シンフォギアの世界に転生し……って、こいつかよ!?   作:ボーイS

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自分で書いてて思いましたが、ウェル博士(オリ)よ……アンタはバケモノか?


十六話 感動の再会!……ですよね?

 元気百倍ウェルパンマン!

 

 あ。元気よく身体を動かしたせいで治りかけた肋骨や脱臼した左肩やらまだキチンと繋ぎきれていない神経とかに激痛が走ります。なんならまだ完全にくっついていない骨がまた外れたかも知れませんねぇ。うん。スゴクイタイ。

 

 いやぁ、この世界の医療技術凄いですね。ネフィリムの暴走から早四ヶ月経ちますが、あんないつ死んでもおかしくないくらいボロボロの死にかけだったのに今では松葉杖ありきですが歩けるようになりました。僕の体力の都合上治療が遅れているようですが、四ヶ月で歩けるようになるのは凄いですよ。前世ならまだ包帯ぐるぐる巻きに違いない。

 

 僕が一度目覚めからマリアちゃんたちが毎日遊びに来るようになって僕の担当医の人も困ってましたよ。毎回僕が遊びに応じて治療中の部分を酷使してしまうからね!!!

 だって仕方がないじゃないですか。マリアちゃんは思っていてもそれを顔に出しませんが、切歌ちゃんと調ちゃんは捨てられた子犬のようなウルウルとした瞳で僕と遊ぶのを我慢しているんですよ?ここで答えねば大人じゃねぇ!!!

 

 セレナちゃんは順調に回復しているらしく、もう補助無しでも歩けるようになっているらしいです。マリアちゃんいわく、早く僕に会いたがっているらしいのですが僕のいる病棟は重傷者専用の病棟らしく、セレナちゃんは別の病棟のようで完全に退院しているわけでは無い為、病人同士の行き交いは難しいらしいですね。中々来れないみたいです。個人的には元気な姿を見たいものですねぇ。

 

 それとこの間局長が僕の見舞いに来てくださりましたよ。局長も右手にギプスをしていました。どうやらお上の人たちを避難させる時に負ったようでした。

 

 どうやら局長は最初ネフィリムの暴走の全責任を負うはめになっていたらしいですが、何やら今回の急なネフィリムの実験は見学していたお上の方たちの独断専行だったらしいですね。

 ネフィリムの研究成果で自分たちの地位を上げようと画作し、裏工作までして秘密裏にネフィリムを運び込んだとのこと。そしてネフィリムの暴走が自分たちの責任にならないように局長に押し付けようとしたらしいですが、そもそもな話F.I.S.どころか発掘したチームともっと上の人しか知らないような、本国のデータベースにもまだ記入前だったネフィリムの存在を何故局長が知っているのか?という話になり、そこから調査した結果アッサリとそいつらが無断で持ち出したという事が分かったらしいです。

 その話を聞いて僕も局長も大笑いですよ。ほぼ自爆のようなものですからね。心の底からアホだと思いました。自業自得だざまぁみやがれ!(例の変顔)

 

 他にも、僕の心配をしていたレセプターチルドレンたちですが、なんと誰も死んではいませんでした。喜ばしい事です。多少の怪我をした子がいて入院が必要な子もいるようですが、命に別状はないと聞いて安心しました。まだまだ未来有望な子たちですし、外の世界を知らない子も多いですからね。あんな場所で死ぬのはあまりにも可哀想なので全員生きていて嬉しい限りです。

 

 ですがこの話はそんな嬉しい話ばかりではありません。

 

 レセプターチルドレンの子たちが誰一人死ななかった代わりに、沢山の研究員が身代わりになって亡くなったようです。勿論、中には火災に飲まれたり崩落が原因の人もいますが、死因の殆どがレセプターチルドレンの子を守るために身を挺したという話です。

 瓦礫に押し潰されそうなった子を助けた代わりに自分が押しつぶされたり、数人で自らが肉の壁になる事で炎を割って道を作って逃したり、システム異常で閉まろうとしていた隔壁を一人で支え、みんなが通ったあと力尽きてしまったりと、みんな文字通り命を賭けて子供たちを守ったとの話です。

 

(まったく。死んでしまっては意味も無いというのに。いえ、あの子たちを守った事自体に意味があります、か)

