最強になる必要はない。最強を創れればいいのだから。   作:アステカのキャスター

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大学始まりそうだから投稿速度が遅れてしまいます。
すまない。本当にすまない……!完結まで持っていきたい!

とりあえずあと三話くらいで0巻まで持っていこうとおもう。UA650000越えました。読んでくださる皆様本当にありがとうございます。それではどうぞ。


二十三

 

 

 

 

○月○日 晴れ

 

美々子と菜々子が家族になった。

事の顛末を聞かせると父さんは大泣きし、母は涙を浮かべながら承諾してくれた。(うるる)の事はウル姉さんで俺の事はヒロ兄さんと呼ぶ事になった。(うるる)が胸を押さえている。

 

分かるよ。尊いよな(心臓発作一歩手前)

因みにパックはパックだ。ちょっと渋い顔された。

 

まあ流石に二人を養うとするなら相当お金が必要ならしいので、そこはちゃんと責任もって負担した。とはいえ、特級で任務が少ないとはいえ持っている金額は尋常じゃない。具体的には0が八桁もあるんだが……

 

 

 

 

○月★日 曇り

 

二人の上の名前、枷場(はさば)って言うらしい。なんか普通に名前を荒夜に変えたいらしい。一応、両親に相談したが、「名前嫌いなのか?」と聞いたら、「ヒロ兄さんと同じがいい」と言われて膝から崩れ落ちた。

 

俺の妹がこんなに可愛いだと……!!

 

すまん夏油さん。

貴方の子供(意味深)の尊さを奪ったようで本当にすまない……!

 

原作だからとか未だ自分は心の何処かでそう思っているクズ野郎だが、闇堕ちする原因が消えた事は六割強良かったと思ってしまっている。だが四割は一種のNTRみたいな事をやってるみたいで、二人の尊さを奪った事の罪悪感で一杯だった。マシマシ過ぎて俺の良心が大分抉れた。

 

 

まっしろになった……。

救えたとはいえこの変な葛藤が深く胸を抉った。

 

 

 

○月☆日 晴れ

 

東堂とミミナナが出会った。

手を出すなよと言ってから自己紹介が始まった。不安しかないが、流石に常識くらいはあるだろう。

 

具体的に言うと「どんな男がタイプだ?女でもいいぞ?」だ。お前初対面でなんて事聞いてんだ(ブーメラン)と内心頭を抱えながらため息をつく。間髪入れずヒロ兄と言われた時、これが兄の気持ちか……!!と膝をついた。罪悪感が更に胸を抉った。

 

とまあ、面白くはないがつまらなくはない存在と認知されたらしい。お前の判断基準どうなってんだ。とりあえず、東堂は(うるる)と組み手。俺は美々子と菜々子の術式をちゃんと理解する。

 

菜々子の術式はカメラを用いた呪術。

名付けるなら被写凍術と言ったところか。

 

美々子の場合は縄状の物を操作する呪術。

名前にするなら縄状操術かな。

 

細かく説明すると、菜々子の術式は()()()()()()()()()()()()()()()()だ。カメラは一瞬の事実をフィルムに焼き付けるもので、そこに呪術が介入するとカメラで撮られたものは空間に焼き付けられる。

 

ただし、焼き付ける時間はそこまで長くないし、空間に焼き付ける大きさ・重さによって焼き付けられる存在や、時間によって呪力コストが変わってくる。焼き付けるという事は撮影した空間の時間を一時的に止める事ができる。それを応用すれば外部の干渉から身を守る事も出来る。呪力量にもよるが、かなり希少な術式だ。

 

そして美々子の術式。

見た感じ縄状の物を操作する力。手から離して浮かす事も可能。手に持っている縄なら呪力の消費が極端に少ない。距離や操る縄状の物の重さによって呪力消費が変わってくる。

 

どちらも結構いい術式だ。特定の物を操る術式はありふれているわけじゃないし、普通は触れなきゃ動かせなかったりするが、近くにあれば操れるタイプは珍しい。菜々子の場合は結構希少。なんなら戦い方さえ覚えれば五条さんを除く御三家に勝てるんじゃね?

