アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート   作:ゲルゲルググ

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友に私の二次創作見てくれと言ったら「ホモ要素あるから無理」と言われたので初投稿です。解せぬ


とあるコラボの脇役事変 DC−3 戦闘前/戦闘後

「なんて事してくれてんだテメェ!テメェの声で奴らにこの場所がバレたらどうするつもりだったんだアァ?!」

「そもそも人の直ぐ側で大声出してんじゃねぇよ!俺の耳がイカれちまったじゃねぇかよ!!!」

『ギャァァァァァァァァァァ!!!……ラドス』

「「……オラァ!!」」

『イヤァァァァァァァァ!!!!』

 

 ベール副隊長がイモータルの両肩を掴んで勢いよく揺らし、エンペラーが体が揺らされても尚微動だにしない頭に乗ってゲシゲシと頭頂部を蹴りつけている。

 

「まぁまぁ、落ち着いてください。ね?ベール副隊長」

「ボスもだ。一旦落ち着こう」

「「ケッ!」」

 

 あ〜れ〜と効果音を発声しながら、二人から解放されたイモータルは診療所の待合スペースに残っていた椅子に流れる様に座った。

 あの放送の後、生存者達は市民と負傷兵達を除いて待合スペースへと集まっていた。本来はそこら辺の適当に狭い部屋で、この黒コートのホモを皆で囲って色々と質問する予定だったのだが……

 

『まぁまぁ、下手な事されない限り何もしないって』

 

 なんて言いながら待合スペースから動かなくなったモンなので、仕方なく此処に集まったと言った所。

 

 そしてイモータルへと歩み寄るのは、リスタ小隊長だ。矢張りホモを見つめる眼差しは警戒に満ちている。

 

「……随分と余裕そうだな、貴様は」

『まぁ、皆を不安にさせない様にな。ほら、一人でもこういうのが居るだけでも雰囲気違うだろ?』

「ッ…どの口が。貴様は自分の行った行動がどういう物か理解して――」

『いるさ。だから少し落ち着いてくれ…アスノダール』

 

 空気が最悪になった。

 

『ゴメン、今のは本当に忘れて。いやマジで』

「お前、色々スカした事ほざいた割には空気作りがド下手だな」

『チクショー!ぐぅの音も出ねぇ!ぐぅ〜!』

「出してんじゃねぇよ喧嘩売ってんのか」

「ボス、その辺にしておこう」

「ゴホンッ……続けていいか?」

 

 若干引き攣り気味の笑顔で質問するリスタ小隊長。多分そろそろキレる、話の軌道修正をして差し上げろ。

 

「…それじゃあ、私達はまだ貴様を信用してはいない訳だが、その上であの巫山戯た自己主張をした理由を答えて貰おうか?」

『おう、いいよ。耳かっぽじって刮目して聴け』

 

 イモータルは、何故野獣の咆哮をしたのか説明し始める。

 

 先ず理由その1は矢張り、あの放送が気に食わなかったからという至極愚かで単純な理由であった。その言葉を聴いた者達の顔は主に二つに別れた。馬鹿を見るような顔と、ゴミを見るような顔だ。

 まぁ流石にそんな馬鹿みたいな理由1つでやった訳では無い。その2つ目の理由は……

 

「揺動?」

『そう。エンペラーにバックドロップされながらスピーカーをハッキングしてな』

「待て、ちょっと待て……ハッキングだと?いつ、どうやってあのスピーカーにハッキングした?」

『ついさっき、目線で』

「テメェ、それマジで言ってんのか?」

 

 驚きと呆れの半々なベール副隊長の言葉に、無言でサムズアップする。リスタ小隊長は、まるでツチノコが噛み付いて来た時の様な表情でイモータルを見たあと、脳を落ち着かせる為に彼を囲っているライト達をキョロキョロと見渡して、もう一度彼へと視線を向ける。

 

「貴様はいったい、何者なんだ」

『近年稀に見るスターでギャラクティックな機械だよ』

 

 兵士達に動揺が走る。普段であれば、その場で笑い飛ばす程度の戯言としか取らなかっただろうが、この現状でそういう余裕のある兵士は一人もいなかった。皆死にたくない中で、恐ろしい戦闘力を持つ不可思議なホモが、自分は機械だと言うのだ。

