アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
チェルノボーグ、封鎖層前
そこは最早、大勢の人間が入り混じり混沌と化していた。金属のぶつかり合う音が絶えず、砲弾と様々なアーツが飛び交い、その中で一際目立つ、復帰したロスモンティスの操る4枚のホモ都市製シールド(実は2枚連結させたのを使ってるので実質8枚)と、アビサルハンターに千切っては投げ千切っては投げられ空を舞うウルサス兵達。実に南無三である。正式な大部隊での1対多なら兎も角、多対多の中での遊撃アビサルハンターを仕留めるのは無理やて。
『私達が急いで来る必要はあまり無かったな?いや勿論来るに越した事は無いが』
「決めつけるのは、まだ、早い。戦場は、常に、移ろい、変わりゆく、ものだ」
そんな光景を最後尾で見ている1人と1機。漢の友情(チートスペックフル活用と巨戟槍の殴り合い)を終えた後、ドローンによってここまで運ばれ、2人ともスーパーヒーロー着地で派手な登場をした。勿論それぞれの部隊のやる気が上がった。攻撃力+80%、防御力+50%(永続)
が、この戦況である。正直言って戦力過多、頑張ってるウルサス兵達が可哀想になってくるレベルでボコボコであった。勿論ホモもここからの逆転劇は想定されているのでヤクザ座りでスタンバってはいるが、悠長に修復用のドローンで義体を直している。
『私は体が直り次第タルラの元へ行くが、貴方はどうする?』
ヤクザ座りのまま、大炎上している中枢区画の奥を親指で指すホモ。
「………私は、ここに残ろう。この、戦場と呼ぶには、些か、酷い状況を、放ってはおけぬ。纏める者が、必要だ」
『ん、おかのした。じゃあ少し手伝ってから行くとしますかね。少し試したい事があったし』
ホモは返事をしながら、思考回路を動かす。方舟、ロドス、遊撃隊を含めたパトリオット側のレユニオンをピックアップし、全員の後頭部に赤色のALケーブルを突き刺す。そのALケーブルの束を
「む、これは…」
『仕組みは言えないが、コレで貴方は戦況の把握がしやすくなり、貴方に味方する全員に声が届く様になった。使い方は頭に入れといたから、まぁ上手く使ってくれ』
「あぁ、感謝、する」
修復が終わる。立ち上がったホモは両手足、頭、体の拘束用源石回路の動作確認をする。
「黄色い、刀身も、あるのか」
『ん?あぁ、コレはタルラを助ける為だけの剣さ』
「…出来るのか、タルラを、アレから、解放することを」
『貴方が想像してるのより随分と強引にだがね。まぁ、抜き取った後のタルラの事は、彼女の妹とロドスのCEOに任せる他ないのだが。ほら、私機械だから人の心わかんねぇし』
「………」
そう言いながら、点検が終わったホモはスッと中枢区画の奥へ向かって走り……出す前に振り返る。
『あ、そうそう』
「む、なんだ」
『ここの戦いが終わったら直ぐにみんなをチェルノボーグから退却させてくれ。それと、この都市壊すかもしれねぇから先謝っとくわね。ごめんさい』
そう言って今度こそ、中枢区画の奥へと向かっていった。返事をさせてくれなかったホモを見送るパトリオットは、最後の謝罪はつまりチェルノボーグは壊れるのだなと思いながら、ALケーブルを使って激励を響かせながら戦場へ足を踏み入れるのであった。
黒蛇を蒲焼きにするRTAはーじまーるよー!
前回のあらすアツゥイ!
熱いですねぇ、コレは熱い。どうやら私が到着する前にタルラ第一形態はNPC2人で終わった感じですかね。ウソ、CEOとチェンチェン強すぎ?!
