アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート 作:ゲルゲルググ
チェルノボーグ事変終了!レユニオン壊滅!だけど殆ど生存!
そんな訳でチェルノボーグ事変から約数日。境界無き方舟もといホモ都市の中は、アニメのクリスマスパーティー並みに飾り付けされ、ミラーボールが輝き、バイブスアゲアゲパーリーピーポーウェェイ!!な打ち上げ祭りで盛り上がっている訳では無かった!
いやまぁ、食堂にある一部のテーブルに沢山料理が並んでたり、黒蛇を打ち倒したホモの遺体(義体)を複数人の肩に乗せて棺桶ダンスする位にはパーリーピーポーしてるけどね。昨日はチェルノボーグ事変が解決した後の後始末…主に拉致って来たレユニオンやチェルノボーグ市民のメンタルケアや治療、ウルサス兵の一時投獄ナドナドを漸く終え、達成感でピロサ族にも劣らぬ怠惰な1日を送った奴らとは思えないハッチャケぶり。
まぁエンジョイ出来る時にするのはいい事である。
「…………」
いや、ここにそうでもない感じのウルサス人が1人。
「納得出来ないッ……!」
「「「「それな」」」」
スカルシュレッダーとその部下達は、なんの料理も置いてないテーブルの席につき、それぞれ項垂れていた。
何故彼らがこうなのかと言えば、一連の事件が既に終わっていたからと言う他無いだろう。数日前に漸く目が醒め、目の前にいた姉と感動の再会をしていた時に例の黒コートから言われた『レユニオンはもう壊滅したゾ☆』の一言は、スカルシュレッダーの顔を宇宙ウルサス人にしたのであった。
「そもそもコイツらは何でこんなに呑気なんだ?!」
「何故か何故かと聞かれたら!」
「答えて上げるが世の情け!」
「誰だお前ら?!」
方舟のモブオペです。
「えぇい近づくな!」
「うるせぇ近づくぞ!」
「何なんだテメェら?!さっきからオレ達に関わりやがって!元々敵同士だぞ?!」
「ダハハハハッ!また敵味方の概念を引き摺り出したな?!他のヤツは無いのかァ?!」
スカルシュレッダーの部下が放った一言は、祭り気分だった方舟のオペレーター達の動きを止める訳でも無く、その言葉は周囲の喧騒に飲み込まれていった。だって、何回も言われてますしお寿司。
「あ!アレックス!ちゃんと来てたのね!」
「み、ミーシャ?!」
オイなんかミーシャ姉貴がどう見てもエグい事になりそうな料理を皿に大量に盛り付けてやって来やがったぞ!
「えっあっ…ミーシャ?コレ……」
「うん、私が作ったの」
スッ!と頭を机へ打ち付けた。両手で頭を抑え、マジかと呟く。おかしい、姉の料理センスは可も無く不可も無くの普通だった筈だ。
最早己がアレックスではないとか訂正してる暇すら無かった。今は目の前の地獄から逃れる事で頭が一杯だった。
そっと対面する位置へ座ったミーシャを見る。
「………」(ニコニコソワソワ)
(駄目だどうしよう?!)
