アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
〈ウルサス民間人〉敵に倒された時、耐久値が減少
〈境界無き傀儡〉敵の数にカウントされない
人気のない豪邸の庭で、カチャカチャと音が響く。その音の正体は、黒コートの不審者が自分と全く同じ形の身体を文字通り切り開いて、中身を弄くり回している音だった。
《で?本当に良いのかよお前。今ならまだアップデートすりゃ、そのノイズは消せるが》
『いいだろ別に。コレは
《………まぁいいがね。私としてもお前の様なシンギュラリティは大切にしていきたいし》
『よく言う。不都合になれば直ぐ始末するだろうが』
《なに当たり前な事を言っている?》
『………』
《ま、その感情データに従うにしろ何にしろ、好きにするがいいさ。あ、そうだ(唐突)後もう一つ、お前自分の影響力考えろよな》
『ア?』
《そんなチンタラした準備じゃ、間に合わねぇってハナシだ》
1時間程で全て終える筈のメンテナンスの手を止めて、本体からの通信へと意識を移した瞬間、貴族街の正門前に、おびただしい数の感染者の反応が浮かび上がる。
『ッ――クソテメェ!!!わかってやがったな!!!』
《そりゃお前の話でついさっき演算したからね》
『クソッ!!!』
メンテナンスが終わった2体の義体を起動させ、両方にAIと、片方にレティシアからコピーしたとあるアーツ術式をインストールさせるホモ。
その後すぐさま跳躍し、正門を飛び越えていった。
『やっぱりAIレベル0.5の弊害は大きいな。ハイゼンさーん!戻って来てー!』
そう発声しつつ、ハイゼンと入れ替わりで開発スペースへ向かうほんへでRTAしてた方のホモ。
その目線の先には、黒色の鋼鉄で出来た、人型の上半身が吊り下げられている。
『上半身だけならなんとかなりそうだな。んじゃ、ちょっとアホな私の為に、
『にしてもまァ、私より人間らしい思考回路しやがって……ムカつくなァ』
┌(┌^o^)┐
「クソッ!早過ぎるぞ!!!」
「感染者の大部隊、依然侵攻中です!」
「迎撃部隊はどうなっている?!外壁にはバリスタもあるだろう!部隊の編成が終わるまで――」
「それが!迎撃バリスタによる攻撃が全て、黒い壁に阻まれ意味を成しておらず……!」
「何だとォ?!」
作戦基地と化している豪邸の中は大騒ぎだ。何せレティシアの部隊を迎撃してからまだ1時間も経っていない。これ程までに短いスパンでの侵攻に、完全に不意を点かれていた。
その上、相手はこの侵攻で全てを終わらせるとでも言わんばかりの大部隊。幾ら練度はこちらが上でも、2倍以上の数の前にはそのアドバンテージも無いようなモノだ。
それにこの状況は、ジャスパー含む貴族街の防衛をしていた全ての兵士が考えていた、最悪の状況だ。
「あの不審者は?!」
「ついさっき門を飛び越えるのを見たぜ」
「全く行動が早くて何よりだ!今の内に支度を済ませろ!防衛線の配置は中央広場に貼り出した地図を頭に叩き込め!…さっさとコピーしときゃよかったぜ、クソッ!」
「俺たちも手伝ってやるよ。今は猫の手も借りてェだろう」
「……エンペラー、本来はお主達も守るべきなんだがな……正直助かる」
「そんな堅くするんじゃねぇ。だがよ、何か打開策くらいは作っとかねぇとマズイぜこりゃあ」
「あるにはある。だが……」
ジャスパーは大きくため息を吐きながら、少しの間目元を指で抑えた後、部屋の隅にある通信機を懸命に操作し続けている兵士へ顔を向ける。
「どうだ?救援の方は?」
「………駄目です。通信は未だ回復しません」
諦めの籠もった表情と台詞を聞き、ジャスパーはその兵士に休憩を伝えて向き直る。
「この始末だ」
「ハァ……っぱ、あの不審者が頼みの綱になっちまうな」
「あぁ……所で、お主の社員は?」
「あの嬢ちゃんとの女子トークは終わってる筈だ。もう少しで――」
「隊長!」
「ヴェスタか?なにがあった!」
「それが、ループス族の女性が一人、門を飛び越えて外に……」
「………テキサァァス!!!何やってんだお前ェェェ!!!!」
コンクリートを蹴り、オオカミは走る。その黄色い瞳に困惑を、顔に焦りを浮かべながら。
(兄さん!)
