T-800(守護者)になった俺の前線生活 作:automata
「頼む!帰らないでくれー!!」
「ええい、離せー!」
鉄血の警備任務(というよりハウスキーパー?家政夫?)の最終日の夜。アーロンやその他の研究員に張り付かれています。
「もういいだろ!代理人だって、洗濯も掃除も料理だってある程度できるようになったじゃないか!」
「知るかそんな事!そもそも君はうちの人形だろ! 親である鉄血で働くのは当然じゃないか!」
「横暴過ぎるだろ!」
そんなこんなで代理人に助けを呼んでなんとか彼らを引き剥がすことに成功した。
「あー、精神的に疲れた」
「お疲れ様です。先生」
仕事で与えられた部屋で代理人がサンドイッチなどの軽食と紅茶を持ってきた。というかこの掛け合いって前にもしてたよな。
チラッと代理人を見ると慣れた手つきで紅茶を注いでいた。根気よく教えた甲斐があるというものだ。
「どうぞ」
「ああ、ありがとう」
ティーカップを受け取って、飲む。暑過ぎずぬる過ぎず、程よい温度で飲みやすい。
テーブルにサンドイッチが乗った皿を置いた。どれも見た目は普通だ。ダークマターに練金していた最初の頃と比べると物凄い成長だ。
ツナサンド?みたいなやつを食べる。うん、うまい。でもツナっぽくない味だ。
「中身はなんだこれ?」
「知らない方がいいですよ」
あっ、詮索するな、ってことですね。深くは聞かないでおこう。センサーがめっちゃ化学調味料やら虫の幼虫の羅列を表示しているが黙っておこう。
「頼む!帰らないでくれー!」
「ええい、離せー!」
車に荷物を積み込んでいるとアーロンが足にしがみついてきて、昨日と全く同じくだりをする。
「だーかーら!きみはうちのにんぎょ「うるさいです」アバババババ」
困っていると代理人がアーロンにスタンガンを突きつけた。バチバチと電流が迸る音がして、アーロンは気絶した。
「助かった、それと奥で処刑人が伸びてんだがどうしたんだ?」
「彼女はあそこに住んでます」
教えてもいないのに組合員らしい返しをする代理人。絶対、俺を引き止めようとして、代理人にスタンガンで気絶させられたな。1番俺の料理にがっついてたの処刑人だし。
「それでは先生、また会いましょう。必ず先生の腕を越えてみせます」
「ああ、またな」
ちょっとした宣戦布告をされて、俺は車に乗って、研究所から出た。バックミラーを見るとアーロンと処刑人を引きずっている代理人が見えた。
「ヤバイ!おいみんな逃げろ!」
「やめろーみんなしんでしまうぞー!みんなしんでしまうぞー!」
「あぁぁぁーー!来るぅぅぅー!」
久々に帰ってきたS09地区基地。1週間見ない間にドンパチ賑やかになってんな。
っと、現実逃避はほどほどに。見たことない人形達がレナに実戦方式の訓練をさせられていた。基地内でドンパチとはたまげたなぁ。
「今日の訓練はこれで終わり、お疲れー」
クッタクタになっている人形達を尻目にレナは俺を見ると駆け寄ってきた。
「おかえり、おじさん」
「ああ、ただいま。それとこの状況は?」
「最近グリフィンに入ってきた子達よ。上から新人の訓練をするようになったの」
ここに連れてこられた人形達に哀悼の意を。だが、これを乗り越えたら強くなれるから頑張って欲しい。そう思って心の中で手を合わせる。
「じゃあ、俺は荷物を部屋に持っていくから」
「分かった」
俺は荷物を持って、レナと別れる。
たった1週間しか経っていないのにここが物凄く懐かしく感じる。歳をとったのかもな。
「うぉ!」
曲がり角で誰かとぶつかった。
「すまない、大丈夫か?」
「大丈夫です」
ぶつかったのは俺と同じくらい背丈の女性だった。グレーの軍服を着込み、銀髪でつり目、クールな印象だ。うーん、AK15に似てるけどゲームでこんな子いたっけ?
「あなたが指揮官の言っていた副官ですか?」
「えっ? ああ、そうだが」
「申し遅れました。私はポドヴィリン9.2mmオートマ、本日よりS09地区基地に着任します」
うせやろ? あれ映画の架空銃だぞ。
代理人
最終的に美味くて栄養満点で安ければ良かろうなのだ精神に行き着き、化学調味料や虫に手を出した。多分、知ったらみんな食べなくなると思う。