SAOを真面目に攻略しない人々 作:徳明
読み返しながらなので、設定に間違いがあったらすみません。
動画風小説
皆さんこんにちは、電機解説系XouTuberの『
ナーヴギアについて知らない人に説明すると、非侵襲性の第二世代完全没入型仮想現実体験装置です。『フルダイブ』というキャッチコピーにある通り、視聴覚等に限定された従来のVRマシンとは一線を画し、全身で仮想空間を味わえるという魅力が売りのゲーム機です。
発売は2022年5月、大手電子機器メーカー株式会社が製造、販売を行っており、同年9月現在での総販売台数は約20万台です。
先日このマシンの基礎設計者である茅場晶彦氏が『
さて、今ここにある機種はSAOリリース前のもので、購入時の価格は85,000円プラス税でした。
非常に高価なので分解するのは惜しいですが……まあ正直、大層なのはガワだけで持て余し気味でしたから、ここらで再生回数の足しになってもらいます。
それでは本題の方に移っていきましょう。
大きさは縦横高さ約50cmの流線形、バイクのジェットヘルメットを一回り大きくしたような外観です。ロゴカッコいい。
外殻は滑らかな一体成型の金属製で、これはマシンが発生させる電磁波の漏れを抑えるためのデザインだと考えられます。素材はチタン合金ですかね……おそらく一般のドリルビットによる切削は不可能でしょう。高級感があります。
インターフェイスは電源とLANのポートだけみたいですね。HDMI出力やUSBケーブルを介したデータのやり取りは出来ないっぽいです。次世代機には搭載してほしいところ。
内側は硬いプラスチックで、このすぐ下にフルダイブ技術のコアを担う素子があると思われます。後頭部にのみ、ポリウレタンでしょうか、緩衝材が取り付けられていて柔らかいです。
顎にはワンタッチ式のバックルがあります。これには電極が内蔵されていて、説明書によると電源スイッチも兼ねているそうです。
付属品は専用のACアダプタが一つだけ。アダプタは100Vから240Vで、家庭用電源に対応しています。
お待たせしました、次は中身を見ていきたいと思います。
まずは内側の『修理保証シール』を剥がします。これでメーカーからのサービスは受けられません。
外側からアクセスが出来ないのは、稼働中に分解されるのを防ぐための安全策だと考えられます。
剥がすとネジが見えますね。穴は独自規格の星形です。
予めxfixitとか色々と探したのですが、これに合うドライバーがまだ世に出ていないようなので……今から3Dプリンタで作ります。
☆
ということで、
尚、真似しないに越した事はありませんが……もし私のように分解を試みる場合は、電源プラグを抜き、内部の放電を待ってから行うようにしてください。感電します。
——っとぉ、危ない。
フレキシブルケーブルを切断してしまうところでした。無理にこじ開けるのは厳禁です。
中身は……まず目に入るのは巨大なバッテリーですね。記載が無いため詳しくは分かりませんが、高性能な全固体リチウムバッテリーと推測されます。
マザーボードは筐体の形状に合わせて曲面を描いています。これがCPUですね。ならこっちがGPUか。ストレージはやはりSSDです。
ヒートシンクのみでファンなどは見当たりません。外殻全体で放熱しているのでしょうか。可動部品が無いので長期間の使用も安心ですね。
ん? これは何でしょう。
小さな基板があちこちに設置されています。ちょっと調べますねー。
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チップの文字の羅列をそのまま検索ボックスに入れたところ、各種センサーモジュールであることが分かりました。
説明書によると、このマシンには外部環境をモニターする機能が備わっていて、衝撃や熱、浸水といった装着者にとって身体の安全に関わる事態が発生した場合、強制的に覚醒させてくれるみたいです。
要はゲームをプレイ中に地震が来ても、やめれないんだけどwwwとはならない訳です。安心。
また脳波や血圧、心拍数も常時計測しているらしく、使用していないと判断された場合は自動でスリープモードに移行します。賢いですね。
そして頭に最も近い部分にはこのマシンの心臓、周波数振幅可変調磁電素子……喋ると長くなるので、色々な電磁波を出せるすっごい万能な装置と捉えて貰えればOKです。それが無数にあります。
これで多重電界を生み出し、装着者の脳——ここで言う脳がどの深さまでなのかは不明ですが……脳幹まで行くと呼吸とかできなくなっちゃうので…………とにかく脳と通信を可能にするという技術を茅場氏は発明したのですね。