 人は未知に恐れるものである。故に一部の兵士が武器を向けても仕方の無い事だった。

 

「おいテメェら、武器降ろせ」

「で、ですが副隊長。コイツ、不気味過ぎる……」

「そりゃオレも知ってるよ。おいリスタ」

「ベール……」

「オレはコイツと縁を切った方がいいと思うぜ。助けて貰った恩があるらしから感謝はするけどよ、怪し過ぎる」

『う〜ん、残当』

 

 部下に武器を降ろさせたのは、下手に刺激するのは不味いと本能が告げたからだ。だから大人しい今のうちに縁を切る提案をするベール副隊長。

 だが、そんな提案を聴いたホモは気軽な声で己の怪しさに肯定する。

 

「テメェ…」

『まぁ聴きたまえよ。私は攻める時は攻めたくてね、私が奴らの仲間としたら、君達は今頃地下でくたばっていると言っておこう』

「その言葉だけで信じるとでも?」

『言ったろ…え〜と……リスタさんでいい?最後まで聴けって。ツー訳で話を戻すが、私は近くのスピーカーをハックして、そのスピーカーから音声が入力されてる場所まで辿って、そこからまたミドル区全域のスピーカーをハックした訳だが、全部ハッキングした訳じゃあ無い』

 

 スピーカーから入力されてる場所、辺りの所で最早掛ける言葉も無くなったリスタ達を余所に、イモータルは言葉を続ける。

 どうやら、ミドル区にある全てのスピーカーを乗っ取った訳では無く、全域に散らばる様に半分程乗っ取った感じらしい。

 

『ただ、此処とは反対側に位置する場所は乗っ取ったスピーカーが多く、そことはまた別の場所は驚くほどに少なくした。意図的に怪しい場所を作った訳だ。アイツらを仕切る司令塔は中途半端に頭がいいから、多分適当に引っかかってくれるだろうさ。地下で戦ったあの赤い女とか』

 

 適度にバカだと遠回しに言われたクラウンスレイヤーは抗議してもいいと思うよ。

 

「成る程な、確かに揺動ってヤツだ。だがよ、ここがバレる危険性だってあったろうが。そこはどう思ってんだお前」

『本当に申し訳御座いませんでしアァァァァ!!!!もう少しいい方法があった筈アァァァァァァ!!!!』

「急に活性化するじゃねぇか」

「活性化でいいんですかね、コレ」

 

 それは正しく、土下座であった。無駄に綺麗だった。綺麗なのとさっきのミステリアスな雰囲気を纏めてブチ壊す程の情けない謝罪に、ベール副隊長とその部下達は思考が1つになる。

 

「テメェ人の事言えねぇ位バカだな」

「どう見てもバカだ」

「私も、この状況で叫ぶのは頭が可笑しいと思う」

「擁護…出来ないですねぇ」

『デストロイァ?!!!?』

 

 イモータルは死んだ。皆からの事実陳列に耐えられなかったのだ。

 

「ッッ…えぇい!巫山戯てる場合か!それに貴様、そんな態度を取ったって信頼が勝ち取れると思うなよ」

『思って無いから安心して諸手。それにそうだな、そろそろ移動しないと』

「移動つったってよ、大勢で街を歩くってか?テメェが揺動しただか言ってたが、危険な事には変わりねぇぞ」

『安心して、車用意出来るよ』

「そうか、なら問題はァァァ?!!?!」

「………用意出来るんですね」

 

 驚くベール副隊長を無視して、イモータルはリスタへと顔を向ける。

 

『ま、信頼は無くても私は人を生かす為に君達に協力するのね。わかってくれたかな?』

「………」

「というか、信頼が欲しいなら先ず顔見せたらいいんじゃないか?」

『ご最も過ぎるねテキサスゥ!』

「開き直るなよ!ってぇ!?石頭過ぎんだろテメェ!」

 

 イモータルの頭をズガコンッ!と叩いて悶絶するベール副隊長。その光景を見て、クスクスと笑い始めるベールの部下達。それがリスタ小隊長の一部の部下達にも広がり始めた。

 いつの間にか、笑みが広がっている。放送の声がクレアスノダール陥落だとか言っていたが、それによって現れていた絶望なんて無かったんや。

 

