舞台裏の出演者達   作:とうゆき

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時代の記録役

何故書くのか

残さねば忘れられるが故に

配点(役目)

 

 

 上越露西亜の学生、岡谷・綴は自室で椅子に腰かけつつ表示枠に映し出される草稿を確認する。

 岡谷は自他共に認める歴史オタクであった。図書委員であり、露西亜史サークル「ねすとる」や極東の歴史系同人グループ「途練り子」にも所属している。

 そして現在、聖譜記述の傍論に記されている安政年間から執筆が始められた武将の言行録にあやかり、それの露西亜版という意味で安政区露言行録と題した自作歴史書を製作中なのだ。

 

 今回の対象は先日行われた三国会議の渦中の一人である伊達・政宗。

 同人草紙やエロゲなど様々な創作ジャンルに登場する人気の人物である。武蔵にいる友人などは女性化された片倉・小十郎の方が好きらしいが。

 

 ……最近の神肖戯画(テレビアニメ)でも華麗☆成敗とかやってましたね。

 

 襲名者の方も今後の慶長遣欧使節や大坂の役の例の疑惑がどのような解釈で歴史再現されるか楽しみである。

 さて、言行録の方は三国会議まで書き終えた。

 伝聞を元にしている為にどうしても正確性に欠けるが、大筋では間違っていないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

伊達・政宗

義姫の子。仙台伊達教導院。同教導院総長兼生徒会長。

 

竜神の血を引いているのが原因かは不明だが幼少期より苛烈な性格であり、訓練で自分を負かした伊達・成実の四肢を切断するなどの凶行が目立ち、一六四八年の伊達・小次郎の自害も彼女に処断されたとする説もある。

また重臣である片倉・小十郎に対しては日常的にぞんざいな扱いをしていたという。

一時期、食料関係において歴史再現の重大な違反をしたという疑惑が持ち上がったが、真相は闇の中である。

 

傍若無人は留まる事がなく三国会議期間中も武蔵から赴いた外交官向井・鈴を武神で襲撃。諌めようとした家臣にも攻撃を加えている。

会談中も「記憶にない。小十郎が勝手にやった事だ」といった旨の発言をしている。

 

なお字名(アーバンネーム)の由来である隻眼については「独眼竜ならこうでないと」という風に自分で潰したらしい。豪気である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応情報。

名:岡谷・綴

属:春日山宮殿

役:元書記

種:―――

特:傍迷惑歴史家


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