ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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皆さんお久しぶりです!活動報告や東方実験手記の方を見た方は2日か数刻ぶりでしょうか。
無事に定期試験が終わり、またちゃんと投稿できるようになりました。
また更新していくので、よろしくお願いしますね〜。


第11話 救沌衆 襲来!

「ああ、そのようにせよ。連絡は随時すること、そして魔力を感じられることのないように念話・通話ではなく、モシャスか変化の杖を用いて……猫あたりにでもなって報告に来い。わかったな?」

「は、ははっ!では、しっ失礼します!」

 

よお皆。アークさんだ。え?口調が若干変わってる?そりゃ怒ってるからな。そのせいで念話相手の部下を怯えさせてしまったが、そんなことは今はどうでもいい。

 

原因となった出来事は、今朝まで遡る。徹夜して仕事に勤しんでいた分、少し遅い時間まで寝るつもりでいたというのに……朝6時頃に叩き起こされたんだ。

 

物理的に……ではない。何かが大音量で吹き飛ばされ、すごい勢いで川に落ちる音、そしておそらく幽奈さんの謝る大声。このトリプルパンチをくらったせいで意識が覚醒してしまったのだ。

 

私は……皆がご存知の通り、睡眠を邪魔されるのがこの世で最も嫌っている事だ。普段ならば怒りにまかせて瀕死にするか殺すかなのだが、この世界でそんなことをするのはさすがにマズイため我慢した。

 

結果、イライラが溜まっている。ちなみに、やっと寝付けそうだった昼頃にもゆらぎ荘は騒がしくなった。

 

どうやら、僧侶……お坊さんが幽奈さんを強制成仏させようとしていたらしく、それをコガラシくんが止めたらしい。

 

その際にも、怒鳴り声やドタバタ音、幽奈さんの叫び声、極めつけにコガラシくんが温泉に落ちる轟音と悲鳴。

 

怒っているが、それを子供に晴らすのもまた情けないことだとは思う。子供だろうと女だろうと、もう殺してもいいかもしれないと若干思ってはいるが。

 

そんなこんなでこの日は終わった。私はぐっすり眠りたいのだが、この世界の仕事と魔界から送られてきた資料確認が残っている。今日も徹夜になるだろう。もはや数日眠りこけてもいいかもしれない。疲れたよ、私は。

 

 

 

 

 

 

「おわああああああ!?」

 

ドッポォォォン……!!

 

「コガラシさあああんっ!!」

 

………………………………。

寝始めたのは5時頃。今は6時ぐらいか…。

 

「…………ご飯を食べに行こうか」

 

その後は仕事をしよう。何も考えずに、ただ黙々と。そして終わりしだい寝てやる。一日中どころじゃないぞ、数日は覚悟してもらう。

 

襖を開けると、狭霧さんと呑子さんが朝食を食べようとしていた。

 

「アークさん、おはようございます」

「おっはよぉ〜アークちゃん」

「……おはようございます」

「何かあったのぉ〜?かなりやつれてるけどぉ〜」

「……いえ、何も…大丈夫です」

「あ、アークさんおはようございますー。朝食できてますよ」

「ありがとうございます……」

 

仲居さんが運んできてくれた食事に箸をつける。あんなに美味しく感じた仲居さんの料理が、今ではあまり美味しく感じない……いや、味を感じないと言うべきか。

 

狭霧さんや呑子さんよりも素早く食べると、仲居さんが食器を下げてくれた。お礼を言って自室に戻ろうとした時、元凶とも言うべき子たちが入室してきた。

 

 

「あのまま天に召されるトコだったぞ!?」

「すみませんすみません!」

「……………………」

「あっ、アークさん!」

「おはようございますアークさん〜」

「……ああ、おはよう。私は、自室で少し寝てくるから、あまり大きな音は出さないでくれよ」

「う、うっす」

 

この子たちも悪い子ではない。きっと言うことを聞いてくれるはずだ……きっと。

 

ふむ、仕事を終わらせてからと思っていたが、期限が近いというものも無いし……先に寝よう。そろそろ私も限界だ。

 

「はあ、ゆっくり眠れると……いい…な……」

 

 

 

 

 

「たのおおもおおおお!!!!」

 

………………………………。

寝付いて数分しか経っていないのだが?

