マンハッタン先生で行く異世界旅行 作:シド・ブランドーMk-Ⅳ(地底の住人)
とりあえずドリーとブロギーに話しかけてみることにした。
「なぁ、あんたら巨人族って奴かい?」
「あぁそうさ!エルバフの戦士、ドリーと」
「ブロギーだ!」
あぁ、やっぱ正解だったな。知ってたけど。
それよりも
「やっぱあんたら貫禄あるなぁ。すげぇかっけえよ。感情なくしかけてたけどあんたら見て取り戻したね。」
「ガババババ!なんのことか分からんがそりゃあ良かった!」
前々から思ってたけどすげぇ笑い方だよなこの世界の人達。まぁ個性あって好きだけど。
「ゲギャギャギャギャ!……ところで、あんたらは双子かなんかか?」
まぁそりゃあ聞いてくるよね。だってまるっきり同じやつが目の前に2人も居るんだもの。聞いてこない方がおかしいよ。
「いや、僕達は2人で1人だ。」
「(僕はこいつだし、こいつは僕だ。)」
「悪魔の実の能力者か?」
「まぁ、そんなとこだよ。ドリー。」
「(あぁ、そんなところだ。ブロギー。)」
「そんなとこって言うことは違うのか」
まぁ、能力は悪魔の実くらいしかないからな。
「海に入っても力が抜けなかったからね。実験に巻き込まれてこんな身体を手に入れたんだ。」
「す、すまんな。そんな話をさせちまって。」
「わ、悪かった。」
暗い顔をして謝ってくれたドリーとブロギー。うん。優しいね。優しくて強いとか惚れてまう。男だけど。あ、もちのろんでBL展開なんてないからね?そんな変な期待すんなよ?
「(いいよ。気にしないで。)」
「そこで僕はこの能力を悪魔の実の力ってことにしたんだ。」
「へぇ、なんて名前だ?」
「(アトアトの実の原子人間。)」
……しっくりくるのがこれくらいしか無かった。
「アトアトの実?」
「そう。アトムのアト。アトムって原子って意味なんだ。」
「そもそも原子ってなんなんだ?」
2人とも分からないって顔してるわ。まぁ、そうだよな。何年もこんな島でずっと戦い続けてるんだもんな。知るわけねぇな。
「(簡単に説明すると、この世の全ての物質の基礎となる物質。)」
「???どういうことだ?」
「すまん。言ってることが分からねぇ。」
簡潔に言いすぎて逆に伝わらなかったのかも。これは反省。
見てもらう方がいいかな。
「見てもらった方がわかりやすいから今からお披露目会するよ。」
「(なんかやって欲しいこととかあるか?)」
「ある程度のことなら出来るはず。」
あ、これ逆に困った顔してる。……じゃあ助け舟を出してみよう。
「困った顔してるね。じゃあなんでもいいなら今から軽く一通りやってみるね。」
「あぁ、よろしく頼む。」
「(見てるんだぞ。)」
そっからお披露目会が1時間から2時間くらいおこなわれた。炎を出したり雷出したり自然現象をおおかた出した、他には家を建てて飛んだり乗り物を作ったり料理を振舞ったりした。分裂も数えられないくらい作った。最後に2人のサイズになってお披露目会は終了した。ぶっちゃけソレじゃあほとんど見せれなかったけど。
「ここまでくると何も言えねえよ。」
「今まで見たどんな能力者よりも凄かった。」
2人がドン引きしてから1週間以上経ったある日。2人とすごい仲良くなった僕はいきなりだが別れの挨拶をした。
「2人とも済まない。この島を出ようと思っている。僕は色んなところに行ってみたいんだ。」
「ガババババ!俺たちにとめる権利はない!」
「ゲギャギャギャギャ!その通りだ!この世界の色んなことを見てくるといい!」
良かった。2人とも笑顔でお見送りしてくれるようだ。
「ありがとう。最後は必ず冒険譚を語りにこの島に戻ってくるよ。」
「おう!期待して待ってるぜ!ガババババ!」
「語れないくらいの思い出作ってこいよ!ゲギャギャギャギャ!」
「あぁ、もちろんだ。行ってくるよ。」
「「行ってこい!」」
2人の元気な別れの挨拶を聞いて、作った家で空を飛びながらこの島を離れた。