ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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この章が終わったらいったんネタ集めに戻ろうかな。間隔空くかもです。


第35話 破壊の矛先は

「初めから全力でゆくぞ!」

 

━━イオグランデッ!

 

流石は系統の王タイタニス。バアルゼブブでさえ魔力を使い果たすことで発動させた最上位呪文イオグランデを片手間に放った。

 

「むう!?」

 

凄まじい爆発が部屋を満たし、神殿を崩していく。爆発に飲まれているキングリザードへ、フォロボスが仕掛けた。

 

━━ドルモーア

 

破壊神の魔力によって呪文は暴走を起こし、巨大な闇の爆雷がキングリザードを吹き飛ばした。壁を突き破り隣の部屋へと転がり込んだキングリザードは、床を砕きながら跳躍しタイタニスへと突進する。タイタニスは笑みを浮かべながら、召喚した巨大なサーベルを振り下ろした。

 

━━ほのおのいちげきッ!

 

キングリザードはサーベルの腹を左腕で打ち軌道をそらすと、そのまま回転し炎を纏わせた右の裏拳を放つ。タイタニスが体勢を崩したところへさらに追い打ちをかけようとするが、フォロボスの放った棘の拳を腹に受け引き離された。

 

━━魔の刺突ッ!

 

フォロボスが素早く踏み込み、キングリザードの胸へと拳の棘を打ち込む。しかしキングリザードは棘と肩を掴み止めると、フォロボスの顔に灼熱の火球を浴びせた。

 

━━しゃくねつ火球ッ!

 

「ヌグ……」

 

━━おぞましいおたけびッ!

 

離さぬままに、今度は身も凍るおぞましい雄叫びを上げる。音の振動波はフォロボスの肉体の隅々にまで広がり内部を傷つけた。

 

「こっちも相手してくれよ!」

 

━━悪夢のこだまッ!

 

「ゴアッ!?」

 

複数の魔力弾が放たれ、その衝撃はキングリザードの魂に響く。フォロボスを手放したキングリザードは、タイタニスに首を掴まれ壁に叩きつけられた。

 

「おら、まだまだ行くぞ!」

「トカゲごときがァ!」

 

純粋に戦いを楽しんでいるタイタニスと、怒りに顔を染めたフォロボスが追撃を始めた。

 

━━バギムーチョッ!

━━ギラグレイドッ!

 

━━メラガイアーッ!

━━ドルマドンッ!

 

タイタニスの放った最上位呪文バギムーチョの竜巻へ、同じく最上位呪文ギラグレイド、フォロボスのメラガイアーが合わさり獄炎の竜巻と化した。そこへトドメと言わんばかりにフォロボスのドルマドンが炸裂。巨大な爆発を引き起こした。

 

「む、終わってしまったか?少しばかり遊び足りんぞ」

「フン……たわいもない」

 

巻き上がった砂煙に背を向け、儀式の間へと続く扉へと戻る二体。そんな中、フォロボスが足を止め振り返った。

 

「破壊神よ、いかがした」

「………………」

 

怪訝そうな目で煙を見つめるフォロボス。次の瞬間、雷鳴が轟き煙から稲妻が放たれた。

 

「ムウッ!」

「……しぶとい」

 

煙が晴れ、そこにいたのは全身を雷に包んだキングリザード。先程の呪文の嵐は、少しもキングリザードへとダメージを与えていなかった。

 

「そうか、まだ終わらぬのか!よい、よいぞ!」

 

━━ギラグレイドッ!

 

タイタニスの手から放たれた巨大な熱線が、地を舐めるように溶かしながらキングリザードへと迫る……が、キングリザードの体と衝突する前に消滅した。

 

「むっ!?なんだ、我の魔力が消えたぞ!」

「フンッ!」

 

━━魔の刺突ッ!

 

素早い踏み込みでフォロボスが近づき、棘で突く。すると、キングリザードの左手に持つ宝玉『竜眼』が光り、フォロボスの突きを跳ね返した。

 

「……なるほど、その宝玉か」

「聞いたことがあるぞ。キングリザード種とそれに近しいドラゴン種は、生まれながらに竜の瞳の形をした宝玉を持つという。その宝玉には呪文や物理攻撃のダメージを完全に無効化にする力があるとか……」

「そうだ、これこそ俺の秘技『竜眼』。呪文と打撃攻撃のどちらかを選び、そのダメージを無効化する。実力者であればどちらのダメージも同時に無効化することも可能だ。俺はまだ片方しかできぬがな」

 

竜眼によってダメージを同時に無効化する力を持つのは、現在ドラゴンガイアにしかできないとされている。彼は通常種と同じような効果しか発動できないが、与えられる恩恵は凄まじいものだ。

 

「さあ、次は俺の番だ。俺の技を受けてみろ」

「おもしろい!」

「どうしようが我らの勝利は揺るがぬ。好きにするがいい」

 

バチバチと稲妻が走る。キングリザードは見に纏った雷を拳と三又の尾へと集中させると、勢いよく床を蹴った。

 

━━轟雷・竜王拳ッ!

