難産だった……。頭でわかってるのに文章にできない……不明な点などありましたら感想にどうぞ。
因みにアンケートは今の所強化フォームありになりそうです。十倍以上の差がありますので。
では〜どうぞ
「ネオってなんなんだ……?」
光輝が言う。ネオ、という名前があの化け物ののことを指すことは分かった。だが、それがどういった経緯で生まれたのか、正体が何なのか。光輝はなんとなくろくな答えが帰ってこないような気がしながらもハジメへと問う。
「……神って信じるか?」
ハジメはそれに質問で返す。
「……カタカナ3文字の自称神なら。」
光輝がそう返す。その頭の中にはエから始まるカタカナ3文字が浮かんでいるが、ハジメは首を横に振る。
「いや、あのちんけなカタカナ3文字じゃない。大陸を指先でひねりつぶせるような、そんな本物の神だ。」
「そんなものいるはずがない」三人はそう思った。だが、ハジメの表情は真剣そのもの。嘘をついているようには見えない。
「で?その神ってのはネオにどう関係するんだよ。」
しかし、なぜ唐突にその話になったのか疑問に思った幸利がそう聞くと、ハジメは若干俯きながら答える。
「……ネオはな、神になれなかった人間、その成れの果てだ。」
「「「?!」」」
「人間が、神に……?!」
三人は驚きのあまり目を見開いたまま固まってしまう。人間が神になる。そんなことが実際にありえるのか。ハジメは頷き、話し始めた。
「ああ。人間の中には一定数、神に昇華する可能性を秘めた人間がいる。そして、その人間に『ネオウィルス』を注入。それに適合した存在こそが『ネオ』だ。」
3人の頭の中によぎるニュースや新聞の記事に乗っていた怪物の姿。まさかあれがもともと人間だったとは。
「お前のように、クローンとして作られたのか……?」
「いや、違う。さっきも言ったが俺はプロトタイプ。ネオという存在を確立させるために作られた存在だ。完成版は普通に生きている人間を元にしている。」
「なんじゃそりゃ……。」
「僕もだいぶ歪んでる自覚あったけど流石に引くよ。」
ハジメの答えに光輝が唖然とする後ろで、幸利と恵理の顔も引きつらせている。
「……ん?」
あまりに衝撃的な話に、半ば放心状態だった光輝だが、ふとさらっと新しく出てきた単語に気がつく。
「その、ネオウィルス?ってのはどうやって生まれたんだ?そんなものが今の科学技術で作れるとは思えないんだが。トータスでもそんな話聞いたことがないぞ。」
光輝の言うことは間違いではない。確かに現代の科学技術や医療技術は発展こそしているものの、今目の前にいるハジメのような存在を生み出したり、人間をまるっと化け物に変えてしまうような技術はない。それはトータスの魔法もまた然りだ。
ハジメはそれを聞きしばらく間をおいてから、「……あ、」と今まで忘れていたような反応をする。彼の中でネオウィルスという言葉は、何も考えずに口から出てくるほど、あまりに自然で身近なものなのだろう
ハジメは頭を掻き、少し目をそらしながら言う。
「あ〜、5年前、太平洋沖に墜落した隕石。覚えてるか?」
「ああ。流石に覚えてるさ。」
5年前、突然地球に墜落するルートに現れた小型の隕石。観測ミスでもしたのか、突然その地球に墜落するルートに出現したらしい。ただ、隕石と言ってもそこまで大きなものではなく、それに加えて海のど真ん中に落ちたということもあり、ニュースや新聞では煩いほど取り上げられていたがほとんど生活に支障はなかった。
ハジメは頷き、話を続ける
「どうせだ。そこから全てが始まったわけだし……ここから話していこうかな。」
ーーあるところに一人の男がいた。奥さんを早くになくし、一人の愛娘ともに、普通の暮らしを送っていた。貧しくも裕福でもなかったが、二人の間には確かな絆と愛があった。だが、日常はかんたんに壊れる。
娘が、死んだ。18の誕生日に友人と買い物をしていたとき、通り魔に運悪くターゲットにされた友人をかばって死んだらしい。犯人はすぐに逮捕されたそうだが、娘を無くした男の悲しみは図りきれないだろう。やっと娘を幸せにしてやれる。そんなところだったのに。男の心は、壊れた。
男は娘を生き返らせる方法を探した。遺体を保管し、研究に没頭した。男は生物のことを専門に研究する科学者だった。千年に一人と言われるほどの才能。しかしそれを持ってしても娘を生き返らせる方法は見つからなかった。
そんなある日、あの隕石が地球に墜落した。地球を探して生き返らせる方法が見つからないなら、宇宙から飛来したあの隕石ならなにか手がかりがあるのではないか。男はその隕石の研究チームに加わり、娘を生き返らせる手立てを探した。そしてついに見つけた。
