宮益坂女子学園の中庭にて。花海陽菜が数学の書物を読んでいた。
誰が見ても明らかに難しそうな本である。
だが、陽菜はこういう系統の本を読むのが日課である。
「陽菜ちゃん!」
「えむ」
「あっ、陽菜ちゃん!陽菜ちゃん!どんな本を読んでいるの?」
「難しそうな本だね…!」
と、星乃一歌も気になっている様だ。
「数学の書物だ。少し興味があって読んでいただけだ」
「そっかー花海さんって、数学が得意って言ったよね?」
「うんッ!陽菜ちゃんって、なんかこう…
うんうん、ふむふむ、って、思う事が多いみたい!」
「そっか。あっ、体育祭の時でも会ったけど、
星乃一歌って言います」
「私は花海陽菜だ。よろしく頼む。一歌」
「陽菜ちゃんって、色々な事に興味があってね、
色々な事を研究しているんだって!」
「穂波からは聞いているけど、研究熱心で、好奇心旺盛なんだね」
「あぁ。よく言われるが本当はどうかは定かでは無いがな」
「そんなこと無いよ!色々なことを知るのは、
意見を述べるのは、そんなに悪い事じゃないから」
「それなら、なおさらだが…悪くないか…」
と、陽菜は考え事をする仕草を、一歌やえむに見せた。
「どうかしたの?陽菜ちゃん?」
「あぁ。音楽と言うのは、人を感情を動かしたり、
人の気持ちに寄り添うのもあるとは聞いている。気分転換と言ったところか。
興味があるな」
「じゃあ、陽菜ちゃん!あたしと一歌ちゃんと一緒に、
楽器を弾かない?」
「やったことは無いが、わかった。やろう」
音楽室にて。
「様々な楽器があるな。歌や演奏は、授業以外ではやった事が無いが…」
「陽菜ちゃんは、どんな楽器に興味があるの?」
「そうだな…気になるのは、これだな」
と、陽菜はピアノに指を指す。
「あっ!だったら!」
一歌が咲希を呼んできた。
「ピアノの先生!天馬咲希さんじょーう!」
「先生、なのか…?」
「咲希はピアノの経験者だからね」
「それは心強そうだな」
「じゃあ、陽菜ちゃん!そうだな…きらきら星を演奏してみよう!」
陽菜と咲希は同じ椅子に座り、ピアノが目の前にあった。
「触ったことも無かったな…ピアノ」
「それもそうだね!じゃあ、アタシが教えるね!」
「よろしく頼むぞ。咲希」
「陽菜ちゃん、楽しそうだね!わんだほーいだね!」
「そうだね。私も花海さんが、色々な事に興味を持ってくれるのは、
良い事とは思っているよ」
陽菜はこの出来事を機に、ピアノの楽しさを覚えるのだった。
「ピアノか…絵本もだが、ここまで奥が深いとはな…!」
「ほなちゃんも言っていたけど、好奇心が旺盛だね!」
「そう…なのか?私は」
花海陽菜の好奇心は止まらない。