ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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ふへへ……柄にもなく頑張りすぎたかもしれない…。私、確か週一で投稿するって言ってたのに……。
ネタのストックはある……展開もある程度考えてある……なら、書くしかねぇよなぁ!?

昨日、徹夜したのでテンションが未だにおかしいです。いつものように書けてるか分からない……。


第16話 微睡みの邪神官

「ああ、神よ。あなたは何故、私にこんなにも無情な試練を課すのですか…?私はいったい、どれほどの苦難を味あわなければならないのでしょうか……私は、貴方様に精一杯尽くしてきた、皆に平等の愛を分け与えたというのに……」

 

私は、教会の中でもそれなりの地位を持っていた。貧しい生まれながらも、雑用その他を嫌な顔せずこなし、神に仕えてきた。貧しい者たちの苦しみを、私はよく知っている。私は彼らを救わなければならない、そう決意した……。

 

しかし、人間は……ああ、人間は!良き隣人として、良き導き手として尽力した私に、その醜さを見せ始めた。

 

上層の者どもは私の評判を気に入らず、ありもしない噂をでっち上げ、酷い仕打ちをした。私はだんだんと余裕がなくなり、皆に尽くすことも難しくなる。不当に送られてくる雑務などに時間を裂き、富も徐々に消えていく。そんな私に、皆は関心を示さなくなった。

 

食べ物をあげた子供たちはこちらを見向きもせず、相談事にものった大人たちには身ぐるみを剥がされそうになる始末。彼らは、私に感謝していたことは間違いない。しかし、それは私の分けた愛ではなく、私がもたらす食料や富に向けられたものだった。

 

やる事なす事、それらは全て無に帰した。

 

私は無気力になり、教会を抜けて旅に出ることにした。それは、私に現実を突きつける最悪なものとなった…。

 

食料がない、金がない。それゆえに徒党を組み商隊を襲い、荷物を奪う賊となった者がいた。

 

己の権力を守らんがために、忠臣をためらいもせず切り捨てる者がいた。

 

魔物によって殺される人々。それに怒りを示し、己の手を血に染める者がいた。

 

魔物を愛した、それゆえに魔物ともども処刑された者がいた。

 

中には生粋の善人もいた。しかし、人間の本質は暗く醜い悪である。そんな者どもに食い物にされ、皆が果てていった。

 

この世には多くの悲しみが満ちている。私のように全てを裏切られ、絶望した者がこの世には溢れている。彼らは、私を仲間だと…傷口を舐め合いながら無様に生きていこうと言い、ついてきた。

 

こんな世界など……いや、全ての世界において、こんなことが繰り返されている現状は無くなるべきだ。しかし、もはやこれらは不動の摂理。己の内にある闇にすら気づかない……気づいていても素知らぬ振りをする者どもが跋扈している今、我々だけでは何も変えられはしない。

 

では、神ならばどうか?教会にて、古い文献を閲覧したことがある。そこには、この世の真理が記されていた。

 

 

『全ての世界は、創造と破壊によって成り立つ。神々が天地を創造し、破壊の化身が人も物も壊し新たな世界を創造するための材料を作る。

破壊と創造は表裏一体、世界の安寧と繁栄のため神を崇めることとは、すなわち己の終わりを新たな世界への礎とすることでなければならない。

 

己の終わりを嘆き、恐れるものは信仰者にあらず。終わりの献身を拒むな。でなければ、何人たりとも神を崇めることは許されぬ』

 

 

私はそこまでを思い出し、天啓を得た思いだった。

全ての存在にとって、唯一等しく訪れるものこそ、肉体と魂の崩壊……すなわち『破壊』である。一度この世界を……いや、全ての世界を破壊し、新たな世界を創造するための礎とすることこそ私の使命なのでは?悲しみの連鎖を止め、善人が幸せになれる世界の創造を、破壊の神に祈り聞き届けてもらえば…!

