最強になる必要はない。最強を創れればいいのだから。   作:アステカのキャスター

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 これは転生者が最強に至るまでの道である(cv:川澄綾子)






 俺は転生者である。

 いや言わせてくれ、ありきたりだと思うだろ?32歳まで機械系の仕事に携わって金稼いで、好きな事にお金を使って過ごしていた所謂オタクである。

 

 そして、不慮の事故によって整備中の機械が故障、熱を持った機械が発火、付近にあった油に燃え移りその火災によって焼死

 

 その後、赤ん坊に生まれ直した。

 親は前世の両親に似た良い人達だった。流石に記憶ありの中で母乳とオムツは恥ずかしくて泣きかけたけど。赤ん坊ならしょうがないと割り切った。

 

 

 ああ、そういえば言い忘れてた。

 神様に会ってないのだが、転生特典はあった。

 

 

「フッ……!」

 

 

 右手が光り出すとビー玉が生み出される。

 ガラスも元素も一切使わずに無から物質を精製している。

 

 それが、『創造』である。

 万物万象、知りえれば何でも生み出せるチート。

 

 

 

 

 

 嘘です盛った。盛りすぎたのは反省する。全然チートなんかじゃない。

 正確には『創造』の類ではあるのだが、物質を生み出した際における負担がクソである。

 

 例えるならビー玉を創ろうとする。ビー玉はガラス細工だ。創るのは余裕である。だが、生み出せる量が精々6つ程度。その後は頭が怠くなって鼻血を出し、三日間くらい寝込んだ。

 

 

 要するに無からの精製にはコストみたいなのがあり、大きいものは創れない。分かりやすくコスト30としてビー玉は5のコストを必要とする。しかも複雑なものは一度に創る事が出来ない。銃をパッと出せたらカッコ良かったのだが、そんなものは夢のまた夢だ。

 

 

 コストギリギリで生み出せた唯一の武器は刃渡りの短いサバイバルナイフである。うん、カッコいいからよしとしよう。

 

 

 

 ★★★

 

 

 六歳になり、外に出て遊ぶ事が多くなった。

 公園で親とキャッチボールとか、一人でブランコと童心にかえるような青春街道まっしぐらの俺にはある存在が見えた。小さな異形の怪物だった。近所の公園でバッタのように飛んでいたりするのが見えた。

 

 新種か?と思ってお母さんを呼んだが、見えないらしい。どうやら俺だけにしか見えないようだ。

 

 

 次の日に公園に向かった。

 怪物は少しだけ大きくなっていた。言うならばバッタからアルマジロくらいに大きくなっていた。あっ、コイツやばいと思った俺はサバイバルナイフで斬り刻んだ。目が虚と言うか、食料を見る目だったので判断は間違っていないと思いたかった。

 

 空を見上げて、変な達観をしていると背後から声をかけられた。

 

 

良い判断だ(Good decision)少年(ボーイ)!」

「!」

 

 

 パチパチと拍手の音が聞こえる。

 大型のバイクに乗っていたのか黒ヘルメットとライダースーツを着ているカッコいい女の人がそこには居た。

 

 サバイバルナイフを生み出したところを見ていたのか、警戒しながらも逃走の心構えもありながら、女の人が真っ先に聞いてきたのは……

 

 

「どんな女がタイプかな?」

「最初の質問がそれかよ」

 

 

 俺の女性のタイプだった。

 おい、ここ呪術廻戦の世界かよ。オサレじゃないのかい。

 

 

 ★★★

 

 

 特級呪術師、九十九由基。

 呪術廻戦で出てくる呪霊を無くす為の研究をしている人で、東堂の師匠のような人だ。その人から呪術師や呪霊について少し話を聞かせてもらった。あ、ジュース買ってもらった。コーラんまい。

 

 話を聞き終えると気が付いた。

 この世界が呪術廻戦の世界だとすると、俺の生得術式は構築術式という名前になる。

 

 アレだ。禪院真依と同じ術式。

 銃の弾丸を一発だけ増やせる術式。ブラフには強かったが、呪術師としては大した強さを持たない。

 

 俺の呪力保有量は九十九さんの話によると中の上らしい。まあ普通の呪術師よりは高いらしいのだが、一般の域を超えないらしい。どうやらチート無双は無理なようだ。

 

 

