ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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皆さん!とうとう感想が来ました!
嬉しくてリアルゲルド族タイムしたら家族から変な人を見る目で見られてしまった…。
初めて感想を貰ったので、返事がまったくもって面白くない文になってしまった…申し訳ないです。
他の方々も、良ければ感想・評価等お願いします。
今回は三人称視点です。それではどうぞ!


第12話 起きてくださいアークさん!

「それでは、ゆらぎ荘緊急会議を行います!」

 

救沌衆の襲撃から3日が過ぎた頃、ゆらぎ荘ではアークを除いた全員が居間に集まっていた。誰もが真剣な面持ちになる中、悲しそうに目尻を下げながら司会を務めているのは仲居さんだ。

 

何故このような状況になっているのか。それは、今この場所にいない者が理由である。そう、我らが主人公のエスト・アークさんだ。

 

「今回の議題は、アークさんがこの3日間、1度も目覚めない事!そして、まだ起きる兆しが見えないことについてです!」

 

宣言通り、彼は数日間一切起きずに寝続けている。食事も水も摂らずに、動きもせず。

1日目は、そんなに眠かったのかとそこまで大事には捉えていなかった。かなり眠そうにしていたため、仕事で徹夜していたのだろうと推測し、ゆっくり休ませてあげようと起こさなかった。

 

2日目になるも、まだ寝ているのかと思いながら、それぞれが思い思いの生活を行った。せめて食事でもと仲居さんが起こしに行ったが、呼び掛けに全く反応せず、寝息さえ少しも乱れることはなかったという。

 

3日目、さすがにおかしいと全員が気づいた。皆がアークの部屋へ行き、声をかける・大声で騒ぎ立てる・顔を引っ張ってみる・強く叩いてみる等々、様々な方法を試してみたが、それらも全く効果は無かった。

 

そのまま時間が流れ、時計が零時を回ったため今は4日目となる。どうすればアークは起きるのかと絶賛会議中なのであった。

 

「なぜ、アークさんは寝続けているのでしょう…」

「3日前……いや、4日前か?その時はかなりやつれていたが……」

「そうねぇ〜…辛そうにしてたわぁ」

「そういや、隈ができてたな。寝不足だったんすかね?」

「……アークさんが入居された初日に、お夕飯をご馳走したんですけど……その時にアークさんに言われたことがありまして…」

「言われたこと、ですか?」

「はい」

 

その時を思い出したのか、仲居さんは少しぶるっと震えた。アークがそのお願いごとをした時、威圧感が凄まじかったからだ。小学生くらいの子供であれば泣き出すレベルには。

 

「『私が寝ている時は、私が自然に起きるまで絶対に起こさないでくださいね?』と言われまして……その、威圧感?が凄かったです」

「威圧感……アークさんにとって、睡眠はかなり大事な行為…ということか?」

 

彼女らが分からないのも当然だ。彼にとって、睡眠とはどれほど大切な、かけがえのないものなのか。

 

エスト・アーク…改めエスタークは、戦乱の世に飲まれた。前世がただの一般人であった彼が、四六時中命を狙われる状況であったことがどれほどの苦痛だったのか。

 

心休まる時などほとんど無い。周囲を警戒し、敵がくれば力をもってして制圧する。そんな、血なまぐさい日々を送っていた彼にとって、唯一の安らぎが睡眠だった。

 

襲撃があっても対処できるよう結界を貼り、疲れた心身を癒すことができる。これがどれほどありがたいことなのか、エスタークは強く実感し、理解したのだ。

 

それからだ。睡眠を邪魔する不届き者を半殺し、または殺すようになったのは。

 

しかし、ここで疑問が出る。なぜこの世界にてエスト・アークとなった彼が、防音の結界などを使わなかったのか。

 

これも、いる場所がゆらぎ荘であることが原因だ。普通の人間の住むマンション等の住居であれば、結界を貼っても誰も気づかないだろう。しかし、ゆらぎ荘には実力者たちが住んでいる。結界など使えば、感知されてしまうかもしれない。

