アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
「……さて、任されたのでやるとしましょうかね」
私は地面に手の平を当て、アーツを発動させる。
私のアーツは金属操作であり、その効果範囲は半径40m程度。いやぁ、都市部は金属が大量にあって良いですね。おかげで私のアーツを思う存分に振るう事が出来ますよ。
「ひゃっ!な、なんですかこの液体?!」
「なんか絡みついて来るぞ?!」
「足に纏わりついて……これがハルドさんのアーツ?」
「えぇそうですとも。あっそれと、銀色の液体ですが水銀では御座いませんのでご安心を。私が操る金属や鉱物は、全て銀色になってしまうらしいですから」
ロドスの前衛オペレーターと医療オペレーターはかわいいですね。それとアーミヤさんは………フフッ。さて、ここに居る全員を包み込む程の大きさで行きましょうか。
周囲の建物や道路のヒビ、排水溝などから溢れ出て来た流体金属が私達を包み込む。やがてドーム状に私達を囲んだ後、下の方も逆さまのドーム状に金属を形成すれば、立派な球体が完成した。
「では皆さん、手足を沈めて液体をよく掴んで下さい。それと口も閉じてくださいね。舌を噛んだり、流体金属を飲み込む恐れがありますので」
「おい待てハルド、テメェ今からなにしようとしてんだ?」
「イモータルに言われた通り、全力で逃げるんですよ」
各々が流体金属の壁や床に、手や武器を沈めて固定したのを確認する。
全員準備万端ですね。では、全力で出口に向かって逃走と行きましょう!
「来たぞ、遂にこの時が来た!」
「ヒヒッ……感染者の救済の刻が来た!お前たち健常者はここで粛清されるんだ!」
天災雲を見上げながら、レユニオン兵達は不気味に笑い合う。常人からすれば、全く笑えない状況なのだが、それで笑えると言う事はそれ程狂っているのだろう。多分この人達もいい人だったのかもしれないね。でも残念かね。これも全て感染者を迫害するのが常識となってしまった社会のせいだろう。まぁ、そんな社会を形成したのは人間のせいだが。うーんこのクソ(直球)
「フヒヒ、救いの雨だ!粛清の嵐だ!これでやっと、俺達感染者は…救われ――」
その瞬間、なんかハイテンションとなっていたレユニオン兵達を、銀色の球体が飲み込んで行った。
「……おや、これで10人目ですかね?こんにちは感染者。後で幸せに余生を過ごして下さい」
そう言いながらハルドは、球体の中にいる人間達を固定させながら、銀色の球体を回転させ疾走する。
「まだこんなにも感染者が残ってんのかよ……それとハルド、これでチェルノボーグから脱出するのはホントに出来ねぇのか?」
「えぇ、これは単純に私の力不足です。ロドスの方々、本当に申し訳無い」
「貴方が謝る必要はありません。むしろ、私達はあなた方に感謝しています」
アーミヤからの返答にハルド君はちょっと驚いた顔をした。そして、彼女を見ながら微笑むと、眼鏡をクイッとしながら銀色の球体の操作に更に力を入れる。
「凄く可愛いですねアーミヤさん。では、出来る限り出口の近くへお送りいたします!」
「はい!……はい?」
銀色球体が更に加速し、障害物などをボンボン跳ねながら躱して進んで行く。傍から見ればギャグの様にしか見えないが、球体自体の機動力と殺傷力ナドナドは割と高いし本人は至って真面目である。アーミヤの事をナチュラルに可愛いですねと言っているが、至って真面目である(大事な事なので2回)
さて、そうしてチェルノボーグの出口近くまでやって来ている銀色球体だが、一目で意味不明だと分かる物体が跳ねまくっていれば、嫌でも目立ってしまうだろう。それも結構な大きさだ。そんな物が遮蔽物の無い高さまで跳んだりすれば…………
格好の的である。
「………完璧だよファウスト。やっぱり君の狙撃は最高だね」
「…………」
不安定な形になりながら落下していく銀色球体を遠目で見ながら、メフィストは球体を撃ち落としたファウストを褒める。
「それじゃあ僕達も行こうか。ま、着いた頃には彼らは消し炭になってるだろうけどね」
そう言って、メフィストと愉快な仲間達は銀色球体が墜落して行った場所へと足を進めた。
片腕の違和感を感じて、目が醒めた。知らない天井に、肌が焼ける様な温度。部屋を見るに一軒家でしょうか?そして、涙目になりながら一生懸命に何かをしているロドスの医療オペレーターと、ソレを手伝ってるエレキ君の姿だ。
