STAR BEAT!~地球を撃ち抜く瞬間に~ 作:ナナバナナ
第1話 転生しちゃった!?
目が覚めると知らない天井。知らない部屋。 ……どこだ此処?俺は本当に異世界に来たのか………?疑問は尽きないが、考えていても仕方ない。とりあえず顔を洗おう。洗顔大事。
「……洗面所探すか。」
今日初めてきた知らない家だからどこに何があるかもわからない。とにかく探すしかない。自分が寝ていた部屋のドアを開け、階段を降りる。どうやら俺がいた部屋は、この家の2階にあるらしい。程なくして俺は洗面所を見つける。しかし、俺はそこでとんでもないものを目にした。
「……は?誰だ……こいつ?」
結論から言うと、俺の顔が違っていた。そういやスタークは煙みたいなので顔を変える能力を持ってたからなぁ。その力を使ったのなら俺の顔が違うのにも合点がいく。鏡に映る自分は、俺がよく知ってる俺ではなかった。新しい俺の顔は、世間一般ではおそらくイケメンの部類に入ると思う。10人に聞いたら7人はイケメンって言ってくれるはずだ。間違いない。顔のパーツが整っていて、黒髪は短髪で爽やかな感じがでてる。おまけに肌も綺麗で清潔感がある。
………でもねぇ、スタークさん。違うんすよ。確かにこっちのほうが顔がいい。誰だってそう思う。俺もそう思う。けどなぁ!たとえ俺の顔が中の下であっても!イケメンじゃなかったとしても!十数年連れ添ってきたマイフェイスに愛着がわかないわけないんだよなぁ!返してくれよぉ!俺の顔を!!
「人の顔を変えるなぁ!許可なくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「おいおい、朝から元気だな、近所迷惑だろ。」
「やべっ、つい叫んじまったわ。」
いかんいかん。取り乱してしまった。まだ寝てる人もいるかもしれないからな。素数を数えて落ち着こうか。
…………ん?俺今誰と喋ってんだ……?
鏡を見ると、さっきまでは誰もいなかったはずの俺の背後に、中年くらいの(目測)おっさんがいた。音もなく、気配なんて感じれなかった。まさか…
「ミラーワールドか!?」
「いや、普通に後ろにたってるだけだわ。」
後ろを振り返ってみると、そこにおっさんはちゃんといた。てか普通に考えたら後ろにいるだけだよな。何がミラーワールドだ。耳鳴りしてないし、ありえんだろ。
…スタークいたからありえんこともないか?
ところ変わってリビング。俺はおっさんが作ってくれた朝食を食べていた。トーストと目玉焼き、そして簡単なサラダ。どうやらおっさんは朝メシはパン派らしい。俺は米派だ。トーストを齧り、咀嚼し、飲み込んだおっさんは、俺を見つめる。
「さて……何から話せばいいかな。とりあえず自己紹介をしよう、俺は石動優一。この世界ではお前の叔父っていう設定になっている。」
「設定とかあるんすか。」
「そして今日からお前の名前は石動響真だ。」
「はぁ?!俺名前変わるんすか?!聞いてないっすよ?!」
「まぁ、そう言うなって。ほら、響真ってかっこいいだろ?」
いや、そうゆう問題じゃないと思うんだけどなぁ…。
「そして、響真には俺に色々と質問をする権利がある。」
そうだな、聞きたいことは山ほどあるが…
「まずは確認、俺のやるべき事は、地球を滅亡させること、でいいんですよね?」
「そうだ。響真はスタークとして地球を破壊する、俺はそのサポートをするためにやってきたってわけ。」
「なるほど。俺は何からやればいいですか?」
「まぁそう先を急ぐな。地球滅亡作戦は時間をかけて慎重に行う。絶対に失敗はできないからな。」
そうだ…失敗はできない。もし俺が失敗して、次の誰かにこの役割が回ってくるのなら…地球の滅亡が成功するまで繰り返すなら……………こんな思いをするのは俺だけで十分だ……!
「すみません。ちょっと焦ってたみたいです。」
「いいんだよ、熱意があるってことだろ?安心したよー。」
「いや、俺が此処にいるの、自分の意思じゃないすっよ?熱意なんて微塵もないない。スタークに無理矢理連れて来られた感じなんで。」
「ハハハッ!そりゃそーだ!地球をぶっ壊すのに乗り気なのは、狂人くらいだろうからな。ハハッハハハ……ハァ……。」
え?何か優一さん急に落ち込んじゃったんだけど?情緒不安定なの?怖い怖い。
「俺さ…ブラットスタークに嫁さんと娘を殺すって脅されて、こっちに来たんだよ。あいつに出会わなければ、俺は……。」
「……奇遇ッスね…俺もそんな感じですよ。」
「マジ?あいつヤバすぎじゃない?」
「いや、ほんと歩く理不尽みたいな?」
しばらくの間、俺と優一さんはスタークという男の極悪非道について語り合った。あの野郎傍からみてるぶんには、憎めない悪役でかっこいいんだけどなぁ…関わりたくはないんだよね、人生めちゃくちゃにされるし(現在進行形)、できれば出会いたくなかった。
「まぁ、あいつの話はこれくらいにして、他に聞きたいことは?」
「えっと、そうだな…俺は人間ですか?」
「あぁ、
…なるほど。これから地球外生命体になるって感じなのか?ずいぶんと回りくどいなぁ。
「本来だったら、響真がこの世界に来た時点で、スタークの力を使えるはずだったんだが…どうやら、俺たちのことをよく思ってないやつの妨害があったみたいでな…。」
「妨害?火星の王妃か?!」
「いや、俺たちの邪魔をする存在は…おそらく〈神〉とやらだ。」
「神?」
「神による
「なるほど。」
「まさか、生命エネルギーまで奪われて身体が若返ってしまうなんてな…ほんと想定外だよ。スタークからは高校生だって聞いたけど、見たところ中学生くらいかな?」
「なるほど?」
「そうゆう訳だから、明日から中学校に行ってもらうから。これ、学校の資料ね。」
「なるほど??」
いや、さっきから言ってること何一つわからないんだが?俺中学生なの?俺高2だったんだよ?えっ興味無い?そっか。
「まぁ、色々話したけど、俺はお前の味方だから。これからよろしくな、響真。」
スっと右手を差し出す優一さん。それに応じて俺は握手をする。
「こちらこそ、色々とお世話になります。」
「あぁ、俺たちは運命共同体だ!ところでコーヒー飲む?」
「いただきます。」
優一さんは2つのカップにコーヒーを注いで、片方を俺に渡す。俺はそのままコーヒーを啜る…
「!?ゴフッ!ゲホゲホ、ハァハァ…いやマッズ!!」
「あ、ブラック駄目だった?」
「いや、そうゆう次元の問題じゃねぇ!なんつーか、このコーヒー苦いっていうよりエグい!」
いやこんなコーヒー飲んだことないんだけど!絶望的に不味いんだが。
そういえば、エボルトはコーヒーを作るのが下手って設定だったっけ。優一さんマスターポジなのか?
「まぁブラックが飲めないってのはお子ちゃまってことだな!ハハハ!」
「絶対にあんたがおかしいよ…」
いつか必ず優一さんが間違ってるって証明してやる。俺は、そう心に固く誓ったのだった。
???「撃つな!許可なくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」