最強になる必要はない。最強を創れればいいのだから。   作:アステカのキャスター

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 リクエストに世界を滅ぼしかねないものがあったんですが!?
 まさかの日間一位……だと?ありがとうございます!と言う事で今日は高一さしす組との邂逅です。長かった。字が7000超えると思わなかった。





 

 

 

 

○月○日 晴れ

 

ヒャッハー!!やってきたぜ高専!

とまあ正直な話来る必要はなかった。何故ならサンプルの呪術師の血を手に入れられたら、後は研究に没頭出来るから。

 

とは言え、原作開始前の生さしす組に会えると言うのはオタクとしてはかなりのイベントである。

 

あと、夜蛾先生に呪骸について教えてもらえる。

ここもかなりのクエストになりそうだ。

 

 

そういえばまだ、さしす組一年なんだよな。

夜蛾先生の案内のもと、教室に入ると、そこには三人が座っていた。

 

サングラスで足をかけた銀髪不良。

前髪が変だけれども礼儀正しそうな問題児。

若干タバコの匂いが残っている美人なお姉さん。

 

 

いや眼福ですわ。写真撮りたい。

夜蛾先生が「明日からお前ら三連休だ。任務ないし休みだろ。この子に色々と教えてやれ」と言ってくれた。五条悟は舌打ちし、夏油傑はわかりましたと答え、家入硝子は面倒そうな顔をしていた。

 

その反応、我々の業界ではご褒美です(涙)

 

明日からさしす組と呪術の特訓をしよう。最近ストレス溜まっていたからご褒美イベントですはい。

 

 

 

○月◎日 晴れ

 

お前、何が出来んの?と言われたら構築術式ですと答えたら「ザッコw」と言われた。ムカついたから椅子を分解した。反転術式と術式反転で分解も出来ますって言ったら「はぁ!?」と目を見開いて叫んだ。あ、そっかまだこの当時、伏黒パパと殺し合ってないから使えないんだったね。

 

わざとらしく口元を隠して小さな声で「ザッコw」と先程の真似をして笑った瞬間ゴングがなった。「表に出ろ」とガン飛ばした五条さんに「寂しがりか?一人で行ったら?」と言ったら夏油さんと家入さんの腹筋が死んだ。頭を鷲掴みにされて校庭へGOである。

 

と言う訳で模擬戦である。

呪力操作はアリ。気を失った方が負けと明言し、戦うことになった。大人気なくね?まだ身体はピッチピチの六歳の子供よ?

 

だが、最強を知るには丁度いい。

俺の持てる全てをもって全力で挑んでやろう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……なんて意気込んだけど、負けました。

 

いやさ。頑張ったよ?

なんなら一瞬でも無限の壁を超えられたし。

 

けど、無限という空間の分解が思った以上に呪力を取られる。分解で術式自体を小規模とは言え穴を開けられたのだが、空間全部を分解出来なきゃ無限の壁は超えられない。

 

敗因は手は無限を破れても全身は無限に阻まれた事。

 

無限級数、術式の一部に穴を開けた。

しかし、穴が狭すぎる。無限を張っている五条さんに腕が短くて素で届かない。

 

全身が通れるサイズまで無限を分解をしようと思ったのだが、呪力が切れてゲームセット。スマブラの声が聞こえた気がした。

 

 

ここでやはり呪力量の差が出てくる上に、無限と言う空間の分解の燃費の悪さから俺では最強を超えるのは無理らしい。領域展開に関しては破門にならなかったら次の年にセンセーが簡易領域から教えてくれるらしいからまだ出来ない。

 

まあ五条さんが一瞬でも驚愕した顔を見れたから今日は良しとしよう。呪力消費で身体がキツいから日記はここで終わる。

 

 

 

○月●日 晴れ

 

お前、他に何が出来るの?と言われた。

五条さんが少しだけ興味を持ってくれたようだ。と言う訳で術式を見せてみた。五条さんは「……はっ?」と目を見開いた。

 

