ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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ついにゆらぎ荘参戦。そしてあの三大悪魔が登場。
ビルダーズ2などはやったことがないので、悪霊の神々の口調が変でもどうかご容赦ください。

そして今回は難産。悩んでたら時間経ってた&筆がなまった。


第36話 ゆらぎ荘vs悪霊の神々

真っ暗な空に草木一本ない浮島のような大地。事態に気がついたゆらぎ荘の面々は外に飛び出した。

 

「何これ!?なんにもない!」

「こ、こゆずさんは中に!」

 

仲居がこゆずをゆらぎ荘の中へと入れようとすると、突然ゆらぎ荘が光り輝き、次の瞬間にはどこにもその姿は見えなくなってしまった。

 

「ゆらぎ荘が!」

「どうやら俺たちを返す気はないみてーだな」

「無論だ」

『っ!』

 

第三者の声が響く。空間が歪み、現れたのは三体の怪物。山のような一つ目の巨人に、赤紫の毛皮に身を包む翼が生えた猿、そして黄金色の屈強な牛顔の怪物だ。

 

「我が名はベリアル。大悪魔にして悪霊の神々が一柱」

「同じくアトラス。偉大なる破壊の下僕だ」

「同じくバズズだ。喜べ、お前らは供物に選ばれたんだ」

「供物って、なんのことだよ」

「我らが主、破壊を司る邪神への生贄に選ばれたということだ」

「何を勝手に…!」

「そ、そんなのお断りです!」

 

否定の言葉をくちにする面々に、悪霊の神々を自称する怪物たちは眉一つ動かさない。彼らにとっては、既に決定事項。どう答えようと関係ない。

 

「この世界における強者たちよ、その身を破壊神に捧げよ」

「さあ、仕事だぜ」

 

━━デビルクローッ!

 

バズズがツメに暗黒の瘴気を纏わせ振るう。ツメから放たれた斬撃が地面を裂き、三つの大地に分断した。

 

「これは…!」

「分かれちゃったの…!」

「ケケケ、美味そうな人間どもだ。少しくらい味見したいもんだな」

 

 

「……仲居さぁ〜ん、後ろに隠れててねぇ」

「あ、ありがとうございます呑子さん…」

「怖がることはない。一瞬で叩き潰してやる」

 

 

「突然来て、生贄になれなんて…!」

「勝手言ってんじゃねーよお前ら」

「人間と地縛霊ごときが、大層な口を利きおるわ」

 

それぞれの大地にて、いっせいに戦いが始まった。

 

 

 

 

呑子と仲居は、巨人アトラスと対峙していた。

 

「おっきいわねぇ〜」

「……どっこらせ」

「え…?」

 

アトラスは棍棒を地面に置き、どっかりと座った。戦う気がないのかと一瞬思った仲居だったが、呑子は手に持っていた鬼殺しを飲み干すと真後ろへ鬼火砲を放った。

 

「ぎゃっ!?」

「部下に不意打ちさせるなんてぇ…酷い人ねぇ。アナタが来ないと、アタシは倒せないわよぉ?」

「使えん……仕方がない。足だけで相手してやる」

「余裕ねぇ……油断してくれてるだけ助かるわぁ」

「呑子さん!わたしも運勢操作でサポートします!」

「ありがと仲居さん。それじゃぁ……やりましょうか」

 

呑子が鬼火砲を連続で放つ。その全てがアトラスに当たるものの、アトラスは大して気にしていないようだ。アトラスは座ったまま足を上げ、勢いよく大地へと下ろす。それだけで地震が起こり、津波のように衝撃波が地を這ってきた。

 

呑子は仲居を抱えてジャンプ。押し寄せる衝撃波を飛び越えた……が、次いで下ろされる別の足。2人が着地するタイミングを狙って再び衝撃波が放たれた。

 

━━運勢操作・招福っ!

 

運良く、衝撃波に耐えられなかった大地に穴が空き、衝撃波が止まった。しかし爆風は防げず、2人を地へと凄まじい勢いで叩きつける。

 

「いったぁ〜い……仲居さん、だいじょ〜ぶぅ?」

「は、はい。なんとか……」

「しつこい奴らだ。さっさと死ねば楽になれるものを…」

 

呑子が再び鬼火砲を発射する。どうせ効かないと、アトラスは気にせずに足を上げた。

 

「鬼火砲は鬼の霊力を使うんだけどぉ……酒呑童子の末裔ともなると、こんなことも出来ちゃうのよぉ」

 

呑子が手を捻ると、鬼火砲の軌道が変わる。向きを変えた鬼火砲は、無防備なアトラスの目に直撃した。

 

「ぐおぉぉおおおっっ!!?」

 

アトラスに限らず、ギガンテスなどの一つ目の巨人種は総じてその目が弱点。巨大な一つ目は遠くまで見通すことが出来るが、そのぶんデメリットもあった。

 

「うごご……許さん、許さんぞ!全力でひねり潰してやる!」

「あらあらぁ、足だけで戦うと言ったのはアナタよぉ〜?」

「黙れ!このアトラスをコケにするとは、愚かな!」

 

ついにアトラスが立ち上がる。棍棒を肩に担ぎ、2人へと迫っていった。

 

 

 

 

狭霧と夜々は、既にバズズと戦い始めていた。

 

「ケケケケケ!しっかり避けないと消し炭だぜ!?」

 

━━ベギラゴンッ!

