ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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2つ目のアンケート、最初は接戦だったのにいつの間にか差が開いていてびっくり。


第39話 怒りの王

「ムゥンッ!」

 

ベリアルがバトルフォークを回転させながらコガラシたちへと迫る。コガラシが拳撃を放つも、ベリアルは自身にスクルトをかけ、そのまま突っ切った。幽奈へとバトルフォークを振るうが、コガラシが間に入り先端を掴み止める。それを見たベリアルは瞬時に後ろへ跳躍しながら呪文を放った。

 

━━メラゾーマッ!

 

放たれた火球をコガラシは拳撃でかき消し、ベリアルへと駆ける。ベリアルは全身に力を貯めて迎え撃った。

 

コガラシの拳とベリアルのバトルフォークが衝突し、互いに拮抗する。このベリアル、なんとアトラスよりも力が強い。頑強さはさすがに劣るが、山をも持ち上げるアトラス以上のパワーは、神を一撃で倒したコガラシに打ち負けることはなかった。

 

「人間が、よくぞここまで力をつけたな。怒りの王と呼ばれた大悪魔である我とほぼ互角……いや、我以上か」

「これでも異世界の邪神を、師匠たちと倒したりしたことがあってな。そう簡単にオレは倒せねーよ」

「ククク……そうか、ではこれならどうかな?」

 

━━バイキルトッ!

 

ベリアルの呪文が発動すると、途端にコガラシが押され始めた。バイキルトは対象の力を2倍にする呪文。少々押され気味だった力勝負は一気に傾いた。

 

「っ!」

「ぬっ!?」

 

コガラシは空いている腕で拳撃を放ちベリアルを怯ませると、その顔に連続で拳を打ち込み始めた。スクルトにより防御力が上がってはいるものの、コガラシの力はそれをものともせずにベリアルを地面へと叩きつけていった。

 

「まさか、ここまでの…っ!?」

 

コガラシの拳が腹に深々と突き刺さる。肺の空気を全て吐き出し、バトルフォークを手放してしまったベリアルは……コガラシをその剛腕で抱きしめた。

 

「うおっ!?」

「近づいたのが運の尽きよ。喰らえい!」

 

━━全周囲イオナズンッ!

 

ベリアルの体が発光し、自身を起点に爆発がコガラシとベリアルを包んだ。通常のイオナズンとは威力が桁違いのそれは、地面を軽々と破壊し吹き飛ばしていく。

 

「コガラシさぁぁん!!」

 

幽奈が叫ぶと、爆発によって巻き上がっていた砂煙からコガラシが飛び出してくる。同じようにベリアルが姿を現し、コガラシへと指を向けた。

 

━━魔界のイオナズンッ!

 

魔界の瘴気が混ざった、紫がかった爆発がコガラシを飲み込む。間髪入れずに、ベリアルは手のひらに小さな黒い炎を作り出し投げつけた。

 

━━デスファイアッ!

 

小さな炎は、砂煙の中に入り凄まじい爆炎を起こした。

 

「……っ!やはりな!」

「フッ!」

 

衣服はボロボロになっているが、目立った傷はないコガラシが姿を現した。コガラシは拳撃を放ちながらベリアルへと迫る。ベリアルは拳撃をバトルフォークで打ち払いながら呪文を唱えた。

 

━━メラガイアーッ!

 

巨大な火球がコガラシへと放たれる。コガラシは拳撃で火球を貫き爆散させた。しかし、ベリアルは火球とともにコガラシへと迫っていた。

 

━━連続ためッ!

 

連続ためによってスーパーハイテンションとなったベリアルは、極限にまで圧縮した魔力をコガラシへと押し付けた。

 

━━デスエクスプロージョンッ!

