「チワーッす! コレ、こんだけ下さーい!」
ハーブ屋ってとこの看板が下がってるトコに人ヅテで辿りついた。
カランコロン・・・♪
おお、ドアのカウベルがレトロじゃん。
店に入るとヨボヨボなバーサンが出てきてアタシの差し出したメモを受け取った。
ここ、マジでハーブ屋かよ?
カウンターには気味悪い、ヘビとかヤモリの漬けたのとか瓶詰にされてる。
「ハイハイ、ただ今・・・そこに座って待ってな、オメー!」
「ちょ!横柄だな!ババァ!」
「アァ!?誰にもの云ってんだい!あたしゃロジャー船長御用達のウィッチ・ドクターだ!
まだオタマジャクシだった様な小娘がエラソーにほざいてんじゃねーよ!」
「生々しいなオイ!チッ、いいからとっと出してくれやがれ、待ってっから!」
アタシは先輩のお使いに来てんだからな、待たすワケにいかねーんだっつの!
暫くすっと、こんな寂れた店にまた客が入って来た。
___ん? どっかで見たような・・・?
「バーさん、フィバーフューを頼む・・・。」
「あいよ、そこにソコに座って待ってな、小僧!」
小僧って!!まー推定100は超えてるんじゃねーか?と思われる皺クチャババァだ。
アタシより大人であろう、仮面野郎なんざ小僧に過ぎないんだろう。
しかし・・・どこで見たかな???
「・・・お前、L・ロゼッタと一緒にいた・・・!」
「ハ?ナニロゼッタ?」
「以前、お前が酒場で追い掛けた女だ・・・。」
「アンジーいや、アンジェラス先輩っすか?あ、お知り合いで?」
やべェ!先輩の知り合いかよ!!
ビシ!と姿勢を正し立ちあがるとアタマ45度にした。
「ハートの海賊団の新参モノ、ハルトと申しあげるです!お見知りおきを!」
「アンジェラス・・・それが本名か・・・!?良い名だ、彼女に相応しい・・・!」
ん?知り合いのクセに名前知らんとか?
けどまぁ、この、どことなくアメリカンな仮面の男は先輩に対して好意的な
言い方してるんで敵ではなさそうだと弱冠安心はした。
「新入りか・・・、普段の彼女はどんなカンジだ?」
「え、先輩っスか?
どんなって聞かれてもナー・・・。んー・・・あんま思いつかないけど、案外ヤクザっすね!」
この三日での感想はそれに尽きる。
二日目の夜、船長のルス中に船に忍び込んだ賞金首狙いの奴らを
≪Divine judgment≫って呟きでポン刀を振りかざしたと思ったら
そこにいたクルー含む全員を丸コゲにしちゃってペンギンアニキにキレられてた。
「__ソーなんすよ、先輩イワく『だって・・・面倒だったから・・・ダメだったか?』って、
またアノ仕草で首をコキン!と曲げるモンだからモー、誰も怒れるワケねーし!ってワケで;」
「・・・解るぞ、俺でもダダ許しだ・・・!」
「でっしょーw」
その時、勢いよくカウベルが鳴る、乱暴にドアが開いたせいで
ババァがイラっとした目付で訪問者を睨んでやがった。
「オイ、キラー!まだか!」
「ア!!」
「落ち着け、キッド。もうじきだ。」
おおお!コイツは知ってる!!
てか・・・なんか、前よりずっとヤサグレてね?腕、そんなゴツかったけか?
あ、じゃぁ! どっかで見たと思った、このアメリカン仮面は仲間だったか!