「……?どうした、ライト?」

「…………」

「おいライト、大丈夫かお前?」

「えぇ、大丈夫です」

 

 テキサスとエンペラーへ笑顔を向けるライト。そして細めていた目を開いて、視界へ入れるのは………

 

『よし、会話パート終わり!閉廷!じゃあ……そうだな、リスタさんにベール君、どっか急ぎで行きたい所ある?』

「……そうだな…」

「つかなんで気安くなってんだよテメェ。オレぁまだ半信半疑だかんな。つっても、此処から動かなきゃ行けねぇのも確かだ。ん〜…駐屯所の通信で他の区の生存者を探すか?……ライト、なんか案あるか?」

「そうですね……じゃあ――」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 ミドル区 工業地帯

 

 イモータルが用意…もとい、ポケットから取り出して巨大化させた赤い汽車の先頭車両の様なバスに全員乗せて、揺動が上手く行ったおかげか、はたまたそういう道を選んだのか、はたまた偶然か、感染者と鉢合わせぬまま悠々と住宅街を抜けたその先は、工場や倉庫群が立ち並ぶ工業地帯。

 この都市の発展に大きく貢献し、毎日のように多くの人々が集まるそこは、暴徒たちの蔓延っていた住宅街とは打って変わって静寂に包まれていた。

 

 負傷兵と市民、見張りとしてリスタ小隊長の部下を二人置いてバスから降り、様々な太さの入り組んだ道を進んでいく。

 不気味なほどに、周囲からは物音ひとつしない。聞こえるのは自分達の呼吸音と歩く音だけ。生き物の気配すら感じ取ることができなかった。

 

 所々に積み上げられた肉の塊も、戦闘の跡さえ、先に進むにつれて少なくなってゆく。

 この区画を占領しているはずの暴徒たちは影も形も見当たらなかった。

 

「…不気味だな」

「そうですね…本来この時間ならそれなりの人が居たはずです。ですので…言い方は悪いかも知れませんが、死体が少なすぎる」

「あァ。確か、ペイル共の班との連絡が途切れたのがこの辺りの筈だ。アイツらが全滅したか逃げたかにせよ、ある程度の戦闘はあったに違いねェ。にも関わらず戦闘痕が少なすぎる」

「それに、なぜかここだけ暴徒たちが見当たらない…ですよね」

「そうだ…ちくしょう、いやァな予感がするなァ」

「戦場帰りの間ってやつですか?ベールさん」

「そんな大したもんじゃねぇよ」

 

 声を抑え気味にそんな軽口を叩きながらも、二人を含め、イモータル以外の全員が周囲を注意深く警戒しながら進んでいく。

 

 此処に来た目的は、緊急時の為に建てられた軍用の倉庫を漁る為だ。此処に行こうと提案したライト曰く、もしかすれば武器、食料、医療品など、現状に必要な物を確保出来るかもしれないから、との事。

 

「にしても二人とも、本当に来てよかったんですか?」

「あん?さっき言っただろライト。このまま黙って隠れておく訳には行かねぇってな。だからバスの中でウダウダ言うお前に契約を持ちかけたんだろうが。報酬の酒、忘れんなよ」

「ははは…わかってますって」

「それとお前もだ。俺を煽った分までキッチリ加算して請求してやるからな!」

『安心しろって千葉ロッテ。ちゃんとこっちのペンギン急便の口座に1300万龍門弊ポンと入れたぜ。後で確認しときなよ』

「なんだそのガキみてぇな数字は。もっとマシな嘘つけや。つか、本当だとしてもいつどうやって入れたんだよ?」

『私、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズな機械なので』

「バカのオンパレードか?お前みたいなのが機械とか本物の機械に失礼だろ」

「テメェらもうちょっと静かにしろ……!」

 

 少々軽口叩き過ぎィ!幾らホモの常に巫山戯た態度と保証された戦闘力に加え、此処に来るまでのバスの中でイモータルに無茶振りによって行われたライトの演説により、今の指揮は絶望の中とは思えない程に高い。なんだかエンペラーは何か言いたげな顔をしていたけど。

 とはいえ、油断は禁物だ。みんな引き締めて行こうな(13敗)

 

「……なぁ、イモータルだったか?」

『ん?どったのテキサスさん?』

「対した事じゃないが、それはいったいなにをやっているんだ?」

 

