アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート   作:ゲルゲルググ

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恐らくアークナイツ二次創作者同士のコラボでコラボ話を何話も書いてるのは私だけだと思うので初投稿です

ついでにユーザー情報の所にTwitterのリンク貼りました。まぁ戯言しか書いてないけどな!


とあるコラボの脇役事変 DC−5 戦闘後

 蜂起を開始して既に約6、7時間程。

 他の中央を含む4つの区画は既に我々の手に堕ちた。しかし自分が担当しているこのエルド区は未だ健在。

 

 質は劣るも、数は優勢。

 

 時間をかけて持久戦に持ち込めば簡単に攻め落とせると考えた。

 考えていたのだ。だというのに……

 

「もう少し下がって防御陣形を組め!隊長の邪魔には絶対になるなよ!姑息にも隊長をすり抜けて来る奴らは俺達で抑えるぞ!」

 

 未だ奴らに倒れる気配は感じられず、それどころか時間をかけるにつれ、こちらの被害は大きくなっていくばかり。

 

“悔しいが奴らの方が戦力は上。虚をついて短期決戦で終わらせるべきだ”

 

 これじゃクラウンスレイヤー(クソババア)の言っていた通りだ!

 それに……

 

「レティシア様、アレは……」

「わかってる…!」

 

 さっき上から降ってきて、俺の炎をあんな傘で軽々受け止めたあの黒コートの男は、連絡にあった要注意人物であり、フェイスレス様を傷つけた男!

 

“気をつけて下さいね、レティシア。その男の力は強大です。私は片腕だけで済みましたが、貴女がそれで済むとは限らないでしょう。会敵次第、撤退しても構いません”

 

 あのフェイスレス様の警戒心に満ちた声を思い出し…振り払う。

 ただでさえあなた様から任された事も出来て無いこの状況で、退くなんて事出来るものか!二人揃ったのがなんだってんだ!

 

「二人ともぶっ潰しちまえばいいだけだッ!!!」

 

 大剣に炎を纏わせ、俺は振り払う事で遠くにいる二人へ炎を飛ばす。炎は荒れ狂いながら二人を飲み込んだが……

 

(クソッ!またあの傘だ!)

 

 手応えは無し。そして揺らめく炎の中で形をしっかりと保つ黒い多角形のシルエットを目視して、思わず歯噛みする。

 

 そして、噴き出す炎の音を掻き分けて、俺の耳に、嫌なくらい鮮明に入ってきた音声が1つ。

 

『なぁジャス叔父、コレ終わったら椅子取りゲームやらね?』

 

 

 

「〜〜ッ巫山ッ戯んなァ!!!!」

 

 

 

 火力を上げる。大剣と共に燃える腕など知った事ではない。炎は灼炎となり、俺の怒りを体現するかの如く、あの傘をも灼き尽くさんと猛り狂う。

 

『ちょっ、アツゥイ?!』

「くっ?!」

 

 流石に傘がみるみる内に燃え始めたのを見て、慌てながらも灼炎の魔の手から逃れる二人。

 だが、だが!コレで終わったと思うなよ非感染者ども!特にお前だ黒コート!お前達だけは、此処で消し炭にしてやるッ!

 

「チッ、クソ!戦場で馬鹿な事言うんじゃねぇよ不審者野郎。お陰で死にかけたじゃねぇか」

『マジで悪い。見るからに子供だからって手ェ抜くつもりだった』

 

「ッ―――ッッ!!!!」

 

 ギリっと、思わず歯を軋りあげてしまう。そのくらいムカついた。俺は激情を秘めた顔を隠しもせぬまま、二人の前へ躍り出る。

 

「ブチ殺す!!!」

 

 大剣に炎を纏わせ、彼らの至近距離で薙ぎ払う。それを雷獣は雷で相殺しながら範囲外へ回避し、黒コートはシールドのアーツで真正面から受け止めていた。

 いいぜ、もっと火力をあげてやる!