 

菜々子の場合はまだ呪力の操作が難しそうなので、俺が最初にやった呪力によって光る色が変わる棒を渡して映画鑑賞。美々子も同じようにやった。菜々子は色の維持にやや難ありだが、美々子は終盤で色の維持が乱れた。

 

最初だしこんなものだろ。

東堂の場合はセンスがかなりのものだったし、比べる事ではないが、普通はこんなものだ。俺を含めて最初からイカれてる奴等に比べたらまだイカれてないし。

 

 

……俺が言うのもなんだが呪術師ってマトモな奴らがいないよね。俺も含めて。

 

 

 

○月★日 晴れ

 

そういえば大分口調に慣れてきた事に気づく。

私と言う言葉に違和感がなくなったので日記に私と書こうかな。出来る限り私を意識して使っていたが、一年と数ヶ月すれば自然とそうなっていくのは当然か。

 

美々子達も呪術の特訓は週二回にしている。

流石にまだ子供だし、体力も多くない。私、東堂や(うるる)は例外。東堂には『幻灯の魔物《伽藍鳥》』を渡しているから移動がスムーズになり、多くて週三以上来ている時もある。その時はちゃんと連絡してくる。

 

東堂については簡易領域を習得中。

(うるる)については領域展延でカウンター動作が出来るか片っ端から試している。

 

簡易領域と領域展延には違いがある。

 

簡易領域は便利なのだが、結構弱点があったりする。

メリットは必中に限りなく近づけられる事と領域展開内での必中の回避、踏み込んだ存在の感知だ。

 

シン・陰流の簡易領域は全自動動作も存在し、必中に近づく故にその分の軽い補正が入る。決まった動作やそれに近い動作に対しての軽い補正が強み。通常の約1.2倍くらいには上がる。

 

一見強いが、地面に足がついていなければ成立しない。逆にオート動作が無く、補正がない代わりに地面に触れずとも成立し、動く事が出来るのが領域展延だ。

 

本質は殆ど変わらないが、要するに『動ける領域展延』か『動かずに使う簡易領域』だ。(うるる)がやろうとしている事は『動ける簡易領域』だ。簡易領域のいい部分と領域展延のいい部分を取り入れた新しい領域術を使いたいらしい。

 

敢えて術式を刻んでいないから、更に成長出来る戦い方はそれくらいしかないかもしれない。

 

今度、徒手格闘以外にも武器を使わせてみようかな。

 

 

 

○月♪日 曇り

 

五条さんの無下限術式の劣化コピーを試してみた。

無理だった。六眼って凄いんだな。無限は至る所にあるとは言ったがそれすら感知できない。五条さんの無下限術式の本質は『捉えた空間から無限を操る』と言う事なのだろう。その無限の空間をマイナスにすれば引き寄せ、プラスにすれば弾かれる。

 

空間が無限と言うわけではなく、空間に存在するであろう無限を引っ張り出せる。存在するであろう無限を感知するのが六眼だ。

 

これは私には不向きだ。

つーか、空間と言う曖昧な定義の中から無限を見つけられる六眼が強過ぎじゃね?

 

そろそろ魔眼系の研究してみるか?

いや、今は忙しいしもう少し時間が経ってからにしよう。

 

 

 

○月※日 晴れ

 

ガチで暑い。八月後半の最高気温は36度だ。

もうしっかりした夏だ。両親が旅行するなら何処に行きたい?と聞いてきた時に咄嗟に身構えてしまった。くまの力とか使えるのかと思ってしまったじゃないか。肉球なんてないけど。

 

海に行きたいとミミナナ、温泉入りたいと私と(うるる)。おい、ジジ臭いと言うな。夏休みに入って私の任務も多くなってきて疲れが溜まってきたのだ。その事を見かねた両親が熱海に旅行を企画した。よし、任務早めに終わらせてこよう。

