活動報告にも書いたとおり、夏休みの課題と受験勉強であまり手がつけられていませんでした。
眠い…キツい……。
これからは休憩がてら各作品を投稿していきますので、たまに確認に来てくださると嬉しいです。
何かしらある時は活動報告を出しますので、そちらをたまにでいいので確認して、今後の投稿について把握してくだされば幸いです。
湯煙温泉郷。
数々の名湯を揃えるこの場所には、多種多様な客が足を運ぶ。
老若男女問わず観光客が押し寄せる故に、妖の類もまた集まりやすいのだ。
ある日のこと、そんな温泉郷に2人の珍客が訪れていた。
「あの〜すみません。写真撮ってもらっていいですか?」
「っ!おおう……これが噂に聞く
「はい?」
2人の若い女性が、橋から見える川と木々を背景に写真を撮ろうとした。
しかし、やはり自撮りよりも誰かが撮ってくれた方が良い写真になるため、通りすがりの着物を着た色の濃い男性に頼んだのだが……男の様子がおかしい。
「あの、私たちただ写真を……」
「よいよい!皆まで言うな。おぬしらの気持ちしっかと受け取った!故に……二人とも、余の側室に加えてやろうぞ!!」
「きゃあ!?」
「ちょっ、離して…!」
突然大声を上げたかと思えば、男は女性2人を肩に担ぎあげた。暴れる女性たちを片手のみで抑え、いざ歩きだそうとしたところへ……背後から鋭い手刀が男の頭に振り下ろされた。
「おやめください」
「ゴブフゥッ!?」
あまりの痛さに、頭を抑えるため男は女性たちを手放した。女性たちは駆け足で逃げ出し、しかし痛みでそれどころではない男は抗議の目線を狼藉者へと向けた。
「おおう…痛いではないか朧!」
「みっともない真似はおやめくださいませ。玄士郎さま」
そこにいたのは白髪の少年とも少女とも見える風貌。玄士郎と呼ばれた男の従者であった。
「それに、あの者たちは見たところ極めて平凡。玄士郎さまの妻には相応しくありません」
「むぅ…そうは言っても、いくらもおるものではなかろう。霊力の強い美女など…!」
そう、彼らが来たのは玄士郎の嫁に値する女性を探すため。そのために数々の観光客が訪れる湯煙温泉郷へと現れたのだ。
「しかし、そうでなくては玄士郎さまの妻とは認められないでしょう。さあ、温泉を楽しみつつ気長に探しましょう」
「うむぅ…そうだな。余の妻となりうる者を探さねば…!」
2人は温泉郷の奥へと進んでいく。この場所には求めている女性の条件に合う者が多くいることを、彼らはまだ知らない。
そして、2人を上空から見定めていた存在がいた事も、彼らは知らない。
「あれが黒龍神とやらか……人間に混じって呑気に観光とは、程度が知れる」
「どうしますか。私たちが動くならば、何かの動乱に乗りたいところですが…」
「あまり目立つことなく、力を集めなければなりませんから。しかし、そう簡単にいくかどうか」
「うむ……騒ぎが起これば動く。何も起こらなければこちらから仕掛ければよい。行くぞ、ここにはヤツがいる。発見されてはこの上なく面倒だ」
「「ははっ!」」
3つの影は空間に溶け込み姿を消した。そのいく先は誰にもわからない。
「イヤアアアア!!」
「キョウモダメダッター!」
い つ も の。
毎回思うが、なぜ私の結界を突き抜けてくるんだ。たまにでもいいから普通に起きてくれ……。
支度をして、居間へと下りる。そこには少し眠たげなこゆずちゃんがいた。
「おはようこゆずちゃん。他の皆は?」
「…………あ、おはようアークさん!皆はもうご飯を食べたよ!お部屋にもどっちゃった」
「そうかい」
そこへ、コガラシくんと幽奈さんが襖を開けて入ってきた。コガラシくんはいつもの学ランだが、まだ髪が湿っているあたり苦労がうかがえる。
「お、おはようっすアークさん、こゆず」
「お二人ともおはようございます〜!」
