ゆらぎ荘の帝王様   作:サンサソー

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おまたせしました。疲れた……。書いてる中、どんどんとお気に入り登録が減っていくことに悲しくなった……すみません。私が書く作品は全て不定期更新です。
今回の話はいつもより長文です。

〜スーパー愚痴タイム〜
(この話が投稿遅れた言い訳)
いったい何がつらいって、互いが使う技とその属性、そして耐性を調べあげて撃たせ合うのがキツい。
特性とかだとまだマシ。技が無効や弱点ついてたら描写にも気を使わないといけないから、独自の耐性表を作成して、それを見ながら書き上げました。

1番悩んだのは帝王様の耐性について。例えば、DQMJ3の凶エスタークの眠り耐性が『無効』、でもDQMJ3Pの凶エスタークは『軽減』、そしてDQMSLだと『普通』。もう統一して欲しい……。


番外編3 後編 凶帝王と大魔王

手持ちのモンスターが全て倒され、残るは自分たちのみ。戦う手段を失ったアロマたちは、すでに諦めかけていた。

 

私たちはこの怪物に殺されてしまう……自分たちは死んだ存在なのだから殺されることはないか?いや、あの大魔王も霊体に干渉できたのだ。この凶エスタークとやらにもそれは可能かもしれない。

 

2度目の死。それを悟ったアロマたちの顔は、恐怖に染まってはいなかった。やっと開放される……あの大魔王による地獄の苦しみから、命令に逆らえない屈辱から解き放たれることができる。

 

この魔物ならば可能だと長年の経験から直感したアロマたちは、静かに目を閉じた。おそらく身を引き裂く激痛が襲うだろうが、呪いと比べれば大したことはない。痛みにはもう慣れた。

 

さあ、一思いにやってくれと覚悟したアロマたちの耳に、声が一つ届く。

 

『愚か者どもめ。我輩から逃げられると思ったか?だが、この魔物を蘇らせた功績に免じて、お前たちを特別に許してやろう。さあ、まだまだ働いてもらうぞ』

「っ!?ソンナ、嫌ダ、モウ魔王ノ言ウコトナンテ聞キタク…!!」

 

目を開ければ、そこは黒鉄の監獄塔ではなく、辺り一面の闇だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

凶エスタークは暗闇の中で静かに佇んでいた。

 

心地よい眠りを堪能していれば、自分を従わせたいという生意気な小娘たちに起こされた。

実力も伴わない愚か者たちをいざ滅ぼそうとすればいつの間にか小娘たちは消えた。

そして辺りが暗闇に閉ざされ、充満する強大な魔力から確かに感じる敵意。

 

次々と起こる無礼、普段は温厚な帝王といえど怒りのゲージは上がっていた。

 

この敵意には覚えがある。かつて、ミルドラースなる者が自分を従わせようと迫ってきた時に感じたもの。神を超えただの、王の中の王だのと言っていた。そして、実力も確かにあった。

 

しかし睡眠を邪魔され、従わなければ滅ぼすというその身勝手さには我慢ならない。

 

そしてついに……。

 

「グォォオオオオッッ!!!」

 

帝王はブチ切れた。

 

━━身も凍るおたけびッ!

 

魔力を乗せた破壊の咆哮が放たれた。魔力で生み出された闇は強大な魔力の波動に耐えきれず、徐々にヒビが入り……爆散。ようやく状況が把握できるようになった。

 

赤い異空間にただ一つ、浮き島のような床がある。そこに帝王は立っていた。

 

「グゴゴゴゴ……」

 

しかしそんなことはどうでもいい。自分をここまでコケにした愚か者を見つけ出し、滅ぼす。その考えのみが頭を占めていた。

 

そんな帝王に言葉が投げかけられた。

 

「ようこそ、魔王の間へ。ここは我輩の治める魔界、その中心にある魔王城の最奥だ」

 

浮かぶ床の先端、広間のように広がったそこに彼はいた。

 

目玉のような宝玉がついた杖を持った、翼やしっぽの生えた紫色の魔物。目を引くのは、異常な程に発達した上半身と三本角だろう。

 

その身に纏うオーラはは凶エスタークに勝るとも劣らない王者のものであった。

 

「我輩は大魔王マデュラージャ。あまたの魔物の頂点に立つ支配者にして魔界の王。あの娘たちはよくやってくれた……お前は我輩の配下に相応しい」

「…………マデュラージャ?貴様、いつから名を変えた」

「……なに?」

 