 

あと、上層部から連絡があった。

(うるる)の事が呪骸なのがバレた。精霊呪骸として創ったパックはともかく、完璧な人間の構築についての質疑応答らしい。

 

中指立ててふざけんなクソがと言ってやりたい。

と言う訳で明日高専に行く事になった。

 

 

 

○月$日 晴れ

 

完璧な人型呪骸についてめっちゃ聞かれた。

面倒だったので魂以外の全ては人間と全く同じと言ったら上層部の奴等は跡継ぎの為やら強い自分専用の呪骸を創れなどクソみたいな事言ってきたので、「呪骸に欲情する変態ですか?嫌ですよ」と言ってやった。後悔はない。あとで浣腸剤でも送ってやろうか。

 

これで呪詛師扱いされたら蒼崎橙子みたいに工房創って、どっかに逃げてやろう。家族全員連れて。

 

私が創ったものを汚されたり、そんな目的の為に創りたいとは思わない。創った以上は責任がある。捨てたりそんな使い方しか考えられない腐ったみかんに苛立ちながら、高専に顔出しに行ったら灰原くんと夏油さんが話していた。

 

 

アレ……?これまさかセンセーとの邂逅シーン?

マジかと思いながら二人に話しかけた。未だ原作が頭をよぎる私だが、闇堕ちルートは回避したかったのもあった。私のせいで本来あるべき未来を奪う事を自覚した上で救いたいと思っているし、

 

 

とりあえず二人のタイプを聞く事から始まったのだが……

まさか、どうすれば呪霊を根絶出来るか夏油さんから聞いてくると思わなかった。

 

 

 ★★★★★

 

 

 

「どうすれば呪霊を根絶出来るか?」

「ああ、君の師匠はそれを研究していたそうだね」

 

 

 そういえば九十九センセーには会っているのか。

 どんな人物かはある程度でしか知らなかったはずだったが、死亡した後に詳細は聞いていたのだろう。誰だよ言ったの。

 

 

 

「まあ、無くはないが現実には不可能だ」

「!どんな事をすれば根絶出来る!?」

「簡単だよ。全人類が死ねばいい」

 

 

 冷たい水を頭からかけられたかのように夏油さんの表情が凍りついた。結論は人類が死ねば呪霊は生まれない。それだけだ。

 

 呪霊の根絶は人間の根絶と同義だ。

 だから現実には不可能なのだ。呪霊が生まれないようにするには、負のエネルギーを生み出す人間の排除をするしかない。

 

 

「呪霊の源は大体が非術師から負のエネルギーが流れる事が多い。呪術師は負の感情が制御出来るからね。だが、全人類が呪力を持つ存在になる事は流石に無理」

 

 

 先ず、脳を弄る事に対する拒絶反応が出ないとも限らないし、それが出来るのは人間から生まれた呪いである真人のみだ。私の再構築でもそこまで細かく創り直すのは無理だ。

 

 

「だからと言って非術師を皆殺しにしたら呪霊が死んだ後に生まれた人間はどれだけ生きていられる?経済や世界の均衡が崩れ、エネルギーを生み出せる人間の取り合い。平和には程遠いから現実には不可能だ」

 

 

 呪術師のマイノリティを考えると、恐らく多くても日本に500人くらいだろう。その中で見えるだけの人間が大体八割くらいか。そんな数で日本の経済も回るはずがないし、他国との戦争になるだろう。それでは描いた平和とかけ離れている。

 

 

「呪力の脱却も一つの手かもしれないが、それを上層部が引き受ける訳がない。持った才能を捨てたくないクソ共だし、現実的ではない」  

 

 

 と言うより、それは私も同じだ。

 呪力からの脱却のプランは呪霊を生まないかもしれないが、どこで不都合があるか分からない。呪力を生み出さない為に呪力を棄てる行為で万が一呪霊が生まれてしまった場合、対処ができない。

 

 だから力を捨て去れない。

 脱却は自分の首を絞める可能性がある。

 

 

