アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
さて、時は少し遡る。
境界無き方舟の中はピリピリした空気に包まれていた。まぁ、ここ半年…そろそろ一年になる位この方舟に乗って過ごして来た彼ら彼女らにとって、誰かが欠けた状態で帰って来る事は無いと確信はしている。が、それとこれとは別だ。誰だって心配する、俺だってそーする。
そんな訳で、方舟のオペレーター達は飯を食べながらソワソワしたり、万が一増援が必要になった時の準備をしたり、愛する者が五体満足で帰って来てほしいと赤子を抱きながら祈ったり、好戦的な女性オペレーターが待機中の男性オペレーターとシミュレーションルームで準備運動してたりと、滅茶苦茶ピリピリしていた。
そして、方舟内にある保育施設では………
「ちょっ、おまっ、落ち着け!落ち着けってターボ師匠!」
「ヤダー!ターボ行くもん!ターボが行かなくちゃ駄目なんだ!」
「意味分かんないからちょっと落ち着け!イタッ!コラ止めろって殴るな!暴力変態!」
その施設の子供よりも歳上である筈の男女、子供係であるティタンが暴れるターボ師匠を羽交い締めにしながら彼女に殴られていた。
「ターボ聞いたもん!りゅーもんにあの人がいるってイモータルが言ってたの聞いたもん!」
「あのAI独り言多くないか!?それと龍門の読み方はロンメンだからな?!」
「うぉぉぉぉ!!放せぇぇぇぇ!!!」
「止めてー!暴力止めてー!痛くないけど止めてー!」
ティタンはライン生命印の改造人間であり、ターボ師匠が幾ら暴れようとも両腕をガッチリホールドしたまま離す気配は無い。が、それでも藻掻き続けるターボ師匠。そんな光景を見ている子供達は、まるで愉快なショーでも見るかの様に楽しんでいた。ここに楽器でも持ったネブラの語りが入ればそれっぽくなるだろう。三味線でも可。
そんな訳で、保育施設にはピリピリのピの字も存在しない程に和やかなアトモスフィアであった。
まぁ、愉快なショーは直ぐに幕を閉じたのだが。
「ハァッ!ハァッ……ハーッ!もうむり…ターボつかれた――」
「うん、知ってた」
そう言って芋虫みたいに沈んだターボ師匠を見て、ティタンは何時もの様にそう口にした。何事も全力でやるターボ師匠はガス切れが早いのである。
「うげぇぇ〜、体動かない〜。喉乾いたぁ〜」
「ハァ……飲め、ニンジンジュースだ」
「ヤター!」
さっきまで疲れている風な状態だったのが嘘だったかの様に、ティタンが取り出したニンジンジュースに勢い良くターボ師匠。コイツの体力どうなってんだろ?と割と真面目に考えたくなったティタン君である。
「よぉしみんな、おやつの時間だ」
「「「「はぁ〜い!!!」」」」
取り敢えず子供達へ呼び掛けるティタン君。そして保育施設にある厨房の奥の方へ消えた所を見たターボ師匠は、そんなに使う機会がなかった脳細胞をフル回転させ、どうやって龍門へ向かおうか考えた。
ターボ師匠がその言葉を聞いたのは少し前。
『クラウンスレイヤー姉貴どないしよ』
クラウンスレイヤーと言う名前を聞いたターボは、その名前がチェルノボーグでの一件で出会った彼女だと思い出した。
ターボ師匠にとって、彼女にはちょっとした恩の様なものを感じていた。まぁターボ師匠が一方的に感じているだけだが。
「う〜むぅ………」
さて、ニンジンジュースを啜りつつここから出る方法を絞り出そうとするターボ師匠。だがターボ師匠が勝手にチェルノボーグへ向かってからというもの、ティタンは扉の開閉音がした瞬間にあっという間で飛んで来るのだ。さっきそれで捕まってたしお寿司。