大魔王であり魔界の王……その肩書きはかつての王の中の王と同じもの。しかし勇者たちによってバラバラにされ、再び蘇った際に帝王は記憶をいくつか落としていた。

かのミルドラースの名前や肩書きは覚えていたが、その姿はすっかり忘れてしまっていた。

 

しかしだいたいは一緒だと凶エスタークは判断した。翼もあったししっぽもあっただろう。角もあれば牙も鋭かった。

腕も二本?だし体色も紫?だったような気もする。杖もまあ持っていたか……いや違う。それは別のデブだった。

 

頭の中でマデュラージャ=ミルドラースという、当人たちからすればふざけるなと言いそうな方程式を組み立てた帝王は……さらに激しく怒りを見せた。

 

「なるほど、あの小娘たちは貴様の部下だったか……一度ならず二度までも、私の眠りを妨げ、挙句には従えというその傲慢、ここまで私を怒らせたのは貴様が初めてだ…!」

「……まさか、お前は我輩を誰かと勘ちが━━━」

「問答無用!もはや貴様の言葉など聞きたくはない。貴様は今ここで、私に滅ぼされるがいい!!」

 

━━爆砕斬りッ!

 

双剣に爆発の魔力を纏わせ、振り下ろす。不意をつかれたマデュラージャはモロに食らい、イオナズン級の爆発が包み込んだ。

 

「グゴゴゴゴ……」

 

再び双剣に魔力を纏わせていく凶エスターク。舞い上がった煙へと振り下ろさんとしたその時、煙の中から一筋の剣閃が凶エスタークの汚染された角を吹き飛ばした。

 

━━闘魔爆炎斬ッ!

 

「グォォオオオオッ!?」

 

凶エスタークとは比べ物にならないほどの威力。圧倒的な破壊力はアロマたちが繰り出した魔王族では成しえなかったことを易々としてのけた。

 

「我輩は生まれながらにして王というわけではなかった。あまたの魔物を打ち倒し、実力でのし上がってきたのだ……ゆえに、この世界であふれる魔王族とは別格の存在。エスターク種など、恐るるに足らぬ」

「グゴゴゴゴ…………」

「力の差は歴然だ。さあ、我輩の軍門に下るがいい。さもなくば、その身が欠片となるまで打ちすえ続けてやろう」

「…………よくも聞いておればゴチャゴチャと。だが感謝しよう、貴様のおかげで……すっかり目が覚めた」

「なにを……むっ!?」

 

━━爆砕の波動

 

うちなる魔力が暴走した。イオグランデ級の爆発が辺りを飲み込み、立っていた床を粉々に吹き飛ばしていく。粉塵が晴れ、そこに立っていたのは……青かった体色を黄土色に変え、三つの目を赤く染めた凶エスタークだった。

 

「グゴゴゴゴ……そういえば我の自己紹介がまだだったな。我が名は凶帝王エスターク。はたして自分が善なのか悪なのかもわからぬが……もはやそんなものは関係ない。我に仇なすものは全て……破壊し滅ぼすのみ」

「な…なんだ、お前は。本当に魔王族か!?」

「魔王族……違うな。我は唯一無二の存在……そこらの紛い物や量産物などと同列に扱うな。そら、まだ戦いの途中だぞ。他のことに思考を割いて良いのか?」

「っ!?」

 

━━凶帝王の双閃ッ!

━━金剛裂壊斬ッ!

 

爆発の魔力を乗せた双剣がマデュラージャを襲う。突然のことにも反応し、片方は防げた。しかしもう片方の剣は防げずにマデュラージャの肉体を傷つけた。

 

「ぬぐっ!?」

 

マデュラージャの動きが明らかに鈍くなる。エスタークのマ素がマデュラージャへ入り込み、その身を蝕み始めたのだ。

マデュラージャは鋭い眼光をエスタークへと向けると、死の瘴気を拳に纏わせた。

 

それに対し、エスタークはいつものように構え、迎撃の体勢を示した。

 

━━凶帝王の構え

━━地獄落としッ!