 

それからの行動は早かった。無断に教会へ侵入し、あらゆる手段を用いて『破壊』について述べられた、または破壊を司る神についてまとめられた書を手に入れた。

 

やはり、私の思った通りだ。破壊の神であろうと、邪神と蔑まれていようと、結局は神。我々の祈りと捧げ物を糧とし、願いを叶えてくださる偉大な存在なのだ。そして、そんな神々を代表する御方の名前を、私が生涯かけて尽くすと決めた神の名を、私はついに見つけ出した。

 

悪魔を束ね、生贄の生き血によって目覚める邪神。しかし、創造と破壊の理をなし、世界を見守り時が来れば破壊する絶対の神。

 

【 破壊神シドー 】

 

ああ、神よ。偉大なる我らが神、破壊神シドーよ。願わくば、私を貴方様の血肉に……共に、全てのものに破壊の安らぎを!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ま」

 

「……さま」

 

「ハーゴンさま」

「ぬ……」

「お目覚めになられましたか。ご報告をしたいのですが、よろしいでしょうか」

 

寝ていた……か。懐かしい夢を見た。私が破壊神さまを崇めるきっかけとなった忌々しい我が若輩の頃の夢を。

 

「かまわん。行っていた工作はどこまで進んでいるのだ?」

「はっ。ハーゴン様の仰せの通りに、呪いを担当の者が保管し、来るべき時に使用できるようにしています。この世界の神や実力者付近への配置も完了しています」

「うむ……」

「次に、別世界にて潜伏していた教徒たちですが……みな全滅しました」

「やはり、か。おおかた大魔王の軍勢が攻め込んできたのだろう」

「はい……しかし、私たちの知る大魔王とは別の勢力も加担していたようです」

 

別の勢力……他世界の神々か?奴らも我らの動きに気づき始めたか……。

 

「その者たちの詳細は分かるか」

「それが……魔物でありましたが、明らかに既存のものより強力でした。スライムで例えると、通常よりも数倍の戦力……キメラほどにまで」

「……なんだと?」

 

スライムはすぐに死に至る最下級の魔物。それが、空を舞いギラなどの呪文を扱うキメラと同等だと?最下級が中級下位の魔物の力を持つ……ありえぬ。

 

「それは確かなのか?」

「はい……しかし、それは例え。実際に攻め込んできたのは闇の力を多分に秘めたゴーレムなどといった者たちです」

 

それは……そうとうマズイことになった。これは、一刻も早く破壊神さまを復活させなければ…!

 

「神官どもに伝えろ。支度が整いしだい、儀式を行うと」

「ははっ!」

 

魔物が扉を大急ぎで抜けていく。私は深く椅子に腰かけながら、謎の勢力と大魔王たちのことで頭を悩ませる。降臨の儀はまだするべきではない。それは奴と会合してからだ。

 

その前に、他の大魔王クラスやその勢力に邪魔されなければよいのだが…………。

 

「まったく、次から次へと……しかし、私は諦めませぬぞ。全ては破壊神さまのため……等しく世界に破壊の安らぎを与えるために…!」

 

 

 




今回は邪神官ハーゴンとその配下たちの様子についてです。ドラクエの番外編としてハーゴンが主人公のゲームも考えられてたらしいですね。その辺りの設定を入れてみました。

ちなみに、私はビルダーズは1止まりで2はやっていません。なので、ハーゴンの喋り方・思想が違っているかもしれませんが、そこはご了承ください。

よければお気に入り登録・感想・評価お願いします。私の燃料として結構効きます。



※必読お願いします!

アンケートですが、明日の5月28日金曜日の正午にて締切とさせてもらいます。上ふたつの投票数が一緒の場合は、どちらかに1票入った時点で終了です。
まだ投票しようと思ってるけど先延ばしている方などがいらっしゃいましたら、投票をその時間までによろしくお願いします。

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
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