 

「テメェら纏めて炭にしてやるよッ!!!」

「炭だぁ?それじゃ食えねぇだろ。火力調整くらいしろ」

『出来るならウェルダンに仕上げて欲しいものだネ』

 

《デュアルバスターアーマー転送・・・完了>》

《CAST・ON>》

《OS最適化・・・完了>》

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

「はァァァァァァア!!!」

 

 荒れ狂う劫火の海。その荒波の中を掻き分ける者と、荒波と舞い踊る影がそれぞれ1つ。

 

 ジャスパー・ランフォードといつものホモである。

 

『ヒャッホーイ!まさか炎でサーフィンするとはなァ!』

 

 実際にはサーフィンしている訳ではない。デュアルバスターアーマーに着装した時に足に装備される反重力ホバー。それの出力を逐一調整して、あたかも暴れる火の海の上を滑っているかの様に見せているだけである。

 つまり舐めプしてる。馬鹿。

 

 更にサーフィンをしながら、周囲にいる感染者の皆々様へ痛覚残留弾と痛覚残留拡散ミサイルを余すことなくプレゼントしている。抜け目の無い舐めプだった。

 

「燃えて死ねッ!!」

『おっと!』

 

 ノリノリにインメルマンダンスまでしていたホモに、レティシアは苛立ちげに炎を浴びせ、それを予測していたイモータルは急上昇してそれを回避。デュアルバスターアーマーの固有武装である2本の大型銃器…その片方である『デリカテッセン』という名前の大型散弾銃を片手で構え、集弾率を最低の設定でレティシアに痛覚残留弾の雨を浴びせる。

 

「チィッ!」

『ジャス叔父!スイッチ!』

「オォラァッ!!」

 

 雷を纏ったジャスパーが炎の中から飛び出し、そのままの勢いでレティシアにタックルを決める。それを間一髪で防ぎ、反撃するレティシアと鍔迫り合いになっているのを横目に、ホモは周りの感染者や、貴族街の門へとこっそり向かおうとする感染者達に、デリカテッセンともう片方の手に持つ大型機関銃『グアンチャーレ』を連射設定で乱射し、ジャスパーの部下が対応する前に鎮圧していく。

 

『ジャス叔父!伏せな…さい!』

「あァ?!うぉぉ?!!?」

「ッ!クソッ――イ゛ッ?!―…ッめんなァァァ!!!」

 

 グアンチャーレを連射から照射に設定し、剣の様に逆袈裟に振り上げ、銃口がレティシアに合わさる数秒の間だけ引き金を引く。銃口から照射された痛覚残留のレーザーはブレードの様に、レティシアの体に痛みを刻み込む。

 だが、その痛みをレティシアは耐え、腕ごと燃やしながら炎を薙ぎ払って二人を遠ざけ、直ぐ様耐性を立て直し攻め立てる。

 

『ったく、自分の腕燃やしながら今にも死にそうな顔しちゃってェ……君は鬱TS転生ものの主人公か?』

「危ねえなオイ!」

『安心しろジャスティス。私の攻撃が君に当たる事は無いとも』

「危ねえつってんだよ。あとジャスパーだ」

『すみませんでした…っと!』

「ッ!フンッ!」

「巫山戯んな!巫山戯んな!!巫山戯んなッ!!!」

 

 苛立ちながら放たれた炎を雷で打ち消し、滑るように回避する。イモータルは回避の度に痛覚残留弾を放ってレティシアの動きを止めようとするが、モロに食らっても彼女は動きを止めない。ほとんど効いていない様だ。

 

『鬱TS転生ものつったら、龍神のドシュゥン!!!(グアンチャーレの発砲音)とかズボボボボボボボボ!!!(ミサイル発射音)の魔女とかが有名所さんだっけな?でもアイツら全年齢の癖にエッティで読むのに結構カロリー使うから苦手なんだよね』

「やり合ってる最中だってのにスゲェ喋るなお主」

 