 

 亡くなった研究員の中には何度か同じ研究チームになった人や、レセプターチルドレンの子たちの世話をする時に一緒になった人もいました。研究面や生活面でも惜しい人たちを亡くして……

 

(あぁ、どうやら予想以上に参ってしまっているようですねぇ)

 

 人が死んだというのに案外そこまでショックを受けていない事に、いつの間にかウェル博士の頭に切り替わって自分の精神を守っている事に気付きました。

 

 惜しい人?そんなはずがない。彼らは僕の良き友人であり、仲間であり、ライバルでした。何度か共に笑ったり研究に勤しんだりした仲です。そんな人たちが死んで「惜しい人」で済ませるのは明らかにおかしい。

 ですが今はウェル博士の頭に切り替わった事に感謝しています。切り替わってなお憂鬱な気分ですよ?身体もボロボロな事も加味すれば多分、自暴自棄になるか下手をすればマリアちゃんたちに当たっていたかもしれません。そうなればきっと僕は自分が許せなくなってしまう。

 

(……はぁ。本当に、貴方は腹が立つくらいに役に立ってますよ)

 

 本来のウェル博士に向かってつい嫌味的に言ってしまうが、まぁこれは許して欲しい。そうでもしなければこのイライラが爆発してしまいそうですからね。

 

「……おや?」

 

 ベッドで座っていると病室の扉が遠慮がちに開きます。検診には早いですし、マリアちゃんたちならもっと扉を壊す勢いで開くはずです。実際二回ほど壊しましたからね。主に切歌ちゃんが。

 開けられた扉からは人の影はなく、不思議に思っていると見覚えのあるオレンジ色の髪がチラリと見えました。

 

「どうしたんですか?入って来ても良いですよ。セレナ」

 

 ビクリ!と擬音が聞こえて来そうなほど分かりやすく身体を震わせているのが見えました。実際できるんですね。あんな動き。

 

「(ほら、はやく行きなさい!)」

「(で、でも私まだ心の準備が……)」

「(いいから早く!私一人じゃ切歌と調を抑えきれないのよ!?)」

「なんでマリアもセレナも入らないんデスか?」

「入らないなら私と切歌ちゃんが先に……」

「二人は静かにしてて!?」

 

 ……賑やかですねぇ。それにマリアちゃん?貴女が一番大きな声出てますからね?

 

 僕が声をかけてから数秒後、視線を逸らして少しオロオロしながらセレナちゃんが部屋に入って来ます。どうやらこの辺りに来ても大丈夫なくらいには回復していたようですね。くそう、マリアちゃんめ。セレナちゃんはまだここに来れないって嘘の情報を僕に教えましたね?

 その後ろではマリアが必死に切歌ちゃんと調ちゃんを止めようとしているのが分かります。何故かって?さっきより大きな声でマリアが二人を静止させようとしているからですよ。今度病院では静かにする様に言わなくてはいけませんね。

 

「えっと、お元気ですかドクター?」

「んー僕的には元気なつもりですが身体はどうにも」

「あ……ごめんなさい……」

 

 あら?何故かセレナちゃんにとても悲しそうな顔で頭を下げられました。何か謝られる事されましたっけ?

 

「私が、私がもっと戦えていればドクターがこんな怪我をせずに済んだのに……」

「あぁ。その事ですか」

 

 んーどうやら僕のこの大怪我を自分のせいだと思っているようですね。ほんと、マリアちゃんといいなんでこの子たちは全部自分のせいにするんですかね?

 

「確かに、あの時貴女を助けようとしなければ僕はこんな大怪我をしなかったでしょうね」

 

 僕の言葉にセレナちゃんが更に悲しそうに俯きます。人の話は最後まで聞いてくださいよ。まったく。

 僕は俯くセレナちゃんの頭にまだ痛む左腕を伸ばして優しく撫でてあげます。よくよく考えたらセレナちゃんの頭を撫でてあげるのは実に四ヶ月ぶりなんですよね。

 

「ですが、貴女を助けようと思ったのは他でもない、間違いなく僕の意思です。なのでこの怪我は僕の責任ですよ」

 