「ネオウィルス。その原型となる微生物を。」
男は藁にもすがる思いでその微生物を娘の遺体に投与した。
結果として娘の遺体は息を吹き返した。髪の色や目の色、若干身長も伸びた気がしたが、そこにいたのは紛れもなく娘だった。だが、娘が戻ってきたことで余裕ができた男はその微生物が一体何なのかが気になり始めた。死んだ生命体を生き彼らせることができる、人知を超えた存在。男はその研究に取り掛かった。
しかし、死んだ実験動物に培養したそれをどれだけ投与しても一切の反応がなかった。次に男は、生きている生物にそれを投与した。だがやはり反応はない。ついに男は、人間にそれを投与することにした。重罪を犯し、死刑囚となった犯罪者たちを集め、その微生物を投与した。
その微生物を投与した人間は、最初のうちは反応は見られなかった。しかしそれははじめのうちだけ。日に日に体調を崩し、高熱や全身の痛みに一日中床を転げ回った。そして一週間後。ついに体が爆発四散した。まるで腹に爆弾でも仕掛けてあったかのように。
原因は細胞の異常な活性化の負荷に体が耐えきれなかったことだった。しかしそこでまた疑問が生まれる。なぜ娘の体は細胞の活性化に耐えることができたのか。実験に使った犯罪者たちは娘よりも体は頑丈なはず。なぜ娘が?男は更に研究を重ねた。そして気がついてしまった。娘は、生き返ったのではない。生まれ変わったのだと。
「肉体を構成する細胞。それに取り付いたネオウィルスは、その細胞をもとにして、全く新しい細胞、通称『ネオ細胞』を作り出す。皮膚、筋肉、内蔵、骨、神経、そして脳。その全てをな。適合できない人間はそれに耐えきれずに爆発四散。そして適合して生まれるのが『ネオ』だ。その娘は世界ではじめてネオウィルスに適合して産まれたネオってわけだ。」
ハジメはそこまで話すと、3人の顔を見る。理解できたかできていないかを確認するためだ。案の定3人とも頭から湯気が出ている。
「……その適合できた人間があの怪物になるのか?」
しかしいち早く復活した光輝は、頭を抑えながらも今までの話からの推測をハジメへと問う。それを首を横に振ってハジメは否定する。
「ちょいとばかり違う。ネオウィルスには、適合できる人間、できない人間、そしてもう一つ、中途半端に適合できる人間の三種類がいる。」
「適合できない人間は、細胞が作り変わるときに発生する生命エネルギーに耐えきれずに爆発四散。適合できる人間は神にも等しい力を手に入れる。そして中途半端に適合できる人間。これは、神に近しい力を手にするとともに、大きな代償を払うことになる。」
「まさかそれが……?」
「あぁ。俺や、あの化け物のように、人間ではない別の存在に変貌する。記憶やその他諸々を全て失い、ただ頭の中にある破壊衝動にまかせてすべてを破壊する哀れな生命にな。」
「ちなみに俺は、ネオとして赤ん坊から育ってきてるから、記憶が消えたりはしない。」
「ネオは、人間で言うところの赤ん坊。何も知らない、わからないまま、自分が何者なのかも分からず、教えられず、ただ我武者羅に生きようとしている。それが、強大すぎる力のせいでどうしようもなくなっちまってるのさ。」
ハジメの目はどこか遠くを見つめている。その瞳に宿る感情を推し量ることのできる人物は、ここには存在していなかった。
「ちょっと話がずれたな。本筋に戻そうか。……」
男はネオウィルスの存在を隠蔽しようと考えた。人間というのは欲深い生き物だ。力を手にすれば必ずと言っていいほどに道を踏み外す。故に男はすべての研究結果を抹消し、自らも研究者としての人生を断った。
とある科学者がいた。その科学者は研究が好きだった。結果よりも経過。つまり研究しているその間が何よりも好きだった。夢は永遠に終わらない研究をすること。そして研究の中で死にたい。そんな一風変わった研究者だった。
やつも隕石の研究チームに所属していた。故に、男がなぜ突然科学者の道を断ったのか。それが気になった。そして、ネオのことを知ってしまった。やつの頭に浮かんだ言葉はたった一つ。
『研究したい』
やつは男の研究資料を探し回った。しかしそのことごとくは改竄されていたり抹消されていたりして、全くと言っていいほどに手がかりは見つからなかった。
だが研究者は諦めなかった。研究資料がないことが分かったやつは、男の娘に手をかけようとした。資料がないなら実物から考察すればいい。やつにとってその娘はただの研究材料でしかなかった。
