他作品ネタとは言っても、キャラが出てくるわけではないのであしからず。そして大してネタを入れられたわけでもありません。
ギャグ、というよりも混沌です。笑えないかも知れません。
これは、黒龍神の一件が起こるよりも前のお話。
「グゴゴゴゴ……ゆう…しゃ…」
「…帝王様」
「グゴゴゴゴ……無限リザオラル…」
「帝王様」
「グゴゴゴゴ……星ドラ…インフレ…」
「帝王様!」
「グゴッ!?」
なんだ、敵襲か!?魔星神の襲来か!?それともまたラプソーンが何かしたか!?
「……知らない天井…いや、忘れかけていた壁だ」
「おはようございます帝王様」
「……ピサロか。我の眠りを妨げるとは、覚悟ができておるのだろうな?」
「何をおっしゃるのです。今日は祭りの日、帝王様も参加せねばなりません」
「祭りだと?」
湯煙温泉郷でそういった催しは近日には無かったはずだが……そういえば、ここはどこだ。ゆらぎ荘の部屋じゃないぞ。
「玉座とバリアのみの部屋……エスターク神殿?」
「寝ぼけていませんと、浴衣にお着替えください」
「待て、魔界にそのような祭りなど…」
「お 着 替 え く だ さ い」
「はい」
いつの間にやら黒い浴衣を着た『真夏の祭神』の姿になっているピサロ。その言い様も無い圧に当てられ、大人しく用意された浴衣に袖を通す。
それにしても、エスターク神殿に浴衣などなかったはずだが…。
「採寸、作成はカルマッソとロザリーです」
「また寝ている間にやりおったなあの二人」
いつもの部下の暴走に頭が痛む。しかし何やらピサロの様子もおかしい。ここまでズケズケと来るタイプだっただろうか。
「では外へと出ましょう」
「ああ、そうだ…なあああ!?」
肯定の意を示したその瞬間、床がパカリと開いた。『なぜボッシュートの仕掛けが神殿に!?』という叫びは凄まじい風の音でかき消され、まるで遊具の滑り台のごとく滑っていく。
やがて光が見え、気が付けば外に放り出されていた。下は川、このままではドボンからの水浸しである。
「ぐっ……我を…この地獄の帝王をなめるでないわぁ!!」
手に双剣を顕現させ一閃。川の水が分かたれ、その威力によって吹き上げる突風を受け高度を確保する。そして対岸へと豪快に着地した。
「あ…危なかった。なんなのだあの仕掛けは…?エスターク神殿にあのようなものなどあるはずがない!」
振り向き今一度エスターク神殿を見上げ…見上げ……。
「ゆらぎ荘じゃないか!?」
エスターク神殿など影も形も無かった。何事も無いようにゆらぎ荘があるばかり。私が飛び出してきた穴も見当たらない。
ありのまま今起こった事を話すぜ!
私は徹夜の仕事を終わらせてゆらぎ荘で眠りについたんだ。部下に叩き起されてエスターク神殿で目覚めると、ボッシュートされていつの間にかゆらぎ荘の前に立っていた。何を言ってるか分からねーと思うが私も何が起こっているのか分からなかった。ルーラだとか旅の扉だとかじゃ断じてねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。
「帝王様」
「ぴ、ピサロ!これはいったいどういうことだ!?」
「さあ、祭りはこちらです帝王様」
「話を聞けい!?」
ズルズルと為す術なくピサロに引きずられていく。おかしい。何もかもがおかしい!