 

地を這う熱線が2人へと迫る。夜々は猫神の加護による速さで、狭霧は飛ぶクナイを足場にして回避した。

 

━━雨野流誅魔忍術奥義、叢時雨っ!

 

大量のクナイが生成され、バズズへと降り注ぐ。バズズはニヤけた顔をさらに歪め、呪文を唱えた。

 

━━バギクロスッ!

 

2つの真空の竜巻が発生し、降り注ぐクナイを気流で押し流していく。バラバラに飛んでいったクナイは狭霧や夜々へと向かうものもあった。

 

「くっ…!」

「猫神さま!」

 

夜々から光が溢れ出し、猫神が顕現する。猫神はバズズへと飛びかかるも、バズズは猫神の巨体をすんなりと躱しツメを突き立てた。

 

「ヴニャァアアッ!?」

 

痛みに襲われた猫神は体を乱雑に動かしバズズを振り払う。バズズは翼で器用に体勢を整えると、大きく口を開いた。

 

━━しゃくねつのおたけびッ!

 

灼熱の炎の如き高熱の咆哮が放たれる。猫神の毛に火がつき始め、やがて全身を包んでいった。

 

「ヴニャアアッ!」

「カカカ、熱いか?なら涼しくしてやるぜ」

 

━━こごえる吹雪ッ!

 

バズズが吐き出した吹雪は猫神の炎をたちまち消し、さらには凍らせていく。急な温度変化に猫神の体はついていけず、光となって夜々の中へと戻ってしまった。

 

「猫神さま!」

「そんな低級の神に、このバズズが遅れをとるはずがないぜ!さあ、観念しな!」

「させるか!」

 

━━分身の術っ!

━━雨野流誅魔忍術奥義、雨蛟龍っ!

 

「オオッ!?」

 

5人に分身した狭霧が、クナイを集め巨大な針を生成し放った。夜々へと飛びかかっていたバズズは、自分よりも大きな針を5つ受け止め、放たれた針の勢いのまま大地に叩きつけられた。

 

「夜々、無事か!」

「う。大丈夫なの…でも、猫神さまはもう出れない」

「そのぶん、霊力の操作に集中できた。後は私にまかせてくれ」

 

砂煙を睨む狭霧。煙からズルズルと這い出してきたのは、下半身が無くなってしまったバズズだった。

バズズは悪霊の神々の中でも多様な攻撃手段を持つが、アトラスやベリアルのように強靭な肉体は持ち合わせていない。下手をすれば低級の神と同等の脆さなのだ。

 

「ククッ……人間のくせに、生意気な…!」

「その人間に、そこまでやられているのだ。降伏しろ」

「ケケケ!バカ言うなよ。オレはなぁ、まだ負けちゃいないぜ!」

 

━━ベホマッ!

 

バズズの体を緑色の優しい光が包む。光がおさまると、バズズの肉体は完全に再生していた。

 

「なっ!?」

「さあ、第2ラウンドだ。油断はもうしねぇ、邪神の力の前にひれ伏せ!」

 

バズズの体を邪悪なオーラが包む。先程とは比べ物にならない速さで、バズズは2人へと襲いかかった。

 

 

 

 

コガラシと幽奈は、ベリアルと対峙していた。

 

「なぜオレたちを襲うんだ…?」

「なぜ…か。それは我らが神への捧げ物とするためだ。神は信心深い教徒の他に、強き者の肉体と魂を食らうことでさらなる力を得る」

「だからって、突然襲ってくるなんて!他の方を連れて帰ってください!」

「帰るわけがなかろう。貴様らには、共に過ごしたことでヤツの魔力が少なからず付いている。地獄の帝王と関わったのが運の尽きだな」

「地獄の…帝王……?」

「お喋りはここまでだ。さあ、その身を神へと捧げよ!」

 

ベリアルがバトルフォークを構える。コガラシは幽奈を背に、拳を構える。次の瞬間、ベリアルとコガラシは激突したのだった。

 




文字数が平均超えちゃったので強引な強制終了。

お待たせしてしまいすみません。
やっぱり漫画片手でないとゆらぎ荘の面々の口調がとりにくい。ドラクエの敵の話し方って一貫してる部分あるから楽なのよね……。

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
  • ギャグ回
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