友達の少ない奴らの奇妙な冒険(リメイク版) 作:タキオンのモルモット
転生したら羽瀬川小鷹だった件について。
しかし、まさかこんな経験をするとは思っていなかった。
だってお前あれだよ?トラックに撥ねられてって令和の現代に存在するの?
しかもそれも神様のミスだって、笑えるね。何年前の話をしてるんだって話なんだよな。『俺』が死んだの令和二年だぞ令和二年。まさかそんな使い古されたテンプレってやつを味わうとは思わないじゃん。
⋯⋯とりあえず現実逃避はこれくらいにしておこう。
で、これまたテンプレの如く神様に謝り倒され転生、ということになったのは良いのだが。
俺は前々から気になっている事があるのだ。
まあ所謂『転生先を選択できない』パターンならば兎も角、何故選択出来ても揃いも揃ってバトル系に行くのだろうか。
そういう二次創作はぶっちゃけ好きな方なのだが、それにしたって、今の今まで普通に生きてたのに明日死ぬかもしれない世界に飛び込むとか狂気でしかないだろ。マジで。
あれか?だから皆特典に過剰なまでのチートを求めるのか?「無双したい!!ヒロインとイチャイチャしたい!!死にたくない!!」の三拍子をわざわざ揃えるためなのか?
それにしたって、主人公がチートの作品に転生したとしても、その主人公を追い詰める敵が居るんだぞ?大怪我は確定じゃん。嫌でしょそんなの。いくら推しとワンチャン生涯を共に出来るからってキツすぎるわそんなん。少なくとも俺は嫌だ。
特に少年誌とかインフレ地獄だし。
だから、簡単な話。前世の様なほぼ変わらない環境で、例え外国だとしても。それこそ日常系ほのぼの漫画系の世界と言うのが一番望ましいと思うのだ。
だから転生特典を聞かれた時、俺はこう答えたんだ。
「平和に暮らせる世界に行きたい」
と。
──────前置きは長くなってしまったが、要するに俺は静かに、平穏に暮らしたかったわけだ。
では突然ですがここでクイズです!!1980年前半から急速に発展した歴史の古い町で、街の花がフクジュソウで、特産品が牛たんのみそ漬けな町はどーこだ?
A.杜王町
ちょっと待てやコラ。
俺は平和な世界に転生させてくれって望んだのになんで杜王町に転生してるんだ?俺の名前羽瀬川小鷹だぞ?はがないの世界じゃないのかここは?
しかもなんかね?俺の後ろになんかあるんですよ。俺が自由自在に動かせる影みたいなものが。スタンドだなこれな。おいどういう事だ説明しろ。なんで惹かれ合う危険物持ってんだよおい。
よし、ちょっと一旦落ち着いて情報を整理しよう。
杜王町はジョジョの奇妙な冒険第四部『ダイヤモンドは砕けない』の舞台となった町だ。今までのシリーズとは違い、町の中という小さな舞台で繰り広げられる冒険が描かれている作品である。
ここまで聞くと前シリーズよりはマシ、そう思えるかもしれないが手フェチの殺人鬼がラスボス。序盤にも脱獄囚等々、決して『平和』ではない。
だが俺の名前は、と言うより転生先の名前は『羽瀬川小鷹』。『僕は友達が少ない』というライトノベルの主人公である。こちらは俺の望んだとおり、残念な奴らの残念なラブコメを書いたほのぼのラブコメだ。決して殺人鬼なんて出ない。選択肢を間違えばヤンデレになる奴は出てくるけど、日常的に死の危険がないという時点でマシだ。
そしてジョジョ四部の年代が1999年。それに対しはがないは2010年位だったはず。どう考えても年代設定が合わない。
ひょっとしてこの世界はただのクロスオーバーした世界で、ジョジョ四部自体は終わっているのでは?
なんだ、それなら安心だ。するとあれか?このスタンドとかはちょっとした便利特典で神様の優しさ説があるな。なんだそれなら問題ないじゃないか。よし、こうなったら青春ラブコメを謳歌してやるぞ!!
「────そう思っていた時期が、俺にもありました。ってか?」
「今俺の頭の事なんつった!?」
「ヒィッ!!な、何も言ってなぶべらっパァ!!」
高校二年生の春。俺の目の前で、しっかりと学ランを着た東方仗助が、スタンドを使って不良をぶっ飛ばしていた。
────あんのクソ神ィ!!!!!!!
この物語は、残念系青春ラブコメなんかじゃない。
杜王町という町で繰り広げられる、危険と冒険に溢れた物語だ。
こんな感じで続けて行けたらいいなぁ⋯⋯。