シンフォギアの世界に転生し……って、こいつかよ!?   作:ボーイS

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当初はギャグ:シリアス=7:3くらいの割合で行くつもりだったのに数値が反転したなぁ……




二十話 やっぱり子供は最高だぜ!

 フィーネが来日した翌日の朝。

 自室の部屋のベッドで眠りについていた僕はカーテンの隙間から漏れる太陽の光で目を覚まします。少し陽当たり良すぎませんかねぇ。

 

(気持ちよく眠れたかは置いといて、久しぶりに長く眠れましたね)

 

 前にマリアちゃんやセレナちゃんから注意されたので最近は一日一時間は寝るようにしていたのですが、今回は八時間も寝てしまいましたね。

 長時間眠ったせいで身体がバキバキですよ。服どころか白衣も着たままなのでしわくちゃです。マリアちゃんに見られたら怒られますね……

 

「……朝食にでもしますかね」

 

 時間的には朝食には良い時間です。人もそこまで混雑するような時間でもありませんし、丁度良いでしょう。

 僕は顔を洗って着替えだけ済ませてすぐさま食堂へ向かいますが、身体がバキバキで痛いのに何故か意識はスッキリしていて、ですが内心は疲れているというボロボロ具合を感じて自分がかなり疲れていたのだと自覚します。

 

(フィーネ……)

 

 廊下を歩きながら思い出すのは昨日のフィーネとの会話だ。

 いつもは僕の心が大きなストレスやダメージを受けそうな何かが起きた時に、僕の心を守る為なのか勝手にウェル博士の頭に切り替わっていましたが、昨日はそれを無理矢理僕の意思で切り替えてフィーネと会話しました。そうでなければ僕はフィーネを殴り飛ばしていたでしょうからね。

 ですが、いつもはウェル博士の頭に切り替わった時は画面越しに見ている光景のように感じていましたが、あの時は僕の意思では無いのに僕の意思で話しているような奇妙な感覚に陥りましたよ。

 なんて言っているのか分からないでしょうが、頭は一つなのに意識が二つあるような、とにかくあれは気持ち悪かったですよ。今までのウェル博士の頭に引っ張られるようなものとは比べものにならないくらい。

 

 おそらくはいつも自動的に切り替わるスイッチを手動で動かしたから起きた現象でしょう。実際本来のウェル博士の意識に乗っ取られる、みたいな事にはなっていませんし。

 

(まぁ、そう思っているだけで実は少しずつ浸食している、なんてのはよくあるパターンなんですがね)

 

 深く考えてもなんの情報も無い今では憶測しか思い浮かびません。考えるだけ無駄と思ってスッと頭の片隅に追いやります。こういう時はウェル博士の頭は便利なんですよ。意外な事に片隅に置いてもすぐ取り出せる感じで前世でも欲しかった……

 

「そう言えば、もう前世の事ほとんど覚えていませんねぇ」

 

 親の顔も友人の顔も、自分が本当にサラリーマンだったのかも怪しく思うくらい記憶が曖昧です。何故かシンフォギアに関しての事はハッキリと色褪せる事なく残っているのが不思議ですがね。これから起こる事もアニメ基準ですがキッチリ覚えていますよ。ついでにゲームの方もね。

 よくよく考えたら怖いですよね。前世の記憶が消えて行っているのに特に問題に感じていないんですよ?「まぁ、いっか」程度になっちゃってるんですよ?僕の前世ってどれだけ中身なかったんだ……。

 

 なんて考えていると食堂に着きました。僕の予想通り人は少なく、席もたくさん空いていましたよ。

 僕はもはや顔馴染みになった食堂の人に頼んでお気に入りのハニートーストの上に乗っている大量のバニラアイスにチョコソースを引くくらいかけて最早パン:アイス等の甘味=二:八くらいになった僕専用のハニートーストを持って席に……

 

「またそんな不健康なものを……」

「ん?」

 

 席に着こうとしたら後ろから聞き慣れた声が聞こえます。振り返れば案の定黒い髪のツインテールをひらひらさせた調ちゃんが立っていました。

 

「ドクター。おはようございます」

「はい。おはようございます、調ちゃん」

「……朝からよくそんなの食べられるね」

「何を言っているのですか。ちゃんとトーストがあるでしょう?」

「そういう事じゃないんだけど……」

 

 調ちゃんは困ったというように頬を掻きます。

 ふむ、おかしいですねぇ。朝はキチンと主食のトースト(全体の二割しかない)と野菜(イチゴやメロン等の果物野菜)を摂取しているのですよ?それに生クリームにもカルシウムも含まれているはずです。主食と野菜とカルシウムを一気に摂取出来るなんて、なんて健康的なのでしょうか!

