アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート   作:ゲルゲルググ

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闇夜に生きるが復刻したので初投稿です。


快刀乱麻 五

 ガバはここまでなRTAはーじまーるよー!

 前回のあらすじは浜で死にました!(迫真)という訳で、早速イクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 5章に入ってからガバにガバりまくってガバルドンに進化しかけましたが、ここまでです。どうやらオラに本気を出しちまった見てぇだなぁ?(戦闘民族の様なナニカ)特にあのメスガキは優先的に行動を把握しとかねぇとなぁ?シュラフの傷が開かない様にカバーしないといけない事しでかしたり、なんかイベント発生させたりとガバメーカーの容疑が掛けられてますしお寿司。

 では、量産型が到着するまでにやるべき事をやっておきましょう。先ずは手の開いてるオペレーターを招集し、おチェンチェン隊長の元へ向かわせます。そして今ある残りのドローンを配備させて各場所の戦力を補い、レユニオンの勢力を地道に削らせてイきますよーイクイク。なぁに量産型が来ればコッチのモンよ!

 

 次にハイゼンさんに最終確認。ようハイゼンさん、お前は最後に殺すと約束したな?え?今向かわせてる?よっしゃお前がナンバーワンだ(手の平クルルヤック)じゃあついでに試作機もブチ込んでオナシャス!センセンシャル!

 あ、皆さんに説明いたしますと、あのタルタルタルラを倒す専用の義体を作っているんですね。そして近い内に耐久力などなどのテストを行う予定だったのですが……ここでオリチャー発動!義体の動作テストをあのメスガキで試しちゃうんですね〜(マナーの良いヤニカス並感)あのメスガキは調教しなきゃ(使命感)あ、ついでにハイゼンの企みも聞いておきましょう。おい、お前のケツにアーム突っ込んで奥歯ガタキリバ言わせんぞ。あ、ふーん……ええやん(酒呑童子)

 

 ヨシ!(確認猫)後はドローンでメスガキを探すだけやで工d――誰だァ?!こんな時に通信して来る奴はァ?!

 

「あーえっと、もしもし?方舟の偉い人?」

 

 オメダレダヨ!(竈門の中の人)私の乗客員では無いな?悪いけど今忙しいんで、後にしてくれます?

 

「あー待って待って!短く説明するから!」

 

 早くしろ!どうなっても知らんぞ!(ホモはせっかち)

 

「わかってるって!えっと、龍門の住民の一部がレユニオンと喧嘩しちゃってるのは知ってるよね?」

 

 ソウダナー。メッチャイルナー。

 

「それで、僕達と協力して貰いたいんだけど。彼らには一応話をつけて……聞いてる?」

 

 あぁ勿論聞いているとも!まぁ別にいいんだけどさ!君たち自分を殺しに来る相手を殺さず無力化出来る?!

 

「えっ――ソレは……」

 

 うん、わかるよ絶対に出来ないです。私のイカれた価値観に賛同したNPCの様な心構えと無力化する為だけの無駄な努力を積んだオペレーターなら兎も角、龍門で生まれ育った奴に殺人者の命を尊べと言うのは無茶振りと言うもの。

 

「ぐっ――………」

 

 という訳で手を貸します。

 

「……はは、やっぱ無r――ファッ?!」

 

 今から説明するから耳カッポジってよーく聞いてください。どうせ貴方達ではレユニオンと殺し合いするしか出来ないので、そちらが戦闘中の場所に私の義体が乱入を仕掛けてレユニオンだけ薙ぎ払います。だからそいつらに伝えろ!後で装備貸してあげるからは足止めしてりゃあ充分だとなぁ!

