ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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遅くなってしまいすみません…作曲ができる音楽アプリに夢中になってしまって…ドラクエの曲を譜面にするのに時間をかけてました。あとアンテ曲も……すみません。


第7話 多忙なアークさん

あの妖怪ジジイから知らされた邪教団の暗躍。

それに対処するため、私のバカンス計画は暗黒魔城都市のように崩れ落ちた。そういえば、あのデブは元気しているだろうか?龍神族にまたちょっかいかけてなければいいが……。

 

まず、1時に起床。

え、早すぎだって?やることが沢山だから仕方ないよ。エスタークの自覚あるのかだって?たしかにエスタークとしては不合格というか考えられない行動をしている。しかしこれも世界の平和のため。ワシは常に正義のために戦うのだゾイ。

 

ゆらぎ荘の裏山に登り、数個の旅の扉を設置する。この旅の扉はルーラで魔界から持ってきたものだ。いちいちルーラを使える者が軍勢を送るのは手間も時間もかかりすぎるからな。魔界へと繋げ、旅の扉を持たせた部下たちにこちらの世界の座標を覚えさせ大量に設置するのだ。

と、旅の扉から銀髪の妖魔が出てきた。彼は私がもっとも信頼を置く腹心だ。

 

━━━ピサロ

勇者の村を焼き払い、地獄の帝王を復活させるため暗躍した魔族の王。私の監督のもと、進化の秘宝を自在に操ることを可能とした天才だ。流石はドラクエ4のラスボスである。

 

「帝王様、間もなく工作隊及び斥候部隊が到着致します。こちらが部隊編成等をまとめた書類です」

「うむ……この地はまだ人間が少ないようだ。工作隊が到着次第、山を改造し内部に拠点となる要塞を築き上げよ。隠密性の高い結界、その内側に強固な防御結界も怠るな。この世界の者どもに気付かれぬよう……そうだな、5時間のうちに完成させろ。呪文はなるべく使うな、気付かれる可能性が高まる。斥候部隊の者にはこの星を捜索させよ……異界も含めてな。その後に近い星から探索だ。キメラのつばさも支給しておけ。ステルス、レムオルの呪文を切らさぬように徹底させろ。念の為 きえさりそう を用意、魔力補充に備え まほうのせいすい や けんじゃのせいすい も大量に確保しておくように。在庫が足りぬ場合は、特例として ようせいの霊薬 や せいれいの霊薬 も少量であれば使用を許可する」

「はっ!次に、事前に収集の指令を受けた帝王軍についてですが、既に兵は集結しております。こちらは如何しましょう」

「そうか、集結は既に……拠点が完成次第、旅の扉でこちらへ呼べ。鍛錬場・訓練場を拠点に追加し、そこで出撃の時まで士気向上・武力向上に努めるように言っておけ。我の命令が下るまで待機させろ」

「ははっ!では、さっそくとりかかります」

 

旅の扉から次々と魔物たちが出現し、流れるように整列した。力自慢や工事を目的に生まれた魔物もチラホラといる。どうやら名簿通りの部隊のようだ。

 

「皆の者!この山を我らが帝王軍に相応しき拠点として改造する!刻限はこれより5時間後の午前6時!結界も含め、かなりの高密度な作業となるが、我らは偉大なる帝王軍!この程度、我らにとっては造作もない!そうだな!?」

『ははっ!』

「では、すぐさまかかれ!」

 

バッと魔物たちが散っていく。ある者は地質を調査し掘る場所を決め、ある者は持ってきた建材を点検し整理していく。

やがて掘る場所と大まかな設計図が出来上がると、地盤に補強の呪文をかけ次々に穴を掘っていった。

 

「ここは我らにおまかせを」

「うむ。では、6時にまたここへ来る。その時に出来栄えを見せてもらうぞ」

「御意」

 

踵を返し、私はゆらぎ荘へと戻る。こんな朝早くにいなくなっていたのでは変に思われてしまう……寝てるか?いや、用心しておくのに越したことはない。

 