 

「それ絶対違うよ?」

「貴女はいつから人の心を読めるようになったのですか?」

 

 いつの間にかエスパーになっていた調ちゃんにビックリですよハハハハ。

 

 僕が軽く笑っていると調ちゃんがジ──っと見つめて来ます。そんな情熱的に見られても僕のポケットの中にはキャンディしか入ってませんよ?それともこのハニートーストですか?仕方がない……もう一つ注文しますか。

 なんて思っていると調ちゃんが僕の横までトコトコと歩いてくるとおもむろに背伸びをして僕の頭を撫でて来ました。……なんで?

 

「えっと、いきなりどうしたんですか、調ちゃん?」

「ん。なんだかドクター疲れてそうだったから」

「なら何故僕の頭を撫でるんですかね?」

「私も切ちゃんもドクターに撫でられると落ち着くから……」

「……そうですか」

 

 んーなるべく平然としていたつもりですがバレてしまいましたね。

 言わずもながら、僕はまだ昨日の自分の言った言葉に自己嫌悪を感じています。

 あの場を無事に切り抜けるには僕がフィーネを納得させる事しかありませんでした。あのまま行くと僕の隣にいた同僚がフィーネに殴りかかっていたでしょう。そうなれば国際問題です。

 ……いえ、もしかしたらそれが狙いだったのかもしれませんね。国際問題を盾に脅すか、又はあの場で誰かを殺して自分が古代文明の巫女であると力で示して僕を含めたF.I.S.の重鎮を脅して掌握しようとしていたのかもしれませんね。今になっては分かりませんが。

 

 まぁとにかく、あの場で僕が調ちゃんたちレセプターチルドレンの子たちをあたかも道具のように思っていると思わせた方が都合が良かったのです。あの場で子供たちを庇えば人質にされる可能性もありましたからね。ああ言っておけば僕と出会って間もないフィーネでは嘘か本当なのか判断がつかないと思ったからの言動です。本心なわけが無い。

 

 ですが、やはり子供たちと親身に接したため嘘でもあんな言葉でしかあの場を切り抜ける方法が無かった事に腹が立っています。血は繋がっていないとはいえ愛する子供たちを救うために暴言を吐いて自己嫌悪に陥るとか……いつから僕はそんな聖人になったのですかねぇ。

 

「ありがとうございます」

「うん。でも無理しちゃダメだよ?」

「ははは。ええ、肝に銘じておきますよ」

 

 少しだけ心が軽くなって自然に笑みが漏れます。そんな僕を見て調ちゃんも安心したのか笑顔になってくれました。うん。眩しい笑顔だ(浄化)

 

「そういえば切歌ちゃんやマリアたちはどうしたんですか?」

「切ちゃんが少し寝坊してマリアとセレナが起こしてる。私は先にみんなの席を取っておこうかなぁって」

「なるほど」

 

 また切歌ちゃんは寝坊ですか。まだ精神的に幼いからなのか、一度眠ったらなかなか起きないんですよね。それだけ安心して幸せに眠れている証拠なのでしょうが、目覚まし五つ用意して全部壊れていた時は頭が痛くなりましたね。少し寝相が悪すぎやしませんか?

 

 見渡せば席はまだチラホラと空いてはいるものの四人が座れる空きテーブルは残念ながら無さそうですね。今僕が座っている席を除けば。

 

「ふむ。仕方ないですね。行儀は悪いですが少し急いで完食しますので少し待っていてください」

 

 僕が席を立てば四人が座れるテーブルが空くので提案しました。余っている椅子を追加する手もありますが僕みたいなおじさんがいたら折角の四人での食事の邪魔になりそうだった、という考えの提案です。やっぱり女の子同士の方が色々気が楽でしょうしね。

 

「ううん。その必要はないよ」

「?それはどういう……って、ちょ!?」

 

 調ちゃんは僕の提案を却下すると何を思ったのか椅子に座る僕の膝に座って来ました。……何故?

