まさか本当に来るとは思ってなかったです…。思わず3度見ぐらいしましたよ。嬉しい…!
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今日、新しく入居者が来るらしい。その人は男性で、狭霧さんと同じぐらいの子なのだとか。
楽しみだなぁ。男は私しかいなかったから、少し肩身が狭かったんだよ。
そうだ、間取りとか色々と教えてあげるか。そうやって交友関係を深められればいいなぁ。
そう思っていた時期が私にもありました。
「う〜ん……」
「……何があったんです?」
「ええと、その…のぼせてしまったみたいなんです」
「いや、顔の濃い跡とか完全に痣ですよね」
何がどうなったらこうなるんだ。
なんで気絶してるんだ。なんで顔に痣あるんだ。なんで仲居さんに膝枕されてるんだ……私もされてたなそういえば。
「え〜これはですね〜……そう!おそらく転んでしまったのかと!」
「そう とか言ってしまってるじゃないですか。転んで桶か何かにぶつかったぐらいじゃこうはなりませんよ」
「えっと…その〜……」
ここまで見事な傷はまず風呂場の物じゃ……岩ぐらい?とにかく相当強い力じゃないと。
「……仲居さん。何か隠してませんか?」
「い、いえいえ!隠してなんて……」
「……もしかして、あのふわふわ浮かんでいる少女と関係が?」
「っ!見えて…いらしたんですか」
私の発言に驚いたのは仲居さんだけではない。浮かびながら心配そうに少年を覗きこんでいた白髪少女もこちらを見て、目が合った。
おそらくこの子は、私が来た時に土下座の姿勢で壁にめり込んでいた子だろう。
「あ…あの…本当に私のことが見えていらっしゃるんですか?」
「ええ。声も聞こえますよ」
「本当ですか!?……んんッ。私はこのゆらぎ荘についている地縛霊、湯ノ花幽奈と申します」
「これは丁寧に。私は数日前からここに入居したエスト・アークと言います。幽奈さんでいいですか」
「は、はい!どうぞお好きなように!それにしても、感激ですぅ〜!まさか私を見ても逃げずに挨拶してくれるなんて〜」
「まあ霊感等は強いので、慣れですかね」
「はえ〜、そうなんですね」
いい子だ。絶対いい子だこの娘。
感じる気配もふわふわしてる。悪意を持ったことがないような…悪意を微塵も感じたことが無いような清いオーラだ。
「う〜ん……っ。ここ、は?」
「あら〜、お目覚めですか〜」
少年が目を覚ました瞬間、幽奈さんは急いで壁をすり抜けて行ってしまった。やっぱりあなたの仕業だったのね…。
「オレはたしか、風呂で……あんた達は?」
「冬空コガラシさんですね〜?」
「えっ…なんで俺の名前…」
「私、このゆらぎ荘の仲居を務めております。仲居ちとせ、と申します」
「仲居さん!?あんたが!?」
「はい〜。ゆらぎ荘の皆さんのお世話をさせていただいてるんです〜」
まあ驚くよね。まだ中学生ぐらいの少女が中居やってるんだもの。
「やあ。私はエスト・アーク、数日前からここに入居した者だ」
「あ、ウス。冬空コガラシっす」
なかなか珍しい名前だね。コガラシくんか〜……うん。人間にしてはとてつもない力を秘めている。なかなかの強かさだ。
「まあ新参者同士、ひとつ仲良くしようじゃないか」
「よろしくっす!エスト……アーク、さん?」
「アークでいいよ。我ながら珍しいだろう。外国でもそうはいない」
「あ〜…確かに聞いたことないっすね」
「ははは、まあ気軽に呼んでくれ」
優しそうな少年だ。力を持っていることを少し危惧していたが、いらない心配かもしれん。まだ、判断材料は少ないがな。
「おぉ?やぁっと起きたぁ〜」
襖をスパーンと音をたてながら開け入ってきたのは呑子さん。続いて僅かに表情をひきつらせた狭霧さんと眠そうな夜々さんが入ってくる。
「おはよぉ〜。お近付きに1杯どぉ〜お?」
「呑子さん、彼は未成年ですよ!」
「夜々眠い…」
三者三様、性格が丸わかりな反応だ。まったく、こういうのは第1印象がだね……そういえば私のは最悪だったな。
「あたし荒覇吐呑子!」
「冬空コガラシっす!で……その〜…」
「ん〜?」
呑子さんがかがみ、大きく手を振りあげながら挨拶した。酒が入っている時はたいてい豪快なアクションをするからなぁ。
……って、コガラシくん?何故そっぽを向いて……っ!?