まぁアーミヤ超強化チャートなるものも存在しますしお寿司。というかタルラ第一形態はアーミヤかチェン隊長のパフォーマンスが余程崩れてなければ2人だけで突破は可能なんですよね。流石に不死の黒蛇になるとアーミヤ達を操作するかオリキャラでサポートしないとおっ死ぬ可能性もあるんですが。
とりま彼女らの元へ着くまでにハイゼンさんに連絡をば。もしもし?ドナルドです(オワピ)2体目の義体の方は……出来た?よっしゃ!それでこそ漢や!それじゃあその義体の輸送、チェルノボーグのこの座標の上空で待機させといて下さい。
さぁてそうこうしてる間に到着です。やっぱり熱いですね。ですが中枢区画がこんだけ燃えているという事はアーミヤが前衛になった可能性が微レ存…してましたね(即落ち)お ま た せ 待った?(淫夢錬金術師)
「……また、お前か」
「イモータルさん?!来てくださったんですね!」
「イモータルだと?!」
ポデンコ^〜(気さくな挨拶)一応聞きますがアーミヤちゃんはその剣どうしたの?(知らないフリ)チェン隊長とペアルックとはたまけだなぁ。まぁ今はアーミヤちゃんが剣持ってるとかそういうのはどうでも良くて……オッスタルラ!元気してるか〜?
「黙れ、喋るな。お前の声は虫酸が走る」
嫌われようがリミットカットしてて涙がで、出ますよ。まぁ機械だから出ないんですけどねタルラさん。
「この状況でそんな態度が出来るなんて、本当にどうかしている」
「チェンさん、そこまで言うのは……」
なぁにこう言う時こそスマイルです。相手の術中にハマってたりしている時こそ、笑顔を絶やさずニッコニッコニーすれば悪役は機嫌を悪くし、墓穴をほじくり返します。その瞬間があ^〜たまらねぇぜ。悪役には揚げ足を取るに限る(最低)
「はぁ……だが、そこまで行くと逆に頼もしさを感じるよ」
お、そうだな(適当)
「お前1人増えた所で、何が出来ると……いや、お前はそこの魔王にボジョカスティを押し付けられたそうだな」
「な、ちがっ――」
「そしてここにいると言う事は、お前はあのボジョカスティを殺したのだろう?彼と対峙したとなれば結末は決まっている。生と死の、どちらかが与えられるだけだ。教えてくれ、お前は彼に、どんな死を与えたのだ?彼はどんな死に方を受け入れたのだ?」
しょうがねぇなぁ、教えて欲しけりゃ教えてやるよオルルァン!!
まぁ、友好的な関係になったとでも言っておきましょうか。流石に気安く友達などと呼べる関係までは無いでしょうが……いや、仲間になった時に好感度見たら114%だったからなぁ…うっそだぁ、そんな事あるわけないじゃんアゼルバイジャン。
でもまぁ、彼なら司令塔のすぐ下で感染者の為に戦っていますよ。貴方の元に居た時ですら成し得なかった感染者の為の戦いというのを、存分に遂行している筈です。
「なん…だと……?」
よっこい庄一(キーボード用意)まったく、お前の様なのは直ぐに殺すだの死ぬだの言うのがやっぱ好きなんっスね〜。それでもウルサス人を本当に愛しているのでしょうか、コレガワカラナイ。ボジョカスティだって立派なウルサス人なんですよ、おかわり?
「まて、なんでそこで愛が出てくる。コイツがそんな感情を持っているように見えないが?」
あ、まだタルラが熱で黙らせて無いから正体はシコチェイとしか知らなかったっすねチェンさん。実はね、コイツは自国愛の為に何千年も生き続けている超絶未練タラタラ野郎だった!正体見たりって感じだな。因みに名前は不死の黒蛇って言うんですけど。
「不死の黒蛇……」
「不死の、黒蛇――!」
「お前!何故それを――ッ!」
おぉっと温度を上げるのは無しですねぇ!恐ろしく自然なアーツ発動の構え…私は見逃さなかったので痛覚残留弾で防がせて貰いますね。顔がわかり易く苛ついてるの良いですねぇ!モノホンのタルちゃんは笑顔と絶望顔しか浮かべない上に語尾にたるってつけるのでこのタルラは紛れもなく不死の黒蛇。
「アーミヤ、奴の言っている事は……」
「本当です。ですが何故、コシチェイが黒蛇だと分かったのでしょうか?」
「さぁな。どうせ教えてはくれないだろう」
そこのお二人、さっきから私の事コソコソ話してるだろ(地獄耳)
さて、不死の黒蛇の愛がにわかだとわかってしまった訳ですがね、うんうん……それ以上ほざくとその縫い針みてぇな体叩き折るぞ。ウルサスの証人だかなんだか知りませんが、犠牲を出した救済を比較に出されても、その程度だとしか思えませんねぇ!それともこう言いましょうか……お前の目に写る広大な土地や泣き叫ぶ人民を、全員救う事が出来ましたか?