 さっきも言った通り、コイツは警戒する素振りも見せず、片手に持った大きな懐中時計の様な物を持ち、横にあるボタンをカチカチと一定間隔で連打し続けている。

 

『もしかして私をサボり魔だと思ってる』

「うん」

『う〜ん残当。でも、こう見えてちゃんと索敵してるのさ。コレでね』

 

 そう言いながらもカチカチとボタンを連打する。そしてボタンを押す度に、大きな懐中時計の様な物の液晶画面の光っている点が、増えたり減ったりしている。

 一度押せば画面全体に大量の緑色の点が現れ、もう一度押すことで、数は減って色は赤に変わる。

 

 液晶画面の中心、つまりはイモータルがいる場所から一定の距離を置いて緑色の点が赤色に変わり、ホモの周りに存在していた緑色の点は消滅する。

 

 イモータルの直ぐ側にあった点がただ一つ、緑色のから赤色になった事を除いて。

 

『……一番前の人』

「えっ?アタシですか?」

『そうそう君。死体でコケるよ』

「えっ…ひぃ?!!?」

 

 先行していた兵の一人が何かに躓き、小さな、しかしこの場ではよく響いてしまう悲鳴を上げて尻餅をついた。リスタ小隊長が慌てて彼女の口を塞いだがもう遅い。声は静寂を突き破り、辺りに響き渡る。

 

「総員周囲を警戒せよ!」

「了解」

 

 5秒

 10秒

 25秒

 30秒

 

 そして1分

 

 しかし辺りから何かが動いたような音はしなかった。

 

「…バレて、ない?」

「そう…みたいですね」

「おい、何があった」

「ひっ、あ、ベールさん…これ…」

「あァ?……こいつは…っ」

 

 静かに手招きするベールに従って覗き込む。

 

 そこには見慣れた軍服に身を包んだ肉塊が、うつ伏せになって倒れ込んでいた。

 

「…リスタさん、彼らは…」

「ああ、間違いない…通信の途絶えたペイル班の者だ」

 

 立派なウルサス軍服は、突き刺された何本もの剣と、幾度となく振り下ろされたであろう殴打痕によって赤黒く変色していた。しかし、ソレの肩についたエンブレムと、近くに落ちていた千切れたドッグタグが、彼の所属を示していた。

 

『酷いな』

「ケレス…くそっ!敵は必ず…ッ!」

 

 ベールは冷たくなったソレを握りしめ、噛み締めるように言った。

 

「えっ、け、ケレス…さん…?」

 

 そう言ったのは誰だったのか。

 先ほど悲鳴をあげた小柄な女兵士が1人、ぽつりと言葉をこぼす。

 

「そ、そんなはずはありません…だって…」

「お、おい。何をして――」

 

 止めようとするリスタの手を振り払い、彼女は後頭部がグチャグチャになったソレをひっくり返した。

 

「だ、だって、彼は金髪で…」

「…は?」

 

 

「……誰だ、コイツは」

 

 

 唐突にイモータルがギャグに走った人名を言った時のような言葉が、ベールの口から放たれた。

 

「…リスタ小隊長。ペイル班にこのような人物は?」

「いや、いなかったはずだ。少なくとも…」

「オレはこんなやつ見たことがねぇ。オレは自分の部下の顔は全員覚えているが、こんな顔は一度も見たことがない」

 

 場を沈黙が支配する。

 

「皆さん、死体の顔を確認してください」

「は、はいっ!」

 

 ライトの声に従って、各々で辺りに散乱している軍服を身につけた肉塊をひっくり返してゆく。結果──

 

「…どうでした?」

 

 見覚えのある顔は確認できなかった。それが隊員の1人から伝えられた事実だった。

 

「どういう事だ?」

「…さぁ?」

『なんだ、つまりそのペイル班の奴らは生きてるかもしれないって事だろ?』

「……全滅したと思われたペイル班の皆さんが実は皆生きていて、私たちのように機会を窺っているのかもしれない…と?」

『そうそう、そんな感じ』

「じゃ、じゃあ俺ら以外にも生きてる奴らが…?」

 

 この地獄に自分達だけ取り残された。その事実が覆されたかもしれない事により、部隊の空気は明確に明るく変わった。

 