「あとは、ゆらぎ荘で人間の生活をしつつ周囲と友好関係を築かなければ。ゆらぎ荘の者たちは皆、人間でないまたは普通の人間ではないようであるし…な」

 

私がまず人間ではないとバレてしまえば、いらぬ問題を起こしかねない。相手を消したとしても、周りがいつか必ず異変に気づく。その前に……。

 

「なんとしても潰さねばならん。まだ大事となっておらぬうちに!」

 

破壊神が復活すれば、この世界の者も確実に気づく。そして、破壊神に対抗する我らの存在も知られてしまう……何故だろうか。復活させまいとは思うが、私がこういった面倒に巻き込まれる時は、大抵はとことん面倒な大事になる。いや、私が巻き込まれるのは大抵大事のくらいのものだ。龍神王の試練や魔神決戦の時がいい例だ。

 

「……嫌な予感がしてきたな。本腰どころか全身全霊を持って事に当たらなければ」

 

復活してしまうことを前提とした策もいくつか考えておかねば。と、そうこう思考しているうちに、ゆらぎ荘に着いたようだ。今の時刻はだいたい2時前、動いている気配は……ない。

 

「杞憂だったか。さて、金策のため、一作品でも作らなければ」

 

え?魔界からGを持ってくればいいじゃないかって?ホームレスだったのに、いきなり大金出されたらむこうも困惑してしまう。そのため、私もできることを探し、世に認められるぐらいまでは行くことが出来た。

私がしている仕事は、前世のゲームを おもいだす と もっとおもいだす で完全に再現し、アレンジなども加え出すものだ。やっている事は完全に盗作だ。しかし、もはやこれぐらいしかやっていけなかったのだ。私は大魔王だ。人間の作品を奪ってしまっても誰も咎めるものはいない!そもそも盗作と気づく者はいない。と開き直ってしまっている。

 

「しかも、かなり人気も出始めた今日この頃。辞めるにも辞められなくなってしまった…とほほ」

 

おっと、内心が口から漏れてしまった。昔から、思ったことをポロっと口に出してしまうのは悪い癖だな。私が怪物であることをうっかり言ってしまわないように気をつけねば。

 

「さて、今日は青い鬼でも作ろうかな」

 

 

 

 

 

 

「…………っと、今回はここまでかな」

 

危ない危ない。かなり没頭してしまった……あと少しでも続けていたら6時を過ぎてしまうところだ。

 

「さて、拠点は完成しただろうか」

 

固まった身体をポキポキと鳴らしながら、太陽がまだ出かかっている暗い外へ出た。軽く辺りを見回しながら裏山の頂上を目指し登っていくと、落ちていく滝の下で何かが動いたのを見つけた。

 

「……ん?あれは……狭霧さんか。この寒い時期に滝行なんて、普通じゃありえないが…若いのに立派だなぁ」

 

今は季節的にまだ冬だ。加えて山という高地の滝や川の水温はかなり低いはず。こんなに朝早くから苦行を、自ら進んでやるとは……なんか思考がおじさんみたいになってきたな。

 

「っ!帝王様、お待ちしておりました。ささ、こちらへ」

 

私に気づいたピサロが、何も無い山の壁へと歩きだす。そのまま壁に激突!…はせず、するりと壁の中へ消えていった。これは、認識阻害の呪文と結界だ。魔力を欠片も感じさせない……完璧な仕事だ。

私も中に入ると、そこには…………城があった。

 

「……ピサロ、説明を」

「はっ!帝王様の拠点となるため、主城であるエスターク神殿ほどではありませんが、城を山の中に建設。迎撃の罠等も一級品を取り揃えております」

「そうか、うむ。この世界の拠点として、これ以上ない素晴らしき城だ。だが…………私は事前に、ゆらぎ荘…人間の建設物でこの世界を過ごすことを言っていたはずだが」

「………………」

「………………」

「……申し訳ありません、忘れておりました」

「……相変わらずどこか抜けているな貴様は」




今回は忙しいアークさんの朝を書いてみました。次から、次からはゆらぎ荘の話に入るから……。

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
  • ギャグ回
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