 

死の拳がエスタークへと放たれる。その瘴気は全てのステータスを一段階下げるという驚異的な効力を発揮するものであり、かのメタル族の防御力と耐性すらも貫通する威力を誇る。

その拳はエスタークに当たり……凄まじい衝撃がマデュラージャ(・・・・・・・)を吹き飛ばした。

 

「なっ!?バカな…!」

 

そこへエスタークの追撃が迫る。双剣が強力な爆発の魔力に包まれ、目にも止まらぬ速さで斬りつけてきた。

 

━━爆炎の絶技ッ!

 

「ぐっ……ぬっ!?これ…は……」

 

爆炎の絶技は、マ素に汚染された『マ素状態』の敵に大ダメージを与えるほかに、別の効果も合わせ持つ。攻撃が当たる度に防御力を一段階下げるというもの。先の地獄落としと合わさり、マデュラージャの受けるダメージはさらに増大し体力を凄まじい勢いで削っていった。

 

このままではマズイ。そう悟ったマデュラージャは……勝つことを諦めた。

 

━━雷雲招来ッ!

 

「ぬ……」

 

強力な雷がエスタークに次々と降りかかった。凶帝王エスタークに雷は効果がない。しかし、光による目くらましは可能だった。

 

光がおさまると、マデュラージャは距離をあけて杖を真上に掲げていた。見上げると、上空に巨大な魔力の塊が浮いている。目くらましによる僅かな時間の間に、マデュラージャは今使える最強の技を放つ準備を完了させていたのだ。

 

「我輩はあまたの魔物の頂点に立つ魔界の王。我輩は…王として、決して誰にも負けるわけにはゆかぬ!」

「グゴゴゴゴ……」

「ォォオオオオオオッ!!!」

 

━━スーパーノヴァッ!

 

禍々しい魔力球が放たれる。エスタークは双剣を構えると、魔力球へと連撃を叩き込んだ。

 

━━地獄の乱撃ッ!

 

その連撃は少しずつ、魔力球を押し戻していく。凶帝王エスタークの特性である『凶ボディ・帝』がステータスを上昇させているためだ。このままでは、いずれは打ち返されてしまうだろう。しかし、マデュラージャは読んでいた。

 

━━超いてつくはどうッ!

 

「むっ!?」

 

マデュラージャの指からいてつくはどうの上位版、超いてつくはどうが放たれた。凶ボディ・帝によるステータス上昇がかき消され、そのことに驚いたエスタークに隙ができてしまう。

 

「いまだ!ハァアアアッ!!」

「お…おおっ!?」

 

マデュラージャは『ハイテンション』によってテンションを上げ……魔力球を殴りつけた。エスタークは双剣を弾かれてしまい、そのまま魔力球に包まれ大爆発を起こした。

 

「ぜぇ…ぜぇ……っ!なんという耐久力だ…!」

 

エスタークは立っていた。しかし、体の大部分が消し飛び、魔力の源であったマデュライトもヒビが入っている。双剣を握ってはいるが、だらりと腕を下げ動く気配がない。

 

「おのれ……いまいましいが、もはや我輩に殺しきる力は残っておらぬ……次元の中を、永遠に漂うがよい…!」

 

マデュラージャは残りの力をふりしぼり、『次元の裂け目』を生み出した。魔王軍を送り込む際に使うものとは別で、別次元へと繋がっている。

 

マデュラージャはエスタークを持ち上げると、裂け目へと放り投げた。裂け目が閉じ、静かになった魔王の間でマデュラージャは倒れ込んだ。

 

「我輩はあまたの魔物の頂点に立つ魔界の王……。敗北よりは……よい。我輩は誰にも負けるわけにはゆかぬ……」

 

残りの気力も失ったマデュラージャは、深い眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこともわからない次元の彼方。エスタークの肉体は超常の再生力によって復活しようとしていた。

 

汚染されていた部分は消し飛ばされ、マデュライトも割れたことで元の姿へと近づきつつあった。

 

しかし、全てのマ素が消えたわけではない。再びその力が振るわれるのか……それは、復活した後の帝王のみが知ることだった。

 

 




私にとって1番の敵はモンスターズ作品のみに登場するモンスター、またはモンスターズ作品を舞台とした戦闘シーンです。

さて、友人に言われたので再びアンケートを取ります。お題は技の解説について。この回と、近日に投稿する本編にてアンケートを作りますので、投票よろしくお願いします。
締切は10月10日 日曜日まで!

次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)

  • 戦闘回
  • 日常回(魔界)
  • ギャグ回
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