シンフォギアの世界に転生し……って、こいつかよ!?   作:ボーイS

2 / 41
一話 目が覚めると……

 ──せ。

 

「ううん……」

 

 ────かせ。

 

「あと5分……」

「博士!」

「へあ!?」

 

 耳元で大きな声が聞こえてビックリして目を覚ます。しかも結構近かったから耳が痛い……

 

「もう、今会議中ですよ?」

「え……は?」

 

 まだ覚醒していない頭で周りを見回すと見知らぬ白衣を着た人達の目が俺に向いていた。

 ……いや、知らないはずなのに何故か知っている。

 

「はぁ、研究一筋なのは良いが少しは周りに合わせたまえ」

「えっと……」

「まだ目が覚めていないようだし、顔を洗って来なさい」

「あ、はい」

 

 会議中なのでは?と思ったが凄く違和感を感じている頭をスッキリさせるために俺は席を立って近くの洗面所に向かう。確か会議室から出て左の突き当たりを右だったな。

 

(……あれ?なんで俺、ここに詳しいんだ?)

 

 俺はしがない会社員だったはず。何不自由なく、だけどこれと言った得意な事もなく、趣味といえばアニメ鑑賞のごく普通の一般人だったはずだ。

 今の白衣の人達だってそうだ。会社にもあんな服装の人達はいなかったはずだ。それにこの施設だって初めてのはずなのに何故か構造を知っている。てか研究?なんの?

 

(いや、そうだ()は聖遺物の研究を……)

 

 ……んん?聖遺物の研究?僕はいったい何を言っているんだ?ただの会社員が聖遺物に関わるなんてあろうはずがございません。

 

(ダメだ、何かおかしい。まるで二人分の記憶があるみたいだ……)

 

 知ってるようで知らない記憶。

 研究だとか聖遺物だとか、僕には一生関わり合いの無い事のはずなのに何故かその言葉がすんなりと頭に入ってなんの迷いもなく受け入れている。本当にどうしたっていうんだ?

 あまりよろしくなかった、はずの頭を働かせるが何も分からないまま洗面所に到着して中に入り、付けてなかったはずの()()()()()()顔を洗う。冷たくて気持ちええわぁ。

 

「ふぅ、スッキリした……は?」

 

 顔を洗ってから眼鏡をかけ直し、目の前の鏡を見て僕は絶句した。

 鏡に映る自分のと思わしき顔を触れる。ついでにつねってみるが凄い痛い。

 

「え……は?」

 

 目を擦ったり、もう一度顔を洗ったりして何度も鏡を確認する。だがそこに映る結果は何も変わらない。

 鏡には白い髪の毛で薄青い瞳、そして人によってはイケメンと言われそうな顔が映し出されている。

 何も知らなかったらイケメンでええやん?と思うかもしれない。だが僕はこの顔を知っている。僕の好きなアニメである戦姫絶唱シンフォギアに出てくる敵キャラ。

 僕の推しキャラであるマリアと調と切歌が出たG編にて三人を脅したり騙したりとしたキャラで、一部では変態英雄(笑)眼鏡と言われるが次編のGXのラストで少し活躍したキャラ。

 

なんでよりにもよってウェル博士なんだよ!!??

 

 鏡に映し出されたのはジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスの顔を見て絶句する僕であった。

 

(いやいやいやいや。ちょっと待て。なんで僕はウェル博士になってる?そもそも事故で死んだはずじゃ……)

 

 トラックに轢かれる寸前の記憶は確かにある。仰向けに倒れた格好から見る空が赤かった事も全て。なんなら会社員だった頃の記憶もある。

 だけどそれと並行して知らないはずの記憶もある。

 

(ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。男性。専門は生化学。菓子類しか口にしないが聖遺物と生体を繋げることに関しては天才であるものの、無類の英雄好き)

 

 ここまでは合ってる。だがウェル博士側の記憶ではまだそこまで狂ってはいないし、シンフォギアに関しての記憶はあるもののまだ翼さんが適合したという情報は無い。もし適合しているのならフィーネになった了子さんが何かしらコンタクトを取って来てもおかしくは無いはず。

 それが無い、という事はまだ原作開始前、シンフォギア自体が完成する前だろう。

 

(なぁんでそんな前から?しかもウェル博士って……)

 

 ウェル博士になった事は一億歩譲ってまぁ理解しよう。二次創作系転生もののよくある事だ。

 でもシンフォギアが完成するもっと前とはどういう事だ?時期的には奏さんの両親とか救えるけどここがF.I.Sの研究所なら日本までどれくらいかかるか分からないし、それにシンフォギアって詳しい日付とか分からないからあと何日後に〇〇が起こるとか分からないし。

 

「って、大事な会議だったんだよな。とりあえず戻るか」

 

 まだ混乱しているものの迷っていても何も変わらないと思い急いで会議室に戻る。

 戻ってみれば会議は案の定進んでおり、申し訳なく思いながら部屋に入る。

 

「遅れて申し訳ありません」

「別に構わんよ。丁度いち段落ついたところだったからな」

 

 強面ながらも子供好き(深い意味はない)の議長の優しい笑みに更に申し訳なく思いながらそそくさと用意されていた席につく。

 

「さて、ウェル君が帰ってきて早速だが、反対する者はいないかね?」

 

 議長の言葉で他の白衣の人達は無言で頷く。おおう。やっぱり話し進んでるぅ。なんの会議かすら分からないのに置いてけぼりにしないで!

 僕が席についた事を確認した議長はそのまま話を進める。いや、ほんとになんの話してたの?そこんとこ話してくれないのは流石に酷くない?

 

「賛成多数により、本日をもってこの研究所を一度解散。後日、米国連邦聖遺物研究機関『F().()I().()S().()』として再稼働するものとする」

「「「「異議なし」」」」

 

 ……前言撤回。結構肝心なところまで話進んでるやないか!

 




良いウェル博士って想像しにくいな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。