二人は私が目を醒ました事に驚きと嬉しさを混ぜた顔をしたが、直ぐに苦い顔をしながら応急処置を再開させる。
「………いやぁ、これは…しくじりましたね……」
「クッソ!ちょっと黙ってろお前!おいポンコツ!なんとかならねぇのか?!」
『ちょま――い―――あ―クソ!回線悪スギィ!待ってろエレキ君、今そっちに大型の治療ドローンを……ってフザケンナ!(半ギレ)離せコラ!流行らせコラ!大勢に勝てる訳無いだろ!すまねぇエレキ君!少し時間がかかる!ハルド君の応急処置とかして待っててくれ!あーも滅茶苦茶だよ!』
ブツッと腕輪からの通信が切れた。エレキさんは舌打ちをすると、医療オペレーターの手伝いを再開した。
「………今、どう言う状況、ですか?アレから何が……」
「……突然お前の腕が吹っ飛んでから、広場に不時着した。それでお前を近くの建物の中に避難させようとして……」
何故そこで黙るんですか。それとなる程、道理で片腕に違和感が………これは困りましたね。
「……で、私をここに移動させる時になにが起きたんですか?」
「……レユニオンのボスが…現れた」
レユニオンのボス………確かタルラと言う名前でしたっけ?あぁ、それは…それはまた……これは流石にしくじりました。大失態です。直ぐそこにいる彼に会えないのは実に残念だ。
ま、残念がってても仕方が無いでしょう。それに、状況は最悪に近いですね。
「……察するに、只今戦闘中と言った所ですかね」
「あぁ、今はクエスタとゴシャクがロドスの奴らと協力して応戦してるが………あの女は尋常じゃねぇ。前衛オペレーターを庇ったAceが片腕をやられちまった。ポンコツのドローンは熱で回路がイカれて駄目になるからサポートも望めねぇ。だから俺達とロドスで奴の隙を突く。隙が出来たらロドスの奴らとお前を逃がす作戦だ」
「隙を突いて……一体誰が隙を突くんです?私はレユニオンにいる時に後ろ姿を少し見た程度でしかありませんが、アレは無駄に強いと思いますよ」
「あぁ、強かったよ。でも、それで諦める訳にはいかねぇんだ………よし!医療オペレーター、コイツが動かねぇ様に見張っててくれ。俺は加勢に戻る」
「は、はい!」
そう言って、彼は窓から外へ飛び出して行った。全く、言葉から察するに、彼らが隙を突くのでしょう。そして逃げるのはロドスと私…………彼、イモータルの信条を忘れて無いですかね?
「あ、あの……」
「……なんですか?なにか聞きたい事でも?」
「い、いえ…その……なんで貴方達は、私達に協力を?私達は特に接点も無く、初対面の筈です。それに、貴方達の戦い方は危な過ぎですし、今も私達を逃がす為に自ら囮役を……」
「………一つ確認なのですが、ロドスは感染者などで構成された感染者保護組織であってますね?」
「へ?あ、はい……きゃっ?!」
少し遠くの方から爆音が響き渡り、家全体が軋み、医療オペレーターは小さな悲鳴を上げた。
「……一つ言っておきましょう、ロドスのオペレーターさん」
私は立ち上がり、彼女の手を取って立ち上がらせる。
「境界無き方舟は、感染者の味方です。例えどんな人間であろうと、社会に虐げられ、見捨てられてしまった感染者達の味方であり、誰の敵でもありません」
私は振り返り、包帯が巻かれた傷口を撫でながら玄関へと足を進める。ハッとした医療オペレーターの静止の声を無視し、外に出る。戦闘音のする方向へ顔を向け、足元に流体金属を集めてサーフボードを作った。
「そんな信念を持つイカれたAIの言葉に影響されたからですよ。だから初対面の貴方達を助け、社会に排斥されたレユニオンを保護するんです」
ま、イカれている点はおまいうですけど。それに、感染者は助けなければならない。それは方舟に所属してからも変わりません。そこら辺忘れてませんかねエレキさんは。
さて、言いたい事も言いましたし、さっさと彼らの元へ向かいま………
「………あの、何故私に抱きついてるんです?」
「………確かに貴方達の事は少しわかりました。ですが!今の流れで貴方が戦いに行くのは理解出来ません!それに、エレキさんのお願いもありますので!と言うか、どうしてその怪我でケロッとしてれるんですか?!」
傷を痛めない様に私に抱き着く医療オペレーターさん。傷に関しては……まぁそう言う種族ですし(適当)にしても離してくれそうにありませんね。そうですかそうですか……
「なら一緒に行きましょうか」
「へっ?」
そう言って、私は戦闘音のする方向へ高速移動を開始する。真後ろから聞こえる悲鳴が実に心地よいものですね。