それを知った男は、愛する娘を逃がすために、顔を変え、指紋を変え、そして記憶を消し去り、全くの別人として生きさせることを選んだ。それが男にできる、いつでも自分を支えてくれたたった一人の家族への最後の恩返しだった。
そして男は、隕石のサンプルに付着していた微生物を除去してから、自分から娘の存在がバレることを危惧し、自らも姿をくらました。
しかし、研究者は諦めなかった。いや、むしろ俄然興味をそそられた。やつは、全ての元凶である隕石のサンプルに目をつけた。ネオの手がかりの一つ残っていないかと。そして、見つけてしまった。奇跡的にほんの僅かに取り残された微生物を。
「そこからヤツの研究は始まった。」
男の研究をなぞるように進んだ研究。更に微生物を解析、改造を施し、現在のネオウィルスの原型を作り出したヤツは、ついに新たな領域へと足を踏み出した。それは、ネオの制御。ネオへと目覚めた人間は皆が皆自我を失い、暴れまわり、手がつけられなくなる。その上同じ空間に収容しておけば共食いが始まり、せっかくのサンプルを手に入れてもこれでは研究のしようがない。既にネオの精神状態が赤ん坊と似通っていることがわかっていたことから、ヤツはネオを本当の赤ん坊から育てようとした。しかし、もちろん人間の赤ん坊なぞ早々手に入るものではない。だからこそヤツは、クローンという手段をとった。適合できる人間の細胞から作られたクローンにネオウィルスを埋め込み、ネオとして成長させる。これならば赤ん坊を攫うよりもいくらかは建設的だ。ヤツは適合できる人間を探し、その中でも不慮の事故などで死んだ遺体をまるごと回収。そしてクローンを作り出し、ネオとして誕生させた。
もちろん失敗作も多かった。腕がない足がない、まともな思考すらできない。そんな失敗作たちを積み上げ、また新たにクローンを生み出す。そして、二年前、
「俺が産まれた。」
ネオという存在は、その成長速度が異常に早い。生まれてからほんの1ヶ月程度で今とほぼ同じ姿にまで成長した。しかし、そこに感情や意志はない。実験動物として生み出された生命に必要ないものだからだ。言われたとおりに動き、言われるがままに他のプロトタイプと戦う。生も死もヤツらの命令どおりだった。
だが、
『01。今日から彼女が君の担当だ。命令には従うように。』
そんな生活は終わりを迎える。
『……私は御剣美希。よろしくね?』
「……あの人は不思議な人だった。」
飛びかかってきたロックマウントを超次元サッカーよろしく蹴り飛ばし、岩盤へとめり込ませながらハジメは思い出すように話す。
「なんでこの研究に参加してるんだってくらい純粋で、心優しい人だった。」
『今日は絵本持ってきたの。』
『見て見て。あなたをモチーフに作ったバッヂ。どうかな?』
『名前、ないの?』
「俺を人間らしくしてくれた」
『龍也、なんてどうかな?』
「俺に、名前をくれた。」
『御剣、龍也。』
「俺を、家族にしてくれたんだ。」
家族。その言葉に俯く恵理。光輝は彼女へと飛び込んできた魔物を切り捨てると、ぽん、と頭に自分の手を乗せた。
龍也と名付けられた一体のネオは、人間味が増していくごとに研究への疑問を抱くようになる。それは実験動物としての価値が下がっていくことと同義だった。
そのや数カ月後、ついに龍也は処分されることとなった。実験を拒むようになったためだ。美希によって人間らしさを教えられた龍也は、既に実験動物としての価値は消えていた。
「だが、その話を聞いたあの人は、俺を逃がそうとした。」
研究所にいた他のプロトタイプ達を暴走させ、その騒ぎに便乗して龍也を逃がそうとしたのだ。
ハジメは突っ込んできた最後のロックマウントに正拳突きでカウンターすると、パンパンと手を払いながらオリジンを呼び寄せる。
「俺の脳に南雲ハジメの記憶を直接インプットさせ、こいつをもたせた。」
『キュイッ』
あのときのようにスパークに包まれながら現れたようにオリジン。3人は二度目とはいえ突然のことに1歩後ずさりをする。
「これって……ベルトにセットしてたあれか?」
「ああ。正式名称ライダーシステムプロトタイプNo01。俺の制御装置だ。」
自身はオタクである、と豪語する幸利がキラキラと目を光らせながらハジメに問いかける。若干引きながらもハジメはその様子に苦笑しながら説明した。
「……ん?お前の制御装置?それ使って力を引き出してるんじゃないのか?」
ハジメの言葉に、ん?と首をひねる光輝。てっきりオリジンを使って変身し、力を引き出しているものだと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
