RJ皐月電木曾のキルデスビジネス   作:赤モップ

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追加フェイズ
赤く照らされる世界


【視聴率40%】

 

「それじゃあ追加フェイズやな。100ソウル払えばもう1周行動できるで。別にやらんでもええけど」

 

「俺はやろうかな。せっかくだし、サブプロット達成を目指すぜ」※1

 

「ボクももちろんやるよ」

 

「あ、そういえばなんか護衛天使は標的戦終わったら帰宅って言う設定だったっぽいで」

 

「おいおい、それは困るよ」※2

 

「まぁ、今回はせっかく生き残らせたんやし、最後まで付き合ってくれることにする」

 

「よっし、じゃああとはサイコロでいい目を出すだけだな!」※3

 

「私は、うーん。やります。最下位で終了は嫌なのです」

 

「でもサブプロットもう無理でしょ?」

 

「1位のキソを殴ります」

 

「おおう、どういう心境の変化だ」

 

「戦いには勝ちたいのです!」

 

「でもそれ負けると地獄落ちじゃない?」※4

 

「勝利のため、命の賭けどころはここなのです。ほぼ3倍差がついてますし、差を縮めておかないと」

 

「いいだろう、かかってこい」

 

木曾、にやりと笑う。なんだかんだ駆逐艦商売はいざというときに敵に突っ込んで行くことが出来なければ勤まらないのだ。

 

「なのです!」

 

「その意気やよーし!全員参加で追加フェイズ始めるで」

 

【サツキのソウル450→350】

 

【イナズマのソウル250→150】

 

【キソのソウル700→600】

 

「じゃあ順番決めてな」

 

「ところでこれ、今視聴率下がるとどうなるの」

 

「強制サービスシーンや」

 

「マジかよ」

 

「いい目を出せばええねん、さぁ振って振って」

 

「「「「ころころ」」」」

 

「木曾さん、私、皐月、龍驤さんですね」

 

「最後やからCMはなしになるな」

 

「視聴率下げないでよー」

 

【追加フェイズ行動順 キソ→イナズマ→サツキ→GM】

 

「じゃあまず俺の番、サツキと交流だ。シーン表は押し寄せてくる砂に埋もれた廃墟」

 

「元花屋だ」

 

「じゃあそこにシズメルが居ることにする」

 

「あれ、相手ボクじゃないの?」

 

「お前にシズメルをプレゼントしてやる」

 

「おお!」

 

「シズメルはディオの消滅を見届けて、立ち去ったのですね」

 

「それを俺が追いかけて『おい、待てよ』後ろから近づき、肩を掴む。で、判定。成功したら拉致。失敗したら勘違いで反撃されるって感じで(ころころ)。衣装、あ、遠い。目標値9か(ころころ)。低いぜ、案の定失敗」※5

 

「ちょっとー!?」

 

「視聴率10%下がるで」

 

【視聴率40%→30%】テコ入れ発生中!

 

「私の賭けは始まる前に終わったのですね……」

 

電、ちょっと複雑。安心した様な悔しいような。

 

「シズメルは振り返りざま俺の腹に恐ろしく重い右ストレートをぶち込む。吹き飛ばされた俺は、辛うじて原形を保っていた廃墟に突っ込んで埋まる」

 

「つい反射で攻撃したシズメルはそういえば殺気が無かったな、と思い首を傾げるのです」

 

「でもまあいいか、と思い直して朝焼けに染まる街の中をのんびりと歩いていくで。最後の見納めに来てたんやな」

 

「しばらくたって、俺はガレキの山からなんとか這い出し『慣れないことはするもんじゃねえな』と言ってため息をつくぜ」※6

 

「それじゃあ次、イナズマの強制サービスシーン」

 

「シーン表は(ころころ)、あなたが根城にしてた、廃墟」

 

「また廃墟か」

 

「じゃあ元花屋の近くで、大きな音に驚いてきてみたらシズメルを見つけたということで、相手はシズメル。サービスは(ころころ)、感動系サービスシーンの、家族の愛に気付く……えええ?」

 

「唐突過ぎる(笑)」

 

「流石テコ入れだな」

 

「家族おらんよなあ」

 

「そうです、ここの天使は憑依系。シズメルにも外の人の家族が居るはず。平和になった世界で感動の再会シーンなのです」

 

「外の人の中の人は何百年も憑依されてて平気だったのかな」※7

 

「精神死してそうだぜ」

 

「ええと、歩いていくシズメルを追いかけるのです。判定!(ころころ)。成功!無警戒の天使の尾行くらい簡単なのです」

 

「プロだもんな」

 

「成功100ソウルに、テコ入れ脱出で計200ソウル進呈や。」

 

【視聴率30%→50%】テコ入れ脱出!