ポン!とひとり拳を掌で叩いてたら、そうユースタス屋!が、アタシに目を止めた。
「___お前は・・・」
「ああ、トラファルガーんとこの新人だそうだ・・・。」
「ハルトっす、夜露死苦!」
仮面くんとはなんか気が合いそうだが、ちょっとこの野郎はどうかと。
やたら唇赤いし、如何にも先輩が嫌いそうなタイプだしな。
「オイ、お前。前にも思ったんだが、アイツなんであんなにハゲに厳しいんだ?」
「あ~、先輩はなぜか”ハゲは大罪”と思ってるフシが・・・。」
「・・・・!!!」
何を思ったか、仮面くんは急に立ち上がり
フィバーフューとやらが出てくるのをソワソワ待ちだした。
「そういや前って・・・一体ナニが?」
「あぁ、どっかの飲み屋でお前ントコとたまたまかち合った時だ。
身内に絡んで来たハゲ野郎をアノ調子でトコトン小馬鹿にした挙句・・・。」
ニヤニヤしたまま、うちの船長はその様子をずっと眺めていたらしいが
相手が本気になり出すと彼女の肩をグイと引き寄せこう云ったとか。
”この女を・・・どう許さねェツモリだ? 生きたまんま名を上げたきゃヨソを当たれ。”
”テメーは・・・! クソ!ん!?わァ!痛えええ!?”
”育毛促進のツボだ、サービスしとく。ボーボーになるといいな”
”チクショー! おい、誰かコレ抜いてくれェ!!”
「・・・何処までもムゴたらしい女だぜ。
いつの間にかヤツの後ろハゲ頭に三本、でけェ針が突き刺さってた。」
針・・・!そか、先輩の副業は鍼師だ。確かにそれは恨みとか持ってそうだな!
それにしても、ロー船長カッコ良すぎじゃね???
あー・・・早く帰ってこねーかなぁ・・・。
ガラゴロ!!!
乱暴っちゅードコロじゃねェ、ドアが殆ど破壊されちまってた。
「 「 「 !? 」 」 」
ぬぅ!と埃を纏い入って来たのはこれまた見るからに海賊で。
あらら、なんてタイムリーw 今丁度、ハゲの話してたっつーの!
「オイ!ババァ!このフィバーフュー、全然効かネェじゃねぇか!一体イツ生えてくるんだ!」
「ハーブ使って三日如きでフッサフサになったらアタシゃ今頃、大金持ちじゃボケ!」
「アァ!?ダレがボケじゃ!クソばば!!」
バーサンが危ない!
カウンター越しに首根っこ掴まれてブランブランしてる。
「オイ、テメー!文句云うなら順番待てや!ゴルァ!!」
「あ・・・!?だれだお前?」
「関東レディースチーム
ドン!! ・・・だろ、ここで!
「 「「 イヤ、よく解らん; 」」 」
「う、うっせェ!とにかくBBAを放せよ!こっちは急いでんだから!!」
し、しまった、ツイいつものクセが出ちまった;
んがしかし、コレ以上長引いたら先輩に申し訳が・・・!
『 スゴイ埃っぽいな・・・酷い 』
「 「「 ・・・・!! 」」 」
なんて思ってたソバからアンジー先輩が黒いスカーフを口元に巻きながら入ってきたではないか。
無表情にこの様子を見渡したあと、彼女がハゲにロックオンしたのは言うまでもない。
目立ち過ぎるあの2人を差し置いてだ・・・スルースキル高ッ・・・。
「せ、先輩、すませんっ!!」
『 帰りが遅いと思ったら・・・遊ぶ相手を選べ、ヨリによってあんなハゲ散らかしゴリラと 』
センパイィイイイ! 始まった。ぐいぐい来たよ、ハゲイジリが・・・!
