シンフォギアの世界に転生し……って、こいつかよ!?   作:ボーイS

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ウェル博士って変顔しなければイケメンですよね。
……変顔しなければ。


三話 まずは好感度を上げ……たいが子供の扱い方が分からぬ

 ロリマリアちゃんとロリセレナちゃんに会えるとウキウキワクワクムラムryして集められた子供達のいる場所に向かっていた僕は早速さっきまで無駄にテンションが高かった自分に筋肉バスターでも食らわせたくなった。

 

「なんだよ、これ……」

 

 思わず前世のような口ぶりになってしまったのだが許して欲しい。何故なら目の前の光景があまりにも悲惨だったからだ。

 一部は傷一つ無い姿の子供はいるものの、中には直視しづらいような大きな怪我や生きているのか不安になる程何処か遠くを見つめたまま身動き一つしない子供、薬漬けにでもなったかのような終始目の焦点が合わずに不気味に笑っている子供が所狭しと無理矢理押し込められるようにその部屋にいたのだ。その数は百人は下らないだろうか。

 

(なんだよ……ここにいる子たちはレセプターチルドレン、フィーネの次の器になる可能性がある子なんだろ?何でこんな……あ)

 

 そこで無駄に頭の良いウェルの頭脳が嫌な事にすぐに答えを出す。ほんと、こんな時はすぐに機能するのな。

 よくよく考えたら分かることだ。もしこんなにもシンフォギアに適合する可能性のある子を集められるのならマリアちゃんとセレナちゃんの他にリンカーを使う奏さんや切歌ちゃん、調ちゃんがいてもおかしく無いのにいないのは変だ。それにそこまでピックアップ出来るのであればこの場にクリスちゃんがいないのは尚更おかしい。

 なら考えられる事は。

 

「賄賂のつもりかよ……っ!」

 

 恐らく傷一つ無い子たちがフィーネの次の器になる可能性のある子だ。そして他の子たちはフィーネが適当に集めた身寄りの無い子。つまり聖遺物とシンフォギアの研究のためと称して体の良い実検体を提供したつもりなのだろう。そう考えたら無傷の子たちも本当に身寄りの無い子なのか怪しいものだ。

 

 僕は嫌な気分になりながらも子供たちを見回していると部屋の端で固まっている無傷の子供たちの集団の中に混じる目的の二人を見つけることが出来た。まぁ片方は目立つようなピンク色の髪色だから目についただけだが。

 ゆっくりと他の子を踏んだりしないように丁寧に歩き目的の子、マリアちゃんとセレナちゃんの元へ近づく。

 

「ひっ!」

 

 分かりやすくセレナちゃんが涙目で震え出してしまう。それを見て僕は怯えさせないように腰を下げてゆっくりと手を伸ばした。

 

「ほら、怖くないよ。こっちに──」

「ッ近寄るな!」

「うっ」

 

 伸ばした僕の手をマリアちゃんは勢いよく跳ね除ける。少し伸びていた爪が手の甲をカスリ少し傷が出来たけどそれほど痛くはない。でもそれ以上に一応大人である僕を相手にセレナちゃんを守るために自分も震えているのに反撃して来たマリアちゃんを見て僕の心が痛くなった。

 

「ここは何処!?私たちを元の場所に帰して!」

「それは……」

 

 出来る事ならそうしてあげたい。

 マリアちゃんたちが連れてこられた経緯についてアニメでは描写は無かったが、これはあまりにも悲惨すぎるとさすがに思う。しかし貴重な会議に呼ばれたとしてもウェル博士である今の僕の地位はさほど高くない。多少の意見は耳を傾けてくれるかもしれないが、耳を傾けてくれるだけで終わる可能性が高い。

 この時代が元の世界の技術よりも劣っていたのなら前世の記憶チートで地位を上げるのは難しくないだろうが残念ながら技術は同レベルどころか物によってはこちらの方が上だ。それにそれほど頭は良くない方だったからどのみちさほどチート行為は出来ないだろうけど。

 

「ひぐ、おとうさんとおかあさんのところにかえしてよぉ!うわあぁぁん!」

「な、泣かないでセレナ!貴女が泣いたらお姉ちゃんも、うう、ひっく……うわあぁぁん!」

「……」

 

 セレナが泣き出してしまった事に釣られてマリアも泣き出してしまう。更にその波は広がり、恐らくフィーネに拉致されて来たであろう無傷の子たちも泣き出してしまった。

 

 あまりにも無力。

 大人でありながら二人を助ける事ができず。

 涙を拭いてあげようにもその資格は無い。

 目の前に広がる凄惨な光景に出来る事は何も無い。

 ウェル博士に転生した意味は何もなく、もうこのまま原作通りの流れで生きていくしか無いのだろう。そしてジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスとして生き、最早自分の名前すら覚えていない僕は消えていくのだろう。

 そんな無力な僕は……

 

(ふざけるな!)

 

 自分の顔面を思いっきり殴った。

 

(まだだ、まだ終わってない!いや、始まってすらない!)

 

 そうだ、ここはまだ原作が始まる更に昔。まだ助けられる命があって。これから助けることの出来る命のために準備が出来る!無駄に頭の良いウェルの頭脳を使えば救える命なんて五万とある!

 

 ウェルは確かに変態英雄(笑)眼鏡と言われているが、原作ではシンフォギアを作った了子さんやフィーネとは別のシンフォギアの真理に辿り着いているし、はた迷惑ながらも彼の英雄像は飽くなき夢を見て、誰かに夢を見せるものとして真っ当なロマンチズム的なのがあった。

 それに残虐だし非道と言われているけど、テロ行為なんていう世界に向けて敵対行為をしたマリアさんたちは肝心な時に迷ってたのに対し、ウェル博士は目的のために自分の手が血で汚れることも厭わなかった。それはきっと自分勝手な夢だったとしてもそのために真剣に向き合っていたからに違いない。

 

 そんな生き方さえ間違えなければ本当に英雄になっているかもしれない器をウェル博士はきっと持っている。それだけの頭があるのだから。

 

(そうだ、うじうじ考えるより頭を働かせろ!こんな所で立ち止まる時間は無いだろうが!)

 

 強く殴りすぎて鼻血が出て来たけど痛みを我慢して立ち上がる。マリアちゃんとセレナちゃんがポカンと涙目のまま口を開けて呆然としてて可愛いけど、今はそれどころじゃ無い。

 

「──今すぐに僕を信じてくれなんて言わない。そんな資格は無いからね。だけど、君たちを不幸にしないと約束しよう」

 

 本当は指切りでもしてあげたいけどそれほど心を許してくれても無いし、今は小指を立ててジェスチャーだけの指切りをしてから僕は二人に踵を返して部屋から出ていく。

 

 キャラ崩壊もいいところだが、原作ではなれなかった英雄になってやろうじゃないか!




サブタイのポップさと内容の空気の差よ_(:3 」∠)_
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