今は厨房でお菓子の準備でもしているのだろうが、外に出ようとしたら回り込まれる事間違い無しである。
「う〜!む〜!………む?」
そんな事を思いながら唸っている時だった。後ろから肩をトントンと叩かれ、彼女は振り向く。
「ハハッ☆」
そこには、全身神隠しみたいな存在であるミヅハが首をコキュッと捻りながら、カエル座りで天井付近にあるダクトを指さしていた。
「よし、次はソッチだ」
「オケ」
出撃ハッチに並んでいるトラック型ドローンへと医療器材などを詰め込むオペレーターの二人。
「ふぅ……予想外の対応つってもなぁ―――ン?」
その内の一人が、遠くの方でコソコソとトラック型ドローンへ乗る二人の影を見つけた。
「……何やってんだアイツら」
面倒くさそうに頭を掻きながら、ファディア族の男はそのトラック型ドローンへ小走りで近づく。
「おいテメェら、一体なにsヌゥゴォ?!―――」
運転席に乗っている誰かへ窓から注意しようとした瞬間、その男は伸びて来た長い舌へ絡め取られ、そのまま運転席へと引きずり込まれた。
「あの野郎何処へ……あ?!オイオイオイ!!!誰だお前!勝手にトラックを動かすな!止まれ!オーイ!!!」
失せやろ失せやろ失せやろォォォォ!?!?どういう事だってばよ?!試走に無かった行動やめちくり~。気が狂うウホ!(狂乱)
えぇい!こうなったら仕方ない。
先ずは戦線をスラム街へと下げます。龍門市民、ロドス、近衛局、ホモ都市と言う4つの戦力から総攻撃を受けているので、レユニオンの戦力は削れるのが早いです。数も練度も不利なんだよなぁ……諦めて、どうぞ。つーか攻めてくんなや。ただの復習心だけで動いてる感染者の烏合の衆如きが一国家に勝てると思うな!(デュエリスト並感)†悔い改めて†
さて、ボロクソに言っていますが、フロストノヴァ姉貴の事も気にしておきましょう。チェルノボーグでのドクターと駆け落ち(直喩)イベントを省略したので、フロストノヴァ姉貴達は割と殺意高め体力多めでやってきます。でも死にかけには変わりないんだよなぁ……こっちの誰かが死んだりお前が死んだりするとガバルンドンになるんだよ!いい加減にしろ!御自愛して(懇願)
それと、各地の源石ゴーレムを重点的に撃破してイきますよ〜イクイク。コイツらロドスらの行動を邪魔する挙げ句、レユニオンも容赦無く殺しにかかってるんでもう邪魔です。本体何処ですかね?(キレ気味)隠れるな卑怯者!隠れるなァァァァ!!!寄生感染者は……ママエアロ(適当)
後はそろそろフロストノヴァに全てを託して俺を置いて先に行け!するファウストの救出ですね。そっちには透過強襲型を投下してホモが厄介事を終わらせるまで時間稼ぎをさせます。なぁ〜にたかが近衛局兵です。影衛相手じゃなきゃへーきへーき、ヘーきだから。そういや影衛の姿を見てませんね(他人事)
ではスパラディ君に命令下してっと……おっ、向こうでアーミヤ達がゴーレムに足止めされてんじゃ〜ん。狂撃制圧型を投下して強キャラ展開を作ります。特に意味はありません。
あ、エレキ君にアーミヤ達がフロストノヴァをブチ転がさない様に見張ってて貰お♡我ながら地味で効きそうなオリチャーですね。他の走者みてーに派手にオリチャーしてーなー俺もなー。やっぱいいわ(掌クルルヤック)
さてと………逃げるなツインターボ!!!逃げるなァァァァ!!!(逃げ馬です)この彗速走行型から逃げられるかと思うなよ!
