アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
〈ウルサス市民〉 敵に倒された時、耐久値が減少
「――ゴフッ!…ッ?!」
それは唐突に、彼女の腹を駆け上がり口から溢れ出す。フェイスレスは自身の吐血に遅れて反応し、咄嗟に口を抑えた。
そして同時に、頭上に集めていた源石が弾け、地面へと落下する。機械の腕には源石が新たに生え、赤い警告ランプを灯していた。
「あぁ、そういう……色々はしゃぎ過ぎましたか………にしても、貴方の体も、案外普通なんですね」
『当たり前だ。テメェらみたいに簡単に壊れるような作りにはしてねぇんだよ私は』
ガシュウン…という音と共に、人工筋肉の膨張によって開かれた装甲から熱気が排出され、人工筋肉と装甲が元に戻ると同時にゆっくりと立ち上がるイモータル。
『で、隕石を降らすだって?いいぜ、何が来ようと……俺様が全部止めてやる』
「…ハッ……まぁ、いいでしょう。ここは痛み分けって事にしておきますか」
『……そうかい』
「貴方をここで殺せなかったのは誠に残念至極……ですが、殺り方はわかりました。それでは、これにて失礼させて頂きます」
そう言って綺麗にお辞儀し、姿勢を戻した後で足場にしていた源石をスライド移動させる。そんな隙丸だしの状況を逃したくは無かったイモータル。
だが生憎と、今は体の冷却が充分ではなく、精々頭部の機能が動くだけの状態だ。あんなに啖呵を切るような台詞を吐いていたが、隕石を撃たれていたら本当に不味かった。
〘俺様を殺せなかったってのに余裕さを崩さねぇのが気にかかるが、今は後回しだ。それに、君のデータは充分に集めさせて貰ったぜ〙
『ツー訳だ、どうせモニタリングしてんだろ私』
《いないですね》
『いるじゃねぇか。さっき送ったアーツ回路の解析を頼みたい。私なんだから直ぐ出来るだろ』
《あー来たね見た見た。もう終わった》
『速すぎィ!!!AIレベルの差ってマジでデカいな?!』
《んじゃ、ヤる事ヤったので私は今度こそ離れるからな。知り合いのサンクタ女とウルサス男の結婚式に出向く事を…強いられているんだ!》
『わかったよ引き止めて悪かったな早よ行け!…いやマジでサンキューな!』
通信を切ると同時に、演算領域内にファイルが転送されたのを確認する。フェイスレスとの戦闘を行いながら、彼女のアーツ回路をコピーしていたのだ。
そして今、本体がその解析を一瞬で終わらせた。攻略法を得たのは向こうだけではないと、イモータルは送られてきたファイルを開き―――
『………・・・ハ?>』
同時に、貴族街の屋敷の1つ……捕えた感染者を収容していた屋敷が爆発し、源石の華を咲かせた。
┌(┌^o^)┐
熱い……暑い…アツい、あつい……!
かんがえがまとまらない。あれ?かんがえってなんだっけ?なんでおれは、こんなところ…?あつい……だれか………
「な、なんだコレ?!俺の、からdァ゙―」
「イヤ、イヤだ…!なにコレ!フェイスレスさm―ァ゙」
「キャニッツ?ローラ?その姿は…や、止めろ!来るな!止め――」
「ア゙…………ァ゙………」
「ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!」
【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】
うるさい
「出せェ!ここから出せよォ!ヒッ、くっ来るな!うぁぁぁぁぁ!!!」
「なんで俺たちがこんn―…ァ゙ァ゙ア゙!!」
【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】
うるさい、うるさい……熱い…!
「ア゙ァ゙〜…ア、アタシの足、石になっちゃった……エヘッへへへ、ゔァ゙?ア゙がッ――ァ゙―」
【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】
煩い…煩い、煩い!!!
【RjSt】
「黙れェ!!!!」
「ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!……ハァッ!………ハァ…!」
なんだ……なんだ?俺は今まで何を……落ち着けレティシア……テキサスとフェイスレス様の話をしていて、それから………
どうして、何も思い出せない?いったい何が――
【naNkrn―s―>】
…………
【s・S・s―s―>】
「きゃあァァァァァァ?!!!?!」
何だコイツ痛ってェェェェ?!!?!(勢い余って縛られてる椅子ごと後ろに倒れた)
「いっつぅ………」
クソッ、何なんださっきから…頭に声が響くし、なんか目の前に黄色い怪しい奴が――ん?この腰の奴……
「テメェあの黒コートの仲間じゃねぇか!」
【AiSa・?!>】
ヤッベ、勢い余って股間蹴っちまった。まぁ良いか、あの時ムカついた事した仕返しって事で。
………いや、めっちゃ痛そうにするじゃん。
「だ、大丈夫か?」
【s――s――s――・・・>】
「悪かったって…まさかそんなに痛がるとか――」
って、なんで謝ってんだよ俺?!そうじゃねぇだろ!