「何を馬鹿な世迷い言を。目に写る全ての命を救うだと?才能の無い冗談だ。そもそも、この大地で何かを成すには代価が必要だ。人民を救うとは、それこそ命の代価が無くては成せぬ。私もお前に問うてやろう。お前の方こそ、この大地で悲鳴を上げる命を、余す事無く救えているのか?」
救えてねぇよ悪かったなァ!!!
「フッ…」
「えぇ……」(困惑)
「ッお前!例え真実だとしてもそこで素直に認めるバカがあるかァ!!!」
うるせぇ!私も認めたく無い!ミトメタクナァイ!(ハロ)ですが事実は事実。こうしている今も、私の目の届かぬ所、私の手の届かぬ所で多くの感染者が命を落としている筈です。悲しい…悲しくない?私は悲しい(ポロロン)
「フン、所詮お前も――」
いやまぁ、お前と違って目に写ってる人間は問答無用で全員助けてきたからな黒蛇さん。
「………」
「よしいいぞイモータル!その調子で黒蛇とやらを喋らせるなよ!」
「チェンさん…?!」
よくわかってんねぇ!初めて気があったな(言う程)
さて、今私とお前の所業を同列に語ろうとしたな?甘いですねぇ!チョコラテの様に甘い!確かに、大勢の人を救う為に最小の犠牲を払う奴と、なんの犠牲も無しに数人を救う奴を見て、どちらが輝いて見えるかと言われたら…前者でしょう。よく考えない子供とかはそんな英雄に憧れるでしょうね。
ではそこのお二人さん、どっちが正しいと思いますか?
「……突然問われたかと思えば、随分と要領が曖昧な問を…だがそうだな、あえて答えるとすれば――」
「貴方が言うその正しさが、もしも命を救う過程や手段を問うているのなら――」
「「断然後者だ」です!」
KO!(完全勝利UC)WINNER!!!私の勝ち(キン!)なんで負けたか(キィン!)次の夜まで考えといて下さい(コカァン!)
まぁ考えるまでもありませんがね。ソレに、私は後者が数人しか助けれないといった風に言いましたが……私は犠牲を出さずに大勢を救うことが出来ます。つまり貴方の完全上位互換と言っても過言!(過言)
所詮、概念的な存在でありながら人間の様な選択肢しか選べない変温動物みたいな野郎です。人間に取り憑かなきゃ何も出来ないのだから当然ですね。それと、タルラの体を使って虎の威を借る狐状態はそろそろ終わりですかね?幾ら依代の顔で残酷冷血ぶっても、変温動物に例えられる奴に威厳もへったくれもありませんし、やる事なす事も傍迷惑極まりない。そんなにウルサスを愛してウルサスそのものを再繁栄させたいなら、学校でも作って地道に後進育成すれば良いじゃないですか。頭に来ますよ〜。お前もうシネ(直球)変温動物らしく凍えてお陀仏して諸手。あっそうだ(唐突)この辺にぃ、
「もういい、お前を殺す」
「アツッ?!」
「周囲の温度が急に?!」
「あぁ、無駄、無駄だった。お前との話は無駄の極みだった。お前の様なエゴの塊をこれ以上生かしはしない。エゴと口先に塗れた最低最悪の理想論者め。自分の行いを正義と疑わず、他者に死を促すお前を、この私が…ウルサスの化身たる私が始末する」
口先だけ?ノンノンノン!拳も使うんですよぉ!(ヤニカス)先ずこの右手でお前を黙らせる事が出来ます。そしてこの左手で貴女を助ける事が出来ます。ていうか他者に死をってお前バカァ?!お前人間じゃないじゃんアゼルバイジャン。つまりそういうことだね。
そして、黒蛇のつまらぬ長話をカットする為に、こんな煽り文を入力する必要があったんですね。さぁ2人とも!私達の理想を証明しましょう!
