最強になる必要はない。最強を創れればいいのだから。   作:アステカのキャスター

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 お久しぶりです。
 最近大学の課題が多くて更新止まってましたので書いていくぜぃ。では行こう。


二十七

 

○月○日 晴れ

 

中学三年生となり、東堂は一足先に高校生となった。

最近の研究も行き詰まりを感じている。多分私の領域は事象や因果、そして『死』の概念を知らなければ完璧にはいかないのだろう。

 

全ての始発点と、全ての終着点。

言わずもがな、それがあやふやである。『死』の概念も把握していると思ったが、あの時(発狂死事件)もあくまで()()だ。本当に死んだわけじゃない。

 

始まりの『構築』と終わりの『分解』

死の概念の理解が大きい『分解』の方が強いが、()()()()()()()()()()()()。存在するものを創り換える力も強力だが、もっと調べなければ無理だ。

 

と言うか、コレが達成された時って型月風に言うなら『』だ。

 

誰か事象系の術式持ち、居ないかなぁ。

 

 

 

○月☆日 晴れ

 

そして、呪霊を無くす装置について手がかりを見つけた。というか意外にも、身近にあるものだ。

 

その手がかりになるのは『天逆鉾』だ。

 

『天逆鉾』は術式の強制解除をどうやってやっているのか?コレは推測でしかないが、『天逆鉾』は恐らく触れた術式に対して()()()()()()()()()()()()()()()

 

恐らくこの仮説が最も有力だろう。

術式は多くても順転と反転の二つしかない。けど、『天逆鉾』はもう一つの可能性を秘めている。分かりやすく『裏術式』と言おうか。刻まれた生得術式を解析し、その生得術式の『裏』を作成する。分かりやすく言うなら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それが強制解除に見えるのだろう。

 

最初から正の力を持っている訳じゃない。

術式に対して反転術式では相殺ができない。五条さんがいい例だ。『茈』は二つの無限の衝突によって発生するし。

 

この『裏』術式を創れたらその環境に合わせた呪力そのものを相殺する力を使えるはずだ。

 

その『天逆鉾』は?

……夏油さんが持っていきやがったよ。だからコレはただの妄想だ。検証も出来てないし。

 

 

 

○月♪日 晴れ

 

他人の術式を使って領域展開できないかやってみた。

普通に出来なかった。どうやら領域展開に必要なのは生得術式だけじゃなく、()()()()()()()()()()()()()()()

 

前にも書いたが、呪力を構成してるのは魂のエネルギーだ。生得術式は本人の魂の形を示したもの、だから他人がそれを使うというのは、()()()()()()()()()に等しいのだ。

 

うーん。最近あまり進まないな。

新しい呪具の開発ならまだしも、自分自身の術式に限界が迫っている。圧倒的に知識不足。まだまだこんなものじゃないのに。

 

 

まだだ、まだ終わらんよ……!!(言ってみたかったランキング八位)

 

 

○月♡日 晴れ

 

最近、弟子達がつおい。

全員でかかってきたら、流石に負ける。殺し合いがありなら負けないが、手加減ありの多対一なら、東堂のせいで思ったより上手く気絶させられない。一応重力無くした俺は理論上光の速度まで加速可能なんだけどなぁ。慣れや癖を見切られているな。

 

まあ東堂はもう問題なく一級以上はある。

なんなら特級呪術師としても問題ないだろう。

 

 

やっぱりこれ原作より強くなってない?

大丈夫かな、加減間違えて恵くん殺さないよね?

 

 

 

○月*日 晴れ

 

久しぶりに天内にあった。

と言うか、天内が名前を変えて補助監督やっていた。最初聞いた時、私は口をパクパクと開けていた。後一年で私の専属の補助監督は解任されるが、その一年は天内が専属になるらしい。どうやら五条さんが手を回していたようだ。絶対殴る。

 

本人に関しては、「ふっふっふ。ようやく貴様の驚く顔が見えたのじゃ!」と言って録画していやがった。おまけにさりげなく五条さんに送りやがった。とりあえず両頬を引っ張った。

 

……まあ、ツボミさんが結婚して最近妊娠の可能性があるって言ってたし、丁度いいのかもしれない。天内は結界術だけならかなりの才能を持つらしい。流石、天元の器だな。

 

 

つかお前喋り方まだ治ってなかったのか……なんか開き直ったらしい。

 

 

 

○月¥日 曇り

 