 戦闘中にペチャクチャ喋りやがるホモに思わず冷静に突っ込むジャス叔父。レティシアは更にムカついた。そんな彼女を知ってか知らずか、イモータルは炎を避けながらカードを取り出して、ベルトの溝に嵌めて下へスライドさせる。

 

『なんたって、興奮と救済したい欲求が一緒に来て気が狂いそうになるからね』

 

 いつまですんだよその話。

 

《アタッチメント転送・・・完了>》

『ドッキング>』

《ドッキング>》

 

 グアンチャーレの周りに青いホログラムのパーツが複数現れ、ベルトのボタンを押すと同時に、ホログラムが銃口と周りの銃身に接続する。

 

《アタッチメント『ハイドラント』・ドッキング完了>》

 

 ホログラムが実体化し、機関銃はガトリング砲の様な見た目に変化した。銃身の側面には、ホモの上半身程もありそうなタンクも接続されている。

 

『っぱ消火っつったら消火器だよなァ!』

 

 装着された3つの銃身が回転し、勢いよく大量の消火剤が散布され、捕食者足り得んとしていた炎を飲み込んでいく。

 

「は、はぁぁぁ??!!?!」

『今だぜジャスティス!』

「ジャスパーだ!」

 

 全く、この男はどうしてこんなにも予想を妙に外した事を実行出来るのだと、ジャスパー・ランフォードは思う。

 

「貰った!」

「ッ!来んじゃねぇ!」

「チィッ!」

『炎は消火よー』

 

 消火剤の煙幕から飛び出し、ジャスパーはレティシアの頭を掴もうと手を伸ばす。が、彼女は足裏から炎を噴射してそれを回避し、お返しにと炎を振るう。

 

 まぁ、その炎はジャスパーへ届く前にハイドラントによって掻き消されてしまうのだが。でも振り撒かれた消火剤の煙のお陰で、ジャスパーの視界から逃れるチャンスが生まれた。

 

(今なら……!)

「おい不審者ァ!お主のせいで見失ったぞこのバカ野郎!」

『あっやっべ御免なさい』

 

 ジャスパーのごもっともな文句に適当に返事をしながら、ホモはデリカテッセンの銃身を体の前に持ってきて……煙から炎を纏って出て来たレティシアの攻撃を防ぐ。

 

『スカートの中見えてんぞ』

「死ねッッッ!!!」

 

 頭の中にあるカメラを透視系アーツの源石回路が組み込まれたものから通常のものへ切り替えながら、レティシアの斬撃をデリカテッセンの銃身で捌くイモータル。

 

「あークソッ……そこか―ッ?!」

「お嬢を守れテメェら!」

「「「「応ッ!!!」」」」

「チッ、邪魔するんじゃ…ねぇ!」

 

 ジャスパーが感染者達に足止めされている後ろで、イモータルは反重力ホバーで距離を取りながら、1回、2回とレティシアの大剣を弾き返し、すかさず痛覚残留散弾を至近距離で放つ。それをなんとか回避したレティシアは、足裏から炎を噴き出しながら、離れていくホモへ一気に近づき横薙ぎに一閃。

 

『ほっ』

「この―わぷっ?!」

 

 だがその横薙ぎもデリカテッセンの銃身で防がれ、今度はグアンチャーレの銃口から飛び出る消火剤の煙を顔に受けて仰け反ってしまう。

 そしてそのままデリカテッセンで鳩尾を突き、軽く後ろへ下がったレティシアの体に容赦無く痛覚残留散弾を浴びせる。

 

「っ゛――カハッ……!!!まだ、だ…チクショウ!」

 

 ショック死しない様に威力調整がされているとはいえ、鎮圧するための痛覚残留弾だ。今のレティシアは、少なくとも腹を抉られた様な痛みを感じている。が、

 

(こんな…こんな見せかけのモンで、俺を止められると思うなッ…!)

 

 思い出す。遊びによって産まれ、その上で捨てられ全てを失った弱者の痛み。生きるために、強くなる為に足掻いて、それでも無くならなかった理不尽な痛み。そして、この身体を蝕み続けた、死の痛み!