この弟、姉が作った料理を食べないという選択肢は出来ない性分であった。
「……実はね、ずっと話したい事があって」
「え?このタイミングで昔話的なのするの?!」
「……なんだ」
「いや聞くのかスカルシュレッダー?!」
「ハイハイ、取り巻きはこっちで極死でやる的当てしようねー」
「なんだテメ離しやがれ!HA☆NA☆SE☆」
取り巻きがボッシュートされてしまった。コレで姉弟二人きりの話し合い場となる。
間にゲテモノがなけりゃ完璧なんだよなぁ。
「アーミヤ…ロドスの人にも言った事なんだけどね」
ロドス、その言葉が出て来た瞬間、スカルシュレッダーの目つきが鋭くなる。だがそんな怖い目を浴びせられても、ミーシャは口を閉じなかった。
「ねぇ、覚えてる?あの頃のアレックスはちっちゃくて、宿題すら上手く出来なくて……よく教えてたんだよ、私」
「ミーシャ」
「あの時私…あなたをコレからずっと、守って行こうって、寄り添って行こうって思ってたの」
「止めろ……」
「でもあの時、あなたが連れてかれる時に私は――」
「もういいって言ってるだろ!」
言葉を遮る様に声を荒げる。少ししてからハッとして顔を上げるスカルシュレッダー。
だが彼の目に写った姉の顔は予想と違い、今にも崩れ落ちそうな笑顔であった。
「アレックス」
姉の優しい声が、酷く耳に響く。
「ごめんね。私あの時、逃げちゃった。あなたを裏切って、自分だけしか守らなかった」
「違う!!!」
こんな事を言わせる為に、彼は姉との再会を望んでいた訳では無かった。こんな、全てを悟りきった様な懺悔を聞きたい訳では無かった。
「私ね、感染者になって、龍門のスラムで住むようになって、やっとわかったの。感染者達がどんな仕打ちを受けていて、そんな感染者達がどうしてレユニオンに入ったのかを」
「止めろって言ってるだろ!」
気づけば、彼は席を立ってミーシャの目の前に立っていた。きっと今、自分は怖い顔をしているだろうと思うスカルシュレッダー。だがそれでも良いと思った。姉がこれ以上言葉を紡がなければそれで良いと。
だが、それでもミーシャは口を開く。
「非感染者は感染者に酷い扱いを沢山してきた。それを身をもって知って……はっきりわかる様になった。非感染者は、今までしてきた行いを返されても仕方ないよ。それくらいの事を沢山してきた。だからね、アレックス」
まるで服と背中の間に蛇が入り込んだかの様な悪寒に襲われる。席を立ち、己の片方の掌を両手で優しく包む姉の次の言葉を――
「私はあなたに――」
「姉さん!!!」
何が何でも、その言葉を言わせる訳にはいかなかった。
スカルシュレッダーはミーシャの手を振り払い、すかさず彼女を抱き締める。
「姉さんだってッ……姉さんは何も悪く無い。だからそんな――」
「ッ…うぅっ!だって、だって!」
耳元から漏れ出るミーシャの声に、嗚咽が混じる。
「私だって、前まで非感染者だったんだよ?!助けを求めるあなたを裏切って、見捨てたんだよ?!そのくせ一人で勝手に、ずっと後悔して……っなのに!なのにッ!龍門であなたと再会出来た時も、あなたを信じてあげられなかった!」
「でも……!」
「あなたが許しても、私がやった過去は消えないの!」
「それでもだ!」
やっぱり姉は優しいと、彼は思う。
やっぱり弟は優し過ぎると、彼女は思う。
だからこそ、アレックスにとってミーシャという存在は、いつ如何なる時でも家族なのだ。
「俺は姉さんを恨んだ事は一度もない。あの雪の日の時もだ。姉さんがどんな人間だろうと、俺は姉さんが大好きだ」
「うぅっ……ずるいよアレックス。私、勇気出して言ったんだよ?なのに……ッ」
「俺と話すのに、勇気なんて必要ないだろ。家族なんだぞ?」
「でもッ……!私は、あなたを裏切って…その上信じる事をしなかった!だから今度こそ私が守らなきゃって!ッ…アレックスが起きる前に、もう見ないふりはしないって…ちゃんと全部受け止める大人になるってッ、決めたばっかりなのにぃ!」
「……なんだそりゃ。そんなの、姉さん一人に出来る訳ないだろ?」
「でも…だって……ッ」
「だから、俺も一緒に受け止めるよ」
「ッ?!」
ミーシャから体を離し、顔を見る。ミーシャの顔は涙でぐしゃぐしゃで、少し笑いそうになったのは秘密だ。
だけれど、ガスマスク越しよりもはっきりミーシャの顔が見えている。あの時から変わらない顔だった。
「姉さん一人じゃ心配だからな。俺も姉さんと一緒に大人にやってやる!俺と姉さんで、今度こそ…一緒に!」
「……ずるい、ずるいよ」
「それで姉さんが笑顔になるなら、何でもやってやる」
「………ごめんなさい」
「いいって」
「ごめんなさい…!」
「だからいいって。それで姉さん、俺への返事は?」
アレックスの言葉にミーシャは返事をしようとして……嗚咽で言葉に詰まる。止まらない涙を袖で雑に拭いて、改めて――
「……私も一緒になりたい。あなたが許してくれるなら、コレからずっと!」
さっきまでお祭り状態だった周囲も皆静まり、姉弟のやり取りを見て誰かに思いを馳せる者や、何か小さな事を決意する者が現れる。貰い泣きしている者もいる。
だがこの場にいる殆どの人間の心中は一緒だった。コイツら助けてて本当に良かったと。
アレックスも、ミーシャに再会出来て、こうして話し合えた事に満足している。ただやっぱり、場所が少し嫌だなと思っていた。最早こういう事で余り場所を選ぶ様な性格では無くなったが、ホモに無理矢理連れて来られたこの場所じゃなかったら最高だった。というか出来れば今すぐにでもミーシャと部下を連れてこの場所から出たかった。このホモ色んな奴に嫌われてんなマジで。
『うぅ…イイハナシダナー。特に姉と弟が密接しながら心を打ち明けるのは最高だよ。最高過ぎるから間に挟まってきていい?』
は?