「あ、あぁ……なぁアーミヤ、コイツの――」
「チェンさん…今は黒蛇を倒しましょう」
「……そうだな。赤霄!」
「抜刀!」
というわけで、不死の黒蛇戦スタートです。アーミヤがあのバカと脳内会話してるついでに解説もしましょう。
開始時、黒蛇との距離は一定以上離れている為、黒蛇は必ず炎の斬撃を飛ばして来るので、避けつつ接近しましょう。近接攻撃は広範囲ですが全て大振りなので御弾き安定です。点火、及び起爆はプレイヤーの中心に起爆予告が現れてしつこく追尾しますが、起爆する時に追尾を止めるので横回避で対処出来ます。そして今回の戦闘では、アーミヤとチェン隊長が一緒に戦ってくれますが、彼女達では黒蛇を怯ませる事は出来ません。ちゃーんと自身でノックバック受付時間をついて怯ませて上げましょう。二人は火力も十二分にある為、痛覚残留の様なダウンゲージ武器と役割分担出来てウマ味なんです。じゃあ死ね!
「チッ!」
ダウンゲージを攻撃しつつ打ち上げ、適度にコンボで怯ませながら二人の攻撃を当てやすくします。イバラビームで位置調整をしながら一緒に袋叩きです。ホラホラホラ!キモティか?キモティだろ?
「舐めるな!」
「つッ!」
「くぅっ!」
反撃値による強制反撃です。カスが効かねぇんだよ(御弾き)コイツ炎の斬撃や点火、起爆以外が大振り過ぎなんです。炎による広範囲攻撃に頼り切ってる証拠だよ。火耐性さえありゃただのクソ雑魚攻撃なんですねぇ!御弾きによるダウンゲージがモリモリの森長可(激寒ギャグ)
巻き込みダメージを食らわせない様に二人にリフレク撒きながら弾いて弾いて…捕まえ……たァ!もう逃さねぇからなぁ?オラッ攻撃!攻撃!イバラビーム!からの攻撃!(攻撃おじさん)テメェの攻撃モーションはもう見飽きたんだよ!コチとら何回お前とやり合っとると思う?130回や(射殺せ)そしてついでにチェン隊長とアーミヤがどう動いてくれるのかもわかっています。この意味がわかるか?
たった数回の攻撃ターンでダウンゲージを全損出来るという事です。
「なん……だとッ…?!」
「チェンさん!私が合わせます!」
「了解だ!赤霄!」
「影霄……」
「「絶影!」」
不死の黒蛇戦での専用致命演出気持ち良すぎるだろ!アーミヤとチェン隊長による絶影の共同作業…ホンヘの八章を乗り越えた兄貴姉貴達の中にも一度コレをやった方は絶対にいるでしょう。プレイヤーのロマンをこういう形で再現してくれるハイグリはファンサの何たるかを心得ていますねぇ(感嘆)
まぁ、一度目は最後の一撃を外してしまうんですがね。
「消えた?!」
「クソッ!何処へ消えた?!出て来いこの卑怯者!」
「……ッ!二人とも、アレを!」
「何っ?!」
はい、言わずともわかるアレです(鎮まぬ悪炎)この悪足掻きがよぉ!なんでフィールドギミックとか言う時間稼ぎを使ってんだよ!教えはどうなってんだ教えは!