 

【イナズマのソウル150→350】

 

「結果的には良かったかもしれませんね。じゃあ家族と再会して、抱き合っているシズメルを物陰から眺めるのです」

 

「父母と抱き合っているシズメル。両親は涙を流して喜んでいるけれど、彼女は無表情だ」

 

「中の人が違うもんな」

 

「でも、その目の端がきらりと光ったのを見るのです。きっと外の人の記憶とか、想いとかを継承しているのです。そして孤児だった私は、その光景を見て、一つの淡い願いを胸に抱くのです」

 

「私、普通の女の子になります、とかか」

 

「孤児で、特殊部隊。家族の愛に憧れる、とか?」

 

「『叶えてさしあげるでー。幸せな家庭に生まれ変わるとかな』にやにやするで」

 

「これ以上は野暮だと思って、立ち去るのです。そして『私は、悪を討つ。善良な人々のために』、自らの使命を再び思い出すように呟くのです」

 

「でも一度思ってしまった願いは消えないんだ」

 

「ヘルピープル、イナズマの葛藤にすごいにやけてるぜ」

 

「家族の感動のシーンで視聴率上がったんやないんやな」

 

「全体的に低視聴率のこのシーズン、視聴者人気一番はイナズマだな」※8

 

「それでは最後、サツキのシーンや」

 

「よし、シズメルと交流!シーン表は(ころころ)、燃え上がる炎に照らされた、店」

 

「あれ、これ……」

 

「もしかしなくても、アレか」

 

「サツキ、ここまできて放火」

 

「よーし、感動の再会シーンに炎を纏って突入だー!」

 

「それでいいんですか!?」

 

「いいんじゃないかな!レンガ造りの建物が異形の火により燃えていくよ」

 

「シズメルは炎から両親をかばい、そして逃がすように突き飛ばす。対峙する二人。サツキの目には燃え上がる炎が映り、爛々と狂気に輝いとる。『あなたは、なぜ……!?』」

 

「『ボクさ、キミのことが好きになっちゃったみたいなんだ』と、ちょっと照れたように告白するよ」

 

「シズメルは驚愕し、そして理解できない、という顔をするで」

 

「そりゃそうだろうなあ」

 

「青春純愛路線だったのが一瞬で崩れたのです」※9

 

「『大好きな人の一番綺麗なところ、見たいんだ。見せてよ……!』炎を吹き出しながらシズメルに飛びかかる。演出戦闘ってやつかな」

 

「それじゃあ判定どうぞ」

 

「どうなるかな(ころころ)。……成功」

 

「シズメルは、世界が救われて、気が緩んでいた。サツキに好意を抱いてもいた。だから反撃できないで。炎が周囲を埋め尽くし、回避のためのスペースがなくなっていく。徐々に、徐々にシズメルは追いつめられるんや」

 

「炎の嵐に煽られて、動きを鈍らせたシズメルに笑顔で特大の火球を叩き込むよ。シズメルの全身は一瞬で炎に包まれる。陶酔したように呟く『綺麗だ……』」

 

「シズメルの口から声にならない声が漏れる『なぜ……?』」

 

「ボクはシズメルが燃え尽きるまでずっとそこに居る。笑顔で、涙を流しながら笑うよ『ふふふ、あはは、あはははははは……』で、終了」

 

「とんでもないことになっちまった」

 

「結局犯罪者は犯罪者だったのです……」

 

「まぁ、うん、こういう感じではっちゃけるのもTRPGの醍醐味やで。たぶん」※10

 

木曾、爆笑、電、戦慄、龍驤、苦笑い。綺麗にまとまったと思ったらこれである。

 

「うん、楽しかったー。夜戦で戦艦を沈めたような気分だよ」

 

 

 

 

 

※1何もしなければ中間トップはまず揺らがないが、慢心しない。しなくてもいい危険を冒すという意味では慢心かも知れない。

 

※2サブプロット達成のためにいろいろ頑張ったし、龍驤もいかにも何とかなる的な発言をしていたので、ここでやっぱダメ、というと暴動が起きる

 

※3それが一番難しい。

 

※4蘇生で50ソウル、回収人に殺されると100~300ソウル放出。負けるとほぼ地獄落ち

 

※5衣装の列の特技が遠く、左右2列も遠く、右に2列ずれてやっと近い特技を見つける。そのときの駄目だこりゃ感は筆舌に尽くしがたい。まぁ高い目も出るときは出るのだが。

 

※6俺は荒事担当だ。そう言って彼女は面倒な交渉や、人質との会話をすべて助手の彼に任せていた。その信頼は失ったことの重みへと変わった。

 

※7中の人は憑依したエンジェルソウル、外の人の中の人は元普通の少女。彼女たちは2心同体。絶望の世界で一人の少女の祈りが奇跡を起こした。しかし、奇跡は世界を救うようなものではなかったのだ。擦り減っていく心、ただの人間である少女には、護衛天使の任務は耐えられるものではなかった。少女の心は、今ではかすかな残滓が残るのみ。しかし、機械的であった天使の心の中に確かに、残っているのだ。

 

※8サービス成功は大概イナズマのシーンな気が。

 

※9ダイスの出目が悪かった。狂気と正気は揺蕩いながら混在している。ほんの一押しでマーブル模様のそれは狂気に染まるのだ。

 

※10人は、誰かになれる。普段とは全然違う性格や別の性別を演じるのは面白い。

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