114.514秒後
全然見つかんねぇんだけど?!何処に行ったんですかねぇ?!龍門全域を空から見渡した筈なんですけど……妙だな?えぇい仕方が無い、もう少しでクラウンスレイヤー姉貴のイベントが始まりますし、もしかしたら霧のせいで見落とした可能性が微レ存です。あそこにある霧の中に侵入しつつ、クラスレイベントを回収しましょう。イクゾー!(デッデッデデデデッカーン)
龍門スラム区画のとある場所
そこは、他のスラム区画とは違っていた。その区画の殆どを霧が覆い、まるで一つのテリトリーだと主張せんばかりに目立っている。
そしてその中では一人のレユニオン幹部と、二人のロドスオペレーターが対峙していた。
「霧……いや、本質は煙と言うべきか。口腔内の発煙器官を使い、神経伝達によって煙を起こしている。確かに感染器官を上手く利用した特殊なアーツだ」
「いつまで無駄話を……本当に救いの無い奴だな。あまりの恐ろしさに口以外は動かなくなったか?」
レユニオンの幹部、クラウンスレイヤーは目の前に佇むケルシーを煽りながらナイフを構え、霧の中へ姿を溶け込ませる。
「どうして私の父を裏切った?どうして科学者達を裏切った?どうして!……私に教えろ、ケルシー先生!」
虚空から響くクラウンスレイヤーの怒号に、ケルシー先生はフゥッと短く息を吐く。
「リュドミラ、私はたまたま逃げ延びただけだ」
「お前の作り話を信じるとでも?」
「フッ、君の父は『正当と正義』を君に読ませた事があるだろう?」
「―――!」
「5歳の君にそんなものを読ませるとは……イリヤは本当に、非常識な奴だったな」
そう言って、ケルシー先生はクラウンスレイヤーの父について話し出す。だが、ケルシー先生にとって話せる真実を口にしているのだろうが、クラウンスレイヤーの怒りは溜まっていくばかりだ。
あぁ、もう我慢できない。この無駄話しか叩かない女をバラそう。霧に溶け込み、今なら姿が見えていない筈だ。その首を跳ね飛ばす。と、彼女はナイフを持つ手に力をいれる。
「リュドミラ、もし君が私を裏切り者と決めつけ、殺したいと思うのならそうするといい。ただし、暴力と言う修羅の道を歩むのなら、いずれ必ず君以上の実力を持つ存在に遭遇する事になる」
(でももし君がそのナイフで俺達を殺しに来たら……ね?君ならわかるだろう?つまりそう言う訳さ)
ケルシーの言葉を聞き、不意にそんな言葉を思い出す。が、関係ない。今は目の前の女を滅茶苦茶に殺さなければ。
「はは……それだけか!もっと虚勢を張ってみろ!どんな術師でもこの濃霧は見破れない。私の位置を見抜くなど不可能だ!………酷い死に方をさせてやる。メチャクチャに殺してやる」
クラウンスレイヤーの殺意を感じ取り、ケルシーの隣で戦闘態勢をとるレッドは威嚇音を洩らす。
「あの科学者達のために、感染者のために、お前を殺してやる!ウルサスに飼われた悪魔め!クズめ!」
クラウンスレイヤーはナイフを構え、ケルシー先生の喉を確実に掻き斬れるポジションへ移動、標的を見据える。
その瞬間、見えない筈のケルシーが視線を合わせた様な気がした。クラウンスレイヤーはピタリと固まり、無意識に冷や汗を流す。
「私が術師に見えるか?確かに感染者ではあるがな……」
そう言うと、彼女は首の後ろへと両手を回し、セミロングな後ろ髪を優しく持ち上げる。
「来い、mon3tr」
その言葉を合図に、ケルシー先生のうなじ辺りが不気味に蠢きだす。ソレは次第に激しくなり皮膚が隆起する。まるで何かが産まれて来ると言わんばかりの不気味な光景に、クラウンスレイヤーは言葉を失う。
そして、ソレはケルシー先生の皮膚を突き破りながら現れ、皮膚片と少量の血液を撒き散らしながら産声を上げた。
自身の理解の範疇を超えた光景を見たクラウンスレイヤーはフリーズし、徐々に何が起こったのかを理解する。
そして吐いた。彼女には刺激が強すぎた様だ。
「どうやら君は霧の影響を受けない様だな。ではこれが見えるだろう」