「おいお前、今何が起こってんだ?!俺の所に何しに――」
何しに来た、そう言おうとした瞬間、俺が閉じ込められていた部屋の扉に、大きな音を立てながら黒い何かが突き刺さった。
そして、扉に突き刺さった黒いなにかは、簡単に扉を引き裂いて……その下手人の姿を見て、俺は目を見開いた。
「ァ゛……ァ゛ガ」
「おまっ、ローラ…なのか?」
それは、体の半分が源石と化した、俺の部下だった。
「なんだ、コレ……」
「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」
【NankrN―S―・!>】
いつの間にか、俺は黄色いコートの野郎に体を縛られながら移動していた。
黄色いコートの野郎は無駄に広い廊下を宙に浮きながら高速移動してて、下を向けば、黄色いコートから腕の代わりに生えた六本の触手、その内の一本が俺の体を巻き付けているのが見える。
そして、その更に下には、俺達を追いかける源石の怪物達が見えた。
その殆どが皆、俺の部下だった。
「何なんだよ……」
時折、部屋から、廊下の曲がり角から、黄色いコートの野郎と同じ形をした灰色の野郎が、俺の様に六本の触手でまだ人間の形をした奴らを抱えて合流してくる。
勿論、怪物達も増えていく。
「どうなってんだよ……!」
後ろについてくる灰色の野郎が十を超えた辺りで、黄色い野郎から生えるように出てきたもう一人の灰色が、六本の触手で壁に穴を空け、屋敷を出る。
少しして、その屋敷から爆発するように、源石が花開いた。
理解不能の出来事に、俺の理解は追いつかない。ただ一つ、たった一人の弟の事が脳裏を過ぎる。
だがそれよりも、今のこの状況は―――
「いったい何なんだ!?」
《ベール隊長!こっちはもう長くもちません!》
「モたせんだよバカヤロー!クソッ…あの黒コート野郎、何処でッ…何してやがる!」
突撃してくるだけの感染者をサーベルで斬り伏せ、拳銃をポーチから引き抜き、部下へ鉈を振り下ろそうとしている感染者の脚に2発撃ち込んでから、後ろから来る斬撃をサーベルで防ぎ、鉈を弾き飛ばして顔面に蹴りを決め込む。
「あ、有り難うごぜぇやす隊長」
「感謝は帰ってからしやがれ。今は戦いに集中しろってんだ」
どいつもこいつも、感染者ってのはイライラするぜ!罪の無ぇ奴ら殺して回りやがって、やっぱクズ共の仲間はみんな―――
「………」
「どうしました?」
「ッ…何でもねェ」
クソッ……何でこんな時に、
「未練がましい奴が。今じゃねぇだろ少なくとも」
「隊長、次はどうしますか」
「そうだな、無線で泣き言言ってる奴の所に行くぞ」
「了かッ―」
ッ狙撃!
「伏せろテメェら!」
頭を射抜かれた部下から離れ、身を屈めながら瓦礫に隠れ遮蔽物にする。数瞬遅れて元いた場所と瓦礫に数本の矢が突き刺さった。
狙いのいい奴が複数人。それ以外が少なくとも十人以上。おまけに足音からして囲まれていると来た。部下も一人失った。気持ちの良い奴だった。
「チクショウ!今ので何人殺られた?!」
「負傷者3名………死者は、彼1名です」
クソッタレ……どうする?どうやりゃこの状況から、これ以上被害を出さずに部下だけでも助けられる?
クソッ考えろ、考えろ考えろ………
「待てお前達、その男は傷つけるな」
………は?
誰だ今のは?俺の部下の声じゃない。なら感染者が?どういう腹づもりだ?
「隊長、コイツが?」
「あぁ…そこのお前、武器を捨ててそこから出て来い」
「………」
「…出て来ないなら、お仲間を一人ずつ殺していくぞ」
「チッ……」
「ベール隊長……!」
「余計な口出しはすんじゃねェ」
俺はサーベルと拳銃を放り投げ、相手を刺激させない為にわざわざ両手を上げながら、遮蔽物から体を出す。
「よし、そのままゆっくりこっちに来い」
俺は目の前でボウガンを構える感染者を睨みながら、奴の言う通りゆっくりと足を動かす。
「俺をどうするつもりだ」
「…………」
「………あン?」
「……アンタ、僕を覚えているか?」
なんだコイツ?突然なに言い出すかと思えば、覚えているかだと?この期に及んでナメてんのか?