「おはよう2人とも」
「おはようコガラシくん!幽奈ちゃん!」
2人の分も食事を運び、みんなで食べ始める。暖かな食卓……数万年もの時があると、なんど味わっても感動してしまう…。
「ふぇ〜……それにしても、コガラシくん毎朝大変だね〜」
「ああ、着替えや髪乾かしたり大変だ」
「コガラシくんはその辺りの男子よりも髪を伸ばしてるから、被害は大きそうだね」
「でも毎朝同じ朝日で目が覚めるって……まるで夫婦みたいで憧れちゃうな〜」
「毎朝川へ突き落とす嫁がいてたまるか」
「いつもすみません…!!」
涙を流しながら目以外で笑顔を作るという器用な技を披露する幽奈さん。コガラシくんは目のあたりに黒い影ができて表情がわかりにくいが、怒っていることはわかる。
「でも、お嫁さんに憧れる気持ちはわかります〜!幽霊のわたしには無縁の話ですけど…」
「いや、そうとは言えないんじゃないかな?」
「へ…?どういうことですかアークさん?」
「外国には冥婚というものがあってね。死者と生者の結婚なのだけど、死者への弔いと慰め、生者の想いを死者へ捧げることが目的なんだ。それに幽奈さんは悪霊にもなっていない、理性ある魂を持っている。魂を交わらせ子を作ることも可能だ」
「そ、そうなんですか!?」
「へ〜!アークさん物知りだな」
ふふふ、まあ頼ってくれたまえよ。
おっと、話が長くなったな。そろそろ部屋に戻って仕事の続きをするか。
「ごちそうさまでした。それじゃあ、私は部屋に戻るよ。何かあったら訪ねてくるといい」
「わかりました〜!さ、こゆずさん。私たちも食べ終えてお使いに行きましょう!」
「うん!」
私は食器を片付け、部屋に戻ると魔界の資料を手に取った。そろそろ、
斥候もこの星はだいたい調べ終えたようだし、他の星にも行かせるべきか……いや、何か見落としがあるとマズイ。もうしばらくしっかりと調べさせるか。
アークが資料とにらめっこをしている頃、幽奈とこゆずはおかしな男に絡まれていた。
「そこの娘!余の名は龍雅玄士郎。オヌシ…名は何と申す?」
「ふぇ?えと…」
「こゆずさん!知らない人には…!」
「あ…そっか!逃げないと!」
「余を不審者扱いとな!?オヌシに聞いておるのだ人間霊の娘よ!」
男に指をさされたことに、幽奈はひどく驚いた。既に死んでいる自分を見ることができる、しかも人間の娘としてちゃんと認識できる人はかなり少数なのだ。
「すっすみません、わたしでしたか!わたしはゆらぎ荘の地縛霊、湯ノ花幽奈と申します!」
「ほう…幽奈と申すか。良い名だ……っ?」
いつものように迫ろうとした玄士郎だが、踏みとどまった。今すぐにでもこの娘を城へと連れ帰る。その思想に頭が占領されほかのことが考えられなくなってしまったのだ。
「……どうだ朧」
「…?ふむ、霊力も中々。悪くないですね」
「……では幽奈よ。オヌシを余の妻に娶ろう」
「…………妻!?きゃっ!」
朧は玄士郎の変化に少々訝しみながらも、幽奈を認めた。許可を得た玄士郎は、さっそく無表情のまま幽奈を抱き上げた。
「な、離してくださぁぁぁいっ!!」
幽奈のポルターガイストが発動する。しかし、玄士郎は吹き飛ばされるどころか髪を揺らした程度の影響しか受けなかった。
「えっ!?ポルターガイストが…!」
「当然だ。我が殿、玄士郎さまは、信濃は龍雅湖を統べる神霊、黒龍神であらせられるのだから」
「龍…神…!?」
「帰るぞ朧」
「はっ!」
「ゆっ幽奈ちゃん!」
朧が宙へ手刀を振るうと、黒い渦が現れた。こゆずが止める暇もなく玄士郎と朧は渦へと入り込み、渦が消え去る。
後に残ったのは、唖然とした表情のまま固まったこゆずだけだった。
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