サイタマの育った村が襲撃されたってことは育て親同然の人も死んでる可能性あるんですよね。許せねぇよなぁ?
でもサイタマは更生の余地がある人は殺さないのであしからず…………
「へー、よく分らんがとにかくすごい
「ふむ、モンスターを積極的に倒すのではなく鍛えて強くなるか…………なるほど、基礎能力の向上か?いやはや興味が尽きんな」
偉大なる
なにせサイタマは辺境に住む村人と同じ知識量しかないためアインズの
当然、話を切り上げるほかなかった。
ちなみにアインズの偉大さを話す際は隣に従者として立っていた鎧姿のアルベド(一応アインズがサイタマに名前を教えた)が物凄い剣幕で語っていた。
しかしサイタマにとってはユグドラシルの話ばかりで知らない世界のことなので何一つ理解できていなかった。
サイタマの表情からつまらんということを察したアインズが話を切り上げなければもっと続いただろう。
実際、お互いの底知れぬ強さはどちらも見抜くことはなかった。
そのころ、ガゼフ・ストロノーフが襲撃者がいたはずの村を転々とし、カルネ村に到着した。
ガゼフはカルネ村が無傷ではないが全滅していないことに違和感を感じたが、村人の話でデスナイトを従える
ここ最近では帝国との戦争で若い男が徴兵されているため全滅は覚悟していたが、生き残りがいるということで安心した。
そして、村人らを生き残された
「どうも、私がアインズ・ウール・ゴウンだ」
「私はガゼフ・ストロノーフ。村を救っていただき感謝する」
「いえいえ、全て事の成り行きですよ」
少ない会話ではあるがガゼフの礼儀正しさに交換を覚える一方、ガゼフのレベルは30程度と王国最強格と聞いていたアインズはまた少しがっかりしていた。
ふと、その時にサイタマのステータスをのぞき見していなかったことを思い出したが、この後に起こる
「ふむ、確かに帝国が露骨に証拠を残すはずがない。となるとやはり法国…………」
「間違いなく私を始末したいのだろう。済まない、このようなことに巻き込んでしまって」
「まさかとは思いますが、このまま放置するおつもりで?」
「…………これは我々王国の問題だ。申し訳ないが決着は我々でつけさせてもらう」
物語に出てくるような武人にアインズは心打たれた。そして彼が間違いなく負けるであろう戦場に向かおうとすることも即座に理解した。
だから少し手助けをしたいと、考えていた時だった。
「すいませんアインズ様!サイタマを見かけませんでしたか?」
「む?」
「サイタマ、というのはここの村人か?」
「はい、襲われた後に帰ってきたばっかりだったんですけど見当たらなくて」
言われてみればアインズが外に出てきてから一回も目立つ禿げ頭を見かけていない。
あの毛髪が一本もない頭は訓練の賜物と言っていたが、実際にああなるのはスキルか何かの反動ではないのかと訝しんだのはご愛嬌というものだ。
しかしサイタマが見当たらないとなったら一体どこに行ったのか。
こっそり使い魔を召喚し偵察に出したアインズは、興味深いものを見た。
「おい、お前らが村を襲った奴の仲間か?」
ニグンは困惑した。陽光聖典としてガゼフ暗殺の指名を受けており、ガゼフをおびき出すことに成功した矢先に冒険者らしい青年に見つかってしまった。
様々な村を襲撃して時間はそこまで経っていないが、もしかしたら襲った村が故郷でちょうど帰ってきたばかりの不幸な冒険者だったのかもしれない。
『不幸なことに』、目撃者が居ては今回の作戦は失敗となる。そのため目の前に立つ冒険者を…………
目の前の青年は皮鎧どころか布の服で腰に剣すら刺していない、どう見てもそこら辺にいそうな村人ハゲに見えてきた。
「だとしたらどうした。今からお前はここで死ぬのだ」
「話きかねー奴らだな。なんでやったかどうか聞いてんのに殺す選択肢が出てくるんだよ」
「説明せねばわからんとは、無理もないか」
やれと言わんばかりに部下に視線だけで合図を送る。
意図を汲んだ部下が剣を抜きサイタマを切り捨てんと襲い掛かってくる。
見た目通り弱そうであれば剣を一度振るうだけで終わるはずだった、少なくともこの場にいる陽光聖典のメンバーは。
バゴンッ!