 

(それに比べりゃ、この炎も、テメェらの攻撃も、どうって事ねぇんだよクソ野郎!)

 

 火を灯す。その火に、自分という薪を焚べて炎と化す。

 

〘成る程。そりゃ生半可な痛みじゃ鎮圧は無理だな〙

 

 自らを燃やすリーベリの少女の身体を観測し、同時に演算しながら、イモータルは両腕を調整する。

 ホモのカメラに映るレティシアの身体には、3つのアーツ術式が浮かんでいた。1つは、彼女の武器であり、彼女を傷つけている発火のアーツ。もう1つは、そんな燃える身体を繋ぎ止めている、超再生のアーツ。最後の1つは……いや、いいか。

 

「テメェの攻撃なんか怖くねェ!」

 

 炎を纏った大剣を、横薙ぎに振り払う。ホモはそれを防ごうとして、熱量の上昇を観測。慌てて後ろに下がって回避する。

 

「テメェがなんだろうと怯まねェ!」

 

 2歩踏み込み、返す刀で逆袈裟に斬り裂き、イモータルはその攻撃をグアンチャーレのアタッチメント…ハイドラントの部分で受け流す。

 ハイドラントのパーツが少し溶解する。

 

「テメェが幾ら痛みを与えようと、俺にはこれっぽっちも―――

 

 

 

『効きやしねぇってか』

 

 

 

「ッ!?」

 

 力任せに振り下ろされた炎の大剣は、ホモに難なく防がれる。だがそれは、さっきまで半ば近接武器と化していた2丁の機銃では無く……掌。

 機銃を迷いなく投げ捨て、大剣を素早く両手で挟み込む。

 

 真剣白刃取り、お見事。

 

「なっ、コイツ…クソッ!」

『なァ』

「ッ――」

『少し熱すぎるからさ、火ィ消すわ』

 

 その瞬間、ホモの両腕から耳を突き刺す嫌な音が鳴り出すと共に、まるで蝋燭の火を一息で吹き消すかの様に、本当に呆気なく、大剣に纏われていた炎は掻き消えた。

 

 少しして、硬いものに挟まった物を引き抜こうとする音が、少し静かになった戦場に悲しく響く。

 

「………おい」

『いやね、別に君たちの行動原理は否定しないさ』

 

 先程まで轟いていた雷鳴も止んで、辺りは本当に静かになる。

 

 引き抜こうとしている音が強くなる。

 

「……返せよ」

『暴力を振るうことだって、完全に否定はしない』

 

 少女はいつもの様に火を灯そうとして、それが出来ない事を知る。

 

 引き抜こうとする時に、微かに漏れていた力み声が強くなる。

 

「返せよ!」

『復讐だって否定はしない』

 

 少女はホモの腕を勢いよく蹴りつけ、そのまま踏ん張って引き抜こうとする。

 

 息が荒くなる。

 

「返せよッ!テメェ返せつってんだろ!」

『罵倒することも否定はしない』

「返せ!このっ…返せ返せ!!返せェ!!!」

 

 

『騙す事も否定はしない』

「巫山戯んなテメェ!このっ…クソッ!!!」

『拷問とかも否定はしない』

「返せよ!俺の力!!」

『拒絶する事も否定はしない』

「このっ…!クソッ!クソッ!クソがッ!!!」

『恨む事も否定はしない』

「俺の炎を、俺の力を奪うんじゃねぇ…!」

『壊す事も否定はしない』

「返せッ……返せよ………返してくれ…………」

『殺意を持つ事も否定はしない』

 

 

「返せよ……!力が無いと私は、あの人に―――」

 

 

 突如、何か硬いもの同士が勢いよくぶつかったような大きな音が、静寂を突き破る。

 

『だが、人が人を殺す事を、私は絶対に許容しない』

 

 ホモの掌を中心にヒビが入り、パラパラと大剣だったものが地面へ落ちる。イモータルはゆっくりと白刃取りの構えを解いて立ち上がり、最早持ち手部分だけになった大剣を呆然と見つめるレティシアから、その持ち手を軽い手付きで奪い取った。

 

 案外簡単に手から奪い取れたな。

 

『…ま、そういう事だ。いやぁ悪いね、でもこんなの持ってたら、君はまた人を殺しちゃうのだろう?