 

雷光一閃、神殿の地下は雷の光で包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ時、地上ではピサロといにしえの魔神が死闘を繰り広げていた。互いに一進一退の攻防、しかし怒りに身を任せ力を振るいにしえの魔神の動きを、ピサロはすでに読みつつあった。

 

「オォォオオオオッ!!」

「フンッ!」

 

動きを読もうとも反応が難しい速さ。しかしピサロは完璧に攻撃を合わせ、いにしえの魔神を迎撃した。

 

━━秘技グランドクロスッ!

 

魔族の魔力がこもった邪悪な十字架が、いにしえの魔神を吹き飛ばす。ピサロは魔神へと追いつき、今の自分が放てる最高の技を繰り出した。長引いてしまった戦いに終止符を打つために。

 

━━超ジゴスラッシュッ!

 

地獄の雷を剣に纏わせ、無数の斬撃を叩き込む。地面に落とされた魔神へと、巨大な雷の刀身を叩きつけた。

 

「オォ…ガアァァアアアッッ!!」

 

地面が一直線に陥没した。いにしえの魔神は肉体を保てる魔力を失ったのか、端から徐々に粒となって消えていく。

 

「ク……ククク……クハハハハハッ!!」

 

自分が倒されたというのに、いにしえの魔神は勝ち誇ったように笑い始めた。いよいよ狂ったかとピサロが背を向けると、いにしえの魔神は笑いを堪えるように肩を震わせながらピサロへと問いかけた。

 

「ククク……どこへ行く?」

「……神殿へ」

「ハハハハッ!行って……どうするつもりだ。まさかハーゴンの儀式を……止めようと思っているのではあるまいな?」

「それ以外に何があると言うのだ」

「哀れで、無知なお前に……教えてやる。ハーゴンの儀式が、そんなに長引くような……ものだと思うか?」

「どういう意味だ」

「クハハハハハッ!!無駄だ無駄だ!なぜなら……」

 

 

 

 

 

 

「グアァァアアアッ!?」

 

キングリザードが扉ごと吹き飛び、儀式の間へと入った。フォロボスはタイタニスを蹴ると、怒声を浴びせた。

 

「愚か者め!なぜ扉の方へと吹き飛ばしたのだ!」

「すまんすまん……だが、もういいだろう?」

「……ここへ釘付けにしておくのは十分。だが任されたことを最後まで果たせなくば悪魔王の名が泣くぞ」

「もともと称号に興味はない。我の好むことにのみ集中するのがこのタイタニス、傍若無人でなくて何が悪魔か!」

 

 

 

「ハーゴンはすべき術を終え……」

 

 

 

倒れていたキングリザードは見た。血に濡れた部屋、誰もいない儀式の間を。キングリザードのすぐ側には、あくましんかんの物であろうローブの切れ端が落ちていた。

 

その時、天井が崩れる。キングリザードは歯車に掬いあげられた。

 

「オムド……ロレス……」

「急グゾ、キングリザード」

「何があった……」

「おお、キングリザード!無事だったか!」

 

そこへクロウが浮き上がり近づいてきた。何時になく焦った様子のクロウがキングリザードの質問へと答えた。

 

「先程まで悪魔王と破壊神の魔力で儀式の間の探知ができなかったのだがな、お前のおかげでやっと成功したのだ。どうやらハーゴンは、神官たちを皆殺しにし既に転移した後だった!月にはもういない!」

 

 

 

「地球を目指しているのだから…!」

 

 

 

休日、ちょうど朝食を済ませたゆらぎ荘。各々の日課へ動き出そうとした時だった。

 

突如起こる地震。ゆらぎ荘に結界が貼られ、光に包まれた。光が収まるとゆらぎ荘は……暗闇の空が広がる不毛の大地に転移していたのだった。

 




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しかし、何かを戦わせて欲しい場合は感想にリクエストください。休憩代わりに番外編に書いてみます。
魔王vs魔王、幹部vs幹部、下っ端vs下っ端でもなんでもいいです。

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