ある程度進むと、ガヤガヤと活気のある気配があるのがわかる。湯煙温泉郷は何やら祭りの真っ最中だった。道端には屋台が並び、人魔問わず賑わっている。
「………………」
私は無言で手近な提灯に手を添えた。まるで線香花火のような、ぷっくりとした黄色い身体。その上部分には味のある顔が……。
「ラプソオオオンンンンッ!!?」
暗黒神その人であった。
「ああ、それはちょうど良いデザインでしたので大量生産した暗黒神提灯です」
「怖いわ!屋台や通りの端から端まで全部ラプソーン!怖いわ!レティスも気絶するわ!」
「神鳥ならばあそこに」
ピサロの指さした先。そこには全身を黒く染め、禍々しいオーラを纏った巨鳥が…。
「ダークラーミア!!闇落ちしてるじゃねぇか!!」
なんならその隣には闇に染まり邪悪な意志を持ったロトの剣、『呪いの剣』までいる。なんだその酒は?どうやって飲むつもりだ。
マズイ、エスタークに転生した時のような精神状態になってきた。語気まで戻った気もするぞ。
「はあ……お前も散々なんだな、ラプソーン」
「もう気にしないことにしたよ」
「そうか……ん?」
先程手を添えた提灯に目を向けた。目が合った。
「本物が混じってる!?」
「お、アークさんも祭りに来たんすか」
「あ、ここ、コガラシくん!」
声の方向を見ると、コガラシくんが屋台でタコ焼きを焼いていた。なんだろう、すっごく安心する。
「他の方々は?」
「ああ、幽奈たちならアッチに」
「よいしょ〜!」
「よいしょ〜」
コガラシくんが指さした方へ視線を向けると、幽奈さんと仲居さんがお餅をペッタンペッタンとついていた。その周囲には夜々さんや呑子さん、そして狭霧さんが座って餅つきを楽しそうに見ている。
癒される…ずっと見ていられるよ。
その横に何かあるが、気にしないでおこう。
「この状況はなんだもじゃ。なんでギガントドラゴンの口に挟まってるもじゃ」
「………………」
「ふ、笛の勇者?なぜこっちに無言で近づいてくるもじゃ?ちょ、乗るなもじゃ!このワシを誰だと思ってるもじゃ!なぜ、なんでこんなことす━━━━━━」
「ドン・モジャールが死んだ!この人でなし!」
ギガントドラゴンの口の中に押し込まれ消えていったももんじゃの頭領など気にしない。
餅つきも餅が出来れば終わるもの。ゆらぎ荘の面々が美味しそうに餅を頬張る中、私はどういうわけか教会へと連行された。
タキシードを着せられ、式場へと通される。左右の席には魔物たちとゆらぎ荘の面々が座っていた。つい先程まで餅食べてませんでした?
「……おい、これはどういう状況だ?」
「これより、地獄の帝王エスタークの婚儀を執り行うわ」
「説明しろと言っている!神父!挨拶の儀よりも先に……って」
「ゴメンなさいね新郎さん。少しお静かに」
「お、おお、オルゴ!?」
なぜ天魔王がここにいる!!待て、席に座ってる面子もおかしいぞ!大魔王のお歴々に魔星王、挙句の果てには光邪神や魔邪神どもまで!?
おい天空の勇者ども!なぜそこにいる!?なに?マスドラに送り込まれた?あのトロッコがぁ!
「さあ、新婦さんのお出ましよ。ちゃんと迎えてあげてちょうだいね」
「おい待て、突然のこと過ぎてまるで意味がわからんぞ!相手が誰かわからん状態で結婚式とかなんの冗談だ!?」
教会の扉が開く。綺麗なレースとウェディングドレスを着ているのは……ナメクジの魔物、ブチュチュンパだった。
「……は?」
「さあ、誓いのキスを。思いっきり、皆が引くぐらいブチュっと」
「は、え、なんだなぜこうなった!おい、なんなんだこれは!?おい待て寄るな来るな!私のそばに近寄るなあああッ!!」
なぜか身体が一切動かせなくなり、目の前をブチュチュンパの巨大で分厚い唇に覆われたのだった。
「っっっはああッ!!?」
目が覚めた。飛び起きて慌てて周囲を見回し、ゆらぎ荘の一室だと確認。コガラシくんが落とされるよりも若干早めに起きたようだ。
「……夢か」
とりあえずムーアをぶち殺そう。そう固く決意した。
「なんかとばっちりを受けた気がするんじゃけど」
「デスタムーア様は恨みを買いやすいですから。さあ、まだ仕事が残っておりますよ」
「ううむ、なんか納得がいかん」
次の番外編どれがいい?(締め切りは11/5まで)
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