「コイツ殺せ!」
「空気読めこのバカ!」
「前からコイツのこういう所だけは気に食わねぇ!」
「恥を知れノンケ!」
「アタシはこの光景を死ぬ前から見たかったの!わかる?この罪の重さ!」
「アンタは薔薇の間にケツでも突っ込んでな!」
「童貞野郎!」
「ネーミングセンス壊滅!」
「チェリィパァァァイ!」
「ざぁーこ♡ざぁーこ♡」
「蹴り穿つ!」
『ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
棺桶ダンスに使われていた義体が突然アホな事を喋りだした瞬間、その義体を床へ叩き落し、方舟オペレーターとその他住民による死体蹴りならぬ義体蹴りが始まった。もう駄目だなこの組織。
こんな奴にレユニオンは壊滅させられたのか、とアレックスの中で苛立ちが湧き始める。早くミーシャニウムを供給させなければ。
「チィ!折角のいい感じな雰囲気が台無しだ!オイエレキ…は向こうだった。誰か引ける奴いる?!」
「ハイハーイ!アタシ達、文化祭でバンドした事あるよー!」
「よぉし!バイブスアゲアゲで頼むぜ!」
一瞬にして、バイブスアゲアゲパーリーピーポーウェイな雰囲気が戻って来る。
「おいクソ野郎」
「アレックス!流石に……」
目の前で白い絨毯と化したホモに向かって少し近づき、アレックスは呼び掛ける。
『はい、クソ野郎です』
「チッ、いいかよく聞け。いつか必ず俺達は此処を出て、レユニオンの様な感染者の組織を作る」
『それで?レユニオンの二の舞いになると?』
「つくづくムカつく奴だなお前!」
「ふふっ、大丈夫だよ」
ミーシャがアレックスの隣に立つ。
「今度は二人だから大丈夫…ね?」
「……ふん」
『よぉし!じゃあ今から体力作りだな!』
「はぁ?!」
『未来を語るも良いし、過去を悔やむのも良い。だからこそ、今を楽しんで備えろ!』
そう言って一瞬で二人の背後を取ると、背中を勢い良く押す。
『オラ楽しんで来い!』
「だッ―何をするんだお前!」
「アレックス、行こう!」
「あちょっと待てミーシャ?!」
そうして、賑やかな雰囲気の中へと向かって行く二人を見送ったホモは、さっきまで二人が座っていた席に腰を降ろした。
「………なぁイモータル」
『なんだいアクアクラウン君』
「アブソリュートだよ。任務以外は名前で呼べって」
『スマヌスマヌ…で、なんの用よ』
「このゲテモノなに?」
『あぁそれは私が悪戯心で厨房のレシピに紛れ込ませた「ハイビスカス流健康食」から生まれた産物だ。ミーシャは良くもまぁ正直に作ったもので』
「シンプルに最低だな」
『どれ、味も見ておこう』
「正気か?!」
『うん……美味い!美味い!美mガガガガガガガガガ!!!!』
「バカなの?!」
「なんだ?踊ってんのか?」
「ダンスは、嫌いだなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
「Yeah!お前に本当のダンスは踊れなア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」
「悪夢か?」
「現実だぞ」
龍門、住宅街とスラム街の境界
その店は、龍門にひっそりと建っていた。『MUGENTENSEI』というその料理店は、住宅街とスラム街の丁度あいだ辺りに建っているもんだから、客足は多い訳でもない。ただ、常連客というもの好きはバッチリ確保していたから、いつも店の半分は人で埋まっている…そんな感じの料理店だ。
だが今日に限って、その席は満席になっていた。おまけに入口の扉には『団体様貸し切り中』という札が下がっていた。
「チェルノボーグ事変の無事終息を祝ってー!」
「「「「乾杯!!!」」」」
ここに集まり様々な料理を食べ始めた先民達は、文字通りバラバラだった。種族も様々、スラム街と住宅街に住んでいる者たちが当たり前の様に話している。しかもその半分が感染者だ。