「ああ。もともとこいつはプロトタイプ用の枷として作られた。自己防衛機能があるのも、本来は装着者に対しての威嚇攻撃のためだ。それを脱走するときに、あのひとが制御装置、いや、俺の相棒としてチューニングしてくれたんだ」
相棒、と言う言葉に反応したのか嬉しそうにその場で一回転するオリジン。どう見ても機械のする動きではないが、このトータスへとやってきたことから始まり、ハジメの一連の話を聞き、もう非日常になれ過ぎてしまったせいか「ああ、そういうものか。」と納得する3人。
「で、そこから俺はは南雲ハジメの記憶を頼りに南雲家へと逃げ込んだ。そして、俺は御剣龍也のの名前を捨て、南雲ハジメとして生きることを選んだ。まあ、そこからネオやらカミサマやらと戦ったりしたんだが……まあこのへんは今度でいいだろ。」
パンっと手を叩き、倒れたベヒモスを椅子代わりにしながら話を締めくくるハジメ。いつの間にかハジメ達はあの石橋の上へとやってきていた。
3人はなんとなく疲れたような気がして、ふう、とため息をついた。少しばかり話がこすぎたようだ。ちなみに骸骨無限湧き魔法陣はすでに破壊されている。
これで話は終わりか。三人はそう思ったがしかし、ハジメはすぐに真剣な顔に戻るとまた話を再開した。
「それと一つだけ。ネオの食性についてだ。」
「え、あれってなに食べるのさ……?」
化け物に頭からボリポリと食べられる光景を想像してゾッとする恵理。ハジメは慌てたように手を振りながら説明する。
「ああ、怖がらなくていい。ネオはネオ、もしくはそれになりうる可能性を秘めた人間しか食うことができない。あと……何故かネオと同じような味のする魔物もな。」
「えっと、つまり僕たちは……」
「大丈夫だ。ただ……。」
スコシ溜めるハジメ。固唾を呑んでその顔を見つめる3人。
「ただ、白崎香織。彼女には、気を配っておいたほうがいい。」
「!?まさかあのとき香織が狙われたのは」
その言葉の意味をいち早く理解した光輝が愕然とした表情で叫ぶ。ハジメは頷くと、言う。
「彼女もネオに至る可能性がある。」
「「「?!」」」
本来ネオは普通の人間を見ても食欲はわかない。しかし、自身と同じネオ、もしくはネオへと至る可能性のある人間に対しては凄まじい食欲と執念を見せるのだ。つまり、あのときここでベヒモスネオが他の誰にも目をくれることなく香織へと襲いかかろうとしたということは、つまりそういうことなのである。
「もちろんそうそう起きるものじゃない。だが、情報が少ないゆえにネオウィルス、もしくはそれに限りなく親しい存在がいつ何処に現れるかわからない……。気をつけておいて損はないだろう。」
「あ、ああ……。」
まだ信じきれていないようだったが、なんとか飲み込めをしたようで、うなずく光輝。それを見てハジメは満足そうに頷くと立ち上がり、オリジンを手のひらへと呼び寄せた。
ベルトが腰に巻き付いたことを確認したハジメは3人の方を見て言う。
「……じゃあな。そろそろ行くよ。」
「……いろいろ悪いな。迷宮は任せたぞ。」
拳を突き出してきた光輝に不思議そうな顔をするハジメ。しかしすぐにニヤリと笑うと、そこに自分の拳を軽く打ち付けた。
「ちゃんと戻ってこいよ。漢の約束だ。」
「……以外だな。お前そんな言葉使うのか。」
「この前漫画で読んでな。一度使ってみたかったんだ。」
笑い合う二人。こいつなら大丈夫だ。そう思えた。
「じゃ、行ってくる。」
オリジンへと変身したハジメはピッと指を顔の横でスナップしてそう言うと、ウィングを展開して飛び上がった。そしてそのまま奈落へと……。
その時である。光輝の横を何かが通り過ぎていった。
「は?」
その声につられて恵理と幸利もそちらに目を向ける。
「え?」
「んぉ?」
そしてそれは、三人が止める間もなく勢いそのままそのまま橋を飛び降りた。
「な、南雲!!」
慌てて叫ぶ光輝。既に石橋より降下しつつあったハジメはその声に上を振り向き……
「え“」
固まった。なぜならそこには、
大の字でダイブしてくる、少女サヤの姿があったのだから。
次回、仮面ライダーオリジン
「えぇー!?」
突然のハプニング
「ハジメ君……」
溢れる後悔
「帰って……来るよね……?」
地球に取り残された彼らの思い。
次回「家族の資格」
生きろ、最後まで
オリジンに強化フォームは必要か否か。
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必要
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不必要