 

 

 

 

 

なら、君が人を殺せる要因を、全てブッ壊すしかあるまいな?』

 

 まるでペットボトルでも潰すかの様に、その場に落とした大剣の持ち手を踏み壊す。

 

「―――あ―」

 

 それと同時に、彼女の何かが崩れる音がした。

 

 

 

 レティシアという少女は、その生い立ち故に人一倍力に固執していた。力を求める理由が「生き残る」事から「恩を返す」事に変わっても、その力の欲求は変わらなかった。

 故に彼女は、力を手に入れる為に出来る事を片っ端から実践し、そして手に入れたその力を誇りに思っていた。特にこの炎は産まれた時から共に生きてきた相棒で……彼女が無力な子供では無く、力を持った大人である事の証明なのだと。

 

 それを、いとも容易く奪われた。

 

 油断なんかハナからしていなかった。特に、己の敬愛する人から忠告のあった敵。手を抜くなど以ての外だ。

 だが、その結果がこの状況である。確かに彼女は油断もしなかったし、手を抜く様な事もしなかった。

 

 ただ1つ、間違いがあったとすれば、それは冷静さを欠いていた事だろうか。

 

 彼女は同じ歳の者たちよりも聡明だった。だからこそ冷静に、ホモが来た時点で忠告通りに撤退していれば、この状況にはならなかったかもしれない。

 命令を達成出来ないという焦りが、この展開を生んだと言ってもいいだろう。

 

 

 力を奪われた今の彼女は、レティシアという名前を持った、ただの少女だった。

 

 

 

『んじゃ、閉まっちゃおうね〜』

 

 ホモがレティシアの顔に向って手を伸ばす。怒声も、悲鳴も……彼女の部下の声も無くなった静かな戦場にて、彼女はただ、無意識に生存本能で身体を動かそうとして…………

 

「………アイン―――」

 

 助けを求めるような声を絞りだして、彼女の視界は闇に包まれた。

 

 

 

 

 

『えぇ!?ジャス叔父あの大量の感染者薙ぎ倒して来たの?!片腕で?!』

「たりめぇよ。つかさっきからちょくちょく言ってるそのジャス叔父って呼び方なんなんだよ」

『え?嫌だった?じゃあジャスティスで……』

「ジャスパーだ不審者野郎」

 

 ホモが少女の顔を手で掴もうとするとかいう事案の絵面に割って入ったのは、安心と信頼のジャスパー・ランフォードだった。割って入ったと言うか、ホモがレティシアを気絶させる前に後ろから手刀でレティシアの意識を刈り取った感じだが。

 

「ったく、散々しやがって……あとさっきからうるせぇぞその腕。何なんだそれ?」

『あぁコレ?簡単に言うとアーツを無効化させるアーツ何だけど。それに指向性持たせて炎のアーツだけを消すように調整したやつでな』

「随分と物騒な単語が出てきたな。お主、本当に何者なんだ?」

 

 レティシアをお米様抱っこしがら質問をするジャスパーに、イモータルは何時もの調子を崩さないまま答える。

 

『味方だ。別にそれ以外は今の所必要ないだろう?』

「………」

『そんな顔するなって。ほら、君の要望どおり、その少女は捕らえれただろう?』

「言った覚えはねぇんだがな。やっぱりわかってたのかよ」

『そりゃもう、私は言っちゃなんだがその道のベテランだ。君のモーションを見ればわかるさ。その少女の仲間にも気絶だけで留めて―――っと!』

「ッ!おいおい、もうおかわりかよ椀子蕎麦か?!」

 

