行事やらで精神的にも肉体的にも疲れ果てていました…。
これからは最低週一にはちゃんと投稿できるかと。でも、期末も迫ってきてるんですよねぇ……。
いつものように仕事を終えて、お昼ご飯を食べるために下へおりていると、温泉上がりの呑子さんと出会った。
「おや、呑子さん。温泉に入ってたんですか」
「そうよぉ〜。すごく気持ちよかったわぁ〜」
ホカホカしてる呑子さん、すこし色っぽいな。まあ、私としては右手に持ってる缶ビールの方が気になりますがね。
「呑子さん?昼間から温泉はまだしも、お酒はダメですよ」
「いいじゃなぁ〜い。私は、いつでもお酒を楽しむことに全力なのよぉ」
「しかし、お酒ばかりだと体を壊しますよ」
「そこは大丈夫よぉ!酒気とかはちゃんと霊力に変換してるからぁ〜程々に酔うぐらいで止めてるわぁ〜」
「む……そう言われると、何も言えなくなりますよ…」
なるほど、霊力に変換すれば体の毒になるほどの量を飲んでも大丈夫なのか。私もそういった呪文でも……解毒呪文キアリーで充分か?
と、玄関の前で話していると、扉を開けてコガラシくんと幽奈さんが学校から帰ってきた。
「ただいまーっす」
「あらおかえりぃ〜」
「お帰りなさい2人とも」
「今いい湯加減だったわよぉ〜」
「昼間っから温泉っすか…ん?そういや、呑子さんていつもゆらぎ荘に……もしかしてニート?」
コガラシくん、それはさすがに失礼だよ……。
「も〜違うわよぉ!」
「コガラシさん!呑子さんはですね…」
「呑子先生!!」
バタバタと走る音がする。廊下の角から飛び出してきたのは、片目の隠れたスーツ姿の女性だった。
「呑子先生!捜しましたよ……!」
「あら、累ちゃんじゃなぁ〜い!」
「まさかこの修羅場に温泉とは……時間押してるのわかってますか!?」
「リフレッシュしたかったのよ〜。累ちゃんも入ったらどぉ〜?」
「入りません!」
見知らぬ女性は私たちをそっちのけで呑子先生に詰め寄るが、呑子さんはのらりくらりと交わしてはビールを飲んでいく。
って、いやいやそうじゃなく。
「呑子さん?あの、先生って…?」
「っ、これは失礼しました!ゆらぎ荘の方ですか?私、荒覇吐呑子先生の担当編集になりました、
「これはどうもご丁寧に。私はエスト・アークと言います」
「冬空コガラシっす。え〜っと?月間少女マーマレード……え、てことは呑子さんって…漫画家!?」
「そうよぉ〜!ちゃんと働いてるんだからぁ〜!」
まさか、漫画家……いや、確かに言われてみればわかるような気もする。それ以外の職業だったら納得なんかできないだろう。
「「お邪魔しまーす」」
「いらっしゃぁ〜い。ちょぉ〜っと散らかってるけどぉ、ゆっくりしていってねぇ」
仕事を見せてくれると言うので、女性の部屋に入ることには戸惑いがあるものの見学してみる事に。しっかし、散らかってるとは言わないのでは?布団とかも綺麗に畳まれているし、小物がそこらに転がっているわけでもない。
では、何を見て呑子さんは散らかっていると言ったのか。それは……空になったお酒のビンやビール缶が大量に置かれているからだ。
「お、おぉ……」
「はぁ……またお酒が増えてる……」
お酒(空)パラダイスの惨状にコガラシくんは引き、羽良嶋さんは頭を抱えた。心中お察しします……。
「それで、修羅場と言っていましたが…?」
「呑子先生の在宅アシさん……アシスタントさんが事故で入院してしまったのです」
「来週には退院できるらしいんだけど……今月の〆切、明日なのよねぇ……」
「……はい?明日!?」
「より正確に言えば、明日の7時……残り15時間です。なのにまだ白紙のページが何枚も…!」
「や…ヤバいんじゃないんすかコレ…!?」
「すごく…!」
明日の7時……白紙のページは、ひーふーみー……8枚?いや、下手するともっと…!
「アークちゃん、コガラシちゃん、何飲むぅ?なんか買ってきたげよっかぁ?」
「アンタなんでそんな呑気なんすか!?」
「ふふ…お酒の力よぉ!ヤなコト全部忘れられるぅ!」
「現実逃避してる場合か!!」
これは、絶望的すぎるなぁ……酒に逃げそうになるのも分かるが、やはりやらないと。
「原稿上がるまで飲酒禁止です!そうやって描けないんですから!」
「ああん!わかってるわよぅ」
「編集さんって大変すね…」
「ホントにな……」
「そういうわけだからぁ、アークちゃん、コガラシちゃん、手伝ってくれない?」
「了解っす!」
「わかりましたよ」
まあこうなる事は予想出来ていたが……呑子さんは私たちに画力があるかと心配しないのだろうか?というか、手伝って本当に大丈夫なのかな?
……なんだか私が心配になってきたぞぅ!
