望月穂波は、書店で声の演技の勉強をしていた。
ただ、どこからしたらいいのか、わからない状態だった。
(そもそも、どこから勉強すればいいんだろう…?)
と、穂波は本を見比べて、悩んでいた。
「あれ…望月さん?」
「草薙さん。それに花海さんも!」
「奇遇だな」
「本棚の前で、悩んでいるのが気になっていて…」
と、書店の前にいた穂波を、寧々が心配していた。
「あ…ごめんね!二人共、心配かけちゃって…実は今度…」
と、穂波が朗読会のボランティア活動に参加する事を、
寧々と陽菜に伝えた。
「なるほど…それで声の演技の練習に…」
「声の演技か…?」
と、陽菜が首を傾げる。
「自己流でやるより、本を読んで勉強した方が良いかなって思って。
ただ、どこから勉強したらいいかって…思って…」
「声の演技って、非常に幅が広いから、
演技論や発声練習法まであるみたい」
「そうなのか?」
「うん。そうだよ。陽菜」
「様々な側面があるのだな」
「わたしが持っている本だったら、望月さんの役に立てるかもしれないけど、
結構、専門的な用語が多いから、混乱する可能性があるからな…」
と、寧々も、どうしようかで悩んでいた。
「私も望月さんの役に立てるなら…」
「ありがとう。花海さん。草薙さん。
一緒に考えてくれて」
「えっ?う、うん…わたしの方こそ、ありがとう…
演技の事から、少し力になれるかも…」
「もし良ければ、草薙さん。
わたしに演技のこと、教えてくれないかな?」
「え…わたしでいいの?」
「うん。花海さんもだけど、草薙さんの負担にならない範囲でいいから」
「わかった。頑張るよ!」
「ありがとう!草薙さん!」
後日、とある公園にて。
穂波は、あかずきん、白雪姫、シンデレラ、かぐや姫の朗読をするため、
様々な役に、演技しながら挑戦していった。
「四冊も読むのか?これが絵本か…」
「ひょっとして、花海さんって絵本を観たこと無いとか…?」
「あぁ。絵本を読んだことが一度も無かった。
ただ、見れば見る程、新鮮な気持ちになる」
穂波が朗読の練習していった。
「どうかな?」
「良いと思うよ」
「本当に?良かった…!
実際にやってみてわかったけど、声だけで表現するなんて、
草薙さんと花海さんに出会っていなかったら、
もう、どうなるかと…」
「手探りだけど、役に立てて良かった。そう言ってもらえて」
「ふふ、すごくわかりやすかったよ。
子ども達に喜んでもらえるように頑張るね!」
「…」
「望月さんらしいね」
「えっ?」
「人に奉仕する姿勢が、わたしは尊敬するなって思って」
「そ、そんなぁ…そんなこと言われても…」
と、穂波が照れだしつつ、こう言った。
「確かに子ども達に喜んでもらえるのが一番だとは思うけど…
でも、やってみたい理由は、ちょっと違うの」
「そうなのか?」
「小さい時、読み聞かせ会で、幼稚園の時、お世話になっていて、
それが忘れられなくて…」
「…」
「陽菜。絵本をじっと見ている」
「これが絵本…」
「そんなに珍しいの?」
「あぁ」
「陽菜は普段、難しい本を読んでいるからね」
「花海さんは数学書や化学の本ばかり読んでいることが多いからね…」
「わたしも知っている」
と、陽菜は四冊の絵本に瞳を輝かせた。
何かを決意したようで。
「参加したい」
「ありがとう!きっと大丈夫だと思うよ!
花海さんと草薙さんがいたら心強いよ!」
と、穂波の事を、寧々と陽菜が協力した。