何かおかしいのか聞いてみるが、「続けてみろ」と言われ、持ってきた都牟刈村正(偽)を更に再構築し直す。前回、呪力を纏っていた。二回目になると前の呪力と捩じ込んだ呪力で、更に呪力を帯びて洗練された都牟刈村正(偽:改)が出来上がる。

 

五条さんが「虚式……?いや原理は同じでも別の術式だとこうなんのか……」とぶつぶつ呟いている。見せろと言われて村正(偽:改)を渡す。

 

五条さんがほんの軽い気持ちで村正(偽:改)を振るった。

 

校庭が()()()

振るった方向に数メートル、何かに切り裂かれたような跡が残っている。三人とも目を見開いて此方をガン見してくる。

 

えっ、二回目とは言え最初に使った材料鉄パイプだよ?流石に材料が鉄パイプな事は告げなかったが、恐らくは特級呪具だと五条さんは語る。それマジ?

 

 

この後、四人とも夜蛾先生に正座させられた。

止めなかった罰と軽い気持ちで振った罰、後は許可なく特級呪具を持ち出した事。いや持ち出してねえ創ったと五条さんが告げると俺をガン見してきた。とりあえず、この場所で生み出した呪具の使用は禁止させられました。

 

 

………(´・_・`)

 

 

その後、渋い顔をされながらも、呪骸を創った。

パンダに会った後、夜蛾先生にぱーふぇくと呪骸講座を教わった。ここでもRTAって何?流行ってんの?次期学長だから浮かれてんのか?

 

 

 

○月×日 晴れ

 

夏油さんの術式から呪霊を使役してるのは知っている。あんまり乗り気ではないのだが、呪霊という存在が錬金空間で再構築されるとどうなるか知りたかったのもあり、三人+夜蛾先生の同伴の下、二級の呪霊を錬金空間に入れる実験をした。

 

とは言え正直な話、必要な行為とはいえ乗り気ではない。呪霊にも魂があるから間接的に人間を分解し再構築している気分になるからだ。

 

だが、知る必要はあった。

夜蛾先生の同伴の下、万全の状態で実験が行われた。

 

結果。膨大な呪力が生み出された。

 

このまま拡散したら天元の結界が張られているその内側から呪霊が湧く可能性がある為、いつもの燃費の悪い構築術式で消費する。純度100%の鉄がレンガブロック二つ分くらい出来た。

 

えっ、やばくね?

純度100%の鉄を前に生み出そうとしたが、呪力消費が半端なくてサイコロくらいの大きさしか出来なかったのにレンガくらいの大きさで二つてやばくね?

 

呪霊で生み出されたのは純粋な負の力。

それが力場から漏れ出るように溢れていた。すかさずその呪力を使って力場を大きくしてもレンガ二つ分の純粋な鉄が出来上がるほどの圧倒的な量の呪力が生まれたのだ。

 

 

いったい何故?と思ったのだが、それに関しては答えが出ている。

 

 

原因となるのは魂の有無だろう。

恐らく人も同じだが、魂を俺が分解すると魂の無い物質(無機物)より高度なエネルギーとなる。人間は約八十歳まで生きられる。その一生分をエネルギーに換えると莫大なエネルギーになるだろう。

 

呪霊ならば、放置されていれば何年でも生きられる。あの二級呪霊は産まれてから恐らく数年。だが、それでアレ程の呪力が生み出されるならば……

 

 

……少しゾッとする。両面宿儺とか特級だった場合、どうなってしまうのだろうか想像するだけで悲惨である。

 

夜蛾先生も俺が呪術師で良かったと心底思っているようだ。うん、正直俺もそう思うわ。呪詛師だったら世界が滅んでた。比喩抜きで。

 

とりあえず、俺は教えられる範囲の考察を告げる。

具体的に言うと「ジュレイ、ブンカイスルト、ヤバイ」である。ちょっと放心状態だった。

 

 

この後、気分転換にスイパラ行って、夜にめちゃくちゃUNOした。

 

 

 

 

○月■日

 

今日の昼頃に新幹線で帰るのだが、他の呪術師の採血をしたいと言ったら夜蛾先生と家入さんと夏油さんが採血に協力してくれた。五条さんに関しては家の事があるから大丈夫だと言ったのだが、仲間外れが嫌だったのか採血に協力してくれた。

 

と言うかここに来てまともな質問が飛んできた。何処から来たとか何が目標だとか。えっ、今更?今日帰るんだけど?