こうなったらノーダメで生還するしかねぇよなぁ?
「一応聞いておくが、何をするつもりだ…?」
見たけりゃ見せてやるよ。
先ずはリフレクを二人に張って保険をかけておきます。後は悪炎の当たり判定に合わせる様に物理攻撃を当ててリズムゲームの始まりや。
「うわぁ……」
アイスストーム!ダイヤキュート!フレイムダムド!ジュゲム!ばっよえ〜ん!ばっよえ〜ん!ばっよえ〜ん!
これ異様に長くて暇なんですよね。しかもコレがもう一回あるってマジ?害悪過ぎるだろ。パトリオットより弱いくせによぉ(直球)皆さんがやってたゲームでラスボスより道中ボスの方が強かった経験ってあります?私はガスコイン神父(隙自語)
そろそろ痛覚残留弾をチャージしときますか。チャージしながら残りを纏めてホームランやで!
オラ喰らえ!ドカベンバット!姫川友紀バット!りんごろうバット!オルガバット!そしてコレが、モノを殺すと言う事だ……メルヘェン!ゲットォォ!!!!!
「改めて見ても…凄いなお前は」
おホモは強くなくっちゃね。
「黒蛇が姿を現しました!」
「よし、今度こそ仕留めるぞ!」
第二ラウンドです。先ずはドアップカメラ演出で格好良く復活した感じの黒蛇にチャージした痛覚残留弾のビームをブっ放しましょう。ホンヘと違って無敵は無いからね、起き攻めも致し方なし。コレも葦名の為…(弦一郎)コレでビームが途切れるまで怯み続ける上にチェン隊長とアーミヤが容赦なく追撃してくれるのでHP2割とダウンゲージ4割を持っていけます。やっぱ弱ぇや。
さて、第二形態である狂化状態ですが、解説する所と言えば攻撃力、最大HP、最大ダウンゲージ量の増加、通常攻撃範囲の拡大……以上!追加モーションはエネルギー聚合体の設置だけェ!でもはい、見ての通りエネルギー聚合体を設置する前に削れるんですわ。つまり第一形態と対処法はほぼ同じという事です。
それじゃあパパッとやって終わり!絶影!!解散!!!
「……巫山戯るな…あってたまるものか、この様な結末が…!あってたまるものか!」
『………』
痛覚の蓄積とチェン、アーミヤの二人による斬撃で膝を付く黒蛇。こんな筈は無い、東洋龍と魔王の二人ならば、この私が負ける筈は無かった筈だと、あったかもしれない想像を無様にもしているのだろうか。ただコレだけはわかる、このテラにホモが居るというただ一点の違いが起こした結末が、怨霊をここまで不快にさせている。
元々、チェルノボーグ事変の時に相対した時点で、自身と相性が悪いと薄々察していただろうに。一方的な暴言と完膚なきまでの敗北で、心くらいは折れてると嬉しいものである。
「ハァ、ハァ…だが……フフッ、この体から、私を追い出したいか?ならば、どうぞお好きな様に」
「その態度、なんの皮肉だ?」
「魔王よ、何故口を開かない?私を彼女の体から追い出す事など、お前たちなら…お前なら……出来るだろう?」
「………」
会話が始まった。邪魔にならないように後ろへ下がる。
「彼女を裁くのと私を裁くのでは何が違う?全てが私の犯した罪ではないのか?魔王よ、答えろ」
「その通りです、コシチェイ。もし彼女が全く望んでいなかったのであれば、貴方にこの様な事は出来ませんでした」
「………」
「貴方の考えは……ソレが捻じ曲げられていようが、ソレは確かにタルラ本人によるものです」
魔王の言葉を聞いた黒蛇が立ち上がりながら嗤い、タルラの首へ刃を突きつける。チェンが声を荒らげ、魔王は人間らしく動揺する。丁度いい感じだ。この展開は何度やっても大きく変わる事は無くて助かる。