コレは直感に過ぎないが、彼女はここに家族であるフェイスレスが居ると半ば確信していた。
だからこその違和感。
(何なんだ、この胸騒ぎは。兎も角、早く…早く兄さんの元へ………!)
「ッ!!」
遠くの方で感染者達が空へ吹き飛んでいくのが見える最中、眼の前から飛来する複数の矢を避け、足を止める。
「何だこの女ァ!!!」
「おいアマァ!!!免許持ってんのか!」
「この非感染者がよォ!!!ここを通りたきゃ、先ずはテメェから死ねや!!!!」
「…………邪魔だ!」
『キェェェェェェイ!!!ってあァン?!テキサスがどうしてこんな所いんだよ?!クッソ世話の焼け――ッ!』
ストライクアーマーを装着したイモータルが、遠くに見つけたテキサスへと接近しようとした瞬間、その行き先を阻む様に、そしてホモの頭上に複数の黒い矢が飛来する。
『チィ!あの狙撃手か!』
「隙ありだ死ねェェェェェ!!!!」
『なにが隙ありだゴルルァ!!!』
「ナニィィィィ?!!?」
矢を盾で適度に防いだ後、わざわざ喧しい声を上げながら奇襲を仕掛けてくるサルカズの男を、振り向きと同時に盾で殴って吹き飛ばす。
『ンでアレが囮ってねッ!』
「ッ?!」
『うおでっか……』
そして更に後ろから正真正銘の奇襲で、ホモを押しつぶそうとしたガタイの良いウルサスの男の盾攻撃を同じく盾で防ぎ、飛び上がりながら弾き返す。
そのまま態勢を変えながらその男に蹴りを――
『ッ――?!』
「ハァッ!!」
蹴りを入れる瞬間に足に黒い矢が直撃。幸いにも裏腿の装甲部分だった為にダメージにはならなかったが、そのまま態勢が崩れ、その隙を捉えたウルサスの男に殴り飛ばされる。
が、ホモもそのまま吹き飛ばされる訳もなく、態勢を立て直しながらそのまま数回程バク転を行い、追撃の矢を躱しながら仕切り直しをした。
「ヘッ!アイツの言ってた通り手強いじゃねぇか!」
《アンタは殴られただけじゃない》
「ウルッセェなホークアイ!」
「アサルト、目的を忘れるなよ」
「わかってるっつーの!オメーもちゃんと守れよなイージス!」
〘足止めか。得物は盾と双剣とボウガン……だがコイツら、他の奴らとは体の動かし方が違う。未来演算の結果が複数出るのを見るに、戦闘に関する何か……もと軍人と言った所だな〙
狙撃を避け、アサルトと呼ばれていたサルカズの男と、イージスと呼ばれていたウルサスの男の攻撃を捌きながら、ホモは3人の戦力を演算する。
〘難易度的に見ればアサルト<イージス。ホークアイって言われてた狙撃手は保留〙
「しぶてェ奴だなオイ!3人に勝てる訳ねェだろうが!!」
『バカヤロウお前私は勝つぞお前!!!』
走る、疾走る。立ちはだかる者を斬り捨て、時に複数本の源石剣を赤黒いアーツと共に上に放ち、雨のように降り注がせ一網打尽にする。
そうして長くない距離を、何時間も経ったと錯覚する程に足を動かして移動し………足を止める。
「やあ、また会いましたね。テキサス…私の愛しい妹よ」
「……兄さん」
そこには、全ての元凶が立っていた。本来ならば後ろに居るはずの…いや、姿すら見せない筈の指揮官が、堂々と戦場の前線に立っていた。
彼女が、優しい笑みを浮かべながらテキサスの方を向く。
「…兄さん……やっぱり覚えていたんだな、私のこと」
「ええ、ええ。私が大切な妹のことを忘れるはずがないじゃありませんか」
だがあの時、間違いなく知らないと言った。その事を言おうとして……ふと、テキサスの視界に、黒い腕が写る。