「知らねェよテメェなんぞ」
「……声だけじゃ知らなくても無理は無いか」
「テメェ、さっきから――ッ?!」
「コレでも、知らないか?」
口元を隠していたスカーフを下へずらす感染者。そうして曝け出された顔を、俺は知っていた。
さっきはスカーフとヘルメットで影になって見えてなかったが、印象に残りやすい、目元の所に隈の様に出来た源石。そしてなにより、脳裏に残り続ける顔が、その出来事を俺の頭に記憶させ続けている。
「テメェ、あの時俺が捕えた……リスタの――」
「その女の事を言うのは止めろ」
「ッ………」
「…そう、僕はあの時アンタに助けられた感染者だよ。まぁ、アンタは助けるとかそういうつもりは無かったんだろうけど」
そう言いながらリスタの息子…アインは、俺に向けていたボウガンを下げると、何も持っていない手を突き出す。
「僕と一緒に来てくれ。少なくともあの時生きながらえたのは、アンタのお陰なんだよ。だから――」
「ムカつくぜ」
俺はアインの突き出した手を払い除けた。
「俺ァあの時、後悔したんだ。テメェのお袋とは……世話になってる縁だからな。だが――」
思い起こされるのは、数年前の感染者収容所襲撃事件。半ば自棄の様な成り行きだったとは言え、俺が愛していた妻と子はこの事件に巻き込まれて死んだ。
そして今にも夢に見る。最低な感染者共と、それらを率いる赤狼。
「所詮テメェも
何故だか、俺の心に反して、最後の言葉は出なかった。だがまァ、言いたい事は良く伝わったみてェだなァ!
「そうか……残念だ!」
俺が駆け出すのと、アインが俺にボウガンを向けたのは同時。きっと向こうの矢の方が届くのは早ェだろう。だが甘くみんなよクソガキ!テメェの矢の一本や二本避けて、
『撃☆滅!!!』
「クソッ……!何がッ…?!」
突如として振ってきた何かによる爆発の衝撃で、ベールを突き刺さんとしていた矢は破壊され、辺り一帯は舞い上がった土煙に包まれ視界不良となる。
だがそれでも、薄っすらと浮かぶそのシルエットから正体を当てるのは、容易い事だった。
「テメェ…不審者ヤローか?!」
『正ッ解ッ!』
片腕が光り、唐突に発生した風によって土煙が霧散する。そして、今すぐ動く為の無理矢理な冷却によって、所々に霜が張り付いた黒コートの不審者が姿を現す。
「黒…コートッ?!……姉さんを、姉さんを返して貰うぞ!!」
アインはイモータルを睨みながら立ち上がり、懐から赤黒い飴を取り出す。
“この飴には私のアーツが込めてあります。使うことで、あのウルサス軍人を一人で複数人圧倒できるほどの凄い力をあなたに与えてくれるでしょう。ですが、強力な力には代償はつきもの。よく言うでしょう?ですので、あなたに使うタイミングは任せます。あなたが“今”と思った時に使ってください”
脳裏に浮かぶフェイスレスの言葉。それが今だと、アインは躊躇無くその飴を放り
『オイ>』
「ッ?!あがッ…!」
『・・・…お前、コレを誰から貰った?』
「クソッ……離せ、離せェ!」
『いや良い、フェイスレスだな』
「ッ――?!」
『イヤらしい術式だ。見ればわかる』
その飴玉がアインの手から離れるよりも速く、イモータルはアインの手を掴み飴玉をもぎ盗った。
『……矢張りな、俺様が助けた感染者とこっちの両方を暴走させる腹づもりだったワケだ』
『巫山戯るなよ』
「「「「ッッ?!!?!」」」」
周囲も巻き込んで、イモータルの雰囲気が一変する。アインの手を離し、握り潰す勢いで飴玉を持つ手にメキメキと音が鳴る程圧力をかける。
誰もが見てもわかる。今のイモータルは、キレている。
己の不甲斐なさに腹が立つなどという事は、
私達は、観測した五感情報から未来を予測し選択する。無数にある未来の分岐点を剪定し、起きうる未来に対策する。残り滓の様な演算出力しか無い俺様ですら、10秒演算に集中すれば、10分以内の未来を的中させるのだ。
故に、式を構成する要素を1つでも取りこぼせば、予想外の出来事に直面する。
式を修正しても、修正するまでの犠牲を全て防ぐ事は出来ない。そして、未来演算によって導き出された最善の犠牲は、どうにも出来る筈もない。
出来る事は、ただひたすらに
『*ウルサススラング*』
この未来を突きつけてくる世界を、ただひたすらに
『*龍門スラング*』
ただ、ひたすらに
『*クルビアスラング*』
『*カジミエーシュスラング*』
ひたすらに
『*カズデルスラング*』
『*ラテラーノスラング*』
『*ヴィクトリアスラング*』
『*シラクーザスラング*』
『*リターニアスラング**イベリアスラング*…!*サーミスラング*!*イェラグスラング*!!*シエスタスラング*!!!*ミノススラング*!!!!*サルゴンスラング*!!!!!』
『*ボリバル極東エーギルドゥリンガ■アスラングスラングスラングスラングスラング*!!!!!!!!!』
ただひたすらに
『(譌・譛ャ語)
嗤う
「笑ってる……?何で…?」
何故?逆に問うが、何故殺意を持ち続けなければならない?俺様は…私は、機械であり、救う側の存在だぞ。
救う側がウジウジ悩んで気色悪い顔してたり、殺意漲らせてたら、救われる側の人間は安心出来ねぇだろうが!