わざと垂れ流していた気配を遮断…いや、気配の無い状態へ戻す。足音は響かず、衣擦れ音が聴覚に届くことはない。コレで賑やかにお話しをしている3人が、私を捉える事は出来ない。しようとも思わないだろう。だからタルラの背後へ足を運ぶ私に気づきもしない。まるで陰キャの様な存在だなコレは。だが逆に考えて欲しい、床掃除しているルンバがもし喧しい音を出さなかったとして……気づくだろうか、音を消して近づくルンバの存在に。つまりそういうことだね。
「私はただ彼女を教育しているだけだ。私が失敗したのは……未だ潰えぬ信念がもたらしたる結果だ」
哀れな黒蛇。幾らタルラの顔で妖艶に取り付くおうとも、言葉の節々から未だに傷を引き摺っているのがわかるぞ。
このバカ蛇が如何にウルサスや感染者の何たるかを小難しく話そうと、この一連の事件において関わった感染者がほぼ全て生きている事に変わりは無し。現にコイツの足元に敷かれる道だかなんだかの話は、チェンによって一蹴され、アーミヤが述べる生存の事実によって押し潰された。哀れな黒蛇。結局お前は、手段を選ばないという手段しか選べなかった。この世界の先民の様に。
………誰か来るな。5人…スパラディ、パトリオット、ダブチー。別の方からケルシーとドクターか。生き残った部隊は退避させ、二人だけこっちに来たのか……まぁいい。
ドクターといえば、今回のドクターは久しぶりの当たりだった。途中で記憶が戻るとか言うバグドクターばっかりだったからな。お陰でチャートが格段に安定した。色々工程を省くことが出来た。記憶の解凍も順調だ。コレならヴィクトリアから先のチャートと試走も出来るだろう。
「コシチェイ、貴方がチェンさんを殺そうとしているのは、タルラさんを完全に消す為ですね」
そろそろか。タルラの覚醒は果たされた。タルラの意識が表層へ現れ、ついでにバカの意識も押し出される。そこを狙う。
「ようやく着いた!」
「どうやらいいタイミングで着いたらしい」
「ちょっとアンタ!いつまで角持ってんのよ!離しなさい〜!」
「離すと思うか?この不審者め」
「アンタらの黒コートの方が変態でしょうが!」
「……タルラ、そこに、いるのか?」
……あのサルカズはなんで捕まってるんだ?スパラディは目がいいからな。どうせアイツらの周りをウロチョロしてたんだろ、知らんけど。
さて、それでは早速始めよう。左腕、炎国型拘束術式…展開。
「……おいイモータル、そこで何やってんだ?」
「「「「?!」」」」
本当に目がいいな。
「……ガッ―カハァッ?!」
左の掌から伸びる黄色の幻影剣を背中からタルラの胸辺りを串刺す。痛覚残留の青でも、パトリオットの角を切ったレーザーソードの赤でもない、黄色の刀身。
「お前!一体何をしている?!」
「チェンさん待って!」
「なっ、何を言ってるんだアーミヤ?!コレを見て何故――」
そんな堪能するつもりは無いからね。タルラの肩を掴み、刀身を引き抜く。だが刺した時とは違い、抵抗を感じる。まぁ問答無用で引き抜くんですけどね。ミチミチと音を立てながら、タルラの背中から黄色の刀身とソレに絡みついた黒い何かが姿を現す。
7人はその光景を絶句しながら見ていた。いや、一部は少し違うが…まぁ邪魔しなければどうでもいい。
刀身が完全に引き抜かれる。タルラは力が抜けたかの様に地面へ倒れようとしたので、取り敢えず襟首を掴んで支えた。
あぁいや、チェン隊長が向かって来たので投げ渡しておいた。彼女は咄嗟にキャッチしてから、改めて赤霄を私へ突きつける。
「一体なんのつもりだ?!」
『説明するとなると長くなるな』
取り敢えずコイツをどうにかしよう。黄色の刀身にまるで蛇の様に絡みつく黒いモノ。それらを頭部の、人で言うところの口がある部分へ持ってくる。