 

「えっと……調ちゃん?」

「こうすれば五人で食べられるね」

「……さいですか」

 

 良くないですよ。ええ良くない。

 そりゃ調ちゃんはまだ十歳になったばかりですよ?かなり長い時間一緒にいたという事もあって父性が芽生えているのでそんな性対象になんて見れませんよ。むしろそんな想像した奴は僕がぶっ飛ばしますね。

 それなのに僕にこんなにくっついている姿を想像してください。次の瞬間には警察のお世話になっていますよ。ぶっ飛ばされるのは僕ですよ!というかウェル博士の膝の上に乗る調ちゃんなんてどう考えても催眠か何か掛かってますよね?

 

「「ドクター?」」

「さよなら僕の人生」

 

 後ろから並々ならぬ殺気を感じて思わずこの世に別れを告げてしまいましたよ。振り向くのが怖い。振り向いたら絶対に殺られる!そんな気配がビンビンに感じていますよ!ダレカタスケテ!!!

 

「や、やぁ。マリア、セレナ。遅かったじゃありませんか」

「はい。切歌ちゃんを起こしていたので」

「なのにこれはどういう状況なのかしら?」

 

 ニコニコと笑う二人の背後に般若が見えます。なんでそんなに怒っているのか分かりませんが、謝っても許してもらえなさそうですね。やっぱり死ぬのかな?

 

「ああ!調だけズルいデス!」

「切ちゃんも座る?」

「大好きデスよ調!」

 

 調ちゃんが僕の膝に座っているのを見てちょっと怒っていたのに変わり身早いな切歌ちゃん。手の平ベアリングの如しですよ。というか、何故二人して僕の膝にわざわざ座ってくるんですかね?席ならいっぱい空いていますよ?重くは全然無いんですが周囲からの視線が痛い。それにマリアちゃんとセレナちゃんが何も知らなければとても魅力的に見えるほど綺麗な笑顔を浮かべているのに何故か冷や汗が止まりません。切歌ちゃんと調ちゃんが僕の膝に座っているので逃げる事も出来ません。万事休すとはこの事ですね(諦め)。

 

「ドクター。お話があります」

「い、いえ。僕はこの後用事が「まさか断ったりしないわよね?」ア、ハイ」

 

 お断りを入れようとしましたがマリアちゃんが食い気味で割り込んで来ました。ますます笑顔になっていくマリアちゃんとセレナちゃんの圧力に負けて何故か説教を受ける事になりましたよ……うん、勝てるわけが無い……

 

「これ意外と美味しいデスね!」

「少し甘過ぎるけどね」

 

 僕が怒られている間に切歌ちゃんと調ちゃんが僕の膝に乗ったまま僕のハニートーストを無断で食べてしまいます。美味しそうに食べている姿を見ると微笑ましいですねぇ。やっぱり少女は最高だぜ!(現実逃避)。……あとでもう一つ、いやマリアちゃんとセレナちゃんにお詫び代わりにもう一つ頼んでおきますかねぇ。

 

 ちなみに、僕専用のハニートーストをマリアちゃんとセレナちゃんに奢った結果かなり好評で、それをコンパクトにした物が食堂のメニューに追加された事と、そのコンパクトにしたハニートーストを二人が良く食べるようになった故に体重が増え、何故かその怒りの矛先が僕に向いた事は別の話でしょう。

 ……理不尽じゃありませんかねぇ?




作者「ウェル(オリ)や。一日に一時間の睡眠は仮眠と言うんやで。ついでに言えば八時間は長時間じゃなくて健康的な睡眠時間なんやで」
ウェル(オリ)「なん、ですと(゚∀゚)」

何故か同じ話が三話も載るという謎の現象が起きましたが問題は無いです。
……何故載ってたのだろうか( 'ω')?
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