まァ、あえて俺様が殺意を向けるのなら、そう、例えば……
『殺してやる、殺してやるぞ!
不死の黒蛇ィ!!!』
「「「「??????????」」」」
こんな巫山戯たウルサスを作り出した、クソ野郎だけで充分だ。
『ツー訳でェ!もう全部話は聞いてたろハイゼンさん!』
《ちゃんと横で聴いてたし任されたよ。何時でもいいから早くしろ》
あぁ、早くするとも!今までウルサスを下手に刺激しないよう、後処理が円滑に進むように対処しようとしていたが……ンな事チンタラしてたら死体が増えかねないってな!コレも全部面倒くせェフェイスレスって女の仕業だ。まァそういう所も悪かねェが(ホモ特有の大胆な告白)
それはそれとして、今からクレアスノダールを両断する勢いで……ブッ飛ばす!
圧縮のアーツで壊れたベルトを引き寄せ、掴むと同時に修復のアーツで元に戻す。
そのベルトを腰に巻きながら、飴玉をアーツの腕に持ち替え、改造する。
『演算拡張デバイス.Soul OS』
なんという事でしょう。あの気色悪い飴玉が、マゼンダ色のハート型の小型デバイスになったではありませんか。で早速コイツの裏側の板状の部分を、ベルトのカードをスキャンする溝に上から嵌め込む!
《不明なデバイスが接続されました>システムに深刻なエラーが発生しています>直ちに使用を――》
『黙ってろ』
問答無用で、矢印のボタンを押す。
《アップデート>》
ベルトから、禍々しく脈打つ金色の血管の様な模様が、瞬時に黒コートの上を広がっていく。そして同時に、俺様ノ演算ニ余裕ガ生マレマシタ>
『AI拡張完了>』
現在ノAIレベル・・・
Level・6
「何が、起きていやがんだ……」
全身に金色の模様が走り、フードの奥の黒いだけだった顔には、大小のひし形の模様が一つずつ…一つ目の目玉の様に表示される。
いきなり登場したかと思えば、怒って笑ってコレだ。ベールを含めたこの場の人間は、現状を飲み込めないでいた。
ただ一つ分かる事は……
『演算完了>アーツ術式・デッドエンドコード接続・・・完了>演算結果ニ伴イ・
人類救済・永続管理チャートヲ開始>人類ノ剪定ヲ・開始シマス>』
このままだと、皆んな死ぬ。
《そんな事をさせない為に、俺が任されたってな。試作封鎖鎧装アラヤシキ、強制接続》
わかった事、シリアスは筆が遅くなる。悪いシリアス、テメェ書いてるとコラボ完結に2年かかる。だから滅べ。
ツー訳で今回の後半とか急展開過ぎたし、次回は早く投稿するよう頑張る所存です!それではまた次回、サラダバー!
ホモ
一応今のウルサスを刺激しないように、それでいて最善の行動を足らない演算出力で頑張って演算して行動していたよ。でもフェイスレス君ちゃんが少しでもホモを曇らせてやりたいが為の感染者源石傀儡化を知って加減をやめました。コレも全部フェイスレスのせいです。あーあ
そして同時に、今は明確な人類の敵で御座います。
不死の黒蛇
取り敢えずホモの殺気の捌け口になった結果、余りに強力な殺意を不意にくらい、余りに明確な死相が見えてしまったせいで永続的なPTSDとなった。コシチェイの時期なのでチェルノボーグ事変は起きなくなったのだった。殺ったね!