 

夜蛾先生が駅まで送ってくれる。

三人が見送りに来てくれた最後の最後で夏油さんが高い高いして「四日間ありがとう」と言ってくれたのと家入さんが抱きしめて「頑張れ」と応援を頂き、五条さんが不器用な笑みで頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。

 

 

………感無量です。今なら死んでもいい(一回焼死してます)

 

夜蛾先生も新幹線に乗る前に「君には期待している。だから精一杯やってみなさい」と頭を優しく撫でられた。

 

何というか、幸せが溢れてる。

くそぅ、俺をホワホワさせるんじゃねえ!!(フニャリ顔)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

帰った後、親に嘘がバレてめちゃくちゃ怒られた。ぴえん。

 

 

 

 

 ★★★★★★

 

 

 五条悟はため息をついた。

 夜蛾が夕方頃に集まっておけと言っていたので、俺、傑、硝子の三人は教室に残っていた。なんでも、特級呪術師の弟子らしくまだ若いから教育係として紹介する為らしい。

 

 ハッキリ言って面倒だと思った。

 傑も硝子もそれは同じようで、暇だったので賭けUNOをしていた。そんな中、夜蛾が入ってくる。

 

 

「全員居るな」

「まー、任務早めに終わったし暇だったから」

「早く寮戻りたいんでソーキューに」

「分かった分かった。入ってくれ」

 

 

 夜蛾が扉を開くと、まだ小さな少年が入ってくる。

 つーか、ちっさくね?まだ小一くらいだろ。呪力量も中の上程度、なんなら歌姫と同じくらいだろう。

 

 

「この子が特級術師の九十九由基の弟子。荒夜緋色だ。明日からお前ら三連休だ。任務ないし休みだろ。この子に色々と教えてやれ」

「はっ?」

「ええっ……」

「……分かりました」

 

 

 俺たちは驚愕三割、面倒七割で声を出していた。

 しばらく任務休みでスイパラとか行こうか考えていたのに夜蛾に子守を押し付けられ、休みを返上させられる事に舌打ちをした。

 

 

 ★★★

 

 

「で、お前何が出来んの?」 

 

 

 朝食で菓子パンを頬張るガキは、俺の言葉にキョトンとした顔をしていた。右手を出し、生み出したのは大した事のないビー玉。六眼が構築術式と暴いた。ただ、呪力量から生み出されたコストが割にあっていない。ビー玉一つで一割半の呪力は持っていかれただろう。

 

 

「ザッコw」

「悟」

「いや事実だろ。本当にこのガキ特級の弟子か?」

 

 

 その言葉にカチンと来たのかガキは俺の座っている椅子に触れると、椅子の脚が崩れたかのように消え、座っていた俺は教室の床に叩きつけられた。六眼でその現象を見た。術式は構築術式から分解術式に変わっていた。

 

 

「いっつ!?」

「これが術式反転。分解の術式ですよ」

「はぁ!?」

 

 

 術式反転。

 それは生得術式に正の呪力を流す事で生み出される術式の逆転。未だ俺が習得していない反転術式を現在使えるのは硝子だけだと思っていた。

 

 

「あっ……そっか貴方には出来ないんでしたね。すみません。ザッコw

 

 

 カチンと来た俺はガキを睨みつける。

 口元を隠し、先程の真似をされた事に俺の中でゴングが鳴っていた。このガキに出来て俺に出来ないプライドから腹を立てていた。

 

 

「表に出ろ」

「寂しがりか?一人で行ったら?」

「ぶっふぉw」

「ぐふっw」

 

 

 頭を鷲掴みにして校庭まで出て行く。

 あーれー、と呑気にぶら下がりながら抵抗はしていなかったのを見て余裕そうだから泣かす事にした。

 

 つか傑と硝子はいつまでも笑ってんじゃねぇ!!