その考えはサイタマに通用しない。
「…………は?」
たった一回、拳を振るっただけで剣を振ったはずの者がニグンらよりもはるか後まで飛んで行った。
振り返って倒れた者を見てもピクリとも動かない。
「お前ら…………覚悟できてるんだろうな」
静かな怒りというのはこういうことを指すのだろう。表情はなく、声に抑揚もない、しかし声にはドスが効いていて不気味さを醸し出している。
サイタマは敵対する者に対して容赦はなかった。今までも魔物だけでなく盗賊など誰にも知られない悪党に分類する類の人種を一撃で叩きのめしたことだってあった。
それ以前に、今まで育ててくれた親代わりの近隣住民を殺されて怒らないなどもってのほかだった。
「うっ、ぜ、全員構えろ!詠唱の準備だ!」
ニグンの号令で我に返った者たちが魔法を発動するための詠唱を唱えようとする。
もしかしたら目の前にいる男は怪物なのかもしれないという恐怖を頭の片隅に背負い、詠唱してもその恐怖が晴れることはなかった。
最も、その祈りが届く前に意識が飛んで行ったことに気づくことすらできなかった。
「う、うわあああ!」
「なんだこいつ、はや、あべっ!?
「一体我らは、何を敵に回したのだ?」
ガゼフを抹殺するために集まった精鋭たちが拳一つで蹂躙されていく。
まるでドラゴンに出会ってしまったような、運命であるかの如く一撃で葬られていく。
「くっ、こうなればアレを使うしかない!皆、時間を稼げ!」
もはや全員が決死の勢いでニグンが持つ魔封じの水晶に賭けるしかなかった。
サイタマの強さは彼らが知る中で最上位に位置するモノと確信した。
ならばかつて魔神を葬った天使を召喚するほかない。ニグンはそう確信して、部下を捨て駒同然として召喚の準備を行う。
部下は魔法にて天使を呼び出しサイタマに対抗しようとした。
だが第三位階魔法で召喚した天使如きでは快進撃は止められることはできない、しかし注意を逸らし時間稼ぎはできた。
「見るがいい、最高天使の尊き姿を!」
水晶が砕けて神々しい光と共に
あたり一面を天使が発する光で照らし、文字通り現地では神の使者と言わんばかりの威光を放っていた。
「ふ、ふはははは!この最高位天使さえいれば貴様如きー」
「うお、まぶしっ」
その一言のうちに目に止まらぬ速さで前方に跳躍し拳を前に出した、それだけの動作を一瞬で行なった。
それだけのはずなのに、振り向いたニグンの目に映ったのは半身が吹き飛んだ
吹き飛んだ上半身がなくなったことで下半身も光る粒子となって空気に溶けていく様が天使が敗れたという証明になっていた。
「ば、馬鹿な…………こんなことが…………」
魔とはいえ神とついたものを倒した天使を瞬殺したという事実を受け入れられず膝をついてしまう。
切り札を失った隊長が折れてしまったとなれば部下も心折れるというもの。
逃げ出すものもいれば全て諦めて同じように膝をつく者もいた。
だがサイタマは許さない。倒すことを諦めてしまったニグンに近づいていく。
「ひっ!?た、頼む!金なら幾らでも渡す!だから」
「うるせえ、そんなことより死んだ奴らに詫びろ!」
ゴッ、という殴られた音が聞こえる前にニグンの意識は途切れた。
「ほう…………やはりというか、サイタマ君は『特別』らしい」
村人総出、とは行かなかったものの少なくはない人数をサイタマ捜索に当ててる中、アインズはポツリと呟いた。
「皆さん、私の使い魔で様子を見たのですがサイタマ君は無事です」
とはいえ、このままだと話が進まないためサイタマを見つけたことを報告する。
「ああ、問題はありませんよ。戦士長殿、どうやら全て終わったようです」
「なんだって、いや、それは…………」
「あの方角にサイタマ君が気絶させた者どもがいます。手間が省けましたね」
ざわつく戦士達をよそにアインズは思考する。
「(うっわ何あれワンパンって!いやあれくらいの召喚天使ならどうとでも出来るけどこの世界の人たちってレベルが極端なのか?通常攻撃であれくらいの威力出るならシャルティア辺りとか対等…………いやデスナイトをワンパンで倒してるから別の力が働いてる?それか一撃必殺のスキルみたいな、いやでもあそこで殴られた人全員生きてるっぽいしなぁ、というかあれ生きてる?)」
サイタマが殴った者達はピクリとも動かないが最低限の呼吸はしているようなので生きてるはず。
逃げた者らは既に包囲していた
「(推測ではあるが個体差が激しい?うーむ、捕らえた人間で試すべきだな。となると、この世界にはサイタマのような人間がいるかもしれない、警戒しないと)」
誰にも気付かないうちにアインズの警戒度は大きく跳ね上がった。
サイタマ「とりあえず許さんから一発殴る(致命傷)」
アインズ「うわ現地人こわ、警戒しよ」
アルベド「(出番…………どこ?)」←夫(仮)を讃える機会を失う
ニグン「」←この後連行される
ガゼフ「何が起きたんだ…?」
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