少し進むと、戦闘している彼らの姿を確認出来た。しかも丁度良く彼の背中が見える場所に陣取れている。私は流体金属を限界まで圧縮し、音速で射出する。
「!………矢張り仕留め切れていなかったか」
「おや、まるで女みたいな顔になりましたね。これは保護した後が楽しみですよ」
避けられる事はわかってましたよ。まぁまだあるので大丈夫。更に軌道変更も行いフェイントも混ぜておきましょう。
「オラァ!」
「チッ…」
後ろからのエレキさんのギター攻撃を避けたが、地面に打ち付けた時に発せられた衝撃波によって、軽く吹っ飛んで行ったタルラ。
「なんで来やがった?!あのオペレーターは!?」
「止めようとしたので連れてきました」
「バッ、このバカ野郎が!」
「はわわわわわ……」
「さ、集中して下さい皆さん。ドクターさんはロドスの指揮に集中してくれて結構です。さて皆さん、イモータルの代わりに指示を出します。よろしいですね?」
ギターを構え直すエレキさん、瓦礫からダイナミックに飛び出て来たゴシャクさんは、不満げな顔をする。
「お前絶対に前に来んじゃねぇぞ!」
「チッ、さっさとしろじゃが」
「構わん」
「では、今から言う通りの陣形で戦闘を。サポートは私が請け負います」
まぁ、陣形はイモータルが少し前に指示したものと変わりませんがね。では今からあの蛇に嫌がらせをしましょう。
流体金属を複雑に動かしながらタルラの移動を制限しつつ、エレキさん達の攻撃に合わせて金属の刃で追撃を加える。主に手足を狙って攻撃だ。多少の傷は構わないでしょう、生きていれば手足を斬っても構いませんか。
「死に晒しゃアァァァ!!!」
ゴシャクさんは攻撃が躱されようが攻撃し続ける所がメリットでありデメリットです。相手が手練れであれば確実に反撃を食らってしまう。ですので、彼には流体金属でアーマーを作り、ダメージを抑えてあげます。
クエスタさんは、私と同じ様な立ち回りでロドスのオペレーターにもサポートをしていますね。圧縮のアーツでタルラの位置を強制移動させる事が得意の様ですので、強制移動の軌道を計算し、そこに刃を置いておく。
あぁ、良いですねその顔。さて、嫌がらせを過激にしましょう。足の間に流体金属を走らせ、下から上へと刃を飛ばす。流体金属のブーメランで逃げ場を無くし、全方位から串刺しを試みる。
「小癪な」
……今回の彼は本当に面倒極まり無い。下からの刃を避け、ブーメランを斬り崩し、全方位からの串刺しをアーツで燃やし尽くす。野蛮故に厄介なものだ。
湿った傷口に手を当てる。
「全く、傍迷惑な存在ですよ、貴方は」
その瞬間、タルラはアーツを一気に解放し、私達を吹き飛ばした。
「……遊びはここまでだ」
「………おやおや…舐めプですか。性格の、悪い事で…」
これはいけませんね。さっきの攻撃で陣形が崩れてしまいました。おまけに私も傷口が完全に開いてますね。全く、人を苛つかせるのが得意な奴だ。
「先ずはお前からだ」
そう言って、私の目の前に降り立ったタルラは、その手を私の顔へと近づけ………
上から降ってきた何者かに阻まれた。
タルラは上からの奇襲を軽々と避け、少し後退しながらその人物を睨みつける。
その人物は黒いフードつきのコートを纏った、一切肌を見せない全身黒ずくめの男だった。顔はフードを被っており見えない。と言うか、なんかのフィルターでも張ってるのかと言う程に、顔が黒くなっており、どんな顔か全くわからない。
そんな怪しい人物が、私の目の前に突然出て来た。向こうでこちらを見ているロドスと仲間達の顔が困惑で埋め尽くされている。残念ながら私も知らない。
彼は手に持っていた耐熱ケースを開けると、大型のドローンを取り出し、電源を入れた。
「……オイ待て、まさかお前………」
エレキさんが何か気づいたのか、そう呟いたのが聞こえた。
そのドローンは私へと近づき、片腕の治療を始める。ソレをチラッと見た黒ずくめの男は改めてタルラへと向き直った。
『……lgfpbsf!』
聞いてて不快になる様な雑音が発せられると同時に、黒ずくめの男が腕を前に突き出すと、その手に青色のブレードが生成された。いつの間にかもう片方にも生成されていたソレを逆手に持ち、独特な構えを取る。
それと同時に、腕輪に通信が入って来た。
『待たせたな!(cv大塚○夫)』
何だこの茶番はたまげたなぁ(レイ○目)
次回は完全走者視点でお送り………の前にプロフィール作ったりするかもしれません。
聞いてて不快になる様な雑音は解読出来ます。結構簡単です。