 

「拙僧は救沌衆降魔僧が一人、辻昇天の洩寛!!昨日はよくもやってくれたな小童よ!どうやらその屋敷、霊視で調べてみれば悪鬼羅刹の巣窟ではないか!貴様らまとめて、我ら救沌衆が一掃してくれるわ!!」

 

………………………………。

 

「洩寛殿!彼奴等は皆、女子の姿をしており申す!手荒な手段は如何なものかと!」

「我等は速やかに悪鬼共を滅するのみよ!」

「しかし…!」

「……ならば、女子は捕らえるがよい!主らの好きなように修行を付けてよいぞ!!」

「お、おお!?成程それならば、彼奴等を救うことにもなりましょう!!」

「拙僧もそう考えており申した!」

「拙僧も!」

 

…………ふざけるな。

私の眠りを妨げておいて、ゆらぎ荘の者共に手を出すだと?よほど死にたいらしい…!

安心しろ、殺しはせん。この世界において、最も重要なのは強者との協力関係の構築及び信頼だ。ここらで、ゆらぎ荘の者共に一つ、貸しを作ってやるのもいいだろうて…!

 

「ゆくぞ悪鬼共!ここで貴様らを殲滅してくれるわ!!!」

「騒々しいわあああ!!!」

『!!!???』

 

怒鳴りながら自室の障子を開け、手すりに足をドンと乗せた。ゆらぎ荘の面々も外にいる僧侶共も驚きの視線を向けてくる。

本来ならば、ここで人外であることを知られたくはなかったが、まあよいわ!これを機とすればよいだけだ!!

 

「貴様らやかましいぞ朝っぱらから!この我の眠りを妨げおって…我の溜まりに溜まった怒り、今ここで晴らしてくれるわぁ!!」

 

右手に帝王の剣を顕現させ、魔力を込める。剣先にバチバチと黄色い魔力球が現れ、瞬時に消滅する。

 

『イオ』

 

次の瞬間、僧侶共の周囲が輝き、次々と爆発が起こった。

 

たとえ下級呪文とはいえ、私の魔力で放たれたそれは暴走を起こし、僧侶共を軽々と吹き飛ばす。かなり加減したからか、ほとんどが立っているものの、かなりのダメージを与えたようだ。

 

と、ちょっと待て。体調がこの上なく悪い時に暴走呪文を放ったせいで盲が……。

 

「チッ!後は任せますよ……」

 

布団に戻り、眠気のままに目を瞑る。呪文を放った直後のためか、まだ眠りには入れないようだ。しかし、少しずつ意識が遠くなっていく…これならそう掛からないか。

 

外の喧騒が聞こえてくる。完全に眠りに着く前に、皆さんのことが分かるか…?

 

「……ハッ!とりあえず殲滅を!雨野流誅魔忍術奥義(あめのりゅうちゅうまにんじゅつおうぎ)叢時雨(むらしぐれ)!!」

「……なんだアレ…」

「誅魔忍である狭霧さんの霊気の忍具は、神出鬼没、変幻自在なのです!」

「まず誅魔忍って何だ…!?」

 

忍具…いつぞやのクナイか。成程?