「呑子さん、立ちましょう」
「えぇ〜?」
「いいからいいから。さあ、せ〜のっ」
「ん〜?」
酔った呑子さんに手を貸して立ち上がらせる。ふぅ、これでコガラシくんもだいぶマシになるかな。
「まったく、呑子さん?そんな格好で屈んだら下着が見えてしまうかもしれませんよ?」
「えぇ〜?だってぇ、新しく入ってきた、それも気絶から起きたばかりの子に立ったまま挨拶っていうのもおかしいかなぁ〜ってぇ」
「そうですけど、ちゃんと自分のことも考えてください」
「…はぁ〜い」
「アークさんマジ感謝っす」
いいのいいの。たった数日なのに、こういうのにも慣れちゃったから。
「冬空コガラシ、と言ったな。このゆらぎ荘の風紀を乱してみろ。その時は、この雨野狭霧が天誅を下す!」
「っ!?」
あら?コガラシくん?なんで顔の傷が増えてるの?切り傷だし……ああ、狭霧さんのクナイか?あ〜もう、病み上がりの人に傷をつけちゃあダメだよ。
って……今度は夜々さんか。みんなもう少し配慮ってもんを……。
ペロッ
!!!???
「?っ!?てめぇ何しやがる!?」
「ムッ。夜々が治してあげようと思ったのに」
「いやいやいや!夜々さんどうしたの!?急にコガラシくんの傷口を舐めたりして!」
「?夜々が直そうと思ったの」
ん〜?どういうことだ?そういった能力があるのか?いやいや、初対面の人に力を見せるほどおバカではないはず。
「あ〜コガラシくん、こっちに来なさい。手当てしてあげるから」
「え、いや大丈夫っすよ!これぐらいほっときゃ……」
「ダメだよ。菌が入って膿んだりしたら大変だろう?ほら、来なさい」
「う、ウス」
ついでに痣のところにも湿布を貼っておくか。
「アークさん、お母さんみたいですね〜」
「ただ世話好きなだけですよ。仲居さんもどんどん頼ってくださいね」
「ふふっ、そうさせてもらいます〜」
よし、これで終わりだ。さて、もう遅い時間か……あっ、そういえば。
「コガラシくんはお腹減ってるかい?」
「あ、そういや晩飯食ってなかったな……」
「なら、もう時間も遅いですし、軽いものを作りますね〜」
「手伝いますよ」
「ありがとうございます〜」
「アーク、アーク!夜々も!」
「えっ……本当に軽くだよ?お2人はどうします?」
「そうねぇ〜、いい感じのおつまみちょ〜だぁ〜い」
「……私は…本当に軽くでいいので」
「了解しました。それじゃあ、少し待っててください」
なんだかんだあったが、みんな仲良くなれそうでよかった。さ、腕によりをかけて作ろうかな!……呪文は無しにするか。
作った料理は大好評だった。ふふふ、そんなに褒めても何も出んよ。
それにしても、何か忘れてるような気が…。
「はう〜……美味しそうですぅ〜…。みなさん楽しそうですぅ〜……」
帝王の地獄耳はしっかりと拾った。
そういや忘れてた。あとで幽奈さんに差し入れよう。
何故、主人公がママ化したのか……。
書いてるうちに自分でもなんでこうしたか分からなくなってくる時がたまにあります。
定期試験があるので1、2週間開きます。すみませんが、勉強・試験が終わるまで投稿できません。
次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)
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