 通信の途絶した他班のメンバーが生きている。その情報はライトの鼓舞とイモータルの存在によって動いていた、言うなれば希望は多少あれど勝ち筋が不明瞭だったカラ元気、いや、カラ気合いだった彼らにとって、希望の増長となり得るものだった。

 

「静粛に!目的の保管庫は近い!もし生き残りがいるのだとしたら彼らもそこに向かっているはずだ!行動開始!」

 

 リスタ小隊長の号令と共にそれぞれが再度隊列を整え行動を再開する。目的地である軍用保管庫は各区に一つづつ設置され、軍の備品が収納されている施設。セキュリティも万全であり、外壁を破壊し侵入でもされていない限り安全の保証されたセーフティルームでもあるのだ。そして何より、そこには有線で各区をつなぐ通信設備が存在する。それさえあれば、自分達以外の生存者を見つけることができるかもしれない。

 

 仲間の生存の可能性。保管庫へ近づいたという事実。その二つの希望を得た彼らの動きは目に見えて軽くなっていた。

 

 もしかしたら自分たち以外の生き残りがこの区画に残っているかもしれない。

 

 もしかしたら他の区画にだって自分たちのように動くものたちがいるかもしれない。

 

 もしかしたら、本当に感染者どもからこの都市を奪還できるかもしれない。

 

 そんな希望が彼らの中に芽生え始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…周囲に敵影なし」

「パスワードは?」

「安心しろ。ちゃんと覚えてる」

 

 彼らの前に聳え立つ巨大な鉄製の大扉。まさにそれこそが彼らの目的地でもある保管庫の扉だ。なんでも、これだけ大きな戸持つ理由は、様々な物資の他に大型のトラックや装甲車両が保管されているかららしい。

 

 なかなか大きな施設だ。

 

 テキサスやエンペラー、イモータルを含む数名の隊員が周囲を警戒する中、リスタ小隊長は小さな電子音を立てながら扉に敷設された機器を操作して扉のロックを解除する。

 十数桁打ち込んだ後に、人が押してもびくともしないような重量のある鉄扉は重鈍な音を立てながら横にスライドし、彼らの前へ暗闇への道を開いた。

 最後尾は出入り口から外を警戒しながら、全員保管庫へ入り込む。

 

「暗いな」

「少し待て、確か灯りがこの辺に…」

 

 カチリ、と小さな音と共に灯された電灯が人工の光で辺りを明るく照らし出す。

 生き残るための頼みの綱。彼らが求めていたものそのものが、そこにはあった。

 

 大量の保存食に大量のボルト、大量の爆薬に大量の加工済みの源石。今の彼らにとってそこはまさに財宝の山。希望の詰まった宝箱。 

 

「警戒を怠るな各員必要な物資を早急に補充せよ。感染者どもが来る前にさっさと済ませるぞ!!」

 

 ベール副隊長の指示でそれぞれが補給にかかる。

 

 

 所でみんな、メリットにはそれ相応のリスクがつくものだ。なんの危険もなくこれほどの宝を得るなんて、まぁあり得ない。

 RPGなどのゲームを嗜まれている方はご存知だろうが、某ダークでソウルライクなゲーム等では、こんなモンスターが登場します。

 

 様々なアイテムを手に入れることができる『宝箱』。それに擬態し、開けたプレイヤーに襲い掛かるモンスター。

 

 その名もミミック。

 

 シンプルにウザい。その上、手足が生える奴もいる。実に気持ち悪い。薄い本だと中が触手まみれだったり……いやソコはどうでもいいか。

 兎に角、ウザいですよねぇ、あぁいう…幸せの絶頂を叩き落とすようなバカ共は。だからこそ、ダンジョンを攻略する時は、観察眼と事前の準備が必要です。特に事前の準備は大事。対策アイテムは持っている程良い。あるか無いかで生死に関わる。

 

 だからこそ、彼らは運がよかった。丁度此処に、黒くてウザいが有能なアイテムが突っ立っているのだから。

 

 

突然後方から鳴り響く重音と、バチンと音を立てて一瞬で暗闇に染まる室内。

 最初に言っておこう。彼らは此処で、希望をこの暗闇の様な絶望に変えられ、無惨に殺される……筈だった。

 

「落ち着け!中央に集ま──ってなんだこの光ィ?!」

『ハーッハッハッハッ!!!』

 

 暗闇を照らす光。その正体は、全身でYの字を表すポーズを取り、黒いコートを黄金に発光させているホモであった。

 その姿は紛れもなく輝ける協力者。暗闇を照らす太陽の賛美。

 

「誰が―うぉっ眩しィ?!誰だコレェ?!」

『コレはまたモノを知らん奴だネ。偉大な相手と言うのは、輝いて見えるものだヨ』

 

 眩しい方の理由は聞いてないんですけど?