素子にはそれぞれにマイコンと大容量キャパシタが付いて一つのユニットを形成しており、これを見るとあの大きなバッテリーにも納得がいきます。
というか……外殻が無い状態で被ると、円筒のキャパシタも相俟って某タイムマシン系SF映画に登場する
——という感じで全体を調べてみました。
細かな部品には海外製が混じっているものの、主要パーツは国産が殆どですね。これだけ入って8万円台ならPCとしては破格に感じます。
基板の設計やソフトウェアの解析となると私のような個人では限界があるので、分解はここまでとなります。
ここからは、大量にある磁電素子を使って遊びたいと思います。
この磁電素子。聞きなれない名称かと思いますが、似たような部品がとある家電に使われています。
それは電子レンジですね。マグネトロンといって、そいつが2.45GHzの電磁波を発生させています。
電子レンジの仕組みについては以前の動画で解説しましたので、まだご覧になっていない方は概要欄か、ⓘボタンからチェックしてください。
電子系の動画投稿者が調理するとなると定番はアレでしょう。そうです、目玉焼きです。
『ナーヴギアで目玉焼き作ってみた』をやりたいと思います。
計画としては素子を全部繋げて、本体のバッテリーだけで稼働させようかと思っています。多分電力は足りるはず。
ただ、素子の定格が100Wなので、電子レンジを再現しようと思うと限界突破しないとダメですね。使い終わったら確実におシャカです。しかも30秒保てば健闘した方かなってくらい。
本当はプログラムの書き換えで基板部分も流用したかったのですが、インターフェイスは無いしソースコードも公開されていないので諦めます。こちらで用意したXrduinoから実行させたいと思います。
現段階だと茅場氏以外には使いこなせないからね。
では組み立ての様子を倍速でお楽しみください。
☆
はい、出来上がりました。
部屋に落ちていた電子レンジの筐体の内面に磁電素子を貼り付け、昇圧回路を通して600W相当の出力が出るようにしました。バッテリーも充電が完了したみたいですので、コンセントを抜きます。
タマゴは皿に割り、ラップをして投入。
どうなるか全く予想がつかないので、取り敢えず
カメラを固定して物陰からスイッチを入れます。
3、2、1……
ボンッ!
☆
実験結果は『どちらとも爆発する』でした。失敗の原因は黄身に穴を開けておかなかったことでしょう。あと明らかに過剰火力。因みに今食べている目玉焼きはナーヴギアのCPUで焼いたものです。美味い。
さて、今回ナーヴギアの分解をしてみて気付いたこととしては……物理的な安全装置が無さすぎるということですね。
電子工作をしている端くれとしては少し不安の残る設計だなぁというのが純粋な所感です。
色々とセンサがあって安全に気を配っているようには思いますが、あれらは電気信号をプログラムに伝えているに過ぎません。それらを騙すようなウイルスが世に出た際、脳という重要な臓器を扱っている都合、取り返しの付かない健康被害が生じる可能性があります。
放っておくと、誰かの脳がさっきの目玉焼きみたいになってしまうかもしれません。
浮かんだ改善点としては、素子とキャパシタの間にヒューズを挟むとか、サーモスタットで高温時は物理的にバッテリーとの回路を遮断するとかですね。
あとはソフトウェア頼りのログアウトも安全上どうなの? と思います。仮想空間に閉じ込められた時、異変に気付いて脱がしてくれる人が近くに居たらいいですけど、私のような一人暮らしだと結構絶望ですよ。
今までのゲームはボイスチャットで成立してましたから、リアルの口を動くようにしておくのはアリだと思います。噛むことでイジェークトされるような緊急脱出ボタンが現実的かな。聴覚さえVRが有効なら、マイクの音声でも違和感を抑えることは可能でしょうし。
……すみません、何か、柄にもなく真面目な話をしちゃって。一応、今回の結果は大手電機と消費者庁に報告しておこうかと思います。
ここまでのご視聴ありがとうございました。この動画がイイねと思ったらチャンネル登録、高評価よろしくお願いします。コメントも全部読んで励みにしてます。
次回もまた観てくださいね、バイバーイ!
全機リコール(実は他メーカーからも指摘が多数あった)
その後の第三者機関の調査により指摘された精神機能への危険性は、国を巻き込んだ『VRゲームの安全性』全般についての議論へと発展していく。
初めて読んだ当時は「隙間に水銀でも流し込んで電磁波を遮断すれば」とか「液体窒素に浸けてバッテリーの起電力を落とせば」とか考えていましたが、今思えばこんな最新技術の塊なら他企業が同梱版の1〜2割は独占して解析に回しますよね。
もう1話だけ構想があるので、いずれ執筆したいと思います。次は別の世界線でプレイヤーとして。