「間引きも脱却も不可能。私が考えてるプランの三つ目。負のエネルギーを正の感情に変えれる装置を生み出す事が目標かな。そうすれば呪霊が生まれ難くなる。生み出されたとしても弱体化は出来る。簡単に言うなら空気清浄機だね」

「……!出来るのか?」

「絶対に創るさ。センセーに誓ってね」

 

 

 あの人が願った事であり、私が望んだ事だ。

 とは言え反転術式による正のエネルギーを生み出せるようにするにはかなりの時間が必要だ。未だ使えるのは私含めて四人しかいないし。それを量産となればかなり難しい。

 

 

 

「……最近、分からなくなっているかな。上層部含めて人間の醜悪さを見て、弱者故の尊さと醜悪さに私はどうすればいいか分別出来ないんだ。術師の終わりの見えないマラソンゲームに……どうすればいいか」

 

 

 

 うーん。天内が生きているのにこれは相当病んでいるな。何処かでSAN値チェックに失敗してないか?この人の精神がガリガリ削られている気がする。チーズみたいに。

 

 

「……思ったんだけど、夏油さんマジに考え過ぎじゃない?」

「考え過ぎ?」

「力があるからって弱者を護るのは義務じゃない。力を振るうものは力を自分の為に使うのが当たり前だ。名前も知らない人間に無条件で手を差し伸べるのは聖人か聖女だ」

「だが……」

「全ては救えない」

「!」

 

 

 そう、それは真実だ。

 全て救える人間は存在しない。存在するなら呪霊どころか他国との戦争だって終わっている。

 

 呪術師に終わりはない。

 それは真実だ。呪霊のリセットは現段階で不可能だからだ。全人類の呪力の脱却も出来なければ、非術師を間引くように殺してもどの道世界の在り方が変わってしまうからだ。

 

 終わりがない。

 終わりに近づける形に近づける事しか出来ない。

 

 

「全て救うなんて傲慢さ。私達は呪術師であってもどこまで行っても人間だ。神様にはなれない。救えるのは手の届く範囲の人間だけさ」

「………」

「弱者を護る義務なんてない。力は力だ。どう振るうかは本人次第さ。顔も名前も知らない人間を護る事は驕りが過ぎるよ。せめて目の前の人間を救う為に全力を注ぐ。それが呪術師のやるべき事じゃない?」

 

 

 呪術師は目の前の人間を護れたら御の字だ。

 間に合わなかった人間がいるなら、間に合わなかった人間を増やさない為に動くのが、呪術師の在り方だと思う。

 

 私も全てを助けられる人間になろうとか崇高な考えを持ち合わせているわけではない。センセーがどうだったのか知らないが、あの人の夢をひたすら追っているだけだ。

 

 

「貴方はどうしたいか……ゆっくり考えてみるといい。貴方の原点がどこにあるか」

「……ああ、ありがとう。相談受けてくれて」

「構わないよ。貴方も来月特級だろ?その時はよろしく頼むよ」

 

 

 夏油さんは悩む事が深くなっているが多分大丈夫だろう。力を義務にしなければ、あの人が潰れる事はない。この人は責任を背負い過ぎる事で自分が潰れてしまう。

 

 非術師を皆殺しにする人間にならないように敢えて殺した時のデメリットを話した。暫く一人での任務が多かったから、差をつけられたその思いと、呪霊を祓う意義が分からなくなっている。

 

 この人の原点さえ分かれば、立ち直ってくれるだろう。この人は多分一番この世界で生きるのが辛い人間なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「因みに何故ここに?」

「それ今聞く?上層部が私の創った呪骸でエッチなことしたいって言ってきたので五条さんや硝子さんに土産話として持ってきただけです」

「」

 

 

 夏油さんは何も言わなくなった。

 この後、上層部の大体が人形に欲情するド変態という噂が高専内で流れた。

 

 

 




★★★★★
活動報告にて最強募集してます。最強じゃなくても実用的だと思ったものでも構いません。
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