 じゃ、切るから。ホナサイナラ〜。

 

「ちょっ待っ―――」

 

 さて、何なんでしょうねこのイベント。まぁ選択肢とか適当に選んでパラパラ読み感覚でスキップしたので大丈夫です。それに戦力が増えてウマ味とも言えるでしょう………まぁ、実際は邪魔くさいとは思ってましたけどね。でもほっといたら使えそうな戦力になってくれて嬉しいなぁ!だから覚悟しろよオルルァン?あと移動都市RTAのWikiに載せときましょうねー。

 

 お、近衛局の展望デッキで戦闘が始まりましたね。えーっと、輸送ドローンの位置は……ヨシ!(確認猫)んじゃ、こっちもこっちで頑張るぞい!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「あぁクソッタレが!!!テメェらは本当に最低な奴だよレユニオンッ!」

 

 その怒号に応えるかの様に、掻き鳴らされたアーツユニットは激しい音を奏で、ソレを地面に叩きつけた。そしてその音とアーツユニットが叩きつけられた事によって発生した空気振動が収束し、前方へと勢い良く放出され、その直線上にいるメフィストの家畜を複数人吹き飛ばした。

 

「無駄だって言ってるじゃないか。ホラ立て、まだ頑張れるだろう?」

「ウァ゛ァ――!」

「クッソガキが!」

 

 メフィストが白い粉をフッと吹けば、吹き飛んだメフィストの家畜達は立ち上がり更に凶暴化し襲いかかる。ソレを対処しながらその光景を見たエレキとシュラフの怒りは更に高まろうとしていた。

 

 さて、ここで何故エレキ達がキレているか少し説明。

 近衛局に潜入後、敵がいない、又は襲って来ない状況に不安を覚えながらも、メフィストがいる展望デッキ付近まで無事に到着。そして展望デッキと屋上の制圧に別れる事となり、屋上を制圧している間威力偵察としてチェン隊長が一人で展望デッキにいるメフィストの元へ向かおうとしたが、そこにエレキと何故かシュラフもついて行く事になった。

 そして展望デッキで目にした光景がコレだ。メフィストはチェン隊長を煽りながら狙撃手に屋上を狙撃させ、更にはその場に倒れ動かなくなっていたレユニオンを蘇らせ……いや、死体同然の肉塊を無理矢理動かせたのだ。

 

 そしてその行為が、方舟オペレーターの二人をブチギレさせたのは言うまでも無いだろう。そんな訳で開戦である。

 

「こんなものを手足として従えるなんて、お前はもう人としての道を踏み外しているな」

「そもそも君らは感染者を人として扱っていないじゃないか」

 

 メフィストがチェン隊長へ家畜達を放ち、チェン隊長はその家畜達の腹を裂き、鞘に収まった赤霄で後ろから来る家畜の頭を殴って怯ませ、腹を蹴って遠くへ飛ばす。

 

「チッ、硬すぎる」

「無駄無駄!彼らの傷と痛みは僕が治すのさ。そして僕を倒すには……彼らを殺すしか無い、あのギターを持った彼のさっきの攻撃とかでね」

 

 まるで見せつける様に屋上からの援護攻撃を家畜達で防ぐと、メフィストはエレキを指差し、悪戯が成功した子供の様な笑みを浮かべた。

 

「でさ、君は生半可な攻撃じゃビクともしないってわかった途端にあんな威力の攻撃を叩き込むだなんて……もし普通の人間だったら死んでたよねぇ」

「!!―――」

 

 その一言で、一瞬エレキの動きが停止する。その隙を突かれ、メフィストの家畜の攻撃を喰らい、展望デッキの入口付近まで吹き飛んだ。

 

「エレキ!」

「――!クソッ!」

「ハハハッ!やっぱりみんな同じだ!ロドスも方舟も、そこら辺の非感染者どもと何も変わりはしない!」

 

 シュラフがエレキの元へ駆け寄り、ソレを追おうとした家畜をチェン隊長が蹴り飛ばす。

 

「大丈夫か?!」

「ゴホッガバッ!……あぁクッソ、情けねぇ」

「くっ……おいキミ、立てるか?」

「大丈夫だっつー……危ねぇ!」

 

 そう叫んだ瞬間、メフィストの後ろにいる狙撃手…ファウストが放った矢が何かにぶつかった様な轟音を立て、空中で静止する。そして驚いているチェンとシュラフの手を握ってエレキは非常階段へ転がり込み、それと同時に空中で静止していた矢が誰もいなくなった場所に着弾した。

 

「あークッソ、最悪だ畜生めが」

「本当にな……奴の言葉に耳を貸してどうする」

「わかってる……わかってるっての」

 