 

「わぁ〜!みぃんなつるっつるでボールみたい!ねぇねぇ、ボウリングしてもいーい?いいかなぁ?」

「ぼ…ぼうりんぐ!?」

「えぇ〜…ダメなのぉ?」

「えっ!?いやまぁ、少しくらいなら…!?」

「わーい!それじゃあ……」

「ぬ…?か、身体が持ち上げられて…!」

「見よ!あのツノ……鬼か!?」

「いいっくよぉ〜!すっとらーいくぅっ!」

『ぎゃああああ!!!!』

 

「人吹っ飛んでんぞオイ…」

「呑子さんは、かの鬼の首領(ドン)、酒呑童子の末裔なのです!!それゆえ、お酒に酔えば酔うほど強くなります!」

 

……聞いてるだけでかなりツッコミどころ満載だな。

 

「…うん、あいつらで遊んできていいよ」

「……は?」

「ンニャッ♪」

『ぎゃああああ!!』

「ニャーンッ♪」

 

「夜々さんはあんなにカワイイ猫神さんに憑かれているのです!」

「オマエ自身は何もしねーのかよ!?」

「くあ……だって夜々眠いし…」

 

猫神…神の1種か?これは、気を引き締めねばならないか……鳴き声からは威厳やらなんやらは感じないが。

 

「く…莫迦な、全滅だと…!?いや、体勢を立て直し次こそ奴らを滅してくれる!」

「すみませんお客様。それは困ります」

「ぬっ!?何奴!」

 

ピルルル…トゥルル…

 

……なんだ、この音。電話か?

 

「は…?拙僧の宝くじが一等当選ッ!?」

「拙僧がジョニーズに合格ぅぅ!?」

「拙僧が大富豪の遺産相続人に!?」

 

……は?

 

「億の借金がチャラに!?」

「ポチが帰ってきた!?」

「ハゲ治療薬の治験者に!?」

 

ポチて……いや坊主じゃなくてハゲだったのかい……。

 

『もう妖怪退治なんざやってられるかー!イヤッホオオイッ!!!』

 

あーもうメチャクチャだよ。

 

「ちィィッ!これだからゆとりは……む!?」

 

ナーンミョーホーホーケキョー

 

…これも電話?え、ホントに?

 

『父さんごめんなさい。親になって、私が間違ってたってようやく気付いたの!だからお願い…出家なんてやめて家に帰ってきて…!』

「…………………………………」

 

アンタだけ異様に重くないか?こんな時だけは帝王ボディがいらないと思えてしまう。

 

「ちぃぃぃッ、覚えておれい悪鬼どもめが!この礼はいつか、必ずしてくれる!!」

『まことに有難う御座いましたああ!!』

「お幸せに〜」

 

「そして、ゆらぎ荘最古参にして管理人の仲居さんは、運勢をあやつる座敷童子さんなのです!皆さんスゴいですよね〜!」

「あぁ…すげぇぜ。仲居さん!俺にも運を…」

「やめておけ。アレは奴ら自身の運が使われているんだ」

「一生分の運を使い果たしてなきゃいいのだけどぉ…」

「え!?怖ッ!!」

「やっぱり仲居さんが最強…!」

 

……えげつないな仲居さん。やはり友好関係を築こうとした私の判断は間違ってなかったか。

ふむ、かなり意識も遠くなってきた。待望の睡眠が私を待っている…!

 

「さて、私たちの自己紹介は済みましたが、アークさんがまだですね」

「ああ、あの人は一体何者なのだろうか……あの術に、霊力は感じられなかった」

「まずは起きてから、だな」

 

ああ、私の説明もいるのか。帝王のことは伏せておいて、邪教団の事、それを追いかけている事を色々と省いて伝えておくか……。

 

そろそろ…か。すまないが、おそらく数日は寝ているかもな……まあ魔人形態の時よりかは…マシ……か……。

 

「ZZZ…ZZZ…」

 

 

 




今回はいつもより長くなってしまった。これから先もこれぐらいの文字数いくかも?
さて、どんな風に介入していこうか……。
よろしければ、評価・感想をお願いします。まあ、前話にも載せた通り、楽しんでもらえればそれでいいのですがね、活動の原動力になりますぜ。
まあそれも、私の文章力、発想力にかかっているのですがね……。

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
  • ギャグ回
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