禪院家に呼び出されて屋敷に訪れた。

次期当主の話だ。私が正式に禪院家に入り、真依か真希、もしくは禪院家に息のかかった女を娶るなら、当主の座をくれてやると直毘人の爺さんが言ってきた。

 

まあそれに抗議する三人だが、とりあえず実力で黙らせた。具体的には領域展開を開幕ブッパである。当然、動きを止めただけで殺してはいない。この件は預かり、直毘人の爺さんが死んだら考える事になった。

 

真依や真希はその話し合いにすら参加できないらしく、二人はどうしたいか聞くと、当然ながら真希は当主の座を狙っているし、真依に関しては呪術師になりたくないと言っていた。

 

やはり二人はなんというか中途半端な強さなんだよな。

真依の構築術式が弱いのも、真希の天与呪縛が完全な呪力の脱却をしていないのも、双子が原因なのだろう。

 

双子が忌み子である理由に関連してるが、単純な話、魂を二つに割ったのが双子なのだろう。だから強くなれない。逆に言えばそれさえ何とかすれば強くなれるはずなのに。

 

強くなりたいかと聞いたら当然と真希は答え、私と同じになりたいかと聞いたら、頷いた。

 

とりあえず、真依と真希を弟子に取る事を伝えたらあっさり了承してくれた。強くなるなら禪院家として損はないらしい。まあ真希に関しては強くなれたら後は適当にするとは言ってたが。

 

よくよく考えたら、京都組同級生の邂逅はあと三輪ちゃんでコンプだ。

 

 

 

 

 ★★★★★★

 

 

 

「で、ぶっちゃけどうやって強くなるの?」

「真依は双子が凶兆である理由気付いてる?」

「まあね。私が居れば真希は強くなれないし、真希が居るから私も強くなれない。双子の縛りみたいなものね」

「そこだ」

 

 

 私もそこは思った。双子こそが縛り。

 呪術において一卵性双生児は兄弟姉妹ではなく同一人物とみなされる。一つの魂が半分に割れるようなものだ。真希は真依で、真依は真希。お互いに一つの完璧を半分に割った存在なのだ。

 

 

「例え話をしよう。双子がいるから強くなれない。逆に片方が死んで術式を継がせれば強くなれる。ならどうすると思う?」

 

 

 真希が真依を背に護身用の呪具を向ける。

 わあ、流石お姉ちゃん。妹を背に呪具を構えてるところとかかっこよすぎ、我々の業界では眼福です。

 

 

「……おい、お前まさか私達のどっちか殺すって訳じゃねえよな?」

「頭硬いな。誰がそんな事するかよ」

「じゃあどうやって?」

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 はっ?と二人が理解できないように口を開く。

 まあ、普通に理解出来ないのは無理もない。やろうとしている事が常識外のやり方だし。

 

 

「要するにだ。双子は魂を半分に割った存在だ。だからこそ縛りの損得はかなり大きい。だから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……!?」

「……そんな事、出来るの?」

「出来る。もっと正確に言うなら補填だ。お前達は魂が半分に欠けてるようなものだ。逆に言えばそれを補うように満たす存在さえあれば、強くはなれる」

 

 

 要するに同じ双子を創り、同化する。

 足りないものを足りるように埋める。それだけなのだが、これにはデメリットが存在する。

 

 

「ただ、問題が二つ」

「何だ」

「一つ。私が創るのはあくまで()()()()()()だ。魂の核のみが存在しないお前達での補填は完璧な補填とは言わん。現状より上がっても完璧とはいかん。ついでに言うなら、行ったら最後、それ以上の強さを手に出来ない」

「いや問題ねえよ。どっちかが死ぬくらいならそれでいい」

 

 

 真希が即答する。

 恐らくだが、伏黒甚爾に最も近い存在にはなるが、完全な脱却とはいかないだろう。私が天与呪縛を書き換えた事はあるが、この場合は例外。双子の縛りをどうにかしない限り、天与呪縛を書き換える事が恐らく出来ない。縛りは損得の問題、片方だけが強くなる可能性は薄い。

 

 

「問題二つ目。あー、殴るなよ?」

「何なんだよ二つ目は」

「多分、それをその完璧な偽物を創る時に裸が見えちゃうって事かな」

「………」

「……変態」

「待て誤解だ。創る際はどうあがいても服を着せるなんて無理だ。創った後、毛布かけるけど」

 

 

 なんせ肉体を創った時は素っ裸だ。

 残念ながら服まで着せて生み出すという器用な真似は出来ない。失敗すると不純物が混ざる可能性があるし。

 

 