 椀子蕎麦食ったことあるんだこの人、などと演算しながら、ホモはジャスパーを狙って飛んできた所を掴んだ矢を片手で折り、矢が来た方向へ顔を向ける。

 そこには、レティシアが率いていたのと同じ量の感染者達と、その先頭で鬼の形相をしながらボウガンを構える男の子。

 

「レティシアを助け出すぞ!!!!」

「「「「うおォォォォォォォォ!!!!」」」」

 

 少年がそう叫ぶと、周りの感染者も雄叫びを上げ、一斉に二人の元へ向かって来る。

 

『足止めは任せろーバリバリ』

「出来んのか?」

『任せろって』

 

 何か言いたげにしながらも、レティシアと共に後ろへ走る。ジャスパー。それを見ながら、ホモはジャスパーへ向って飛んできた矢を掴んで折る。

 

 そして矢を捨ててから圧縮のアーツで放り投げた2丁の機銃を引き寄せ、ハイドラントをパージし、元に戻ったグアンチャーレの銃口をデリカテッセンの後ろに連結させ、一本の大型長銃へと変形させる。

 

『散弾軌道設定』

 

 連結したデリカテッセンをチャージしながら、こちらへ向かって来る感染者達を次々とロックオンし、引き金を――

 

『っと!』

 

 飛来する矢を避ける。あの少年、中々に腕が立つようだ。

 

 だが

 

『遅い遅い』

 

 ホバー移動で左右にスイスイと避け続ける。

 

『腕が立つだけじゃ駄目だぜ少年。逆に軌道が――』

 

 何発目かの矢を避けた瞬間、何かに気づいたホモは勢いよく身体を傾け、背中に接続されていたミサイルランチャーの片方に、音もなく飛来した黒い矢が命中する。

 

『………っぶねぇなオイ。随分と目のいい猫がいんじゃねぇか』

 

 ミサイルランチャーをパージしながら横へ移動し、矢の軌道を逆算して狙撃手を見つけるイモータル。そして、あまりに遠い位置であったが故に、直ぐにここを離れる事を決める。

 

『じゃあな諸君』

 

 チャージしたデリカテッセンを発射。拡散した大量の痛覚残留弾は、全てロックオンした大量の感染者の身体を貫き、鎮圧させる。

 

「なっ?!」

『おまけだ!』

 

 ついでにミサイルランチャーから4発発射し、地面にミサイルを突き刺す。ミサイルは表面をパージし中身を展開すると、周囲に煙を撒きはじめた。

 

「………アイン、もう奴はいねぇ。捲かれちまった」

「―――クソッ!クソがァ!!!!」

 

 少年の怨嗟に満ちた悲鳴が、静かな戦場に木霊する。

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

『………そろそろ1機じゃ辛くなってきたな』

 

 さて、普通に貴族街へ戻ってきた不審者ホモ野郎。当たり前の様にジャスパーと帰ってきてから色々話をしたりしなかったりしたが、それはまた次回だ。

 

 今は、小さな貴族の屋敷の庭で、何やら準備している。

 

『というわけで話は聞いたなハイゼンさん?!』

《聞いてる聞いてる。で?何体ご所望だよ。こっちのお前さん曰く、そう多くは寄越せないらしいぞ?》

『まぁ5体は行けるだろ』

《5体か。まぁいいだろ、少し待ってろ》

 

 少しして、庭に勝手に設置した変な装置が喧しく光りだす。

 そして光が収まれば、そこには6体の黒コートが……ん?

 

『ハイゼンさん?ハイゼンさん?1体多いよ?』

《あぁん?ちゃんと5体送った筈だぞ》

『嫌でも……ん?』

 

 ホモは気づく。6体の内5体は今のホモと寸分違わず同じだ。黒コート着てるし、顔は見えないし、身長は180cmだ。

 此処で6体目を見てみよう。身長はおよそ2m。黒いコートを羽織ってはいるが、別の黒コートだ。おまけにフードがついていない。でも良いセンスだ。しかも、顔ものっぺらぼうではない!なんかちゃんとロボロボしてる顔だ!