 言葉を選ばないのであれば、もしあの時セレナちゃんが死んでも世界になんの影響もなかった。ただアニメと同じ流れになるだけでむしろ助けない方が良かった可能性もある。ゲームのように並行世界になる可能性もありましたが、それが破滅の道の可能性もあると考えれば円満に終わると確定しているアニメ通りに進んでラスボスのえっと、ジャム・ハム?違う、シェムハザ?じゃ無いな。誰だっけ?まぁいいか。を倒すのがベストのはずです。

 ですが僕はそれでもセレナちゃんを助ける道を選びました。それが破滅の道への一歩だったとしてもこの選択に悔いはまったくありません。ウェル博士ではなく、僕が僕の意思で選んだ道なのですから。

 

 セレナちゃんは僕の話を聞いて少し嬉しそうに頬を緩めますがまだ陰りがあります。まだ納得がいってないようですねぇ。前みたいにテンション高めのセレナちゃんに見慣れてしまっているせいで余計に小さく感じます。んーどうしましょうか?あ、そうだ。

 

「そうですねぇ。それでも納得いかないのであれば、いつか貴女が大きくなって子供が産まれたらその子を抱かせてもらえませんかね?」

 

 我ながらなんの脈絡も無いなぁと思います。

 ですがこれは前世の記憶が残っていて、セレナちゃんの小さい頃から知っている僕の一つの夢でもありますからね。勿論、セレナちゃんだけでなくマリアちゃんや切歌ちゃん、調ちゃんの子供とかも抱いてあげたいです。そしてその幸せな人生を歩んでいるみんなの姿を見てみたい。それが僕の細やかな夢です。

 それにこれでセレナちゃんが「簡単に死ねない」とだけでも思ってくれたらこれからも無茶せずに生きてくれるだろうという打算的な部分があります。やっぱり僕の娘みたいなセレナちゃんには無茶してほしく無いですからね。

 

「えっ!?私のこど、え?それって、え、え?」

 

 んん???何故でしょうか。セレナちゃんが顔を真っ赤にして惚けてしまいます。視線も分かりやすくあっちこっちに行って混乱しているようですね。何か僕の求めていた反応とは違うような……

 

「ドクター?」

 

 そう思っていると病室の入り口の方から声が聞こえました。そしてそっちの方に振り向くとそこにはマリアちゃんが立っていました。手にかけた扉に指を食い込ませて。

 いや、うん。扉ってあんな簡単に指がめり込むような柔らかい素材でしたっけ?安全面の考慮かな?この世界の技術って凄いですねぇ。あとマリアちゃんの雰囲気が怖過ぎて切歌ちゃんと調ちゃんが涙目なのでもう少し落ち着いてくれませんかね?

 

「今のは……どういう事かしら?」

「?どういう意味もこういう意味も、僕は純粋にセレナの子供を抱いてみたいなーと」

 

 思っただけ。と言う前にマリアちゃんがズンズンッ!と音を立てるような幻聴が聞こえるほど睨みながら近づいて来ます。え、怖。助けてセレナちゃん!……顔が赤いペンキでも被ったかのように真っ赤になっているのは何故でしょうか?

 

「わ、私だって!あ、貴方に子供を抱かせる事も出来るのよ!?」

 

 アニメではそう言う相手が見つかるかどうかすら怪しいマリアちゃんですが、今から頑張るのならきっと良い相手が見つかるでしょう。勿論、父親代わりの僕が一度見極めますがね。でも不思議ですね。何故かマリアちゃんの独身の姿しか思い浮かばない……もう少しお淑やかになるように教えるべきですかね。

 それにしても、やけに食い気味というか挑戦的ですね?

 

「?ははは。そうですね。楽しみにしています」

「なっ!?」

 

 マリアちゃんが幸せになれるのならそれはそれで楽しみだと思って言ったのですが、何故かセレナちゃんが驚いていました。

 

「ね、姉さん!それって……」

「ふふ。セレナ。貴女だけじゃないのよ?」

「……そうですか。なら今度からはライバルですね」

「ええ。負けないわよ?」

 

 何故か二人の間で火花が散っているように見えるのは何故でしょうか?

 ……何かとてつもない地雷の上に乗ってしまった気がしますが、気のせいであって欲しいと心の底から願いますよ……




うーん。誰だコレ?
そして何だコレ?
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