「うグッ!?う、おゔェっ!………何なんだよ、お前は何なんだ………!お前は、一体!ソレは何なんだ!」
「私は術師では無い。アーツに頼った事など今まで一度も無い………行け、mon3tr」
『(軽快な鳴き声)』
次の瞬間には、クラウンスレイヤーの体は近くの壁へ打ち付けられていた。突然の事にクラウンスレイヤーは何も出来なかった。衝撃によって肺の空気が抜け、口の中に鉄の味が広がる。
「うぐっ、ガハッゴホッ!何なんだコイツは……どうなって―――ヒッ」
痛みを耐えながら立ち上がろうとしたクラウンスレイヤーの目の前にmon3trが現れ、下側の両腕で胴体を掴み持ち上げる。
「うぁぁぁ!?やめろ、放せ!放してくれっ!クソっ!」
ナイフを力任せに振り我武者羅にmon3trへ攻撃を加えるが、甲高い音と共に弾かれ欠けていく刃が現実を物語っていた。次第にクラウンスレイヤーの顔が恐怖に染まって行く。
怪物は、目の前の獲物を見て小さく嘲笑い声を上げた。
「どうして、どうして貫けないんだ?!やめろっ!私に触れるな!触れるなよぉ……!」
「………消し去れ」
ケルシーの言葉を聞いたmon3trは、喜々として上側の両腕を振り上げて恐怖に染まり切った顔へと狙いを定める。
「うわああぁぁぁ!!!」
そしてmon3trの両腕がクラウンスレイヤーを貫く事は無かった。それどころか振り抜く事すらもしなかった……いや、出来なかった。
何故なら、元々ケルシー先生にクラウンスレイヤーを殺そうとする意思は無く、本来であればクラウンスレイヤーの頭上に落ちてくる筈の瓦礫が落ちて来なかったから。
ただ代わりに、クラウンスレイヤーが発する霧よりも更に濃い濃霧が降り注いだからだ。
「くっ―――なんだ?何が起きた?レッド、mon3tr、無事か?」
「……レッドは、無事」
突然降り注いだ自身の下半身すら見えなくなる程の濃霧の中、ケルシー先生は自身の味方の居場所と安否を確認すべく声を上げる。レッドからの返答は直ぐに来た。だが、mon3tr特有の鳴き声が聞こえない。
「レッド、視覚を頼るな。私の匂いを辿ってついて来てくれ」
「わかった」
「よし……………さて、この霧はクラウンスレイヤーのアーツ……いや違う、この霧は上から降ってきた。兎も角、mon3trを呼び戻さなくては」
ケルシー先生とmon3trは精神的に繋がっている為、おおよその位置を把握する事が出来る。mon3trはまだ死んでいないし、すぐ目の前にいる事もケルシーはわかっていた。だがこの状況だ。ケルシー先生の声に反応しないのも相まって、相当異常な事が起こっていると確信しながら、彼女はmon3trがいる方向へ少しずつ歩いて向かう。
一歩、そしてまた一歩と歩き、おそらく直ぐ近くまでやって来たケルシー先生は、もう一度呼び掛ける。
「mon3tr、無事なら返事をしろ!」
『(苦しむ様な鳴き声)』
「そこか!」
鳴き声が聞こえた方向へ霧を払いながら進んでいく。そして見つけた。黒い歪な影を見つけた。
「mon3tr!」
見つけた。
「―――」
目玉が覗いていた。
何かを見つけた。
体を見つけた。
その巨体を見つけた。
紫の歪を見つけた。
この世ならざるものを見つけた。
押し潰されたmon3trを見つけた。
モンスターが彼女を覗いていた。
ドーモ、ホモ=サン。失速気味な走者デス。
取り敢えずさ、ケルシー先生って話長いですね(イベント読みながら)長いですね(6章読み返しながら)長いですねぇ!(小説書きながら)
と言う理由で、少しばかりセリフをカットしました。全部載せたら文字数が大変な事になるからね、しょうが無いね。
そういや、走者は13日の原神と15日のアクナイ収穫祭と19日のスマブラが待ち遠しです。特にスマブラはやっと好きなキャラが来るのでマジで待ち遠しいです。禁断症状ガガガガガガ。
あとアクナイR-18小説のネタが何故か思い浮かびました。
ではまた次回、サラダバー!