アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
「………なぁアンタら、大人しく退いてくれないか」
あのポンコツに指示された場所へと向かった俺達。そこにはまぁ、案の定と言うか、さっき相対したスノーデビル小隊とやらが多数待ち構えていた。
俺は後ろで戦闘態勢を取った仲間達に静止を促し、一歩前へ出る。
「俺がお前らにそう言ったら、お前らは応じてくれるのか?」
「………」
「そういう事だ。まぁお前らが良ければだが、親玉がいる所に連れてってくれないか?スノーデビル小隊さんよ」
「ッテメェ!」
「待て」
「ですが!」
「……まぁ落ち着けよ。俺達はお前らレユニオンを皆殺しにしようとか思っちゃいねぇからな?」
つっても、こっちもこっちで無力化の為に武力行使したのは事実だ。信じられねぇってのも無理はねぇ。でもコイツらわりかし話わかる奴らだし、穏便に済ませられねぇかなぁ………
「悪いな方舟。俺達は姐さんを守らなきゃなんねぇんだ。例えお前らでも譲らねぇ。この先に行きたいってんなら押し通りな」
…………ハァァァァァァァァ(クソデカ溜息)
「何かしら組織に属する感染者ってのは、ロドスの奴ら然り、お前ら然りさぁ……どうしてこうも頑固なんだよ」
『ヘイ嬢ちゃん!その黒いので龍門をランデブーしながらお話ししない?』
そう発声した直後に飛んできた源石塊をスパークウォールで防ぐと、試作義体は乾いた嗤い声を発声しながら少女を見上げる。
『おっと悪い悪い!お前が義務教育を受けていない事を考慮しとくべきだったわガハハッ!』
「―――」
その一言によって少女の顔がヤバいくらい殺気に満ちたものに変わったのだが、このホモはどうやら気づいて……いや、そうなるとわかっていながら発声した可能性が高い。多分今のホモに顔があれば満面の笑みをしている事であろう。
対して少女は、馬鹿にされた事は理解したようだ。まぁ割とキレやすい女みたいだし、仕方ないね。赤の他人である自分の記憶が価値観そのものである少女にとって、ソレを否定する目の前のホモは存在するだけで彼女を不快にさせているのもプラスでだ。
少女は源石ゴーレムの肩から近くの瓦礫の山に降りると、少女らしからぬ形相でホモを睨みつける。
「バーサーカー!あいつを殺してッ!」
『■■■■■!!!!』
少女の命令に反応した源石ゴーレムは金属が擦れる様な咆哮を上げると、その巨体に似合わぬ速度でホモへと接近する。
『……アッ、やっべぇ』
対してそんなホモは悠長に片腕に表示されているスパークウォールのエネルギーチャージ中の文字を見て焦った様な音声を発すると、初めて背中に背負っていたトランクをまるで剣を扱うかの様に構え、高速で繰り出される源石ゴーレムの殴打を真正面から受け止めた。
物凄い音が響き渡ると共に、彼の足は地面を砕きながら斜め下へと沈み、衝撃はホモの後ろの地面と建物を吹き飛ばす。が、3m近くある源石ゴーレムの拳を真正面から受けたにも関わらず、ほぼ動くことなく防ぎ切ったホモは流石人に非ずと言った所か。
すると、ゴーレムの腕がバキバキと音を立てて変形し、複数の細い腕を生成した。そしてその腕がバキッと曲がりホモの頭と上半身をガッチリと抑え込む。
『ちょっ――』
『■■■■■!!!』
これにはホモもビックリである。
咆哮を上げたゴーレムは、振り返りざまにホモを掴んだ腕を振り上げ、小さなクレーターが出来るレベルの力で勢い良く叩きつけた。それも複数回。
そして何回か叩きつけた後に地面に擦りつけながら半回転し、その勢いを乗せてホモを投げ飛ばす。超スピード?!で飛翔するホモは複数の建物を突き破り、10を超えた辺りでやっと建物に激突した。
更に追い打ちと言わんばかりに跳躍したゴーレムがその建物ごと拳でブチ破り、巨大なクレーターを作った。親方!空からゴーレムが!とかそんな事を言ってる暇は無い。と言うか美少女が降ってきて欲しいです(切実)
少しすると、建物の崩壊によって発生した煙の中から何かが飛び出した。ホモである。が、続いてゴーレムも煙から飛び出し、直ぐにホモに追いつく。
そしてその拳で地面へホモを叩きつけようとした瞬間、巨大なトランクであろうことか拳をいなされ、そのトランクによる殴打で少女のいる方向へと逆に吹き飛ばされた。
「嘘っ?!」
飛来してくるゴーレムを見て驚愕した少女の付近へゴーレムが着弾し、少しして離れた所にホモが着地する。それと同時に跳ね起きたゴーレムが接近し、腕を無骨な大剣の様に変形させて振り下ろした。ホモもまたソレをトランクで防ぐ。
『ンンンン素晴らしい!まさかとは思うが自律してる上に学習までしてんのかこの石野郎?!』