 

認識阻害の結界を使おうにも、それだと中にいるエスト・アークを認識できず、これまた面倒なことになる。こういった理由から、何もせずに過ごすことしか出来なかったのだ。

 

「しかし、どうしたものか。あそこまで眠りが深く、反応もしないようでは対処のしようがないぞ」

「……アークさん、何か術を使ってましたよね。ただ霊感が強いだけと言ってましたが、私たちに何か隠し事をしているのではないでしょうか…?」

「隠し事かー……人じゃない、とか?」

「…ッ!コガラシさん!!」

「でもよ、飯も食わずに数日間寝続けるってのも人間じゃできねぇと思うんだよな……それに、あの術も普通の人間ができるもんじゃねぇだろうし…」

 

コガラシの言葉に全員が黙る。皆が思っていたことだ。アークは、彼は人間ではないまたは普通の人間では無いのでは。そして、それを自分たちに隠しているのではないかと。

 

まだ、彼とは知り合ってから日が浅い。そういった秘密を話せないのも分かるのだが、それでも少し寂しいものがあった。

 

「アークさんは、一体何者なのでしょう?」

「未知の術に何日も寝続ける…特殊体質、かしらぁ?」

「今まではこのようなことはありませんでした。何かしらの理由があるのでしょう…」

「…………あっ」

 

ここで、幽奈がふと気づいたように声を上げる。皆の視線が向く中、幽奈は少し顔を青くして問いを投げかけた。

 

「あの、アークさんの体調が悪くなり始めたのって……コガラシさんが来てから……ですよね?」

「む…そういえばそうだな…ッ!?貴様の仕業か冬空コガラシィィ!!」

「違ぇっての!?」

「あの……あながち間違いではないかと……私も同犯ですが…」

「…?どういうことぉ〜?幽奈ちゃん」

 

皆を代表して呑子さんが聞くと、さらに顔色を青くし、プルプル震えながら幽奈は答えた。

 

「わたし、寝相が悪くて……あれから何度もコガラシさんに迷惑をかけてしまっているのですが…その……コガラシさんを川に突き落とす場所が、ほぼ毎回アークさんの部屋の近くなんですよぉぉ…!」

「な…2階の私の部屋にまで強く響く轟音と叫び声だと言うのに…!」

 

グスグスと涙ぐみ始める幽奈の説明を聞いて、全員が納得した。

 

朝の騒動はほぼ毎日起きている。川に高所から落ちる音と叫び声を、近くで聞くなどかなりのストレスになるだろう。ましてや、アークはよく仕事で徹夜をする。ようやく寝れるという時に何度も叩き起こされれば、極度の寝不足になるだろうことは容易に想像できた。

 

「あの隈とやつれ顔はそういうことだったのねぇ〜」

「あの後に寝てくるっつって、すぐ坊主たちが来たから……」

「う。全く眠れてないはずなの」

『……………………』

 

全員が黙る。正体等はともかく、これで一つ分かった。コガラシと幽奈は縮こまり、全員の視線を黙って受けるしかない。

 

「おそらく、充分…?な睡眠をとれば、起きてくるとは思いますけど……その時はちゃんと謝りましょうか」

「「はい……」」

 

こうして、ゆらぎ荘緊急会議は終了。もう少し気を付けようと落ち込むコガラシと幽奈の2人であった。

 

ちなみに、アークが起きたのはその翌日。2人の謝罪を快く受け止め、しかしまだ帝王であるという正体は明かさずに、もう一度自己紹介を受けたのだった。

 

 




感想により私のエネルギーが補充され、次の話を書くことが出来ました。
ハハハッ!
なんと現金な奴なのでしょうか!
自分にちょっと嫌悪感が出てきたぞ。
今回は、三人称に挑戦しました。
むつかし…むつかし…。

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
  • ギャグ回
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