頭部、炎国型拘束術式…展開。
『頂きます』
グジュムシャァ
頭部が御伽噺にでも出てきそうな化け物の様な口に変形し、黄色い牙で刀身に絡みつく黒いモノを食い千切る。そして綺麗な黄色だけになった刀身を体へ戻し、頭部も戻し、最後に両手足と頭部の拘束用源石回路を胴体へ移動させ、匣を作る。
『不死の黒蛇、拘束完了』
そんな驚愕を極めた様な表情を作らなくてもいいじゃあないか。それにタルラは生きてる。そんだけ必死に抱えてたら、嫌でも鼓動か呼吸の音は聞こえるだろ。
「な――」
『な』
「何なんださっきから!本当に意味がわからんぞ?!」
『まぁ分からなくても無理はない。』
「あるに決まってるだろうが!」
「あの、貴方の言葉が正しければ、本当に黒蛇を拘束…したのですか?」
『あぁ、そうだ。飲み込みの早いCEOは好きだよ』
「アーミヤは渡さんぞ?!」
『そう言うなら早くヤれよドクター』
「あっスーッ」(フェードアウト)
まぁ本当に説明したいのだが、時間が押してるんだわ。
『まぁ拘束したと言ってもね、この術式、数ヶ月前に寄った炎国のを雰囲気で真似た上にアーツに落とし込んだからフルスペックには程遠いんだ』
「つまり、未完成の檻に蛇を閉じ込めたのか?そしてその檻は何時でも破られる危険性を孕んでいると?」
『正解だケルシー先生』
「欠陥じゃない!」
「なんでそう自慢気な雰囲気で居られるんだお前は」
それはそう。そういう性格だったからね、仕方ないね。
『まぁそういうことだから、貴方たちは早くチェルノボーグから退却しなって。最悪乗っ取られて攻撃するか――』
「ッ――?!」
右の掌から唐突に何かが発射され、チェンの頬を掠めながら着弾した。そのチェンの頬が微かに焦げているのと、着弾した地面の破壊からして、発射されたのはレーザー弾の方。
不味いな、予想より早い。
『スパラディ』
響くは撃鉄と爆発。いち早く反応したスパラディが爆発金槌の撃鉄を上げながら急接近し、薙ぎ払う様に振るわれた爆発金槌の衝撃と爆風で、義体は吹き飛ばされ壁に激突した。
「よし帰るぞ」
「タルラは、私が、預かろう」
「あ、あぁ…」
「ドクター早…く……」
「アーミヤ?!」
「不味いな、コレは」
さっきのホモの言葉と攻撃、そしてスパラディの行動と言葉でだいたいの状況は理解した皆は撤退を開始する中、アーミヤが突然気を失ってしまう。倒れるアーミヤを受け止めるドクター。そしてそんなアーミヤと、向こうで壁から出てきて掌をコチラへ向ける黒コートを見て、ケルシーは余り変わらない顔を珍しく険しくした。
「――来るか」
「Mon3tr」
「あぁもう!」
今度は掌からマシンガンの如くレーザー弾が乱射される。スパラディは教会の石槌で何発か殴り消すが、一瞬でお釈迦になってしまった。取り敢えず捨てた。残りはMon3trが頑丈さに任せて打ち消すお陰で後ろに届く事は無いが、時間の問題なのは目に見えて分かる感じだ。Wがグレネードランチャーで攻撃を一瞬だけでも中断出来ないかと撃ち込んでいるが、黒コートは気にもしていない。
「下がれW」
「うるっさいわね!アンタこそ下がって、そこのウサギちゃんを早く治しなさいよ!」
「くっ――!」
その瞬間、攻撃が止む。それと同時に不気味な笑い声が響き渡った。
『クッ…クククッ、フハハハハハッ!私をあれだけ罵っておいてこの体たらくか!タルラの末路を見ておいて、この私をよもや人の形をした匣に閉じ込めるなどと……アレはマヌケか何かか?』
「今、その声を、発しているのは……」
「黒蛇…!乗っ取ったのか!」