 踊り場に突っ込み、非常階段の入口を閉めたエレキは床に倒れながら呟く。その呟きを以外にもチェン隊長が返した。

 

「それで、こんな所に押し込んでどうするんだ?下には凶暴化したレユニオンが包囲している。そして今のコレで、私達は完全に袋の中の鼠だ」

「……いや、そこは少しの間なら問題無ぇ。あのガキは獲物を弄ぶ類いの奴だ。きっと俺達が出て来るのを今か今かと待ってるだろうぜ」

「でもさ、追い詰められてるのは確かだろ?」

「彼女の言う通りだ。キミはさっきからどうかしているぞ?」

「あぁどうかしている。自分から不利な状況を作っちまったのも、人を…殺そうとしたのも……」

 

 相手が頑丈だからと言って、軽率に人を殺せる程の出力でアーツを放ってしまった事に、彼は頭を抱える。

 

「いや、頑丈な敵に対してより強力なアーツを使うのは当たり前の事だろう」

「え?」

 

 何しょうもない事で悩んでいるんだ?と言う表情でそう言ったチェン隊長の言葉に、エレキは間抜けな声を上げて目を点にする。

 

「………ハァ、だから奴の言葉に耳を貸すなと言っただろう。第一、生半可な攻撃で倒れない様にしたのは奴だ。それでもキミは職務を全うしようとしていただけだろう?何処に可笑しい所がある?」

「あー確かに。あの威力のアーツはあの硬い奴らにしか撃ってないし、あそこにいる普通の硬さの人間って、あの子供と狙撃手だけだもんな多分」

 

 妙に納得したかの様にシュラフが頷く。そして当の本人であるエレキは、冷静になってきた頭で少しずつ整理していた。

 確かに怒っていたとはいえ今になって怒りで加減が出来なくなる程未熟では無いし、あの攻撃を当てていたのはメフィストが操る家畜だけなのも本当だし、二人の言葉はイマジナリーイモータルが『ンンン!まさに、正論!』と叫ぶのが想像出来る位には……

 

「見事に口車に乗せられた訳かァァァァァ………!!!」

「あのなぁ……」

 

 声を殺しながら叫ぶエレキを見て、チェン隊長は頭を抱えた。彼女はこの組織は上も下も頭が弱いのだろうかと思ってしまった。自分でも不躾だとは認めるが思わざるを得なかった。

 

「ヨシ!そうと決まればあのガキをどうするかだ」

「切り替えが早いな」

「先ずはあの硬い奴らだよなぁ……シュラフ、お前のアーツユニットから発射出来る粉は効いたか?」

「粉……?」

 

 眉を顰めたチェンに、シュラフは慌てて説明する。

 彼の持つアーツの一つは簡単に言えば空気の放出であり、アーツユニットに搭載されている2つのタンクの内の一つから管を通して粉を少量放出し、ソレを空気と一緒に遠くへ飛ばして攻撃するのがシュラフの戦い方だ。そしてその粉は吸引した相手の平衡感覚を一時的に奪う作用があると言う。因みに依存性や作る上での違法なものは無いらしい。そう言ってたのはイモータルだが。

 

「一応アイツらに効き目は抜群だぜ。でも、オレっちとエレキじゃアーツの相性が悪くてなぁ……空気の移動とその動きの増減だからエレキのアーツ効果範囲に入った瞬間に空気弾が霧散しちゃうんだなぁ。こんな感じに」

 

 二人がアーツを発動させ、ソレをチェン隊長に見せる。黄色い粉を纏った空気弾はゆっくりエレキに近づくと、突然形が崩れ、空気中に固定させる。

 

「こうなんだよなぁ……アレ、じゃあなんでポンコツは小言の1つか2つ言わなかったんだ?」

 

 彼らの会話を聞きながら、チェン隊長は考える。あのAIは自らを効率厨と名乗った。なら、彼らを一緒にした事に何か意味がある筈だ。

 

「……そういやシュラフ、お前のアーツの操作範囲ってどんな感じだっけ?」

「え?えーっと……こんな感じ」

 

 シュラフは手をめいいっぱい広げて表現する。子供見てぇだな。

 