 

 そして更に!(まだある)

 

『コレこの大地の技術じゃねぇ!絶対他所の世界から持ってきちゃった奴だコレェ!!!』

《なにィィィィ?!!?》

 

 つまり、このホモがクレアスノダールに来た時、そして今回義体を送る時に使った平行世界へと渡る扉の誤作動が引き起こしたもの……なのかもしれない。

 

『ヤバイヤバイやばばばばばbbbbb』

《落ち着けお前!ログからどこの世界か割り出せる筈だ!》

『わかってるてばよ!あと多分だいたい察しは付いてるぜ旦那!』

 

 おそらく透き通るような青春が送れるGTAの様な世界である。

 

『取り敢えず、早くこの事件解決させて送り返そう。じゃあその間にちょっとスヴァローグの姿になって貰うね』

《おいコラ》

 

 こうして、相手が殺る気を出してる中、こっちもこの事件を早く終わらせる為にヤる気を出すのであった。




シリアスのままで終わらせない事に定評のあるホモです。シリアスで終わらせたほうが綺麗だよ。だから汚い、この作者マジ汚い。

いやホントすみませんでした。みんなは次回に回すと書かなそうだからって無理矢理今回に持ってくるのはやめようね!
あと作者と制作会社が同じだからって他作品ネタは余りぶっこまない様にしようね!すみませんでした。

ではまた次回、サラダバー!




いつもの


ホモ

彼、彼女という表現でホモと書かれるホモ。少女と戦って、少女の力を奪い(奪ってはない)、少女の心を折るとかいう完全悪役ムーブをする。主人公の姿か?コレが。
そろそろ1人じゃ厳しいかなと思い、戦力を増強させた。ついでに変なものまで持ってきてしまった。返して来なさい。

余談だが、某青い青春の世界に行くと、身体のパーツをオーパーツに一新して、色彩を観測して同化し、黒コートが虹色になって光り輝く。コレでどんな色でも安心して描けるね!
テラーなのに性格はいつも通りである。あとはなんやかんやでデカグラマトンのビナー君をNTRったりNTRなかったりする。


ジャスパー・ランフォード

そろそろホモにちゃんと名前で呼んで欲しいと思ってる人。有機栽培茶さん曰く、戦闘力が利刃1人だったか2人だったか3人だったか分くらいあるらしいので、普通に戦闘力が高い。感染者が複数人で勝てる訳無いだろ!(絶望)


レティシア

CiRFの幹部。生意気なメスガキ。脇役本編で幹部即堕ちRTAをした上に、今回でタイムを若干更新した女。炎のアーツの扱いが非常に良く、その上火力を上げた時のデメリットをもう1つのアーツである超再生のアーツで無効化する。リーベリなのも相まってまるで不死鳥だな?熱いから火を消すね(畜生)
子供故に、少しでも精神ダメージを与えれば呆気なく絶望する。後で優しくするから(何も問題)ないです。


アイン

CiRFの幹部。レティシア大好きっ子。殺してやる、殺してやるぞ、ジャスパー・ランフォード!


義体6体目

なんというか、本当に特別出演なので、今回以外は本当に出番は無い。
おそらく狙撃用の義体であり、遠隔操作も出来るとホモに思われている。この事件の後、ホモが全パーツを洗浄、メンテナンスを加え、更に四次元段ボールにスヴァローグなりきりセット(ちゃんと武装も使える)や、デュアルバスターアーマーとツインブレードアーマー、対地対空両用磁気火薬複合加速方式のレールガンなどなど、そしてそれらを映像と謝罪から始まるホモのウザい口調で真面目に説明する音声が入った取説を詰め込んで、元の持ち主に送り返した。

尚持ち主のニート引き籠もりちゃんは、一日探し回っても見つからなくて絶望しながら寝て、朝を迎えた所でインターホンが鳴り、玄関を開けたら探していた義体が正座して段ボールと共に待機している光景を目にしたとかなんとか。
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