脳裏にミス・オールサンデーの言葉が浮かび上がる。ウソップは恐怖のあまり震えていた。

 

「なぁ!上陸せずに次の目的地まで向かおうぜ⁈な⁈」

「でもすぐにログは貯まらないわ」

「それにそろそろ食糧も尽きちまうしな。この前の町じゃ何も蓄えてねぇ」

 

毎度恒例ウソップの主張は一味に届かなかった。不憫に思ったヴァルに背中を叩かれて慰められたウソップの目尻は日差しのせいか光って見えた。

 

「おい、あそこに河口が見えるぞ!」

「本当⁈」

 

ゾロが指を刺した先には海と川が合流する河口があった。河口から先は島の中の川へと続いている。

 

河口から川に入ると木々で日差しが遮られて少し辺りが暗くなった。不気味な雰囲気が漂っている。

ヴァルはメリー号から陸地に生えている草木を見ていた。ヴァルが住んでいた無人島では見たことも無いものがわんさか生えている。また、元いた無人島と打って変わり少し気温が暑く感じる。加えて生き物の匂いや鳴き声が特に特徴的だった。どこかそこら辺にいる生き物とは違うような気がしてならない。新しいことが多すぎてたまらなくなった。

 

オギャーーー!!ギィィィヤーーー!!

 

「キャア!!」

 

ナミが鳴き声に驚いた。それを見たサンジが鼻の下を伸ばす。

 

「かっわいぃ♡」

 

ウソップがサンジの声に反応して少女漫画のように加工したキラキラおめめを向けた。

 

「ん?俺か?」

「オメーじゃねーよ!ナミさんに決まってんだろ!」

 

グルルル…

 

陸地から唸り声が聴こえてきて茂みの中からトラが現れた。トラが現れるのはいいのだが、肝心の大きさが通常よりも大き過ぎた。メリー号の5分の1にも迫る大きさだった。大きさよりも、ヴァルはトラが全身血塗れで瀕死の状態なことが1番気になった。トラは捕食目的でこっちを狙っていると思われているが、ヴァルはトラが生き残りたい一心でこっちを警戒している意識を感じ取った。段々と脚の力が抜けていき、突如目の前で血を吐きながら息倒れた。怪我に耐え切れなかったようだ。

 

ナミは記録指針(ログポース)が貯まることも関係無しにこの島が危険過ぎると理解した。

 

「なんで…なんで…、なんでジャングルの王者のトラが!血塗れで倒れるの⁈この島ヤバいわ。みんなさっさとこの島出「ニヒヒヒヒ!サンジ弁当、冒険の匂いがする!」ちょ、ちょっと待ってよ!どこ行くつもり⁈」

「冒険!一緒に来るか?」

 

ルフィは島を探検する気満々だった。ナミはこの島に暫く滞在することが確定して進路を誤ったと後悔した。

 

 

 

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