 だが、ソレを見たエレキは何かに気がついた様に笑みを浮かべ、チェンは何かに気がついたかのような表情を浮かべる。

 

「……うん、面白い事を思いついたぞ」

「……?」

「一応話を聞こうか」

「ハッ、チェン隊長さんもだいたい見当ついてそうだな。コレはシュラフ、お前が頑張る作戦だ。耳かっぽじってよーく聞けよ」

「オレっちが?!」

 

 

 

 

 

「……遅い…いや、もういいや。どうせ怖気づいたんだろ。奴らがなんで僕のアーツをものともしないのかとか、近衛局の隊長さんとはもうちょっとお話したかったとか色々あるけど……まぁいいか。ファウスト、扉を撃ち抜け」

 

 まるで飽きた玩具をゴミに捨てるかの様に、メフィストはファウストに命令する。そしてファウストは命令を実行しようとして………その扉が轟音と共に吹き飛ばされる所を見た。

 

 同時に扉の近くで待ち構えていたメフィストの家畜達も吹き飛び、中から3人が飛び出す。

 

「アハハッ……ファウスト、奴らを撃ち殺せ!」

「………了解。命令、射撃」

 

 一番厄介だと感じたエレキに狙いを定め、引き金を絞る。だがその矢はエレキに届く事は無く、チェン隊長の赤霄によって弾き返される。

 助骨が1、2本程折れた気がするが、彼女にとっては音を上げる程でもない。ファウストの命令で狙撃をした迷彩狙撃兵の弾丸は、エレキ本人が防いだ。

 

「なっ……!」

「サンキューチェン隊長!」

「ッ……気軽に呼ぶな!」

 

 エレキはアーツユニットを掻き鳴らし、地面へ叩きつける。振動は巨大なドーム状に変形し、3人を守る様に展開する。

 

「よっし!やるぞぉー!超やるぞぉー!あ、お前達は吸い込まない様にしろよな!」

 

 シュラフはアーツユニットを掲げる。そしてタンクの中のすべての粉を放出し、ドームにぶつける。ぶつかった粉は振動のアーツによって崩れ、ドームの形に広がっていき、透明なドームを金色に染め上げた。

 

「……いや、何がしたいんだ?」

 

 未だに何をやっているのかわからないメフィストは、ドームを見て首を傾げる。

 

「……ん?おい待て、おい、おい、おいオイ!なんだアレはぁ?!こっちに来るぞ?!」

「………メフィスト、掴まれ」

 

 だがその後、自身の家畜を飲み込みながら直進する金色の半球体を見て、メフィストは慌て始める。ソレを見たファウストは何処からともなく姿を現して彼に手を差し出し、彼がその手を握ったのを確認すると、直ぐに半球体の進路上から離脱した。

 

「かかったなド阿保が!」

「チッ!」

 

 離脱した瞬間、彼らの目の前に2つの影……エレキとチェン隊長が襲いかかる。ファウストは舌打ちをしながらメフィストを遠くへ投げ、振り下ろされるエレキギターをボウガンで防いだ。

 そして鍔迫り合いの状況からヌルっと抜け出し、驚愕の表情をするエレキを尻目にチェン隊長の追い打ちをジャンプで避ける。

 

「赤霄!」

 

 チェン隊長は赤色のアーツユニットを抜刀しようと力を込め、出来ずに迎撃チャンスを逃してしまう。

 

「くっ!どうして……!」

「チェン隊長!そいつ頼んだぞ!」

 

 ファウストの相手をチェン隊長に任せ、エレキは慌てふためいているメフィストを追いかける。

 

「クソッ!どうしてマトモに動かないんだ家畜共!」

「ハッ!脳が足りない奴らにしたのが間違いだったなクソガキィ!」

「ヒィッ!!クソッ!」

 

 まさに一発逆転の展開だ。

 さっき非常階段の踊り場でやったエレキとシュラフのアーツの影響を見て思いついたこの攻撃。先ずはエレキが空気振動のドームを形成し、そこにシュラフの粉入り空気弾をぶつけ、粉を振動でどんどん広げる。こうして出来た、粉の容量上シュラフ一人では不可能な程の大きな粉弾を作り出し、エレキのアーツを解除してシュラフがまた空気弾として放出する仕組みだ。設計上粉は表面しかなく、中身は空洞なのだが、メフィストの家畜には少しの間息を止めるといった思考すら出来ない奴らだ。直進するドームに当たった彼らは平衡感覚を失い、起きては倒れを繰り返す事しか出来なくなってしまったのである。