「チッ!やっちゃえ!バーサーカー!」
『■■■■■!!!』
『させぬゾ』
そう発声すると、ホモは攻撃を防いだ状態でトランクの持ち手部分を押し込んだ。
『キャストオフ』
《CAST OFF》
「ッ!駄目!離れてッ!」
その瞬間、電子音と共にトランクの表面にラインが走り、それぞれのパーツがガシャっと出っ張った。
その光景を見た少女はゴーレムに命令をする。そしてゴーレムが離れ、少女の前で防御態勢を取ろうとしたと同時に、トランクの表面が2000km/hの速度でパージし、ゴーレムの表面装甲を大きく砕いた。
「一体何なの?!」
『何なのと聞かれたら、答えてあげるのが世の情け……つってもまぁ、剣を鞘から出しただけじゃが』
「ハァ?!アンタ頭イカれてんじゃないの?!アレの何処が鞘から出したって言うのよ!」
『頭イカれてんじゃ云々はお前に言われとう無いが?!』
トランクの下から現れたものはホモの言う通り剣だ。ただ、見た目はフィクションに出て来る様なゴテゴテしたものでは無く、かと言って勝利を約束してくれる星の聖剣の様なシンプル故の膨大な神秘性がある訳でも無い。刃の部分が白く、それ以外の殆どが黒塗りになっている、何処からどう見ても長方形にしか見えない大剣だった。柄も峰に埋まってるタイプで、本当にほぼ長方形のThe無骨である。因みに刃の部分は下側だけで無く尖端側にもあり、尖端側はちょっと斜めにはなっているが、些細な事だろう。
「調子に乗るなよ人形風情が!私のバーサーカーは負けないんだから!」
『■■■◼!』
また咆哮を上げたゴーレムは地面を蹴ってホモに肉薄すると、大剣の腕を使って逆袈裟斬り…に見せかけた袈裟斬りを仕掛ける。
『あ、マジ?負けとか知らないので?』
そんな間抜けた音声を発しながらその攻撃を避けると、身の丈程もある長方形の大剣を片手で軽々と回しながら構え……
『じゃあ今日が初負け記念日だ。盛大に祝おうじゃあないか』
大剣の形をした腕ごと、ゴーレムの体を真っ二つに叩き割った。
崩れ落ちるゴーレムを唖然と見つめる少女を前に、義体は半分になったゴーレムの間を一歩踏み出しながら、少女に向かって音声を発する。
『なぁに、痛くはしないさ・・・ワタシノ手ヲ・取ルダケデ・イイノデスカラ>』
ガァン!……と、凍りついた下層フロアに小気味よい音が一定の間隔で響き渡る。
そして、柱に背を預けて座っているフロストノヴァの視線の先にある非常口の扉が蹴破られ、そこから霜だらけの男が出て来た。
「………ロドス…いや、方舟か」
「あぁそうだ……そういうお前はフロストノヴァだな?」
エレキはそう言いながら白い息を吐く。
「にしても、幾ら何でも寒過ぎないか?見てみろ、動きづらいったらありゃしない」
彼はフロストノヴァに、自身の凍りついた装備を見せびらかした。ソレを見たフロストノヴァは、彼を見つめながらゆっくりと立ち上がる。
「だがお前は、碌な防寒対策も無く一人でここまでやって来たのだろう?大した男だ」
「それ程でもねぇよ。殆どこのアーツ攻撃をある程度防いでくれる服のお陰だ。俺自身は空気の振動で冷気を弾く事しかしてない。見ての通り防ぎきれて無いけどな」
それに、とエレキは服の霜を落としながら言葉を続ける。
「最初から最後まで一人じゃないさ。まぁ今はお前の仲間と鍋でも囲んでるだろうが」
その言葉を"そう言う意味"を茶化したものであると解釈したフロストノヴァは、静かにアーツを発動させ、左右に鋭く尖った氷塊を出現させる。
「おい待て、せめて話ぐらい聞け」
「聞いてどうする?聞いたとして、お前はソレを証明出来るのか?」
「あぁクッソ……!兎も角!俺は殺りあうつもりはねぇ!」
そう言いながら両手を勢い良く上げるエレキ。そして、あろう事か手に持っていた自身のアーツユニットを勢い良く投げ捨てたのだ。コレにはフロストノヴァも驚いた表情を浮かべる。
「これでどうよ?流石に無抵抗の感染者を攻撃するってのはどうかと思うぜ?」
「…………なら何故お前は、私の前に一人で来た。どうしてお前達方舟は、レユニオンの前に立ちはだかる」
「何故も何も、何時も言ってるじゃねぇか」
エレキは白い息を吐いた後、冷たい空気を勢い良く吸い込み、フロストノヴァを見据える。
「俺達は、お前らレユニオンを、感染者を助ける為にここにいるんだ」
いよいよ6章クライマックスです。それとお気に入り500を達成しました!こんな文章構成その他ガバガバガバルドンダイマックスな作品を見てくれている読者兄貴姉貴達には感謝感激流星一条です。これからもこのガバガバRTA小説をよろしくお願いします。
では、私はパニシングが広がる世界でヨルハ動かしてきます。また次回!サラダバー!