日曜日。花海陽菜と桐谷遥は一緒にお出かけをしていた。
場所は…ペンギングッズや、ペンギンの催しが沢山ある、
キャラクターカフェ。
「ここのペンギンカフェ、とってもカワイくて…
一度、行きたかったんだ!」
「えむや寧々に言われて、このペンギンカフェに来たが…
なぜ、ペンギンなんだ?」
「カワイイから」
「そうなのか?」
「そうだよ。ペンギンはカワイイから」
「そうなのか」
と、陽菜は疑問符を頭に浮かべた。
「だって、ペンギンはカワイイ。癒されるから」
「そうか。ペンギンと言う存在は、遥の心を奪っていくのか」
「そういうこと」
「そして、この食べ物は?」
「それは、パフェって言います」
「とろけるように甘くて、ひんやりしているな」
「パフェ、食べたことが無いの?」
「あぁ。だが、これがパフェか。
しかし、この上に載っているのは、アイスクリームというやつだな」
と、陽菜と遥はペンギンをイメージしたパフェを食べている。
「チョコレートや、イチゴにマンゴー、
それに、バナナもあるみたいだよ?」
「なんということだ。
かくも複雑なオペレーションを、実現しているとは!」
「…鳳さんから聞いているけど、いつも研究に没頭していて、
私まで心配になっちゃった…」
「どうかしたのか?」
「鳳さんから、不思議な子って言われているけど…
なんというか、私からにしては、花海さん。
世間知らずな部分が目立っているというか…」
「正直。私自身も驚いている。
ここまで世間一般が、私の常識と、かけ離れているとは」
「そう言えば、この前、鳳さんから、
本屋さんに行った時に、本の内容をメモに書き写したりしていたみたいだけど…」
「ネットで参考になった情報を、ブックマークする位の、
軽い気持ちだった」
「コンビニで、ミネラルウォーターを、会計せずに、飲んだって、
聞いているし…」
「飲食した後に、支払うシステムだと思っていた」
「服屋さんで、いきなり、服を脱ごうとしたって、
聞いてもいるけど…」
「試着室の存在を知らなかった。周りが大騒ぎしていた」
なお、いずれにしろ、警察沙汰になる前にえむや寧々が止めた。
(寧々談)
「えっと…今まで生活が出来たね…親に注意されたりしなかったの?」
「私は母と一緒に暮らしている。父は仲が悪い訳では無いが別居している。
母は、いつも忙しくて…」
すなわち、母子家庭である。
「…君はサヴァン症候群を知っているか?」
「サヴァン症候群?」
「サヴァン・シンドローム。
脳の機能不全に伴う症状の一種だよ。記憶力や計算能力が異常に優れていると、
言われているらしい」
「そう言えば、花海さんの数学と理科のテスト、満点だったし、
理系だけなら、学年首位だった」
「そもそも、現代医学では、それらの因果関係すら、解明できていない。
わかっているのは、コミュニケーション能力に難のある者の、
ごく一部に、特殊な能力を発症させる者がいると」
「それで、小さい時は、何かあったの?」
「私は幼い頃、その症状があると診断されて、
海外のギフテッドプログラム。特殊教育課程に進まされたんだ」
「え?」
「その後、日本に戻り、宮益坂女子の高等部に進学した。
そして、私は未だに、ヒトの心がわからない。
よくわからない。いくら、物理学や数学を求めても、答えは無い。
皮肉だろ?」
「そう…だったんだ…」
「今更の話だ」
「花海さんは、何がしたい?」
「私…?わからない。だが、えむや寧々がいてくれて、
何かを感じている」
「そう…なんだね…」
桐谷遥は花海陽菜の事を少し知った。