 

『さて、こんな目に悪いイベントの下手人は……』

 

 目に悪いのはお前じゃい!

 ホモは先ずベール副隊長の方を向き……彼の後ろで軍刀を振り上げ、恐ろしい形相で驚いているリスタ小隊長と目があった。

 

『いや怖っ』

 

 瞬足。すれ違い座間にベール副隊長の腰に装着されていたホルスターから拳銃を抜き取り、リスタの軍刀を蹴り飛ばして首を掴み、空いた口に安全装置がかかったままの拳銃を突っ込む。

 そして同時に首から手を離し、今度はリスタの腕を掴んでそのまま床へ押し倒した。最後にこの一連の動作と並行してやっていた照明からのシステムハックを完了させて、電気をつければチェックメイト。

 

「…ッ!電気が―ってテメェ!何やってn――」

『動くなァ!!!一人でも勝手に動いたらこの女の顔に鉛がプチ込まれて水玉コラになっちゃうぜ!!』

 

 その脅迫に、ベール副隊長も、エンペラーとテキサスも、ライトも、部下達も……そして、部下と同じ装備を着て、凶器を振り回そうとしていた奴らも動きを止める。

 

「やっぱりテメェ!裏切りやがったなァ?!」

『違うだろォ?!いやまぁこの光景は疑われて然るべしか……でもまぁ、理不尽に私だけ疑われるなんて不公平だよなァライト。それともフェイスレスつった方がいいかね』

「…どういう、事だ?!」

「…………」

 

 さっきから首から上が忙しないねベール副隊長。

 そして指名されたライト君ちゃんは顔を俯かせ……ニッコリと百点満点な笑顔を向ける。

 

「やっぱり貴方、本当につまらないですね」

『自覚はある』

 

 キャスケットを脱ぎ捨て、髪を黒く変色させる。次に体型を誤魔化せるほど分厚い防寒具を脱ぎ捨てた彼…いや彼女は、白いワイシャツにサスペンダーを付けた。袖をまくられた右腕には真っ黒な源石と、他の暴徒たち同様に腕章がはまっている。

 

 唯一の自治隊の生き残りであるライトはもう居ない。此処にいるのは、この騒動を引き起こした元凶にして最大の悪。

 

 ――先導者”faceless“




やっぱりアークナイツ二次創作って、主人公が曇るか主人公が鉱石病になって周りが曇るのが人気なんっすねぇ〜。

でも多過ぎるからシリアスブレイクシュールクソギャグ書くわね。

それではまた次回、サラダバー!




ホモ

どうやらライトくんの正体がわかっていた様だ。ホ、いつの間に?!次回、どうやってわかったか遂に明かされる!絶対碌でもないゾ
実はフェイスレス君ちゃんにねんまつと罵倒されて少し凹んだ。


エンペラー

そろそろホモのツッコミ役になりつつあるペンギン。まぁ作者が余りキャラを掴めて無いせいなのだけれどね。許し亭許して(懇願)


テキサス

やっぱり兄さんじゃないかたまげたなぁ……


ベール副隊長

やったね!ベール副隊長生存ルートだよ!なおホモに振り回される模様。


リスタ

コイツはスカした顔をしながら色々な理由で非感染者を裏切り、ベール副隊長を殺そうとした敗北者じゃけぇ。それはそれとしてホモが仲間にしたそうに銃口を押し付けている。仲間になりますか? 
▶はい YES


フェイスレス君ちゃん

エイプリルフールで先出し登場していたフェイスレス君ちゃん、遂に登場。圧倒的ラスボス感を漂わせ、思考回路が相容れないコラボ相手をディスる。なんてお手本なコラボ回ラスボスなんだ!コレはカッコいい姿を最終回まで貫くんやろなぁ!
次回、手始めにセクハラ紛いの事を言われる!デュエルスタンバイ!
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