新しい、殺人鬼…?   作:さや

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ナイトメアさんは、狩人と出会う度にランサーばりに狩られます。
狩人が一回介錯されて周回を始めれば戻って来るヨ!今は漁村の井戸の中に居ます。


第4話

 キラーの待機場所の隅っこの方で、なにやら変な空気が漂っている。

 

「なぁにこれ。遠距離からモツ抜きするの? 発想が馬鹿(天才)じゃん? これ考えた奴マジで馬鹿じゃん。んふふふふふ」

 

 最初に目撃された上から下まで陰気臭く古臭い、真っ黒な出で立ちでデススリンガーの武器をがちょががちょとあちこち弄りながら、変に噛み殺した笑声を立てている。

 

「おいおいおい、なんだよこの後隙も前隙もがばがばな武器は! 何食ってたらこんな変態武器実用化すんだよ。んふふふふふ」

 

 因みに当のデススリンガーは狩人の持ち込んだパイルハンマーをがしょんがしょんと変形させて遊んでいた。

 その少し離れた横でデモゴンちゃんにお座りとお手を躾けていたハントレスは、男の子の好きな玩具はやっぱり違うんだなーと呑気に考えていた。

 そしてどんな生き物で斧で頭カチ割れば死ぬのにとも思った。

 

 うふふふふ……とおっさんと年齢不詳の黒い奴が気色笑いと共に、工房道具を動かしてる。

 ここ最近狩人の存在に諦観を示し始めた一部のキラーが、妙に仲良くなっておりその他のキラーへ胃痛が分乗してきて更なる負荷を生み出していた。

 

「ねえ、見て」

 

 そんな周囲へストレスを振り分ける事により、己の苦痛を振り払ったデススリンガーと、諸悪の根源狩人のもとへヒルビリーは元気に駈け込んで来た。

 

 その手にはいつものハンマーとチェーンソー……ではない。

 チェーンソーには違い無いのだが、何故かそれが並列に六基並べられており凄まじい騒音と共に火花を散らしまくっているというアホな物体だ。何処をどうとってもアホでしかない。

 そんなアホの極致の様な物体を、何とか両手で支えた彼を見て、武器を弄って居た二人は一瞬静止する。

 

「「なんだそのクソ程に(最高)頭オカシイ(浪漫)武器は!」」

 

 おっさんと不審者は大爆笑でご機嫌だったし、これでもかと言う称賛の声を浴びたヒルビリーは若干危なっかしい足取りで、そのまま儀式に行こうとした。

 

 が、結局ナースに止められ残念そうにしながらいつも通りに儀式に出て行ったし、おっさんとロクでもない発想を吹き込んだ不審者はしばかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、狩人が再び『介錯』とやらを求めてキラーの待機場所へ狩人が不法侵入を果たしてから暫く経ち分かった事がある。

 

 まず狩人は死なない。死ぬけど死なない。死ぬと何処か一定の場所まで送り返されるようで、そこからまたテクテクと歩いて戻って来やがる。

 そしてキラーでもサバイバーでも無いらしい。

 キラーばりの殺戮と血の臭いと殺意を纏っている癖に、サバイバーばりに生きる事を諦めない。ついでに自身を殺人鬼だとは絶対に認めない。

 

「俺が狩るのは獣と上位者と蟲の湧いた糞共と獣と変わらない血に飲まれた連中と、頭オカシイ医療者共と敵対した狩人だけだ」

 

 狩る対象多すぎないか?

 

「あと何か血の遺志とか穢とか素材とかちあきら持ってる奴も殺す」

 

 最早生きとし生けるもの狩るのではないか? そうは思っても周囲皆殺人者なので何も言わなかった。

 つまるところ、己の我欲で殺すキラーは『獣』で敵対して来ないサバイバーは上記のどれにも当てはまらないので、狩る対象ではないのだそうだ。

 

 おう、シャルロットお姉ちゃんの前でヴィクトルの目を見てもっぺん言ってみろや。あいつら結構凶暴だぞ。

 

 などと言う事を言っても、要は狩人の気分だ。

 話を聞くにこいつ、何となくで友人を殺すし、協力者であれば以前自分を殺した相手とでも共闘するのだそうだ。

 よし、殺そう。という気分の時に殺しあうのだそうだ。これは頭オカシイ。というか、話しぶりではこいつみたいな狩人がわんさかと存在するのだが……。

 寒気を覚える。

 

 ちょっと想像してみた。

 ある夜儀式に参加すると、サバイバー四人が全て"狩人"に成っている……。

 

 ……悍ましい光景に皆ちょっと具合が悪くなった。

 

 そしてどうか、そんな事が起きません様にと祈った。

 身勝手な殺人者が祈るだなんて馬鹿らしい、とも思ったので取り敢えずエンティティ(クソ上司)に念でも送っておこう。

 

 

 

 

 

 

 シェリル・メイソンは一つ、気になって気になって仕方ない事があった。

 それは今ひっそり潜んだ物陰の前方、かなり離れた位置だが自分達を追い回していた筈の殺人鬼が何かと掴み合っている姿だ。

 それが気になって気になって、仕方がない。

 

 なにせ、その掴み合ってる、もっと正確に言えば絡みついて居るのが蒼くぬらぬらと滑る触手なのだ。正直どういう状況かさっぱり分からない。

 何がどうしてキラーが触手と戯れる事態になっているのだ? そういう趣味?

 

 先ほどまではパニックホラーだったのに、いつの間にかコズミック的なナニカかゲテモノAVにでもなったのだろうか。

 

 ぽよよ。

 

 宇宙を背景に驚愕の表情の猫に類似する顔をしていたシェリルの腕に何か、ひやりとして妙な弾力を持ったものが触れる。

 

 一瞬びくりと肩を跳ねさせながらも、そろりと振り返ると、青っぽいナニカが居た。ぽよぽよとしながら、人型に近い。ただ頭部は大きく、手足は長い。左右で指の本数も違う。

 ぽよよ、とたゆたゆような鳴き声? を発する。

 

「えっと……、父さんの友達? とはなんか違うわよね」

 

 自分でも驚いた事に、シェリルはソレを見ても動揺はなく、普通に話しかけていた。

 そして自身のその言葉が耳に届いて、一つの疑問が浮かぶ。

 

 何故私はこんな所に居るのだ? 今から帰ると連絡してからどれくらいたっだろう。早く帰らなくては。きっと父も心配しているし、家族が揃わなければ夕食も始まらない。鬱気味バツイチ居候ジェイムスさんは、もう犬の散歩を済ませただろうか。

 そんな事を考えて居たら、より帰らなければという思いが強くなった。

 

 少し悩んでから、父さんの友達にどことなく似ている青ぽよの手を引いて歩き出す。何だか遠くの空に強烈な明りが明滅している気がした。

 

 




ヘザービーム乱射させよか迷った
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