「すみません……私がヘルプアシさんを見つけられれば…!微力ながら、私もお手伝いさせていただきます!」
「真面目だなぁ。コガラシくん、ちょうど良い例と悪い例が目の前にあるんだ。しっかり見ておいた方がいいよ」
「そうねぇ〜……ちょっと待って?悪い例ってアタシのことぉ〜!?」
「アンタしかいないでしょーがよ」
「アークさんも冬空くんも辛辣ですね……」
そんなわけで、呑子さんの漫画制作が再開されたのだった。
━━━十数分後
「ブツブツブツブツブツブツブツ」
ただならぬ気配を放ちながら、まさに鬼の形相でキーボードを叩く呑子さん。いやぁ、怖いね。おにこんぼう も縮み上がって痩せちゃうくらいには凄まじいね。
そんな呑子さんにコガラシくんも気づいたようで。
「なんか…呑子さん雰囲気違くないすか…?」
「原稿中…特に締め切り前は荒むそうで……しかし、ああなればなんとか間に合わせてくれるはずです」
「なるほど?鬼のようなオーラを纏っているあれが、集中した本気の呑子さんだと」
「あんな呑子さん初めて見た……」
ブルッと震えながらもその手はかなり上手い絵を描きあげているコガラシくん。なんだい、次は漫画家の幽霊にも取りつかれたことがあるとか言い出すんじゃないかね?
ちなみに、私は帝王様ボディによって呑子さんの描き方を観察したおかげで、少し真似できるようになった。呑子さんは現役の有力漫画家さんだから、猿真似でも多くの技術を手に入れることが出来たからね。
「それにしても、アークさんと冬空くんも上手いですね…マンガ描かれるんですか?」
「いやぁ昔ちょっと漫画家志望の霊に取り憑かれたことが」
ほらやっぱり。そしてそんなことをペラッと喋るんじゃありません。
「霊?」
「いや、それはキミが昔書いていたマンガのネタだろう?」
「へ?いや、ちが━━━」
「実は、私とコガラシくんはマンガを一時期書いて見せあっていたんですよ。いやぁ、最初はホント、そこらの中学生…いや、小学生レベルの酷さだったんですが、思いのほかヒートアップしてしまいましてねぇ。描き方の本まで買ってやりあったんです。いやぁ、懐かしいなぁ…」
「そうだったんですか。道理でこんなに上手いんですね」
ふぅ、なんとか誤魔化せた。とっさの返答にしてはいい出来だったんじゃないか?
「しっかし、このマンガを呑子さんがね〜…!お酒以外のモノにも興味あったんすね」
「……ふ、ふふっ……」
「へっ?あの、呑子…さん……?」
突如不気味に笑いだした呑子さん。なんだ、気を張りつめすぎてぶっ壊れてしまったか。
クルッとこちらを向いた呑子さんの目は正気だった。しかし、眉は坂道のごとく斜めっているが。
「この男子ね…モデルもやっているような魅力的な女子に迫られても……主人公以外の女子なんて異性としてほとんど意識しないの…絶対にブレたりしないのよ。裏切ったりしないの…絶対に……こんな一途な男がいるかよぉぉ!!!」
「アンタが描いてんでしょーよ!?」
「大体、何が悲しくてリア充なティーンどもがキャッキャウフフする様を克明に描写しなきゃならないのぉ!?こちとらとうに成人してるってのよぉ!!」
「…ほっといていいんすか?」
「呑子先生はろくな男と出会わなかったそうで……そのフラストレーションを原稿にぶつけてらっしゃるのです。たまに現実を思い出しああなるそうですが、大丈夫です。しばらくすれば落ち着きますよ」
「漫画家って……」
おおう、暴れる暴れる。そうか、そんなに辛い思い出を背負ってるんだな。まあ、気持ちは分かる。こちとら数万年も独身の身だからね……言ってて悲しくなってきた。
「うきゃぁぁあああ!!」
……でも、このまま放置しとくのもアレだよね。原稿も進まないし…。
「呑子さん、落ち着いてください。大丈夫ですよ。呑子さんはとても優しい人ですから、スグにいい相手が見つかりますよ」
「うぅ……アークちゃぁ〜ん……慰めてぇ〜…」
「はいはい、呑子さんは頑張ってますよ。みんなわかってますからね。でも、このまま叫び続けても辛いだけですよ?パパッと仕事片付けて、お酒でも飲みましょうよ。この前言っていたようにお酌してあげますから」
「うぅ……お酒…お酌…うん、頑張るわぁ」
「はい、その意気ですよ」
なんとか立ち直った呑子さんが、椅子に座り画面に向かった。さて、こちらも早く仕上げないとな。
「アークさんって凄い包容力をお持ちで……あの状態の呑子先生を宥めるとは…」
「面倒見がいいとかそういう次元じゃない気がするっす」
そうかな?ま、これも年長者ゆえかもね。
実はこの話、書き始めてから数日間ほっぽってました。
手につけ始めても時間的に途中で止まってしまい、そのまま行事の準備やら予行やらで疲れが溜まってしまい……これ、ただの言い訳になってますね。
とにかく、何かしら投稿が遅れるなどがあれば、活動報告に書きますので、ちょくちょくそちらも確認していただければなと思います。
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