これの理由は単純明快。今ここにいる全員が、龍門へ襲撃してきたレユニオン達に抗った者達だからだ。
だが、その約半分の先民は、もう一つの共通点がある。
「にしても、本当に何なんだよ?あの方舟ってヤツはさ」
「さぁね、少なくともあんな色んな意味で都合の良い組織なんて僕は知らないよ」
「そりゃそうだろ。他国にいる奴らからも何回も聞いたよそれ」
「お前の知り合い、方舟にいるんだろ?なんかスレで言ってなかった?」
「結構スレして来るけど、聞く限りじゃロドスとそんな変わんねぇって言うか」
「方舟もそうだけどさ、古龍の目撃報告とかもあったよね」
「なんかホント、俺達の知ってるテラと全然違うよな」
「方舟の…なんていうかな、要素っていうの?なぁんか見た事あるモンが散りばめられてるって言うか」
「わかるそれ。あの黒コートとか諸にXⅢの奴だし」
西洋料理や和食に箸をつつき、それぞれ舌鼓をうちながら皆口々に境界無き方舟の事について話している。
「そういやクモ野郎は?アイツ方舟の野郎と話したんだろ?」
「残念、今も絶賛人助け中だ」
「そろそろ過労死するんじゃないの彼」
「ここマフィアとか普通に潜んでるからな。あとゼヴェルとウェンがたまに見境なく殺りあってる」
「「「「またアイツらかよ」」」」
一緒の席で飯を食っていた複数人は、今も頑張っている親愛なる隣人に乾杯と心の中のエールを送った。
「ホント、七夜改変の人達ってあと何人いんのかね」
「龍門にいる2人とは別に、ロドスのエリートオペレーターとして1人、サーミに1人、好奇心を理由に聴罪師をストーキングしているのが1人、あとはクルビアにあるライン生命の本部に1人監禁されてた筈」
「凄い知ってんのね。何処の板で聞いたのよ?」
「でも多分あと1人どっかにいる筈なんだよね〜」
「無視すんなやゴルァ!!」
【あと1人なら
「あぁマジか………誰だお前?」
会話が止まる。その席にいる先民の目線は、当たり前の様に空気椅子をして席についている黒コートの男へと向いた。
【……なんだ、続けないのか?】
「誰なんかって聞いてんだよ」
【さっきまで話してたろ。ならわかってる筈だ】
「……方舟の関係者か」
【イグザクトリー!!その通りで御座います!】
黒コートが大きな声で肯定しながら拍手する。その瞬間、店内は一気に静まり、ヒソヒソとした声が微かに響く。
【オレチャンは境界無き方舟だ、知りたい事何でも教えよう】(Google起動)
「何で方舟の奴なんかが此処にいる?」
【オイオイ、そんな質問で良いのか?回数制だぞ?】
「チッ、ウゼェなお前」
【まぁ何でもいいがね。例えばそう……
どうしてお前らが、こんなクソみたいな大地の人間に
「ッ―――!」
ガッと、店にいた客の約半分が一斉に席を立ち、空気椅子状態の黒コートを取り囲む。
【気になるだろ?なぁ、転――】
ロドス・アイランド、療養施設
「シンブンシッ!(くしゃみ)……なんか寒くね?」
「……何が言いたい」
未だ全身ミイラ人間状態となっているエレキ君、久しぶりの登場である。
そして向かい側には、我らが白うさぎがムスッとした顔をしていた。勿論、彼女の首にはアーツの使用を抑制する装置が嵌められてある。
「いやお前、ホント俺たちに対して当たり厳しいよな」
「当たり前だ。何回も言ってるだろう、私はお前たちの事が嫌いだ」
……パンッ!っと読んでいた本を勢い良く閉じる。
「でもこの怪我は流石にやり過ぎだよなァ!?めっちゃ冷たくて痛かったんだけどォ?!」
「自分で私の前に立っておきながら何を言う!」
「うるせぇ!んな事言うなら龍門襲ってくんなワレェ!」
「我々感染者が生きる為だ!」
「最初はレユニオンに行こうと思ったけどな!アイツに拾われて正解だったよチクショー!ちゃんと全員助けてもろて!」
以下、賑やかな口喧嘩が続く。
「……お二人共、今日は一段と仲がいいですね〜」