 

 

 ★★★

 

 

「……嘘、だろ」

 

 

 勝った。勝負なんて最初から決まっていた。

 ガキと青年の体格差で負けるなんてあり得ねえ。勝つのは当然だった。だが、このガキは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 俺の無限級数。

 アキレスと亀の原理でどんな攻撃も俺には届かなくなる。だが、そんな中で無限と言う空間を引き寄せた俺に届かなくとも無限を分解しやがった。だが、総呪力の差で腕までは分解出来ても身体は届かない。

 

 全身が届くように分解を働かせようとして、このガキは気を失っていた。単なる呪力不足に陥ったと硝子は語る。

 

 

 ……久しぶりだった。ガキ相手とはいえ出会った中で冷や汗をかかされたのは傑以来だった。

 

 

 ★★★

 

 

「お前、他に何が出来んの?」

 

 

 分解と構築の二つを持つ以上、ネタは尽きたかなと思いつつも興味本位で聞いてみた。校庭まで行った後に俺らにちょっと待ってと言った後、ガキは布で巻いていたものを取り出した。

 

 

「刀?」

「おいおい。一級くらいあるんじゃねえの?」

「マジで?」

 

 

 スラリと鞘から抜けた刀身を見て、俺はそう評価した。込められた呪力の質も高い上に鍔の無い真っ直ぐな直刃に刀に詳しくなくとも切れ味は察せた。

 

 

「術式順転『構築』…術式反転『分解』」

「……はっ?」

「何かおかしいですか?」

「いや……続けてみろ」

 

 

 右手に浮かび上がった力場。

 それらは俺に見せた構築と分解そのものの力だ。両手で器用に逆同士の術式を生み出している。精密な呪力操作に舌を巻くほどだ。

 

 

「力場…融合」

「!」

 

 

 ここで俺は目を見開いた。

 五条家に伝わる秘伝の術式が存在する。術式のメリットは情報が漏れやすい事。だが、それを知る人間はごく僅かだが奥義が存在する。

 

 虚式「茈」

 原理としては順転と反転をぶつける事で仮想の質量を押し出す術式。その原理と同じ事を目の前のガキはやってやがる。

 

 先程の一級呪具を力場に入れると、分解し、さらに洗練された刀へと変えていく。呪力の質からしたら相当なものだったのに、組み合わさった配列から生み出された新しい刀が姿を表した。

 

 それを興味本位で見せてもらった。

 先程よりも呪力の質が上がってやがる。軽い気持ちで俺はその刀を振ってみた。

 

 

「うおっ!?」

 

 

 大地が割れやがった。

 咄嗟に「蒼」を発動させて斬撃を空中に引き寄せなければもう数メートルは割れていただろう。

 

 

「うっそぉ……」

「……マジで?」

 

 

 思わずそれを創ったガキをガン見する。 

 この呪力の質から斬れ味の良さが変わってくる。もしかしてこのガキの呪力の質によって左右されてんのか?

 

 とりあえず弁明を聞いた。

 

 

「いや切れ味凄いのは知ってたんですけど」

「………お前、なんつーもん創ってんだ」

 

 

 てか先に言えよ。これ絶対特級呪具だろ。

 

 その後、夜蛾に四人揃ってめちゃくちゃ正座させられた。

 

 

 ★★★

 

 

 次の日、どうしようか迷った。

 そろそろ出来る事が無くなっただろうと思ったが、まだあったようだ。

 

 

「呪霊の分解?」

「はい、やった事なくて」

「傑」

「二級でいいかい?」

「ありがとうございます」

 

 

 話がトントンと進む。

 一応念のため帳を下ろし、夜蛾も付き添いで昨日と同じ力場を生み出している。傑の飼っている呪霊の二級を分解する。

 

 

 

 

 チリッ、と眼が熱くなった。

 

 軋む。空気が重くなる。

 感じ取れたのは、溢れんばかりの膨大な呪力だった。

 

 帳が呪力でぶっ壊れるんじゃないかと言うくらいの軋みをあげ、生成された呪力の奔流の中にガキはまだいた。

 

 

 

 

「……やばっ!止めろガキ!!」

「いや下手に止めたら呪霊が内部に現れる!!呪力を消費させます!」

 