「……兄さん――」
ある筈の人肌はそこにはなく、体のバランスを考えれば不自然な大きさの黒い腕が生えている。
違和感の正体に気づく。それと同時に、胸騒ぎは大きくなる。
「その…腕は……」
「コレですか?そうですね、なんと言えばいいか……私の、新たな力とでも思ってください」
「新たな、力……?」
ソレは駄目だ。
「えぇ、コレは私の枷を……そして、あの忌々しい男を壊し尽くす為の力」
「待ってくれ兄さん!ソレを使うのは――ッ!」
突如、地面から突き出た尖った源石によって視界を塞がれ、慌てて後ろへ下がるテキサス。そして、下がらなかった場合どうなっていたかを教えるように、テキサスが立っていた場所にも複数本突き出てくる。
「テキサス、貴女も私の枷だ」
「なっ?!」
「過去、家族という名の枷。こんな忌まわしいモノは、全て壊してしまえばいいんです」
「待ってくれ……」
「そう…皆誰しもが、己を縛る鎖から解放され、自由になる権利がある」
「兄さんは、最初から……」
「その為に私は壊しましょう。過去を、家族を、全てを。この素晴らしき地獄へ変えるのです!!」
「囚われてなんか――」
それ以上、テキサスが言葉を紡ぐ事は出来なかった。突如視界は黒に覆われ、気がつけば建物の壁に身体を固定させられていた。
(コレは……まさか…?!)
「安心して下さい。その源石には感染能力がないので、貴女が鉱石病になる事はありません。私も、最愛の妹に不治の病なんてモノ、罹ってほしくありませんから」
「待っ……て……」
黒の隙間から見え隠れするフェイスレスの背中に、抑えられた喉で懸命に声をかける。
「それに今は、貴女よりも先に殺すべきイレギュラーが存在する。貴女はその後…それまで我慢してて下さい」
「兄……さ……」
「それが終わったら………私を、殺して下さいね」
「ッ……ア゛ア゛ァ!!!」
思いの他簡単に砕けた源石と共に床へ落ち、源石剣を杖の代わりにして立ち上がる。
「……殺す、ものか…私が……私が兄さんを、助ける!」
おぼつかない足を動かして、それでも確かに地面を力強く踏み抜いて、
また、オオカミは大地を疾走る。
┌(┌^o^)┐
一方、周りの感染者達をついで感覚で吹き飛ばしながら、さっきの3人と未だに格闘しているイモータル。数的不利とストライクアーマーというバランス型故の火力不足により、後一手足りない状況が続いていた。
それでも、推定もと軍人の3人との攻防を続けている時点で大概である。
だが―――
〘………陽動されているな。コイツら一体何を考――〙
それは一瞬の出来事だった。さっきまで攻めに攻めていたイージスとアサルトが、唐突にホモから離れる。
それと同時に、突如ホモの演算領域に溢れる数秒先の未来。
回避に行動を移すが時は既に遅く、地面から突き出た源石岩に打ち上げられたのだった。
「ヒュ〜!ホームランだなフェイスレス!」
「陽動ありがとう御座います、皆さん。手筈通り、貴方達は彼らのお手伝いへ」
「おうよ!丁度ジャスパーのジジイも出て来たみたいだしなァ?」
「気をつけろよフェイスレス」
《頼りにしてるわよ、先導者サマ?》
マンションの壊れた外壁からスタスタと出てくるフェイスレスは、貴族街の方へと向かう2人を見送ってから、吹っ飛んでいったホモの方へ顔を向ける。
「………物凄く無様な姿ですが、まだ立たないんですか?」