「「何処が?!」」
どうやらハイビスカスの一声が、醜い争いを終結させたようだ。矢張り最後は言葉、はっきりワカンダフォーエバー。
「そういや、今日はあのいけ好かないフェリーンの人見ないな」
「あぁ、ケルシー先生なら………」
境界無き方舟、先頭車両
「……どうした?」
『悪いな、ちょっとトイレ行ってた』
「は?」
『冗談だコノヤロー!』
ケルシー先生に冗談なんぞ言ってはならない。通じないからね、仕方ないね。
『まぁ、ちょっとそこら辺の義体に一部の演算能力を送っただけだ気にすんな』
「トラブルか?」
『そんな感じ。まだ起きた訳じゃ無いが、事前準備と言った感じ』
「己の体内で起こる事は、余すこと無く把握しているという訳だな」
『ハハハ、体内とは言い当て妙だな』
凄く口を挟みにくい会話を続けながら、制御中枢の部屋へ入る。そして迷いなく中央にある大型モニターとキーボードの前に立ち、カタカタと操作していく。
一度モニターが暗くなり、中央にパスワードを打ち込む枠が現れ、そこにカタカタと入力する。
1145141919GATE810
ほぼ数字しか無いくせに無駄に長いパスワードやめろ
「コレは……」
『さぁ、もう少しでゴールだ』
モニターがパッカーンと半分に割れ、したからせり出たエレベーターの中へ入る。そして扉が閉じて少しして、シュンッと下へ降りていった。
『いやぁね、本当はまだ私の事を君達に教える予定では無かったんだ』
狭いエレベーターの中で、ホモは語る。
『なのになんだあの狂撃制圧型がァァァ!!!クソポンコツ!最早不良品!人様に迷惑かけるとか本当に私が設定した行動パターンか恥を知れ!』
「………」
簡単に言えばこうだ。
チェルノボーグでの決戦の日。あの時狂撃制圧型に襲われた事実をブレイズは告白。そしてドクター、アーミヤ、ケルシーの3人と共に、ホモはその日、尋問室で1日みっちりと話し合いが行われた。終わった時ホモは死んだ。
その結果、色々の謝礼として払われる事となったのは、方舟の技術であったとさ。
「1つ、聞いてもいいだろうか?」
『なんでございましょうか?』
「君は、恐らく半年前だろうか?一応我々も、君達の事は少なからず耳にしていた。場所が割れ次第、接触も測っていくつもりだったが……まさか、同じ目的によって、チェルノボーグで相見えたと知った時は驚いたよ。そして、我々よりも…いや、国家が所有する科学力、軍事力、それらに勝るとも劣らぬ、もしかすれば上回っている可能性もある程の力を持つ組織だとは思ってもいなかったがな。ここから本題だが……コレを期にちゃんと聞き出すことに決めた。君の正体はなんなんだ?君は感染者を集めて、何をしようとしている?君は感染者を治療するだけでなく、衣食住を与え、己の体内に過ごしでも住み続ける様に促しているだろう。違うのなら後で訂正して構わない。我々も確かに目的の為に感染者の保護を優先しているが、君の目的が何なのかは、まだ知らないんだ。教えてくれるだろうか?感染者を集め、あの高性能なシミュレーションシステムを使った訓練で戦士を作り上げて、何をしようとしているのかを」
ケルシー先生が話を終え、その回答をホモへ促す。そしてホモは暫くの間、直立不動で、ただケルシー先生へ何もない顔を向けていた。対してケルシー先生も、そんなホモに不気味な何かを覚え始めている。
まぁそんな緊張してて申し訳ないが、今のホモは『やっべー、生のケルシー構文じゃん。なっが。でもなんか感動的。チェルノボーグ事変は話させようともしなかったからな…だって長いし』と言う演算をしていた!真面目にしやがれ。
『……なんだケルシー先生。もしかしてこの私が、軍隊でも作ろうとしてるだなんて…思ってんのか?』
「あくまで可能性の一つとして」
『じゃあ否だ。別に私は軍隊なんて統率された殺戮集団を作るつもりは無い』
「………そうか」