「だが、呪力の質は素晴らしいな」

「質?」

「そう。ガソリンで例えた方がいいか。質がいいガソリンほど、高い火力を生み出せる。構築術式は負担のデカいものだ。そのサイズのサバイバルナイフを作るのに本来なら莫大な呪力が必要になってくる。質だけなら五条悟並み」

 

 

 成る程、青子(型月)説か。

 呪力の質が他人と比べて凄いから術式の質が高いのか。だから構築術式の負担がアレだけで済んだのか。

 

 

「なあ九十九さん」

「何だい?」

「もし、俺が呪術師になるとしたら最強になれる?」

「無理」

「デスヨネー」

 

 

 ハッキリ言われただけまだマシだろう。

 質ならまだしも、量で圧倒されたら負ける。術式の相性から見て二級を祓えれば上出来だと告げられた。

 

 いや、違う。 

 最初から前提が間違っている。何故、俺が戦うと決めていたのだ?全く的外れな答えに笑ってしまった。

 

 

「九十九さん。呪術、教えてくれませんか?」

「……坊や、何故呪術を知りたい?」

「呪霊が見えるし狙われる。なら、自衛の手段としても」

「殉職率は高いけど、それでもかい?」

「そう、そこ。最初から戦う事に向いてないってのは分かってる。だから、俺は創る方を専門にする」

 

 

 脳内のエミヤが告げていた。

 お前は戦う者じゃない。創り出す者だ。常にイメージするのは最強の自分だ。ステイナイト大好きだった。

 

 まあ、それはさておき。

 呪力の質が高い俺は呪霊に狙われやすかったりする。まあ殉職率が高いし、俺の術式は戦闘には向いていない。呪術、術式を理解したその上で出す答えは既に決まっていた。

 

 

「と、言うと?」

「最強になれないなら、最強を創ればいい」

 

 

 最初に目指すは蒼崎橙子だ。

 最終目標はダヴィンチちゃん。目指せ万能の人。

 

 

 ★★★

 

 

 私、九十九由基は面白い少年に出会った。

 任務帰りに田舎にバイクを走らせていたら、呪霊の気配がした。三級、強くはないから適当に祓おうと考えていたのだが、三級の呪霊の喉元にサバイバルナイフを突き刺す少年がいた。

 

 サバイバルナイフを生み出したそれは構築術式。

 呪術師の中ではマイナーで、二人ほどしか見た事がない。使い勝手が良いとは言えない、大した事のない術式。

 

 だが、無からアレだけ大きなモノを精製した人間を見た事がない。弾丸一発で身体に大きな負担がかかるほどなのに、呪霊を殺せるほどの切れ味のいいモノは本来なら絶対に創れない。

 

 調べた結果、呪力の質が凄まじかった。

 量は中の上、だが呪力の質だけならば五条悟と同格レベルだ。だが、持っている生得術式のせいか宝の持ち腐れ。

 

 強くはなれる。

 呪力操作をマスターし、黒閃を撃てれば絶大なダメージを与えられるだろう。

 

 だが、最強にはなれない。

 現在最強の座につく五条悟には遠く及ばない。こればかりは才能の差だ。どうしようもない曲げられない事実だ。しかし、この少年はその答えを真っ向から否定する発言をした。

 

 最強になれないなら最強を創ればいいと。

 今まで価値を見出せなかった構築術式を使って才能の壁を越えられる最強を生み出す。その答えに一瞬だけ驚愕した。本当に六歳の子供か?と。

 

 

「……へえ。面白い回答だ」

 

 

 私はニヤける顔が抑えきれなかった。

 恐らく、この少年は呪術界で革命を齎す。これは勘だ。勘でしかないが、呪霊を無くす研究をする前に、呪術師が居なくなっては話にならない。殉職率が高い呪術界をこの少年の手で常識を変える力をいずれモノにする。そんな刺激的でゾクゾクするような勘とイカれ具合が極まった回答に思わずニヤけ顔が抑えきれなかった。

 

 

「いいね、そのイカれ具合。私も助手は欲しかったし、やってみるといい」

 

 

 正直な話、期待した。

 この呪霊を無くすという馬鹿みたいな自分の発想を叶えてくれる欠片になってくれると。

 

 




 どうでしょうか。 
 呪術廻戦初めてで不安が残りますが、良かったら感想、評価お願いします。呪骸(人形)や呪具(武器)については活動報告を読んでからお願いします。

 最初は蒼崎橙子を目指して書いてみます。

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