 

ベリアルの持ちうる最高の技。イオグランデ以上の爆発がコガラシとベリアルを包んだ。

 

「コガラシさん!」

 

幽奈がいてもたってもいられず、舞い上がった煙へと近づいていく。慌てた幽奈が、いよいよ煙の中に入りそうになった時、煙の中から腕が伸び幽奈の首を掴みあげた。

 

「キャッ!?」

「グフフフ……そちらから来てくれるとは、殊勝な心がけだな」

 

煙が晴れ、ベリアルが姿を現した。コガラシは倒れ伏し、ピクリとも動かない。魔界のイオナズンによって呪文への耐性が脆くなっていたコガラシの防御結界は、スーパーハイテンション状態から放たれたデスエクスプロージョンに耐えきれず破壊されてしまったのだ。

 

「貴様は霊だな?魂の扱いは悪魔の得意とするところ。まずは人魂にして、魔力を与えてやろう。さぞ肥えた、美味い魂になることだろうて」

「うう……」

「ハハハッ!暴れても無駄だ。貴様はかなり上質な霊、我らが神への供物にふさわしい!」

 

ベリアルが幽奈を掴んでいる手に魔力をためていく。いざ形を変えようとベリアルが力んだ時、ベリアルの足を掴む者がいた。

 

「ム……?なんだ貴様、まだ動けたのか。生贄にするゆえ、死なない程度に力をセーブしたが……スーパーハイテンションのあの技を受けてなお動けるとはな。その頑強さには驚いた」

「幽奈を…離せ…!」

「コガラシ…さん……」

 

ベリアルは軽く笑うと足を上げ、コガラシの背中へと勢いよく下ろした。

 

「ガッ!?」

「コガラシさん…!」

「この娘は離せんなぁ…我らが神への捧げ物とするのだ。極上の状態でお出ししなければ」

「てめぇ……」

「案ずるな、すぐに会える。貴様はまず、降臨の際に生贄として喰われる。その後すぐに、この娘も神に喰われるだろう。離れている時間はほんのわずかだ……が、神に粗相をされては面目が無い。動けなくなるまで痛めつけておくか」

「ぐっ!?」

「や、やめて…ください!」

 

ベリアルが何度もコガラシを踏みつけていく。コガラシの体が地面に沈み、なけなしの霊力によって貼られている防御結界が削られていった。

 

「いや…コガラシさん……!」

「クハハハハッ!なあに死なせはせん!生贄なのだから、神におのが肉体が喰われるありがたい光景を、生きて目に焼きつけるといい!」

「ゴブッ…!」

 

コガラシの口から血が吐き出される。それを見た幽奈は、ベリアルに必死に懇願し始めた。

 

「やめて…やめてください!わたしはどうなってもいいですから!コガラシさんは…ゆらぎ荘の皆さんは!」

「聞けぬ願いだ。潔く諦めろ!」

「ぐあっ!」

「コガラシさん!」

「ククク……良い魂の色をしている。苦痛と悲しみに彩られた、そそる色だ。貴様らが神への生贄でなければ、我が喰らいたかった!貴様らはここで終わる。生贄となる時を楽しみにするといい!」

 

高らかに叫ぶベリアル。その声を聞いた幽奈の中で……何かが切れた。

 

「……ダメです。皆さんを神への生贄になんてさせません」

「ほう?ククク……中々面白いことを言うではないか」

「何も…面白くないです。あなたがたの思う通りになんて…!コガラシさんから離れてくださいいい!!!」

「ムッ!?」

 

幽奈のポルターガイストが発動した。しかもその威力は、コガラシを川に落としていた時のものとは桁違いのものだった。ベリアルを浮かせ、凄まじい勢いで吹き飛ばす。思わず幽奈から手を離したベリアルは、岩をいくつも粉砕しながら飛び、地面へと叩きつけられた。

 

「ぐぬ……お、おのれぇ!悪足掻きしおって!」

 

ベリアルが起き上がり、二人の所へと戻ろうとした時、何かが自分へと向かってくることに気づいた。

 

「ムッ!?な、貴様は!?」

 

ソレはベリアルを掴むと、突然発生した空間の歪みへと放り投げ、その手に持ったオノで殴り飛ばした。

 

ベリアルは空間の歪みを経由し、別の場所へと転移した。殴り飛ばされた時の勢いは止まらず、その場にいたバズズにぶつかり、山へと突っ込んで行ってしまったのだった。

 




今回のアンケートはギャグ回に関してです。ギャグレベルを選んでください。
下に行くほどレベルが高いです。カオスには別のアニメとかのネタも含まれます。
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