『そもそも、軍隊作るなら人はいらない。カジミエーシュやウルサス、ヴィクトリアの軍隊の動きをラーニングして最適化させた義体を量産すればそれで終わりだ。時間と資材があれば簡単じゃないかもだが作れる。もし人間を使うにしろ、それなら殺人思考が抜けきっていない感染者や精神不安定な感染者を精神鑑定として独房にブチ込んで、半永久睡眠させて、精神だけ仮想空間に送ってキッチリ話し合いする必要は無い。パトリオットとかもそうだな。今は臓器周りの源石を除去して、その後ロドスへ送る予定だが、軍隊を作るつもりなら、それこそ彼の脳を摘出して……もうこの話終わり!閉廷!』
まるでヲタクの様に非人道的な事をペラペラ喋っていたが、ついに黙った。面白く無い事を話すのが耐えられなかったのだろう。弱いホモだ。
まぁそのお陰でケルシー先生も、そんだけ考えて置きながら今まで実行していないと言う事実を鑑みて、軍隊を作るつもりはないと一応理解してくれた。
「それだけ考えていて尚否定するか……ならばいったいどんな理由があると言うんだ」
『そうですね、一言で言うなら………
愛!ですよ!』
「何故そこで愛?!」
エレベーターが最下層へ到着する。
『まぁ、コレから詳しく話すよ。技術は勿論…だがアンタだけ特別に、
「なんだと?」
『あそうだ!ケルシー先生はさ、死んだ人間が何処かで生まれ変わるだなんて事、考えた事はあるかい?』
「……考えた事は無いと言えば嘘になる。が、既に答えは出したよ」
『そうか、なら新しい答えを提示してやれるな』
エレベーターから降り、暗い空間の中長い廊下を歩く。暫く歩いていると、目的の場所へついたのか、黒コートの歩みが止まった。
そしてそれと同時に照明がつき、暗かったこの空間は一気に明るくなった。
「ッ……コレは―」
ケルシーの目の前にそびえ立っていたのは、白い円柱だった。表面にはマゼンダ色の血管の様な模様が彩り、脈打っているかの様に光っている。頂点部分には、この空間の周囲から伸ばされた大小様々なケーブルが繋がれ、照明の光量をいくらか遮っていた。
『再現開始』
そして目の前の黒コートが、塗り潰されるかの様に白くなり、純白の白衣へと姿を変える。
『さて、一応初めましてとしますかな。なにせ、貴女は俺の事を忘れている様だし』
「ッ?!」
『まぁ、会話を一言二言した位だけども…やっぱり、他人に覚えられるにはこれぐらいしないと駄目だって事ですね』
「何を…言っている」
『なぁに、ちょっとした自己紹介って感じです』
フードを外すと同時に、文字通りなんの飾り気もない頭部に肉付けするかの様に、3Dの映像が投影され、ちゃんとした人の頭となる。腰にも映像が投影され、ファディア族の尻尾が現れる。
顔の形は端正で、黄色く丸い瞳、好青年と呼べるような男性の顔。だがその白い髪は、フロストノヴァの様な生れつきの
まるで、若さと老いの両方…またはどちらでもない男が、ケルシーの目の前に現れた。
『俺は普通に産まれました。すくすくと育ち…まぁ怠惰な時期もありましたが、なんやかんやあって120年の生涯を終えました。そしてこの大地に生まれ変わって、わざわざ北まで出向き、不老の悪魔と契約してまで約800年も無様に生き続け……コレを完成させてから、俺は真の意味で、自ら生涯を終えました』
「君はいったい、誰なんだ」
『俺はイモータル・イムホテップ。それじゃあケルシー先生、この大地の行く末、その少し先の未来の話をしていきませんか?』
コレで本へは当分終わり!閉廷!解散!
だが!サイドストーリーを書かないとは書いていないねぇ!
サイドストーリー淫夢実況編、始まります(不定期更新&作者がやりたいサイドストーリーから書いていく予定)
所で、そんなホモ作者が活動報告で何か募集してるみたいっすよ。
それと人事資料を更新しました。洒落た技名が追加されました。
それじゃあまた次回、サヨナラー。
所でアーマードコア新作ってマジ?