「チッ、つまり私達の裸見る代わりに強くすると」

「おい待て、言い方。間違ってないけど、単純に見られるって事は知っといた方がいいってだけだ」

「あっ?欲情すんのか?」

「するか馬鹿。三十年出直してきやがれ」

 

 

 あっ、殴られた痛い。

 いやまあさ、二人とも美人じゃん?その二人の裸見るとか、ファンに殺されそうなんだが。

 

 

「……その前に一つ聞かせて。真希は予想出来るけど私はどんな風に強くなるの?」

「さあ?強化の振り幅は私も分からん。まあ真依の場合は私と同じくらいにはなれるんじゃないかな」

 

 

 真依の構築術式が複雑な物や燃費がクソなのは、呪力の問題ではなく生得術式そのものにある。魂を半分に割った中で持って生まれた生得術式は、()()()()()()()()()()()()()()()()。真希が天与呪縛を持っていなかったら、恐らくは構築術式を得ていただろう。

 

 

「ただ、呪術師になりたくないならオススメはしない。私の力は特に呪術界では重宝されている。家族を守る意味で禪院家との繋がりがある。構築術式の本質に辿り着けた人間は多くの呪詛師にも狙われかねないしね」

「……本質?構築術式に?」

「私の術式は君と同じさ」

 

 

 そういや明かしてなかった。

 知ってんの夜蛾先生とさしす組くらいか。構築術式の実態を知ったあの日から情報が漏れないように声をかけていたのが幸いだ。まあ構築術式自体が弱かったのもあって、私の術式がバレる心配はなかったけど。

 

 真依は当然悩んでいる。

 そりゃそうだ。真依は呪術師になりたくない。呪術師になって狙われるのも本意ではないのだし。実家のために結果を出すという事を嫌っている。

 

 

「真依、君に素晴らしい言葉を授けよう」

「……?」

「自分がどう在りたいのか、それを決めるのはいつだって自分の選択だ」

「!」

「強く在りたいなら力を欲し、弱く在りたいなら誰かに縋る。惨めに生きる在り方も、虐げられない為の生き方も、君が決める事だ。私は強要はしない」

 

 

 当然、決めるのは自分だ。

 私はどちらでも構わないのだ。強くなりたい奴には出来る限りの手を差し伸べよう。弱いままでも、本人の選択なら仕方のない事だ。その上で言える事があるとすれば一つだけだ。

 

 

「──ただ、その在り方に後悔だけはするな」

 

 

 私は最強を創る為に、多くの過ちを犯してきた。そうして未来が変わってしまった事に後悔はある。けど、歩いてきた道のりも、そうなってしまった事実も私が受け止めなければならない事だ。

 

 私は間違った選択には後悔している。

 ただ、自分の在り方には後悔はしていない。それは、あの人が私が成し遂げられると信じてくれたから。

 

 

「君はどうする?」

「私は……」

 

 

 真依の背中を思いっきり真希が叩いた。

 そこに言葉を交わす必要はなく、ただ真っ直ぐな真希の瞳に真依はため息をつき、自分の両頬を叩いた。

 

 

「……荒夜。私も、強くなりたい」

「決まりだ。真希は?」

「決まってんだろ。強くなれんならやる」

 

 

 二人の眼には迷いが消えていた。

 それを確認すると、私は立てかけられた白衣を着て、二人を研究所の最奥まで案内し、扉を閉めた。

 

 とりあえず言わせてくれ。私はヤッてない。

 

 

 




『禪院真希のステータス』

【強化前】
・五感   ★★★★
・呪力質  ーー
・呪力操作 ーー
・体術   ★★★★★
・術式   ーー

【強化後】
・五感   評価規格外
・呪力質  ーー
・呪力操作 ーー
・体術   評価規格外
・術式   ーー

 大体、伏黒甚爾の八割の強さ。
 動体視力、五感、肉体のフィジカルは全部向上し、呪霊を五感で感じ取れるようになった。

『禪院真依』

【強化前】
・呪力量  ★★
・呪力質  ★★
・呪力操作 ★★
・体術   ★★
・術式   ★★

【強化後】
・呪力量  ★★★★
・呪力質  ★★★★
・呪力操作 ★★
・体術   ★★
・術式   ★★★★


 半分に割れていた分の強さを取り戻せた。呪力量は荒夜より少し上、体術及び呪力操作は努力しなければ伸びないが、将来荒夜を超えれる可能性がある有望株。因みに荒夜は全ステータス星四以上、呪力量がギリ四くらい。
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