「オイイ!黙って聞いてりゃ俺がナニ散らかしてるだと!? アア゛!?」
『いあ、そうは言ってない。
ズルムケ・ゴリマッチョだけどまァ、いろいろダメそうな男と・・・アレ?いつの間に?」
自分で言っててもう訳わかんなくなったとか、どんだけ云いたいコト・ギフトセットだよ。
傾げた首、???がアタマの上に並んどる;
「なんか更にヒドくなってなくね!!? そのまァ、いろいろダメそうっての何!?」
『 お年寄りイジメする以外、"何の役にも立ちませんから"的なオーラが出てる。ほら・・・ 』
「え・・・・!?」
『 そこの・・・てっぺんから。 』
「指さすな!! そこは触れちゃいけないトコ!! フツー、誰もが避けて通るっつーんだよ!!」
カンカンになってるハゲ男と、小汗かいてるキッド、仮面くんはジっとヤツを見てるぽい。
我先輩だけはまだヘーゼンとハゲ頭を指さしてる。
「オネーちゃん・・・、云いたい事云ってくれたなぁ?
男がみんな、女に手ェあげないとでも思ってんのかい!?」
ヤツはストンと手からババアを放し、ゆっくり先輩の方へ・・・!
ギュイーン!!
ヤツが動き出すと仮面くんがその手の刃を回転させるが人の気配に振り向いてる。
「 「「 !! 」」 」
「じゃァ・・・、上げて見たらどうだ? 俺の目の前で・・・!」
「ァ・・・!」
ココぉ~!!! ココでドン!!!だわな!!
眼光鋭いまま、へらりと笑って店に入って来た男は。
お馴染な風貌の”ワンピイチ、イケてる”(アタシ的にココ重要)死の外科医だ~!!
「せ・・・!ロー船長!!」
「「 「 トラファルガー・・・! 」」」
案外背が高いんだなぁ・・・、ドキ!今、アタシをチラっと見た!
『 お帰り、キャプテン 』
「フ、珍しいコト云うじゃねぇか・・・?」
チッ!と舌打つ音が3ツ鳴ったかと思えば、ずっと振り向かない先輩が左腕を揚げる。
小指だけを立てた・・・?すると、ザッ!いきなり船長が抜刀しだしたのだ。
キン・・・!先輩の、あまり色気のないピンキーリングが音を立てて転がり落ちた。
・・・チン!静かに船長が刃を納めたと同時に
先輩はハゲ男にコツコツ、ゆっくり近づきながらスカーフを外してる。
「な、なんだよ!色仕掛けでも・・・ウぐ!!!!」
「 「「 !? 」」 」
あッ? 今一体何したんだ?
先輩を見降ろしてたヤツは急に胸を鷲掴み、ドスグロくした顔を歪めだした。
ガクガクと体を痙攣させて口から泡・・・!??
「行くぞ」
「へ、・・・あ、ハイっ!」
ロー船長は踵を返し、アタシは慌ててその後ろ姿を追って行く。
『 ・・・あ!しまった、ゴメン 』
先輩の声が背後で聞こえたが振り向くともう追いついてきてた。
何を謝ってたんだろ?
それにピンで止めていた髪を降ろしちゃって、あの魅惑の瞳がすっかり隠れてしまってる。
片腕には注文してたハーブをぶら下げ、後ろから船長のシャツをツンツン引っ張てた。
「問題あるか・・・?ほっときゃいい。」
___え?
船長の独り言のイミに首を傾げちまう。
『 ハルト。紹介するまでもないだろうけど、コレがアクド過ぎて有名なウチの船長だ 』
「説明がヘンだろ・・・!」
「ハ・・・ハルトっす!どうぞ末長くよろしゅうに!!!」
「あァ、まぁ仕方ネェ・・・。ヨロシクな。」
____その頃、ハーブ・ショップに取り残された約2名は。
「クソ!あの女・・・!ハァハァ・・・ちょっとだけ許さネェ!!いいか!?ちょっとダケだからな↑?」
「当たり前だ・・・!だがキッド・・・俺ならマルっと許す!!! イイ、L・ロゼッタ・・・❤ ハァハァ」
顔を真っ赤にして床に膝を付き、
胸を片手で押えては息を荒げたまま悪態?をついていたと云う・・・。
+ end +
後半の、細部のナゾは本編読んで貰えると解るかと。
※こんなん読んでるヒトいるのかなと不安w
果たして続けていーのだろーかwww