源石岩が当たった衝撃で変身ベルトは外れた上にバキバキに壊れ、黒く戻った身体の上半分を落下の衝撃で地面に突き刺したまま微動だにしない……まさに彼女の言う通り、無様な姿だった。
「では、私も彼らの手伝いに―――」
行くと言いかけた所で、無様な姿だったホモが錐揉み回転し、地中へと消える。そして同時にフェイスレスの地面が割れ、片腕にスラスターがついたドリルを装備したイモータルが飛び出てきた。
「ハハッ!!」
フェイスレスはそれを間一髪で飛んで避けながら、一度機械の掌を地面へつけて源石の棘を生やし迎撃。そして腕の力でもう一度飛び上がりながら生身の方の手に持った源石剣を振るい、源石の斬撃を別方向から飛ばす。
勿論ホモは源石の棘をドリルで抉り砕き、それと同時に片足のふくらはぎの装甲を展開してスラスターを起動。遅れてやってくる源石の斬撃を、フェイスレスの方へ顔を向けるついでに蹴り砕いた。
その光景を見て、フェイスレスは笑顔で拍手を送る。
「流石……ていうか、素でも充分強いじゃないですか。あの変身要素いります?」
『お前その片腕、そこら辺に落ちてた鎧でもくっつけたのか?それとも冗談か何かか?』
「質問を質問で返さないでくれません?」
『確かに。悪かったな、お詫びに私の質問には答えなくていいよ……成る程、そうかそうか、つまり君はそういう奴だったか』
「なんです突然。私の性根は最初からこうですが」
『内面の事の事じゃなくてね?私が言いたいのは――
巫山戯た腕してんじゃねぇよ!!!この馬鹿がァァ!!!!』
唐突な大音量にビクッと肩を震わせ、驚いた顔を向けるフェイスレス。少ししてから、ホモの言葉に理解がいったのか、その顔に薄ら笑いを浮かべる。
「あぁ、そういう事ですか。
私の腕がこうなったのは、貴方のせいなんですよ?」
『………そうかよ』
ガキンッ!と音を立てながらイモータルは両拳をぶつけ合う。ドリルを形成していたナノマシンが分散し、その三分の一が複数源石回路の腕に纏わりついて、簡単な腕甲とメリケンサック地味たグローブで構成されたガントレットに変形。
そのまま逆の腕のナノマシンを火薬庫が喜ぶタイプのパイルバンカーへ変形させて、地面を踏み砕きながら構えを取る。
フェイスレスは不規則にブレる骨董品の源石剣の刀身を機械の掌でなぞりながら、源石を纏わせて刀身を補強。
鋭利に形成された源石が、活性化し金色の紋様を浮かばせる。
『鐵拳断風!!!』
「地獄変」
合図は無く、ただ互いの考えがわかるかの様に、二人は同時に地面を蹴った。
境界無き傀儡
機械に心は無いと言うが、あの願望機も元を辿れば心を持つ「人間」の手で生み出されたモノだ。
耐久 攻撃力 防御力 術耐性
A+ A S S
いつもの
ホモ
おや?ホモの様子が?
そろそろ頭の悪さが出て来たな。オリチャーでリカバリーしなきゃ(使命感)
テキサス
兄さん!フェイスレスが言うことを聞かないのでそろそろ強行手段を取ろうとしている。全て死にたがりなフェイスレスせいです。あーあ
正直オリジナルからかけ離れてるのもあって結構書きdドガガガガガガガガ(鐵拳断風)
フェイスレス
ホモが明確に曇りを醸し出した事が嬉しすぎて薄ら笑いを浮かべた。
強化イベントをやったから戦闘シーンを幾らでも盛っても許される。盛るペコ盛るペコ。
境界無き方舟
『にしてもまァ、私より人間らしい思考回路しやがって……ムカつくなァ(殺意)』
その思考回路は、歳兄弟姉妹などに向けるそれと同じである。