『私を舐めるなよ。私はウルサスが存在し続ける限り、何度でも蘇り、何度でもウルサスを高みへ導く。如何にお前たちが抗おうと、所詮先延ばしに過ぎない行為だと知るがいい』
黒蛇は義体の感触を確かめるかの様に掌を開いたり閉じたりした後、腰を少し落として両手を前に付き出した。
『少々動きづらいが、ある程度慣れた……丁度いいな。人を救うこの体で、私の愛するモノを救うとしよう。お前たちは纏めて、その為の礎となるがいい』
両掌にエネルギーが溜まる。そして次にどんな攻撃が来るのか、一緒に戦ったチェンはわかってしまった。痛覚残留だったので威力までは分からないが、あの規模のビームを片手で撃っていた。ソレが両手、しかも殺意マシマシのレーザービームとなれば、その結果は嫌でも想像出来てしまう。
だから彼女は皆に呼びかけようとするが、口を開き始めたのと掌から赤いレーザービームが放たれたタイミングが丁度重なった。
赤の奔流がチェンの視界を覆い尽くし、
『随分と呆気なく終わったか。やはりこの体……フッ、人を救うと言っておきながら、なんだこの殺傷力の高さは。コレで人を救うなどと片腹痛い。実に人間の様に愚かしく、愛する余地のない存在だ』
そう独り言ちながら、その場を離れようとして……その存在を前に立ち止まる。
先程照射した巨大レーザーの進路上には、何もかも無くなっている。その筈だった。だが、今黒蛇の視界には、そのレーザーの進路上には、パトリオットをすっぽり隠せる程の大きさをした長方形が突き刺さっていた。
いや、長方形ではない。盾だ。盾が堂々と佇んでいる。その盾は突然ガチャガチャと音を立てて折り畳まれ、瞬く間に2つの小さな長方形、だが人が持って振るうには大き過ぎる二振りの大剣へと姿を変えた。
そして、小さくなった事により、7人の先民とMon3trが生きている事と、彼らを守った存在を認識して、黒蛇の不快感は頂点に達する。
『………お前は――』
その存在は、今の黒蛇の体とは真逆の色をしたコートを羽織っていた。白衣の様にも見えるそのコートの背中側には、これまた謎の装置と、薄っすらとハートの模様が描かれている。たったそれだけの情報で、後ろの7人と1匹は、この存在がなんであるか理解した。
『……行ってくれ』
「お前――」
『返事は結構、早く行ってくれ』
「………ッ」
その雰囲気に冗談が殆ど無い事を感じ取ったチェンは、開こうとした口を閉じて立ち上がり、その存在に背中を預ける。ドクターはアーミヤを背負って立ち上がり、ケルシーはMon3trをしまい、ボジョカスティはタルラを抱き上げ、Wとスパラディは何も心配していないかのように、背を向ける。
さて、守らねばならぬモノは無くなったが、まだ周りを気にせずやれる訳では無い。少しの間抑え気味な行動しか出来ないだろう。早くチェルノボーグから去ってもらいたいものである。
ん?結局この白コートの先民愛者は誰だって?そんなん聞かなくてもわかるだろう。
『新たな体を用意してまで、私の邪魔をしようと言うのか!』
私だよ。
アニメアークナイツ第一話。プレイ民としては満足な出来でしたね。将来有望だよ(下から目線)そして映像化に伴う状況のわかり易さにより、この二次創作のチェルノボーグ事変での描写や解釈のズレもわかり易くなって夜しか眠れない作者です
あと黒蛇さんさぁ、セリフ書くのが割としんどいんだけど。アクナイ構文苦手なのよ。まだケルシー構文を頑張って捻り出して書いてる方がマシなんだけど。黒蛇のキャラ崩壊とか話的にしちゃ駄目だから気をつけたけど……おぉん(圧倒的長セリフ執筆経験不足)
そして次回最終回です(後日談が無いとは言っていない)