 

 そう言ってガキは呪力を消費させる為に純度100の鉄を生み出し、大気まで溢れていた呪力は消え去っていた。その莫大な呪力が何故発生したのか、心当たりがあるようでぶつぶつと何か呟いていやがった。

 

 

「ガキ、説明しろ」

「ジュレイ、ブンカイシタラ、ヤバイ」

 

 

 いや見たらわかるわ。

 何であんな現象が起きたのか聞いているが少し放心状態だったのでこの後、スイパラで気分転換しに行った。頬張る姿がリスみたいだったと硝子が告げる。

 

 

 

 ★★★

 

 

 夜にUNOをしながら原因を語った。

 ガキが言うにはどうやら、魂が原因らしい。無機物からのエネルギーと違い生き物からのエネルギーは分解すると爆発的な力を解放するようだ。

 

 あっ、負けた。

 

 分解から生じるエネルギーは、呪力と何が違うのかと聞いてみた。

 

 呪力は藍色の水だと例えた。

 対して分解されたエネルギーは無色の水のようなものだと告げた。

 

 

 あっ、また負けた。

 

 

 呪力として使うなら、無色を()()()()()()()()()()()()()()()()()。だが、生み出したエネルギー(無色水)に対して呪力(藍色の水)を入れたら薄まってしまう。薄まった藍色では呪力として使用する事が出来ないらしい。

 

 色チューブそのまま入れられないのか?と聞いたら、それだと呪力が生成出来ないと告げられた。確かに。言ってみたが俺も方法が分からない。

 

 

 あっ、また負けた。

 

 ……いや、ガキお前UNO強すぎだろ。連敗が納得いかなくてもう一回やっても負けた。かなり夜更かしした。

 

 

 ★★★

 

 

 今日でガキが帰る日だ。

 最後に採血をお願いしたいと、傑と硝子に言ってきた。俺は?と聞いたら貴方の場合家とか何がありそうだから遠慮しときますと何故か仲間外れにされたのが癪だったので、家で何かあったら黙らせる事を約束し、血を渡した。ガキもガキで受け取った血は研究の為に使い、決して悪用しない事を縛った。

 

 新幹線で帰んの?あのガキ一応六歳だろ。

 だがガキは「ヘーキヘーキ。無限を破るより簡単」と告げてきやがった。まあ本人がいいなら口出すのはいいか。

 

 駅まで夜蛾が車で送っていくらしい。

 俺たち三人は午後から任務だ。駅まで見送りは出来ないので車に乗る前に別れのサプライズを入れた。

 

 傑は高い高いしながら頑張れとエールを送り、硝子は抱き締めて四日間ありがとうと告げて俺に回ってきた。

 

 ただ、気の利いた言葉が出てこない。

 適当にわしゃわしゃと乱雑に頭を撫でるとガキはどこか嬉しそうに笑っていた。

 

 

「それじゃあ、四日間ありがとうございました」

「……気を付けて帰れよ。()()

「……!」

 

 

 そう呟くと「はい」と元気いっぱいに笑った。

 まあ四日間色々あった。最初は面倒だと思っていたのだが、中身がまるで大人だったようで学友の気分になってしまった。

 

 アイツが呪術界を変えると夜蛾から聞いた時はどんな身の程知らずの馬鹿かと思ったが、案外期待している自分がいる事に気がついてしまった。

 

 





【記録】呪霊を分解して分かった事
・呪霊を分解したら膨大な呪力が溢れ出す。
・恐らく人間もそうだが、生物の分解の場合はエネルギーではなく呪力に変わる。
・呪力と分解したエネルギーは近いものがあるが、本質は全く違う。
・エネルギーは呪力として使えない。呪力を混ぜて攻撃に使う事は恐らく可能。
・呪力と言うのはエネルギーの亜種に近い。

 これらを考察した結果、恐らく分解して生み出せるエネルギーと呪力の違いは『()()()()』にある。

★★★★★★
活動報告で最強募集してます。
良かったら感想評価お願いします。
すみません。明日投稿できないかもしれません。

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