 

「ま、諦めてお縄につけクソガキ!そして今までの罪を償うんだな!」

「くっ―――そんな事、する訳無いだろう!」

「あぁン?!」

「ファウスト!僕を助けろ!」

「了解」

 

 ファウストはチェン隊長の連撃を躱し、宙へジャンプすると、メフィストを追いかけていたエレキに向かって空中でボウガンを発射、直ぐにリロードしもう一発発射する。

 

「ヌッ?!ぐぁッッ!!!」

「な、オイ!クソッ!」

 

 一発目はエレキの足を狙った狙撃だ。幸いにもメフィストが叫んだ事によってファウストに注目が行き、避ける事は容易だった。が、そんな事はファウストも理解している。だからこその二発目。それは避けた事によって体勢が崩れている瞬間を的確に狙ったものだ。例えエレキだろうと避ける事は出来ない。

 

 が、避ける事が出来ないだけで、防ぐ事は出来る。

 ついさっき非常階段に逃げる時にファウストの矢を防いだ時と同じだ。空気の振動で防壁を作って矢を止め、自分には振動を当てて弾道外へと体を弾き飛ばす。まぁ、色々反動でうめき声を上げる程のダメージを負い、更には他の人から見れば矢を受けた様にしか見えない光景になった訳だが。

 

「俺の事は構うな!行け!」

「!」

 

 一瞬自分を助けに来ようとしたチェン隊長を見て、エレキはそう叫んだ。チャンスは今しかない。今この展開でメフィストかファウストを一人でも討ち取れば、後はなんとでもなるのだから。

 

 そしてチェン隊長は視線をファウストの方へと戻し、ボウガンの矢先が視界に入る。今の一瞬で、ファウストはチェンを仕留めきれると確信したのだ。

 チェンは赤霄の柄を握る。だが剣が鞘から抜ける気配は無い。そのままで攻撃を防ごうにも、引き金を引かれるのが先なのは明確だ。

 

 今、チェン隊長に向かってボウガンの引き金が引かれる。

 

「今だ!」

「了解だコノヤロー!!」

 

 突然聞こえた声に、ファウストは思わず指を止める。そして声のする方に視線を向けると、そこには一人のリーベリがいた。

 

 ファウストは、エレキへ二発目を撃った時点で一人足りないと気づくべきだった。それでも気付けなかったのは、チェンと言う前衛の存在を気に掛ける余り、視野が狭くなってしまっていた事だろう。ならば、今まで何処にいたのか?

 ファウストはそのリーベリ、シュラフの頭を見る。リーベリ族には共通して頭に羽の様な毛が生えているのが特徴だ。そしてシュラフの羽は下に向かって垂れているタイプ。だが今その羽は上に向かってピンッと立っておりその青色の髪とは真逆の赤色をしていた。その羽部分から、銀色の粉が待っている。よく見れば、彼の下半身は半透明だ。

 

 シュラフは2つのアーツを持っている。一つは空気の放出、そしてもう一つが……頭部の羽状器官に生成される鱗粉による透明化だ。

 彼は金色のドームを生成してからずっと透明化し、機会を伺っていたのだ。

 

「ハァァァ!!!」

「ぐァっ……!」

 

 ファウストの頭部をアーツユニットで思いっきり叩きつける。ファウストはうめき声を上げながら床に叩きつけられた。そしてアーツユニットに僅かに付着していた例の粉を吸ったせいか、視界が歪んで上手く立てなくなる。

 

「終わりだ!」

「―――ファウストォ!!!」

 

 チェン隊長がトドメを刺そうと近づいた瞬間、ファウストの姿が消える。

 

「何っ?!消えただと?!」

「一体何処に……?!」

 

 次の瞬間、メフィストの隣にファウストが現れる。そして倒れそうになったファウストをメフィストが支えた。

 

「お前達……よくも僕のファウストを!絶対に、絶対に許さないぞ!」

 

