花海陽菜は、桐谷遥に電話をかけていた。
(も、もしもし?花海さん?どうかしたの?)
(端的に言うと、腹が減った。死にそうだ)
(えっ?)
(ハングリー、フンガー、ファーメ)
(花海さん、ご飯食べていないの?
どこか近くに、お店はある?)
(無茶を言うな。自慢じゃないが、
私は、リアルで、買い物をしたことが無い)
(あ、えっ、ええええっ!?)
と、遥がビックリする。
(今まで、どうしていたの?)
(通販に頼りきりだった。
だが、いつものサイトがクラックされていて、
絶賛、メンテナンス中だ。
その為、ご飯を食べていない)
(家族は?)
(お母さんは、しばらく帰ってこない。
ご飯食べていなくて、気が付いたら、手先が震えて、
視界も朦朧としている。
いかん、えむに伝えて欲しい。
指先の感覚が無くなりそうだ)
(鳳さんに連絡したらいいの?わかった)
その後、遥とえむは、陽菜の元へと、やって来た。
「陽菜ちゃん!大丈夫!?」
「花海さん、気絶していたみたい」
遥が陽菜にサンドイッチを食べさせた。
「助かった。脳にエネルギーが回っていった。ありがたい」
「よかった。花海さんが無事で」
「すまない。わざわざ、こんな日に、呼び出して、
おかげで、また、研究が続けられそうだ。では」
「えっと…休んだ方が良いかも?
だって、一日中、飲まず食わずだったし」
「そうだよ!陽菜ちゃん!」
「むぅ。まぁ、君達がそう言うなら。
しかし、大丈夫か?私の為に、時間を割いて」
「そんなことないよ。花海さんは鳳さんの、
大切な友達だから」
「そうだよ!あたしも、遥ちゃんも大丈夫だよ!」
「まぁ…こんな、メッセージを読んだら、
心配するからね…」
「遥ちゃんに連絡したって言っていたよね?
どうして?」
「どうもこうも無い。誰かと連絡が付いたら、
それで良かっただけ。万事休すの状態だったかもしれない。
それと、学校でプライベートの連絡先を知っているのは、
えむか遥、それに、寧々くらいだ」
「寧々ちゃんも?」
「あぁ」
「意外と少ないかも…?」
「さて、これ以上時間を取らす訳にはいかない。
後の事は、どうにかこうにかする」
「一つ聞いていい?」
「なんだ?」
「明日から、どうするの?
ネットストア、まだ復旧していないの?」
「心配するな。これで、一日は持つ。
それまでに、私のボットがクラッカー共を、
駆逐しているはずだ。
ちなみに、前回の食事は、10時間前だ。
限界を見定められたことで、より一層、
効率的な栄養補給が出来そうだ」
「あっ、花海さん、鳳さんもだけど、
もし、よかったら、一緒にお買い物しない?」
「えっ?」
「ご飯もだけど、簡単な調理器具があったら、便利だよ?
買い物の仕方も教えるから、ね?」
「あたしも!陽菜ちゃん、お買い物がしたい!」
「…ん、しかし」
「また、呼び出されたら、困るからさ。
だから、私と鳳さんの為にだと思って!」
「わかった。行こう」
こうして、三人で、買い物に行った。