 メフィストは顔を怒りで染め上げると、白い粉を大量に撒き散らす。その途端、展望デッキと未だ戦闘中の屋上にいるメフィストの家畜達が痙攣し、体の源石を成長させ、立ち上がる。

 

「惨たらしく殺してやる!」

「チッ……来るぞ!」

 

 3人はおぞましく変形したメフィストの家畜達を迎撃する為に、態勢を整える。

 

『はぁ〜いここまで!』

「ッ!誰だ!?」

 

 一機の浮遊しているドローンが、おちょくる様な口調で発声する。

 

『私だよ(食い気味)残念だがメッフィー、もう終わりだ』

「ハァ?!」

『なんでって顔してんな。教えてやろう。何故って?彼らが来た』

 

 その場にいる全員が空を見上げた。そこには、ヘリでもドローンでも無い、謎の飛行物体が存在している。

 

「おぉ、誰か降りて来るべ」

 

 屋上で戦闘していた方舟のオペレーターの一人がそう口にする。

 確かに飛行物体から複数の人影が降ってきている。それと同時に、戦況が変わって行く。

 

 先ずはメフィストの家畜達が声を上げ、震え出した。まるで何かに恐怖するかの様に。

 

「何が起きている?僕の衛兵達がこんな悲鳴を上げるなんて。何があった?僕のアーツでコイツらの感情は消し去った筈……どうして、どうして!」

 

 思わぬ乱入に、メフィストの苛立ちは加速して行く。ファウストはソレを宥めようとするが、上手く行っていないようだ。

 

「お前の仕業かッ!クソッ!ロドスのウサギめ!!お前達といい方舟といい……クソックソッ!どうして上手く行かない!どうして僕の邪魔をするんだァッ!」

『いやぁ、私ん家に関しては、お前の対策をしていない訳が無いんだよなぁ(小声)』

 

 怒り狂うメフィストを見ながら、ドローンはコッソリとフェードアウトする。

 それと同時に、デッキの一部が爆発し、メフィストの家畜達が下へと落ちて行く。

 

「ビル内の総員へ!展望デッキの床が崩れるぞ!気をつけろ!」

「嘘だろオイオイ!アイツら大胆過ぎるだろ!」

「ほ、ほぇ〜……」

 

 これにはエレキ達もビックリである。チェン隊長は、このタイミングで通信を入れて来た人物と話をしている。

 

「近衛局の皆さん、方舟の皆さん、おまたせしました。協定に基づき、ロドスが貴方達を支援します!」

 

 これにはエレキ達も予想外の出来事だ。それにちょっと情報量が多すぎて脳が混乱して来ている。おかげでアーミヤとメフィストの会話が全然頭に入って来ないし、さっき下に落ちて行った展望デッキの一部が遠くへ飛んでいく幻覚も……

 

「いや、アレ本物だな」

 

 その光景のおかげで何故か少し冷静になった。そして丁度お互いの口撃が終わったのか、戦闘態勢となったロドスとチェン隊長の元へ向かう。

 

「さて、またまた形勢逆転って訳だクソガキ」

「お前達!コイツらを僕達の前から全員消せ!」

「今ここで戦いを終わらせる。そうしなければ、我々を待つ次の戦場へ行けないからな。ドクター、指令を下せ」

「ロドス総員へ。チェンと方舟に協力し、近衛局を奪還する!」

 

 メフィストの部隊は殆どが展望デッキと共に下へ落ち、対する近衛局はロドスと言う援軍が空から降ってきた。

 この圧倒的に真逆の立ち位置、真逆の展開に持っていった双方の決着は、火を見るよりも明らかだった。




難産だァァァァァァ8000文字って何やねん長いわたわけぇ!という訳で快刀乱麻は終わりです。こう、戦闘後の下りは方舟を挟む余地も必要も無いと思ったのでここで終わりなんです許して下さい。謝るので絶対に許して下さい。それとエレキ君は既に昇進2みたいな状態です。つまり成長イベントはもう無いんですね。ハイ(言い訳)まぁ、こんな展開でも楽しんで頂ければ幸いです。

次回はプロファイル回です。それではサラダバー!
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